- 原産:北アメリカ
- 科:ヒノキ(Cupressaceae)
- 属:イトスギ(Cupressus)
- 種:ヌートカテンシス/イエローシーダー(nootkatensis)
- 英名:イエローシーダー(yellow cedar)
- 別名:ヌートカ・サイプレス(Nootka cypress)/イエローサイプレス(yellow cypress)/アラスカ・サイプレス(Alaska cypress)/ヌートカ・シーダー(Nootka cedar)/イエローシーダー(yellow cedar)/アラスカ・シーダー(Alaska cedar)
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:緑色●黄色●
- 葉の色:緑色●黄色●
- 分類:常緑高木
- 草丈:約1500~4000cm
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
イエローシーダーとは!?
イエローシーダーは学名Cupressus nootkatensis、別名では「ヌートカ・サイプレス(Nootka cypress)」や「イエローサイプレス(yellow cypress)」とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑高木です。
イエローシーダーの語源(由来)
- 属名のCupressusの由来は恐らくギリシャ神話に出てくるキュパリッソス(Κυπάρισσος)からきています。
- キュパリッソスはテーレポスの子でケオース島に住む美少年です。ケオース島にはキュパリッソスと仲良くしていた金色の角をもつ雄鹿がいましたが、キュパリッソスはある時誤って投槍で雄鹿を殺してしまい深く落ち込んでしまいました。キュパリッソスはその哀しみから、神々に永遠に喪にふくす事を願い、その願いによりイトスギに変えられたという伝説があります。
- 種小名のnootkatensisはバンクーバー島のヌートカ族の地で発見された事に由来します。
イエローシーダーの特徴(魅力)
- イエローシーダーは小枝が垂れ下がるため「滝」や「幽霊が羽織るボロ布」を連想させる個性的な外観をしており、その個性的な外観から庭園などのフォーカルポイントとして利用され美しいランドスケープをつくる植物です。
- また腐敗に強く優れた耐久性がある木材が、造船やフローリング、屋外用家具、彫刻等の様々な場所で使われており、非常に優れた良材の1つとして商業的な用途で取引されています。
- イエローシーダーの樹形は円錐形、幹は垂直に伸び、主枝は水平(斜め下)に広がり、主枝から出る小枝(側枝)が下垂します。
- そのためボロ布を羽織ったかのような独特な外観となり、やや不気味な印象を与えるかもしれません。
- イエローシダーの葉は非常に小さく鱗片葉と呼ばれており、小枝に鱗の様についています。
- 枝葉は羽のように広がり光を通す均一な空間をつくるため、透かし模様が入るレースの編み物の様な繊細な印象を与えます。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色もあるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
イエローシーダーの樹高は約1500(~4000)cm、樹形は円錐形、幹は単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は水平もしくは垂れ下がり、小枝は下垂します。茎は木質で樹皮は赤褐色から灰褐色、樹皮は薄く縦に割れ、古くなると剥がれます。葉色は緑色、葉身は鱗の様に枝に付き長さ0.3(~0.5)cmの鱗片葉です。花は雌雄同株のため雄花と雌花が一つの木にあります。雄花は黄色(~茶色)をしています。雌花は緑色をしています。果実は球果で、球果は直径約1(~1.4)cmまでの球状で鱗が4(~6)個あります。
イエローシーダーの園芸品種
イトスギの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
イトスギの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
イエローシーダーの育て方
花壇の土づくり
日当たり
イエローシーダーは成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。
土壌の土質
イエローシーダーは幅広い土壌に耐えますが、ジメジメした過湿が長く続く状態や浸水する様な土壌では根腐れや真菌性(フィトフトラ等)の病気にかかりやすくなります。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり、水捌けと通気性のよい土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
イエローシーダーは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
培養土
イエローシーダーの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土+ボラ土(細粒)+腐葉土=4+2+4
- 赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
イエローシーダーは植え付け後、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように、水やりをしっかり行い育てましょう。
地植え
イエローシーダーは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
イエローシーダーを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
イエローシーダーはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。また冬から晩冬に肥料を与える事で成長がよくなる事もありますが、与えなくても問題ありません。
オススメは肥料の代わりに、株の周りに堆肥(腐葉土等)をマルチングする事です。堆肥でマルチングする事で、肥沃な土壌が作られ、雑草が生える事も防げます。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。基本的にある程度肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めるだけで良いです。肥料を与える場合は水平型の配合肥料もしくは緩効性肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
イエローシーダーは基本的には殆ど剪定せずに育てる事が出来ます。ただし剪定する事で、成長を制御したり健康な成長を促す事が出来ます。
剪定する際に注意する事は、葉のない場所まで強く剪定しない事です。何故なら古い茎(葉のない茎)から新しい芽が出て復活する事が基本的にないからです。また強い剪定も避けてください。何故なら外観を大きく損ねたりストレスで枯れてしまう原因にもなるからです。
イエローシーダーの高さを制御したい場合
イエローシーダーは剪定せずに育てると高さ4000cmを超えて成長する可能性があります。高さを抑えたい場合は必要に応じて「芯止め剪定」を行う必要があります。
芯止め剪定を行う時期は早春から晩春の植物にストレスのかからない時期に行います。
芯止め剪定のやり方は、木の最も高い場所にある成長点を高枝切り鋏や剪定バサミを利用して剪定するだけです。芯止め剪定を行う事で、頂芽優勢が崩れて上への成長が抑えられます。ただし恒久的に上への成長が抑えられるわけではないため必要に応じて定期的に芯止めが必要になる事もあります。
自然樹形として育てる場合
イエローシーダーの剪定時期は、早春です。
イエローシーダーの剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、病気の茎等の健康な成長を阻害する不要な茎を見つけて根元から間引き剪定します。また形を整える目的で茎の途中で切り戻し剪定する場合は、必ず葉の上で剪定しましょう。葉のない場所まで強く切り戻すと残された枝はそのまま枯れこみます。
夏越しする方法
イエローシーダーは夏の暑さに耐えますが、多湿を苦手にしています。そのため長雨等で浸水したりジメジメとした過湿が続かない様に注意する必要があります。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
イエローシーダーは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
イエローシーダーは挿し木で増やすことが出来ます。
イエローシーダーの挿し木の方法
- イエローシーダーの挿し木時期は晩夏から秋が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を利用しましょう。
- 挿し穂を長さ約10~15cmとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 培養土に幾つかの節を入れ深く挿します。
- 節の部分からも発根する。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
イエローシーダーの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
イエローシーダーの病気
イエローシーダーの害虫