イトスギは属の中に約19種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、枝の広がり殆どなく鉛筆の様に細く垂直に高く伸びる樹形が洗練された雰囲気をつくるホソイトスギ、円錐形の美しい樹形をつくり生垣や盆栽等にも利用されるモントレーイトスギ、枝葉が下垂れボロ布を羽織った幽霊を思わせる様な外観をしているイエローシーダー等が親しまれています。
イトスギ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
イトスギの主な種の目次
ホソイトスギの特徴や園芸品種
- 原産:地中海沿岸
- 学名:Cupressus sempervirens
- 草丈:約2000~3500cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:2月~4月
- 花色:緑色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 花言葉:死/哀悼/絶望
- 用途:生垣/カラーリーフ
ホソイトスギとは!?
ホソイトスギは学名Cupressus sempervirens、別名では「セイヨウヒノキ」や「メジタレイニアン・サイプレス(Mediterranean cypress)」とも呼ばれる地中海沿岸が原産の常緑高木です。
ホソイトスギの語源(由来)
- 属名のCupressusの由来は恐らくギリシャ神話に出てくるキュパリッソス(Κυπάρισσος)からきています。
- キュパリッソスはテーレポスの子でケオース島に住む美少年です。ケオース島にはキュパリッソスと仲良くしていた金色の角をもつ雄鹿がいましたが、キュパリッソスはある時誤って投槍で雄鹿を殺してしまい深く落ち込んでしまいました。キュパリッソスはその哀しみから、神々に永遠に喪にふくす事を願い、その願いによりイトスギに変えられたという伝説があります。
- 種小名のsempervirensはラテン語で「常に」を意味する「semper」と、ラテン語で「(植物の)緑」を意味する「virens」の2語からきており、常緑の葉に由来しています。
ホソイトスギの特徴(魅力)
- ホソイトスギは幹に対して枝が短く横への広がりが殆どないため円柱形の洗練された形状をしており、その個性的な外観から庭園などのフォーカルポイントとして利用され美しいランドスケープをつくる植物です。
- また商業的には耐久性があり香りの良い材が工芸品等に利用されており、また枝葉から取られる精油が香料や化粧品等に使用されています。
- ホソイトスギの葉は非常に小さく鱗片葉と呼ばれており、小枝に鱗の様についています。
- 枝葉は羽のように広がり光を通す均一な空間をつくるため、透かし模様が入るレースの編み物の様な繊細な印象を与えます。
- ホソイトスギは境界を示す目的で、等間隔に並べて生垣として利用されることがあります。
- ホソイトスギの生垣はふつう洗練された印象や美しい景観をつくる目的で使用されるため、人や動物の侵入を防いだり、目隠し効果を期待する生垣ではないかもしれません。
- また植え付け間隔を狭めると密な生垣をつくる事もできます。非常に高木になるため圧迫感のある高い壁の生垣となります。
- ホソイトスギは墓地の周り植えられている事が多く、歩哨の様に木が立っているため「the churchyard cypress(教会付属の墓地のヒノキ)」等とも呼ばれています。
- ヨーロッパやイスラム世界ではイトスギ(cypress)は喪の象徴であり墓地の木として知られています。
- 理由は強く切り倒されると再生する事が出来ないため死と冥界に関連付けられたと言われています。
- 一方でユダヤ人の伝統では、イトスギ(cypress)がノアの箱舟と神殿を作った木として信じられており、また常緑の性質から永遠の美しさと不滅を象徴しているとされています。
- ヨーロッパやイスラム世界ではイトスギ(cypress)は喪の象徴であり墓地の木として知られています。
- ホソイトスギは1000年を超えて生きる事がある長寿の木として知られており、イランのヤズド州には「アバルクー(Sarv-e Abarkuh)」と呼ばれる樹齢4000~5000年の長寿なイトスギが今も生きてそこにあります。
- ホソイトスギは多湿を苦手にしており、特に夏の高温多湿環境では病気の影響を受けやすい傾向にあります。
ホソイトスギの茎は木質で樹皮は灰褐色もしくは褐色をしており、縦に割れます。樹形は一般的に円柱形で、茎(幹)は垂直に伸び茎(枝)は横へあまり広がらず高さ約2000(~3500)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は鱗の様に枝に付き長さ0.2(~0.5)cmの鱗片葉です。花は雌雄同株のため雄花と雌花が一つの木にあります。雄花は円筒型で黄色(~茶色)をしています。雌花は光沢のある緑色をしていて、熟すと赤褐色になり、最終的に灰褐色になります。果実は球果で、球果は直径約2(~4)cmまでの球状でゴツゴツした隆起があり、緑色から赤褐色、灰褐色に熟します。
ホソイトスギの主な園芸品種
モントレーイトスギの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Cupressus macrocarpa
- 草丈:約1200~2500cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:生垣/カラーリーフ
モントレーイトスギとは!?
