- 原産:北アメリカ
- 科:マツ(Pinaceae)
- 属:マツ(Pinus)
- 種:ダイオウマツ(palustris)
- 別名:ダイオウショウ/ロングリーフ・パイン(longleaf pine)
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:緑色●黄色●紫色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:針葉樹/常緑高木
- 草丈:約3000~4500cm
- 誕生花:1月1日
- 花言葉:永遠の若さ/不老長寿
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ダイオウマツ(大王松)とは!?
ダイオウマツ(大王松)は学名Pinus palustris、別名では「ダイオウショウ」や「ロングリーフ・パイン(longleaf pine)」とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑高木です。
ダイオウマツ(大王松)の語源(由来)
- 属名のPinusはラテン語で「松」を意味する「pine」に由来します。
- 種小名のpalustrisは「沼地の」を意味しており、湿地への適応性を示しています。実際はPhilip Millerが洪水後にダイオウマツの森林を発見し、紹介したための誤解と言われています。
ダイオウマツ(大王松)の特徴(魅力)
- ダイオウマツ(大王松)は他のマツと長さ40cmにも達する非常に長い針形の葉をくらべつ所が特徴の常緑高木です。
- ダイオウマツの葉は花言葉「永遠の若さ」「不老長寿」とも合わさり縁起物としてアレンジメント素材に利用されます。
- アメリカでは長い針形の葉を編み込みカゴとして利用していた事もあるようです。
- 葉は木の上で落葉せず2年間残ります。
- 葉は束生して通常3個(2~4個の範囲)ずつ束になって葉がつきます。
- ダイオウマツは成長がとても緩やかなため成熟して立派な姿になるまでに100年ほどの時間がかかり500年程度生き残ります。
ダイオウマツ(大王松)の茎は木質で樹皮は赤褐色もしくは灰褐色をしており、亀甲状に割れ、亀甲状に荒く剥がれます。樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)で幹の太さは約70(~120)cmになり垂直に伸びて、枝は横へ広がり、高さ約3000(~4500)cmに成長します。葉は通常3個(2~4個の範囲)が束生、葉色は緑色、葉身の長さ約20(~45)cm、葉身の形は針形です。花は若枝に咲き雌雄同株のため雄花と雌花が個々にわかれて一つの木にあります。雄花は黄色もしくは紫色をしていて若枝(穂)の根元近辺に穂状に並ぶ形で咲きます。実(果実)は球果で毬果(松ぼっくり)とも呼ばれます。球果は長さ約15(~25)cmの卵形、鱗状に約75(~150)個の種鱗が重なり、熟すと種鱗が開き、種鱗の内側にある翼の付いた種子が放出されます。
マツの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
マツ(松)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ダイオウマツ(大王松)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ダイオウマツ(大王松)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。日当りや風通りの悪い環境では下枝が枯れこみやすくなります。
土壌の土質
ダイオウマツ(大王松)は幅広い土壌で育ち湿地にも適応性がありますが、通気性と排水性がよく適度に肥沃な土壌で最もよく成長します。また直根性で深くまで根をはるため作土層を十分確保しましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ダイオウマツ(大王松)は日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
培養土
ダイオウマツ(大王松)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土+ボラ土(細粒)+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(中粒)+バーク堆肥+くん炭=5:4:1
水やりの仕方
生育初期
ダイオウマツ(大王松)は植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
ダイオウマツ(大王松)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
ダイオウマツ(大王松)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ダイオウマツ(大王松)は日当りがよければ痩せた土地でも育ち多くの肥料を必要としません。
基本的に肥料は寒肥の1回のみ与えます。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。肥料の成分は油カスもしくは栄養がバランスよく入る水平型の配合肥料もしくは緩効性肥料を選びましょう。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施します。
剪定のやり方
ダイオウマツ(大王松)の剪定は基本的に不要です。健康な成長を促したり、樹形を整える目的で必要に応じて剪定する事も出来ます。
間引き剪定
間引き剪定とは日当りや風通し、樹形を乱す不要な茎を根元から剪定して取り除く事です。
間引き剪定の剪定時期は秋に行います。生育が盛んな春に行うと樹液が流れ見た目が悪くなったり害虫を引き寄せやすくなります。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、病気の茎等の健康な成長を阻害する不要な茎を見つけて根元から間引き剪定します。また樹形を乱す不要な茎(忌み枝)も必要に応じて根元から間引き剪定します。
夏越しする方法
ダイオウマツ(大王松)は夏の暑さに強く、基本的には夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:7b~10a
ダイオウマツ(大王松)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ダイオウマツ(大王松)は根が出るまで時間がかかり難しいですが挿し木で増やす事も出来ます。
播種で増やす
ダイオウマツ(大王松)の種蒔の方法
播種時期:3月~5月(理想)・何時でも
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:
ダイオウマツ(大王松)は寒さを経験させる事で発芽を揃える出来ます。そのため冷蔵庫(約4度)等に入れて寒さを経験させた後に種が撒かれる事が多いです。
種まき手順
- 種を撒く前に果実(球果)から種子を取り出し、種子を水の中に24時間つけ浮かんだ種子は発芽する可能性が低いため廃棄します。
- やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜ密閉される袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で4週間保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ダイオウマツ(大王松)の病気
ダイオウマツ(大王松)の害虫