- 原産:中国
- 科:マツ(Pinaceae)
- 属:マツ(Pinus)
- 種:シロマツ(bungeana)
- 別名:ハクショウ/サンコノマツ/バンジ・パイン(Bunge’s pine)/レース・バーク・パイン(lacebark pine)/ホワイト・バーク・パイン(white-barked pine)
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:緑色●黄色●
- 葉の色:緑色●黄色●
- 分類:針葉樹/常緑高木
- 草丈:約1500~2500cm
- 誕生花:1月1日/1月3日/1月19日
- 花言葉:同情/哀れみ/不老長寿
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
シロマツ(白松)とは!?
シロマツ(白松)は学名Pinus bungeana、別名では「ハクショウ」や「サンコノマツ」とも呼ばれる中国が原産の常緑高木です。
シロマツ(白松)の語源(由来)
- 属名のPinusはラテン語で「松」を意味する「pine」に由来します。
- 種小名のbungeanaはロシア人の植物学者のAlexander von Bunge (1803-1890)への献名です。
- シロマツ(白松)の由来は樹皮が白色をしている所からきています。
シロマツ(白松)の特徴(魅力)
- シロマツ(白松)は一般的に白色の樹皮や斑模様となる樹皮を鑑賞する目的で庭木として利用されます。
- 樹皮は滑らかで鉄を思わせる様な光沢があり若い頃は青灰色をしていて成熟すると綺麗な白色へとかわります。
- 樹皮は光に晒される事で赤茶色・赤紫色・紫色になり樹皮が亀甲状に剥がれる事で斑模様となります。
- 一般的に美しい樹皮を見られるまでに約10年かかると言われています。
- シロマツ(白松)は樹形が単幹(1本)もしくは株立ち状(地際から真っ直ぐ数本の幹・枝)になります。
- シロマツ(白松)の葉は束生して3個ずつ束になって葉がつきます。
- シロマツ(白松)を含めマツは挿し木による増殖が難しいため園芸品種を増やしたい場合は実生から台木をとり接ぎ木して増やされます。
- シロマツ(白松)は菌根菌(共生菌)と共生しており栄養を共生菌から受け取るため栄養の乏しい土地でも育ちます。
- シロマツ(白松)は他の松と比べて病気や害虫の影響を受けにくく育てやすいです。
シロマツ(白松)の茎は木質で、樹皮は初め青灰色で成熟すると綺麗な白色となり、亀甲状に割れ、そのまま亀甲状に剥がれます。また樹皮は光に晒されると赤茶色・赤紫色・紫色になるためしばしば斑模様となります。樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)もしくは株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)になり、幹は垂直で枝は斜上もしくは水平に広がり高さ約1500(~2500)cmに成長します。葉は束生(3個ずつ)、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~10)cm、葉身の形は針形です。花は若枝に咲き雌雄同株のため雄花と雌花が個々にわかれて一つの木にあります。雄花は黄色(~褐色)をしていて若枝(穂)に穂状に並ぶ形で咲きます。実(果実)は球果で毬果(松ぼっくり)とも呼ばれます。球果は長さ約4(~7)cmの卵形、鱗状に種鱗が重なり、熟すと種鱗が開き、種鱗の内側にある翼の付いた種子が放出されます。
シロマツ(白松)の園芸品種
- シルバーゴースト(pinus bungeana ‘silver ghost’)は銀色と白色の2色の樹皮が斑模様をつくり、洗練された雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。樹高は約300~1500cmに成長します。
- コンパクタ(pinus bungeana compacta)は一般的なシロマツと比べて高さが600cm程度までしか成長しないため育てやすい園芸品種です。
マツの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
マツ(松)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
シロマツ(白松)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
シロマツ(白松)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。日当りや風通りの悪い環境では下枝が枯れこみやすくなります。
土壌の土質
シロマツ(白松)は幅広い土壌で育ちますが、雨の後にジメジメした過湿が長く続いたり、雨ですぐに浸水する様な土壌では、葉が黄化する等の様々な生育不良がおきやすくなります。そのため基本的には通気性と排水性がよく適度に肥沃な土壌に植えてあげましょう。
またマツ類は根に共生菌が付いており、共生菌が生育を助ける(水や養分を遠くからとってくる)ため共生菌の住みやすい環境をくん炭等をいれ作って上げるのも良いかもしれません。その他にも、排水性や通気性を高めるために植え付け時に土を盛上げて高植えする事も排水性を高める事も大切です。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
高植え
高植えとは、木(樹)の根っこの上部が地面より少し高い場所になるように苗を定植する事です。土を盛上げ高植えする事で、土壌の排水性や通気性が高くなり根腐れしにくくなる等のメリットがあります。そのためジメジメとした過湿を苦手にしている植物や乾燥に強い植物等に向く定植方法です。それ以外の植物では土壌が乾燥しやすくなり管理が大変になる事が多いため行われません。
鉢土づくり
日当り
シロマツ(白松)は日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。日当りや風通りの悪い環境では下枝が枯れこみやすくなるため注意が必要です。
培養土
シロマツ(白松)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。またマツ類は根に共生菌が付いており、共生菌が生育を助ける(水や養分を遠くからとってくる)ため共生菌の住みやすい環境をくん炭等をいれ作って上げるのも良いかもしれません。
- 赤玉土+ボラ土(細粒)+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(中粒)+バーク堆肥+くん炭=5:4:1
水やりの仕方
生育初期
シロマツ(白松)は植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
シロマツ(白松)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
シロマツ(白松)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
シロマツ(白松)は日当りがよければ痩せた土地でも育ち多くの肥料を必要としません。栄養の多すぎる土壌では成長が早くなりすぎて樹形が乱れたり、共生菌がへる可能性があります。
基本的に肥料は寒肥の1回のみ与えます。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。肥料の成分は油カスもしくは栄養がバランスよく入る水平型の配合肥料もしくは緩効性肥料を選びましょう。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施します。
剪定のやり方
シロマツ(白松)の剪定は基本的に不要です。健康な成長を促したり、樹形を整える目的で必要に応じて剪定する事も出来ます。
間引き剪定
間引き剪定とは日当りや風通し、樹形を乱す不要な茎を根元から剪定して取り除く事です。
間引き剪定の剪定時期は秋に行います。生育が盛んな春に行うと樹液が流れ見た目が悪くなったり害虫を引き寄せやすくなります。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、病気の茎等の健康な成長を阻害する不要な茎を見つけて根元から間引き剪定します。また樹形を乱す不要な茎(忌み枝)も必要に応じて根元から間引き剪定します。
夏越しする方法
シロマツ(白松)は夏の暑さに強く、基本的には夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:4b~7a
シロマツ(白松)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
シロマツ(白松)は挿し木が難しいため園芸品種を増やしたい場合は接ぎ木で増やされます。
播種で増やす
シロマツ(白松)の種蒔の方法
播種時期:3月~5月(理想)・何時でも
発芽適温:約20~25度
発芽日数:
発芽条件:
シロマツ(白松)は寒さを経験させる事で発芽を揃える出来ます。そのため冷蔵庫(約4度)等に入れて寒さを経験させた後に種が撒かれる事が多いです。
種まき手順
- 種を撒く前に果実(球果)から種子を取り出し、種子を水の中に24時間つけます。
- やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜ密閉される袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で4週間保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
シロマツ(白松)の病気
シロマツ(白松)の害虫