モントレーイトスギは学名Cupressus macrocarpa、別名では「モントレー・サイプレス(Monterey cypress)」や「マクロカルパ」とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑高木です。
モントレーイトスギの語源(由来)
- 属名のCupressusの由来は恐らくギリシャ神話に出てくるキュパリッソス(Κυπάρισσος)からきています。
- キュパリッソスはテーレポスの子でケオース島に住む美少年です。ケオース島にはキュパリッソスと仲良くしていた金色の角をもつ雄鹿がいましたが、キュパリッソスはある時誤って投槍で雄鹿を殺してしまい深く落ち込んでしまいました。キュパリッソスはその哀しみから、神々に永遠に喪にふくす事を願い、その願いによりイトスギに変えられたという伝説があります。
- 種小名のmacrocarpaはラテン語で「大きい」を意味する「macro」と、ギリシャ語で「果実」を意味する「Karpos」の2語からきており、大きな実をつける事に由来します。
モントレーイトスギの特徴(魅力)
- モントレーイトスギは自然にピラミッドの様な円錐型に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。そのため、園芸では洗練された美しい外観を鑑賞する目的で育てられる事が多く、またゴールドクレスト等の幾つかの有名な品種では黄色の葉色を持つことからカラーリーフとしても楽しまれています。
- ただし自生地のカリフォルニア州の海岸では強風により、頂部が平に不規則な外観に成長する事もおおく、盆栽で仕立てられたかのような外観をしています。
- 樹形は根元から上部まで幹が1本の単幹で、若い時は円柱形から幅の狭い円錐形をしており、木が成熟するにしてくると下部が広い広円錐形の樹形をつくります。
- モントレーイトスギの葉は非常に小さく鱗片葉と呼ばれており、小枝に鱗の様についています。
- 枝葉は羽のように広がり光を通す均一な空間をつくるため、透かし模様が入るレースの編み物の様な繊細な印象を与えます。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色もあるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- 葉は触るとレモンを思わせるような心地よい香りがします。
- モントレーイトスギの生垣は自然な円錐型の樹形を生かしながら楽しむインフォーマルヘッジと、刈り込み剪定を行い形状を整えながら楽しむフォーマルヘッジのどちらでも利用出来ます。
- インフォーマルヘッジとして樹形を楽しむ場合、円錐型の木が並ぶ事から洗練されたお洒落な印象を与える生垣になります。
- フォーマルヘッジとして剪定しながら育てる場合、枝葉が小さく緻密に仕上がるため、お手入れされた清潔感のある印象を与えやすいです。
- モントレーイトスギは成長が比較的に早く、他の針葉樹と同様に背が高くなるため高い生垣をつくりたいお庭等におすすめです。
- 希望の場所で成長点を剪定(芯止め剪定)すれば、高さを抑える事ができます。ただし恒久的に抑えられるものではないため定期的に剪定が必要です。
- モントレーイトスギの生垣の植え付け間隔はふつう約50cm~100cmです。
- 枝葉が密に茂るフォーマルヘッジで楽しみたい場合は植え付け間隔を狭めにして、自然な樹形を生かしたインフォーマルヘッジで楽しみたい場合は成熟した木の横幅を目安にしながら広めの間隔をとるとよいでしょう。
- モントレーイトスギは多湿を苦手にしており、特に夏の高温多湿環境では病気の影響を受けやすい傾向にあります。
モントレーイトスギの樹高は約1200(~2500)cm、樹形は若い時は円柱形から円錐形で、成熟すると下部が広がる広円錐形になります。樹皮の色は赤褐色から灰褐色、成熟すると縦に割れます。葉色は緑色、葉身は幼木と成木で違い、幼木は針形をしており、成木では長さ0.2(~0.5)cmの鱗片葉です。花は雌雄同株のため雄花と雌花が一つの木にあります。雄花は円錐形(コブ状)で黄色(~茶色)をしています。雌花は円錐形で薄緑色をしています。果実は球果で、球果は直径約2(~4)cmまでの球状で鱗が6(~14)個あり、成熟するにつれて緑色から褐色へと色がかわります。
モントレーイトスギの主な園芸品種
- ゴールドクレスト(cupressus macrocarpa ‘goldcrest’)は、葉全体が明るく爽やかな印象を与えるライムグリーン(黄緑色)から黄色の葉色になるためカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は円柱状から円錐形に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があるため、洗練された印象を与えやすいです。高さは成熟すると1200cmに達することがあり、幅は300~600cmに成長します。そのため、広い空間で育てる場合を除いて剪定しながら管理した方がよいでしょう。
