トウヒ(スプルース)は属の中に約40種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、最もクリスマスツリーの木とした知られており美しい円錐形の樹形と沢山の園芸品種が魅力的なドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)、葉に目立つ白色の気孔線がある事で灰緑色(~青白色)の美しい葉色をしており円錐形の樹形が洗練された雰囲気をつくるカナダトウヒ、葉の全面に白色の気孔があるためパウダースノーがかかったような美しい葉色をしており円錐形の樹形が洗練された雰囲気をつくるコロラドトウヒ等が親しまれています。
トウヒ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
トウヒ(スプルース)の主な種の目次
ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)の特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ
- 学名:Picea abies
- 草丈:約3000~5500cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:桃色●黄色●紫色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 花言葉:不運の中の希望
- 用途:カラーリーフ
ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)とは!?
ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)は学名Picea abies、別名では「ノルウェー・スプルース(Norway spruce)」や「ヨーロピアン・スプルース(European spruce)」とも呼ばれるヨーロッパが原産の常緑高木です。
ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)の語源(由来)
- 属名のPiceaは粘着性のある樹液および樹脂に関連して「タール」や「ピッチ (樹脂)」を意味するラテン語の「Pix + 接尾辞」に由来しています。
- 種小名のabiesはラテン語で「モミノキ(モミ属)」を意味しており、モミノキに似ている所からきています。
ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)の特徴(魅力)
- ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)はクリスマスツリーとしてヨーロッパでよく利用されている植物です。洗練された印象を与える円錐型の樹形や、トウヒ属で最大の長さがある球果(松ぼっくり)が特徴です。
- ドイツトウヒは他の針葉樹と同じように円錐型の樹形をつくる習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、末端の小枝は下垂する傾向にあります。
- そのため枝垂れるような優雅な外観をつくる事があります。
- ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)の葉は針形で長さ1(~2.5)cmと短く螺旋状に密につくため、円柱形のような外観をつくります。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色などがあるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)の実は長さ約9~17cmで、トウヒ属の中で最大の長さがあり ます。
- 雌花(未熟な実)は赤桃色をしていて上向きになり若枝の先端に数個つきます。
- ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)は野生では5500cmにも達し非常に大きく成長しますが園芸品種ではコンパクトな品種も多いため小さなお庭でも比較的に管理がしやすいです。
- 主に庭木として育てられたり底の浅い鉢で樹形をコントロールしながら盆栽として育てられたりします。
- クリスマスツリーは様々な針葉樹の木(モミノキやマツノキ等)が使われますが、欧州ではドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)が最も一般的に利用されます。
- ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)の木材は、軽くて腰が強く振動が長く続くなどの特徴があり、トーンウッド(楽器制作に適した特徴をもつ木)として楽器作りの際に重宝されています。
- ストラディヴァリウスの響板はドイツトウヒで作られています。
ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)の茎は木質で樹皮は褐色もしくは灰色をしており、樹皮は成熟すると鱗状に割れ厚く剥がれます。樹高は約3000(~5500)cm、樹形は円錐形、幹の太さは約100(~150)cmあり単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は輪生(同じ高さから枝が何本も出る)で水平に広がり、末端の小枝は垂れ下がる傾向にあります。葉序は互生で螺旋状に葉が密につくため円柱形の外観となり、葉色は緑色、葉身の長さ約1(~2.5)cm、葉身の形は針形です。花は雌雄同株のため黄褐色の長楕円形をした雄花と桃色(~紫色)の卵形をした雌花が個々にわかれて一つの木にあります。実(果実)は球果で松ぼっくりとも呼ばれます。球果は受粉後約5(~7)ヶ月かけて熟し褐色(~赤褐色)になります。球果の長さ約9(~17)cmの長楕円形、鱗状に種鱗が重なり、種鱗の内側に長さ約0.6(~1.5)cmの褐色の翼の付いた約0.5cmの黒色の種子があります。
ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)の園芸品種
- オーレア(picea abies aurea)は冬になるとやや赤みを帯びる黄金色の鮮やかな葉色と、春に最も色鮮やかに生える黄色の葉色が魅力の園芸品種です。樹形は円錐形、樹高は約150~300cmと背が低いため小さな花壇や植え込みでも育てやすいです。
- アクロコナ(picea abies ‘acrocona’)は多花性で春になると甘酸っぱいベリーを連想させるような赤桃色の花をたくさん咲かせる所が魅力の園芸品種です。樹高は約150~400cmまで成長します。
- ペンデュラ(picea abies ‘pendula’)は幹が大きく曲がったり、枝葉が大きく枝垂れたりして、幽霊が羽織るボロ布を連想させるような個性的な樹形をつくる園芸品種です。樹高は約120~450cmまでに成長します。
- ゴールドドリフト(Picea abies ‘Gold Drift’)は色鮮やかな黄色(~黄緑色)の葉色と枝垂れ様に下垂する枝葉が特徴の園芸品種です。横への広がりはほとんどなく樹高は約300~450cmまでに成長します。
- ニディフォルミス(picea abies ‘nidiformis’)は一般的なドイツトウヒと違いクッションのように地面を被覆する丸みのある樹形をつくり、また高さ約60~120cmと背が低く、幅約90~240cmと地面を広がるため地被植物や低い生垣としても利用できる園芸品種です。
- リトルジェム(picea abies ‘little gem’)は成長が非常に緩やかで殆ど剪定をしなくてもトピアリーボールの様にまとまる球状の樹形が魅力の園芸品種です。樹高は約50cmまでに成長します。
- プミラ(picea abies ‘pumila’)はクッションを思わせる様にふんわりと半球状に広がる樹形が魅力の園芸品種です。樹高は最大120cmになります。
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カナダトウヒの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Picea glauca
- 草丈:約1500~4000cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:桃色●黄色●紫色●
- 葉色:緑色●黄色●青色●白色〇
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 花言葉:不運の中の希望
- 用途:カラーリーフ
カナダトウヒとは!?
カナダトウヒは学名Picea glauca、別名では「ホワイト・スプルース(white spruce)」や「カナディアン・スプルース(Canadian spruce)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑高木です。
カナダトウヒの語源(由来)
- 属名のPiceaは粘着性のある樹液および樹脂に関連して「タール」や「ピッチ (樹脂)」を意味するラテン語の「Pix + 接尾辞」に由来しています。
- 種小名のglaucaはラテン語で「きらめく」「灰色がかった」を意味しており、葉の色に由来します。
カナダトウヒの特徴(魅力)
- カナダトウヒは、葉の下面には目立つ白色の気孔線が2本入るため全体として白緑色に見える事があり、また葉を潰すと尿を思わせるような匂いがある所が特徴です。
- 園芸では円錐型の美しい樹形を作ることから、洗練された印象を与える庭木や並木として利用されることがあります。