- ゴールドクレスト・ウィルマ(cupressus macrocarpa ‘wilma’)は、ゴールドクレストからの突然変異で生まれた矮性品種です。ゴールドクレスト・ウィルマは成熟しても高さが360cm程度にしかならず、また成長も緩やかで年間十数センチしか伸びないため管理がしやすい所が魅力です。またゴールドクレストと同様に、葉全体がライムグリーン(黄緑色)から黄色の葉色になるため明るく爽やかな印象を与えるカラーリーフとして楽しめます。樹形は円柱状から円錐形、高さは約150(~360)cm、幅は60(~120)cmに成長します。
イエローシーダーの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Cupressus nootkatensis
- 草丈:約1500~4000cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:3月~5月
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:カラーリーフ
イエローシーダーとは!?
イエローシーダーは学名Cupressus nootkatensis、別名では「ヌートカ・サイプレス(Nootka cypress)」や「イエローサイプレス(yellow cypress)」とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑高木です。
イエローシーダーの語源(由来)
- 属名のCupressusの由来は恐らくギリシャ神話に出てくるキュパリッソス(Κυπάρισσος)からきています。
- キュパリッソスはテーレポスの子でケオース島に住む美少年です。ケオース島にはキュパリッソスと仲良くしていた金色の角をもつ雄鹿がいましたが、キュパリッソスはある時誤って投槍で雄鹿を殺してしまい深く落ち込んでしまいました。キュパリッソスはその哀しみから、神々に永遠に喪にふくす事を願い、その願いによりイトスギに変えられたという伝説があります。
- 種小名のnootkatensisはバンクーバー島のヌートカ族の地で発見された事に由来します。
イエローシーダーの特徴(魅力)
- イエローシーダーは小枝が垂れ下がるため「滝」や「幽霊が羽織るボロ布」を連想させる個性的な外観をしており、その個性的な外観から庭園などのフォーカルポイントとして利用され美しいランドスケープをつくる植物です。
- また腐敗に強く優れた耐久性がある木材が、造船やフローリング、屋外用家具、彫刻等の様々な場所で使われており、非常に優れた良材の1つとして商業的な用途で取引されています。
- イエローシーダーの樹形は円錐形、幹は垂直に伸び、主枝は水平(斜め下)に広がり、主枝から出る小枝(側枝)が下垂します。
- そのためボロ布を羽織ったかのような独特な外観となり、やや不気味な印象を与えるかもしれません。
- イエローシダーの葉は非常に小さく鱗片葉と呼ばれており、小枝に鱗の様についています。
- 枝葉は羽のように広がり光を通す均一な空間をつくるため、透かし模様が入るレースの編み物の様な繊細な印象を与えます。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色もあるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
イエローシーダーの樹高は約1500(~4000)cm、樹形は円錐形、幹は単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は水平もしくは垂れ下がり、小枝は下垂します。茎は木質で樹皮は赤褐色から灰褐色、樹皮は薄く縦に割れ、古くなると剥がれます。葉色は緑色、葉身は鱗の様に枝に付き長さ0.3(~0.5)cmの鱗片葉です。花は雌雄同株のため雄花と雌花が一つの木にあります。雄花は黄色(~茶色)をしています。雌花は緑色をしています。果実は球果で、球果は直径約1(~1.4)cmまでの球状で鱗が4(~6)個あります。
イエローシーダーの主な園芸品種
アリゾナイトスギの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Cupressus arizonica
- 草丈:約500~2500cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●青色●白色〇
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:生垣/カラーリーフ
アリゾナイトスギとは!?