- カナダトウヒは他の針葉樹と同じように円錐型の樹形をつくる習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。
- カナダトウヒの葉は針形で長さ1(~2.5)cmと短く螺旋状に密につき、枝葉は円筒型の外観をつくります。
- 葉の下面には目立つ青白色の気孔線が2本あり、また成熟するにつれて青緑色の葉はより青白くなります。
- 葉は落ち着いた雰囲気をつくる青緑色や、上品で洗練された印象を与えるシルバーグリーン等があるため、お庭の雰囲気に合わせてカラーリーフとして楽しむ事もできます。
- 葉は潰すと尿の様なアンモニア臭がするため海外では「スカンク・スプルース(skunk spruce)」や「キャット・スプルース(cat spruce)」等の一般名で呼ばれる事もあります。
- カナダトウヒの若く柔らかな葉はハーブティーやお酒のフレーバーとして利用される事もあります。
- 葉の下面には目立つ青白色の気孔線が2本あり、また成熟するにつれて青緑色の葉はより青白くなります。
- カナダトウヒの実(松ぼっくり)は長さが約3~8cmあります。
- カナダトウヒの樹皮は白色(~灰色)もしくは褐色をしており、古くなると鱗状に剥がれます。
- カナダトウヒは野生では4000cmにも達し非常に大きく成長しますが園芸品種ではコンパクトな品種も多いため小さなお庭でも扱いやすいです。
- 円錐形の美しい樹形をつくる事から洗練された雰囲気のお庭の庭木として魅力的です。
- 樹形の整ったコンパクトな品種を等間隔に並べればちょっとお洒落な並木として楽しめます。
- 底の浅い鉢で樹形をコントロールしながら育てると盆栽にもなります。
- カナダトウヒの木材は白色から薄黄色をしており、建材やパルプ等に利用されています。
カナダトウヒの茎は木質で樹皮は白色(~灰色)もしくは褐色をしており、樹皮は成熟すると鱗状に割れ剥がれます。樹高は約1500(~4000)cm、樹形は円錐形もしくは円柱形、幹の太さは最大100cmになり単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は輪生(同じ高さから枝が何本も出る)で水平に広がり僅かに垂れ下がる傾向にあります。葉序は互生で螺旋状に密につき、葉色は青緑色で気孔の線が幾つかある下面は青白色になります。葉身の長さ約1(~2.5)cm、葉身の形は針形で、断面は4角になります。花は雌雄同株のため赤色(~黄色)の長楕円形をした雄花と紫色の卵形をした雌花が個々にわかれて一つの木にあります。実(果実)は球果で松ぼっくりとも呼ばれます。球果は受粉後約4(~8)ヶ月かけて熟し褐色(~淡褐色)になります。球果の長さ約3(~8)cmの長楕円形、鱗状に種鱗が重なり、種鱗の内側に長さ約0.5(~0.8)cmの褐色の翼の付いた約0.2(~0.5)cmの黒色の種子があります。
カナダトウヒの主な園芸品種
- サンダース ブルー(picea glauca ‘sander’s blue’)は葉色が青白色(灰緑色)から緑色へと変化するため、ひとつの木の表面で2色の葉色による模様がつくられます。また枝分かれが均一で非常に密に茂るため、外観も美しく高い目隠し効果も発揮する所が特徴の園芸品種です。樹形は円柱形、樹高は約180cm幅約90cmと背が低くコンパクトなため小さなお庭でも育てやすく、洗練された樹形を楽しむ目的で庭木として利用したり、等間隔に並べればちょっとお洒落な生垣としても利用できます。
- デイジーホワイト(picea glauca ‘daisy white’)は新しい葉の成長で見られるクリーム色の明るい葉色が魅力的な園芸品種です。樹高は約60~100cmと非常に背が低く幅は約30~60cmに成長するため小さな花壇でも育てやすいです。
- ペンデュラ(picea glauca ‘pendula’)は枝葉が大きく枝垂れ幽霊が羽織るボロ布を連想させるような個性的な樹形をつくる所が特徴の園芸品種です。横へは殆ど広がらず樹高は約300~1200cmまでに成長します。
- ブルーワンダー(picea glauca ‘blue wonder’)は白色のベールで覆われたかのような青白色の美しい葉色と、洗練された雰囲気をつくる円錐形の樹形が魅力の園芸品種です。樹高は約180cmと背が低く幅は90cmに成長するため小さな花壇でも育てやすく、ちょっとお洒落な生垣等にも利用出来ます。
コロラドトウヒの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Picea pungens
- 草丈:約1500~3500cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:赤色●黄色●緑色●
- 葉色:緑色●青色●白色〇
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 花言葉:不運の中の希望
- 用途:カラーリーフ
コロラドトウヒとは!?