アリゾナイトスギは学名Cupressus arizonica、別名では「アリゾナ・サイプレス(Arizona cypress)」とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑高木です。
アリゾナイトスギの語源(由来)
- 属名のCupressusの由来は恐らくギリシャ神話に出てくるキュパリッソス(Κυπάρισσος)からきています。
- キュパリッソスはテーレポスの子でケオース島に住む美少年です。ケオース島にはキュパリッソスと仲良くしていた金色の角をもつ雄鹿がいましたが、キュパリッソスはある時誤って投槍で雄鹿を殺してしまい深く落ち込んでしまいました。キュパリッソスはその哀しみから、神々に永遠に喪にふくす事を願い、その願いによりイトスギに変えられたという伝説があります。
- 種小名のarizonicaは北アメリカのアリゾナ州を意味しており自生地に由来します。
アリゾナイトスギの特徴(魅力)
- アリゾナイトスギは白緑色から青緑色までの様々な美しい葉色をもっており、また円錐形に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)から、お洒落な雰囲気をつくる植物として高い人気のある針葉樹(コニファー)の1つです。
- 特に変種のグラブラ(cupressus arizonica ver.glabra)とその園芸品種(ブルーアイス等)は、葉全体が普通の種よりも強くシルバーがかるため、より高い人気があります。
- 樹形は根元から上部まで幹が1本の単幹で、円錐形になる習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、整った姿をしている事から洗練された印象を与えます。成長は比較的に緩やかで年間の成長率は約30~60cmです。
- アリゾナイトスギの葉は非常に小さく鱗片葉と呼ばれており、小枝に鱗の様についています。
- 枝葉は羽のように広がり光を通す均一な空間をつくるため、透かし模様が入るレースの編み物の様な繊細な印象を与えます。
- 葉は落ち着いた雰囲気をつくる青緑色から、上品で洗練された印象を与えるシルバーグリーン(白緑色)まであり、お庭の雰囲気に合わせてカラーリーフとして楽しむ事もできます。
- アリゾナイトスギの生垣は自然な円錐型の樹形を生かしながら楽しむインフォーマルヘッジとして利用出来ます。
- インフォーマルヘッジの生垣として利用する場合は、円錐形の木が並ぶ事から洗練された印象やお洒落な印象を与える生垣になります。
- アリゾナイトスギは品種によっても変わりますが、他の針葉樹と同様に背が高くなるため高い生垣をつくりたいお庭等におすすめです。
- 希望の場所で成長点を剪定(芯止め剪定)すれば、高さを抑える事ができます。ただし恒久的に抑えられるものではないため定期的に剪定が必要です。
- アリゾナイトスギの生垣の植え付け間隔は最低でも200cmは離し、また品種ごとの成熟した時の株の横幅を目安に植え付けつけるとよいでしょう。
- アリゾナイトスギは夏の暑さ冬の寒さに強いですが、多湿を苦手にしているため、育てる際は土壌の排水性などには注意が必要です。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため低メンテナンスで育てられます。
アリゾナイトスギの樹高は約500(~2500)cm、樹形は円錐形もしくは円柱形、単幹(根元から上部まで幹が1本)で、枝は水平もしくは斜上に伸びますら、樹皮は赤褐色もしくは灰褐色をしており、縦に割れ薄く剥がれます。葉色は青緑色から白緑色、葉身は長さ0.2(~0.5)cmの鱗片葉が小枝に鱗状につきます。花は雌雄同株のため雄花と雌花が一つの木にあります。雄花は黄色(~茶色)をしています。雌花は薄緑色をしています。果実は球果で、球果は直径約1(~3)cmの球状で鱗が約6(~8)個あり、成熟するにつれて緑色から褐色へと色がかわります。
アリゾナイトスギの主な園芸品種
- グラウカ(cupressus arizonica ‘glauca’)は葉全体が青みを帯びたシルバーグリーンの葉色をしており、落ち着いた印象や洗練された印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は円錐形、樹高は約1200~1800cm、幅約300~500cmに成長します。
- ブルーアイス(cupressus arizonica var. glabra ‘blue ice’)はアリゾナイトスギ(ブルーアイス)は一般的なアリゾナイトスギと比較して葉色が全体的に白く灰みを帯びており、粉雪が積もったかのような美しい青白色もしくは灰緑色の外観をしていて、スッキリと洗練された印象を与える園芸品種ですそのため落ち着いた雰囲気とスタイリッシュでカッコ良い雰囲気があり、洗練されたお庭等によくあいます。樹形は円錐形、成長は緩やかで10年で約300~400cmの高さまで成長して、最大高さが1500cmまで成長します。そのため主に景観植物として庭木として利用されたり、等間隔に並べて生垣として育てられたりします。
- サルフレア(cupressus arizonica sulfurea)は、新しい葉の成長で見られるクリーム色の葉色が柔らかな印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。また成長がとても緩やかで年間20~30cm程しか伸びず、成熟しても高さが400cmほどにしかならないため管理がしやすい所も魅力です。
- オーレア(cupressus arizonica ‘aurea’)は、若い葉で見られる優しいクリーム色の葉色が柔らかな印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。また成長がとても緩やかで年間30cm程しか伸びず、成熟しても高さが360cm、幅が約240cmほどにしかならないため管理がしやすい所も魅力です。
- ピラミダリス(cupressus arizonica ‘pyramidalis’)は普通のアリゾナイトスギよりも幅の狭い円錐形の樹形をつくる所が特徴の園芸品種です。高さは約1200cm、幅は約250~400cmまで成長します。
シダレイトスギの特徴や園芸品種
- 原産:中国
- 学名:Cupressus funebris
- 草丈:約2000~3500cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:2月~4月
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:
シダレイトスギとは!?
シダレイトスギは学名Cupressus funebris、別名では「アリゾナ・サイプレス(Arizona cypress)」とも呼ばれる中国が原産の常緑高木です。
シダレイトスギの語源(由来)
- 属名のCupressusの由来は恐らくギリシャ神話に出てくるキュパリッソス(Κυπάρισσος)からきています。
- キュパリッソスはテーレポスの子でケオース島に住む美少年です。ケオース島にはキュパリッソスと仲良くしていた金色の角をもつ雄鹿がいましたが、キュパリッソスはある時誤って投槍で雄鹿を殺してしまい深く落ち込んでしまいました。キュパリッソスはその哀しみから、神々に永遠に喪にふくす事を願い、その願いによりイトスギに変えられたという伝説があります。
- 種小名のfunebrisはラテン語で「葬儀」を意味しています。
シダレイトスギの特徴(魅力)
- シダレイトスギは優雅に枝垂れる外観の樹形を観賞する目的で庭木として育てられます。
- シダレイトスギの茎(幹)は垂直に伸び茎(枝)は水平もしくは斜上しますが細かい枝葉が下垂して独特な外観をつくります。
- 枝葉が上から下へと枝垂れ流れる様子は滝を思わせるような優美な雰囲気をつくります。
- シダレイトスギの葉は小枝に鱗の様につく非常に小さな鱗片葉です。
- 枝葉は羽のように広がり光を通すためレースの編み物の様な上品な外観をつくり柔らかな印象を与えます。
- シダレイトスギは小枝等から精油が抽出されます。
- 精油はα-セドレン/セドロール/β-セドレン/ツヨプセン等が含有しておりシダーウッドの心地よい香りをうみだします。
シダレイトスギの茎は木質で樹皮は褐色から灰褐色をしており、樹皮は縦に割れます。樹形は円錐形で、幹は垂直に伸びて枝は斜上もしくは水平に伸びますが細かい枝葉が下垂してから垂れ下がり高さ約2000(~3500)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は幼木では針形になる場合がありますが通常は長さ約0.2(~0.5)cmの鱗片葉です。花は雌雄同株のため雄花と雌花が一つの木にあります。雄花は黄色(~茶色)をしています。雌花は緑色をしています。果実は球果で、球果は直径約0.8(~1.5)cmまでの球状で鱗が6(~10)個あります。
シダレイトスギの主な園芸品種
レイランドヒノキの特徴や園芸品種
レイランドヒノキとは!?