コロラドトウヒは学名Picea pungens、別名では「プンゲンストウヒ」や「ブルー・スプルース(blue spruce)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑高木です。
コロラドトウヒの語源(由来)
- 属名のPiceaは粘着性のある樹液および樹脂に関連して「タール」や「ピッチ (樹脂)」を意味するラテン語の「Pix + 接尾辞」に由来しています。
- 種小名のpungensはラテン語で「刺す」を意味しており、先の尖った葉の形に由来します。
コロラドトウヒの特徴(魅力)
- コロラドトウヒは、長さ3cmに達する針形の長い葉と、白色の気孔が目立つ青緑色もしくは白緑色の美しい葉色が魅力です。
- 園芸では円錐型の美しい樹形を作ることから、洗練された印象を与える庭木や並木として利用されることがあります。
- カナダトウヒは他の針葉樹と同じように円錐型の樹形をつくる習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。
- 樹皮は灰色から灰褐色をしており、古くなると鱗状に樹皮が剥がれます。
- コロラドトウヒの葉は長さ約3cmと長く、先の尖った針形をしており螺旋状に密につきます。
- 葉は断面が4つあり、断面の全面に白色の気孔があるため白緑色もしくは青白色となり、落ち着いた雰囲気や洗練された雰囲気をつくるカラーリーフとして楽しむ事ができます。
- 末端の枝葉は基本的に下垂せず横に向かいます。
- コロラドトウヒの実(松ぼっくり)は長さが約6~11cmです。
- コロラドトウヒは野生では3500cmにも達し非常に大きく成長しますが園芸品種ではコンパクトな品種も多いため小さなお庭でも扱いやすいです。
- 円錐形の美しい樹形をつくる事から洗練された雰囲気のお庭の庭木として魅力的です。
- 樹形の整ったコンパクトな品種を等間隔に並べればちょっとお洒落な並木としても楽しめます。
- 底の浅い鉢で樹形をコントロールしながら育てると盆栽にもなります。
- コロラドトウヒは他のトウヒよりも高温多湿にやや強いため育てやすい傾向があります。
コロラドトウヒの茎は木質で樹皮は灰色もしくは褐色(~赤褐色)をしており、樹皮は成熟すると鱗状に割れ剥がれます。樹高は約1500(~3500)cm、樹形は円錐形、幹の太さは最大150cmになり単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は輪生(同じ高さから枝が何本も出る)で水平に広がり、基本的に枝先は下がりません。葉序は互生で螺旋状に密につき、葉色は青緑色で全て断面に白い気孔があるため青白色もしくは灰緑色の外観になります。葉身の長さ約1.6(~3)cm、葉身の形は針形で、断面は4角になり葉先は鋭くとがります。花は雌雄同株のため黄褐色(~赤色)の長楕円形をした雄花と緑色(~受粉後に赤色)の卵形をした雌花が個々にわかれて一つの木にあります。実(果実)は球果で松ぼっくりとも呼ばれます。球果は熟すと褐色(~淡褐色)になります。球果の長さ約6(~11)cmの長楕円形、鱗状に種鱗が重なり、種鱗の内側に長さ約0.8(~1)cmの褐色の翼の付いた黒色の種子があります。
コロラドトウヒの主な園芸品種
- ホプシー(picea pungens ‘hoopsii’)は白色の粉雪が積もったかのような外観をしており、灰緑色(~灰青色)の美しい葉色と、殆ど剪定しなくても円錐形に成長する習慣が魅力的な園芸品種です。樹高は約600~1500cmと背が高く成長するため十分なスペースをとって育てましょう。
- ビアロボク(picea pungens ‘bialobok’)は春に新しく成長する葉で見られる黄色(~クリーム色)の葉色と、成熟した葉で見られる灰緑色の2色の葉色が、光で照らさてたかのような明るい雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。樹形は円錐形で、樹高は約100~300cmと背が低いため小さな花壇でも育てやすいです。
- コスター(picea pungens ‘koster’)は、一般的なコロラドトウヒと比較して葉色が全体的に白く灰みを帯びており、粉雪が積もったかのような美しい青白色もしくは灰緑色の外観をしていて、スッキリと洗練された印象を与える園芸品種です。そのため落ち着いた雰囲気とスタイリッシュでカッコ良い雰囲気があり洗練されたお庭等によくあいます。樹形は円錐形、樹高は約1000~1500cm幅約300~500cmまで大きく成長するため育てる際は十分なスペースが必要です。
- グロボーサ(picea pungens ‘globosa’)は円錐形に成長する一般的なコロラドトウヒと違い、樹形が半球状もしくは下部が横へ大きく開いた円錐形になる成長習慣をもっており、灰緑色の上品な葉色がカラーリーフとしても楽しめる魅力的な園芸品種です。樹高は約90~180cmと背が低いため小さな花壇でも育てやすいです。
- ベイビーブルー(picea pungens ‘baby blue’)は高さが約450~600cmまでしか成長しない矮性品種で、葉色はまるで粉雪で覆われたかのような灰緑色もしくは灰青色をしており上品なカラーリーフとしても楽しめます。
- ファット・アルバート(picea pungens ‘fat albert’)は幅広に成長する円錐形の樹形と、粉雪が積もったかの様な青白色もしくは灰緑色の葉色が魅力の園芸品種です。樹高は約300~500cm、幅は200~350cmに成長するため十分なスペースが必要です。
- ザ・ブルース(picea pungens ‘the blues’)は幹や枝葉が大きく枝垂れ個性的な樹形をつくる園芸品種です。樹高は約90~180cmに成長します。
クロトウヒの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Picea mariana
- 草丈:約500~2500cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:赤色●黄色●紫色●緑色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 花言葉:不運の中の希望
- 用途:カラーリーフ
クロトウヒとは!?
クロトウヒは学名Picea mariana、別名では「ブラック・スプルース(black spruce)」とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑高木です。
クロトウヒの語源(由来)
- 属名のPiceaは粘着性のある樹液および樹脂に関連して「タール」や「ピッチ (樹脂)」を意味するラテン語の「Pix + 接尾辞」に由来しています。
- 種小名のmarianaの由来はキリストの母の「マリア」からきています。
クロトウヒの特徴(魅力)
- クロトウヒは赤色の華やかな花や濃い紫色の実(松ぼっくり)が特徴の常緑高木です。
- 雄花は赤色(黄褐色)をしており雌花は若い時は直立して赤色(濃い紫色)をして目立ちます。
- クロトウヒの葉は針形で長さ0.6(~1.6)cmと短く螺旋状に密につきます。
- 葉の断面は4つあり全面に白色の気孔があり灰緑色の外観をしています。
- クロトウヒの実(松ぼっくり)はトウヒの中で最も小さく長さ約1.5~3cmです。
- 実は受粉後約3ヶ月で熟し濃い紫色となり垂れ下がります。
- 実は成熟すると部分的に種鱗が閉じたまま部分的に開き数年間に渡り種子を放出します。
- 種の放出は春に最も多く秋はすくないです。
- クロトウヒの樹形は直立して、枝は垂れ下がる傾向にありますが、末端の小枝は垂れ下がりません。
クロトウヒの茎は木質で樹皮は灰色もしくは褐色をしており、樹皮は成熟すると鱗状に割れ粗く剥がれます。樹高は約500(~2500)cm、樹形は円錐形もしくは直立、幹の太さは15(~50)cmになり単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は短く輪生(同じ高さから枝が何本も出る)で垂れ下がる傾向にあり、末端の小枝は垂れ下がらず水平か斜上します。葉序は互生で螺旋状に密につき、葉色は緑色で全て断面に気孔があるため薄緑色(~灰緑色)の外観になります。葉身の長さ約0.6(~1.6)cm、葉身の形は針形で、断面は4角になります。花は雌雄同株のため赤色(~黄褐色)の長楕円形をした雄花と赤色(~濃い紫色)の直立した雌花が個々にわかれて一つの木にあります。実(果実)は球果です。球果は熟すと濃い紫色(~褐色)になります。球果の長さ約1.5(~3.5)cmの楕円形、鱗状に種鱗が重なり、種鱗の内側に翼の付いた黒色の種子があります。
クロトウヒの主な園芸品種
オモリカトウヒの特徴や園芸品種
- 原産:セルビア/ボスニア
- 学名:Picea omorika
- 草丈:約1000~5000cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:4月~6月
- 花色:赤色●黄色●紫色●
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 花言葉:不運の中の希望
- 用途:カラーリーフ
オモリカトウヒとは!?