レイランドヒノキは学名Cupressus × leylandii、北アメリカが原産のモントレーイトスギ(Cupressus macrocarpa)とイエローシダー(Callitropsis nootkatensis)の交雑種で、別名では「レイランディ(leylandii)」や「レイランド・クレパス(Leyland cypress)」とも呼ばれる常緑高木です。
レイランドヒノキの語源(由来)
- 属名のCupressusの由来は恐らくギリシャ神話に出てくるキュパリッソス(Κυπάρισσος)からきています。
- キュパリッソスはテーレポスの子でケオース島に住む美少年です。ケオース島にはキュパリッソスと仲良くしていた金色の角をもつ雄鹿がいましたが、キュパリッソスはある時誤って投槍で雄鹿を殺してしまい深く落ち込んでしまいました。キュパリッソスはその哀しみから、神々に永遠に喪にふくす事を願い、その願いによりイトスギに変えられたという伝説があります。
- 種小名のleylandiiは、この植物の発見場所であるレイトン・ホール(Leighton Hall)の所有者であり、第一発見者であるChristopher Leylandへの献名です。
レイランドヒノキの特徴(魅力)
- レイランドヒノキは、19世紀にプラントハンターによってイギリスに持ち帰られた、モントレーイトスギ(Cupressus macrocarpa)とイエローシダー(Callitropsis nootkatensis)の交雑種の常緑高木です。
- 1888年にイギリスのレイトン・ホールで、レイトン・ホールの所有者であるレイランド氏(Christopher Leyland)により発見されました。
- レイランドヒノキは自然にピラミッドの様な円錐型に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。そのため、園芸では洗練された美しい外観を鑑賞する目的で育てられる事が多く、またゴールドクレスト等の幾つかの有名な品種では黄色の葉色を持つことからカラーリーフとしても楽しまれています。
- ただし自生地のカリフォルニア州の海岸では強風により、頂部が平に不規則な外観に成長する事もおおく、盆栽で仕立てられたかのような外観をしています。
- レイランドヒノキは、丈夫で年間での成長が約100cmと成長率が高く、円錐形もしくは円中形の美しい外観をつくる事から生垣や庭木などによく利用される植物です。
- 葉は非常に小さく鱗片葉と呼ばれており、小枝に鱗の様についています。
- 枝葉は羽のように広がり光を通す均一な空間をつくるため、透かし模様が入るレースの編み物の様な繊細な印象を与えます。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色もあるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- 葉は触ると心地よい香りがします。
- レイランドヒノキの生垣は自然な円錐型の樹形を生かしながら楽しむインフォーマルヘッジと、刈り込み剪定を行い形状を整えながら楽しむフォーマルヘッジのどちらでも利用出来ます。
- インフォーマルヘッジとして樹形を楽しむ場合、円錐型の木が並ぶ事から洗練されたお洒落な印象を与える生垣になります。
- フォーマルヘッジとして剪定しながら育てる場合、枝葉が小さく緻密に仕上がるため、お手入れされた清潔感のある印象を与えやすいです。
- レイランドヒノキは成長が比較的に早く、他の針葉樹と同様に背が高くなるため高い生垣をつくりたいお庭等におすすめです。
- 希望の場所で成長点を剪定(芯止め剪定)すれば、高さを抑える事ができます。ただし恒久的に抑えられるものではないため定期的に剪定が必要です。
- レイランドヒノキの生垣の植え付け間隔はふつう約50cm~100cmです。
- 枝葉が密に茂るフォーマルヘッジで楽しみたい場合は植え付け間隔を狭めにして、自然な樹形を生かしたインフォーマルヘッジで楽しみたい場合は成熟した木の横幅を目安にしながら広めの間隔をとるとよいでしょう。
レイランドヒノキの樹高は約2000(~2500)cm、樹形は円錐形、幹は垂直に伸び、枝は斜上もしくは水平に伸びます。樹皮の色は褐色から灰褐色(~灰色)、樹皮は古くなると縦に割れます。葉序は対生、葉色は緑色、葉身の長さは約0.1cm、葉身は鱗片葉(小枝に鱗状につく)、葉には芳香があります。花は球果です。
レイランドヒノキの園芸品種
- ゴールドライダー(cupressus × leylandii ‘gold rider’)は、円錐形の美しい樹形と、若葉で見られる鮮やかな黄色の葉色が魅力的な園芸品種です。鮮やかな黄色の葉色は、明るく開放感のあるカラーリーフとして楽しめます。また美しい円錐形の樹形をつくる事から、庭木として育てられたり、生垣として育てるのにもおすすめです。高さは約500(~1200)cm、幅は約300(~450)cmまで成長します。