オモリカトウヒは学名Picea omorika、別名では「セルビアン・スプルース(Serbian spruce)」や「オモリカ(omorika)」等とも呼ばれるセルビアおよびボスニアが原産の常緑高木です。
オモリカトウヒの語源(由来)
- 属名のPiceaは粘着性のある樹液および樹脂に関連して「タール」や「ピッチ (樹脂)」を意味するラテン語の「Pix + 接尾辞」に由来しています。
- 種小名のomorikaはセルビア語で単に「トウヒ」を意味する「оморика」に由来しています。
オモリカトウヒの特徴(魅力)
- オモリカトウヒは円錐形に成長する洗練された樹形を鑑賞する目的で大きな庭等で装飾用の木として育てられます。
- 基本的に剪定しなくても円錐形の樹形になる習慣があり逆に剪定を行うと樹形を乱す原因になる事があります。
- オモリカトウヒの葉は針形で長さ0.8(~2)cmあり螺旋状に密につきます。
- 葉は下部に目立つ白色の気孔線があるため光沢のある灰緑色の外観をつくります。
- 葉の色は通常緑色ですが幾つかの品種では黄色の葉色があるためカラーリーフとして楽しまれる事もあります。
- オモリカトウヒの実(松ぼっくり)は長さが約5~6cmです。
- 若い実(雌花)は赤紫色をしており非常に装飾的です。
- オモリカトウヒは野生では5000cmにも達し非常に大きく成長しますが園芸品種ではコンパクトな品種もあるため小さなお庭でも扱いやすいです。
- 円錐形の美しい樹形をつくる事から洗練された雰囲気のお庭の庭木として魅力的です。
- 底の浅い鉢で樹形をコントロールしながら育てると盆栽にもなります。
オモリカトウヒの茎は木質で樹皮は灰色もしくは赤褐色をしており、樹皮は成熟すると鱗状に粗く割れ剥がれます。樹高は約1000(~5000)cm、樹形は円錐形、幹は単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は輪生(同じ高さから枝が何本も出る)で横に広がります。葉序は互生で螺旋状に密につき、葉色は緑色で下部の断面に2本の白色の気孔線があるため青白色(~灰緑色)、葉身の長さ約0.8(~2)cm、葉身の形は針形です。花は雌雄同株のため赤色の雄花と赤紫色(~紫色)の雌花が個々にわかれて一つの木にあります。実(果実)は球果で松ぼっくりとも呼ばれます。球果は若い時は赤紫色をしており熟すと赤褐色になります。球果の長さ約5(~6)cmの円錐形、鱗状に種鱗が重なり、種鱗の内側に長さ約0.5(~0.8)cmの褐色の翼の付いた長さ0.1(~0.3)cmの種子があります。
オモリカトウヒの主な園芸品種
ペンデュラ(picea omorika ‘pendula’)は幹が大きく曲がったり、枝葉が大きく枝垂れ幽霊が羽織るボロ布を連想させるような個性的な樹形をつくる所が特徴の園芸品種です。樹高は約300~1000cmまでに成長します。
ピモコ(picea omorika ‘pimoko’)は円錐形に成長する一般的なオモリカトウヒと違い、樹形が半球状もしくは球状になる成長習慣をもっており、また葉は白色の気孔線が目立つため美しい灰緑色の外観をつくる魅力的な園芸品種です。樹高は約30cmと背が低いため小さな花壇でも育てやすく横へと約50cmほどこんもりと広がるため地被植物としても利用出来ます。
オーレア(picea omorika ‘aurea’)は新しく成長する若葉が黄色をしており、黄色と緑色の2色の葉色が光で照らさてたかのような明るい雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。樹形は円錐形で、樹高は最大900cmと背が高く幅は約600cmまで成長するため十分なスペースをとって育てましょう。