- 原産:日本/中国/台湾/朝鮮
- 科:モチノキ(Aquifoliaceae)
- 属:モチノキ/イレックス(Ilex)
- 種:モチノキ(integra)
- 別名:ホンモチ/エレガンス・フィメール・ホーリー(elegance female holly)/モチ・ツリー(mochi tree)
- 品種:オウゴンモチ(ilex integra ‘ogon’)
- 開花時期:4月
- 果実時期:10月~12月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑小高木
- 草丈:約100~300cm
- 誕生花:12月19日
- 花言葉:時の流れ
- 用途:日陰植物/カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オウゴンモチとは!?
オウゴンモチは新葉で見られる黄色の葉色と、成熟した葉で見られる緑色の2色の葉色が、美しいコントラストを作り、光で照らさたかのような明るい雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。樹形は円筒形で、樹高は約100~300cmに成長します。
モチノキとは!?
モチノキは学名Ilex integra、別名では「ホンモチ」や「エレガンス・フィメール・ホーリー(elegance female holly)」とも呼ばれる日本および中国、台湾と朝鮮に自生する常緑高木です。日本では本州(東北以南)・四国・九州に分布して山地に自生しています。
モチノキの語源(由来)
- 属名のIlexの由来は、葉の類似性からセイヨウヒイラギガシ(Quercus ilex)が引用されたものです。
- 種小名のintegraはラテン語で「完全な」を意味しています。
- モチノキの由来は、細かく砕いた樹皮を水につける事で不溶性の粘着物質を取り出す事が出来て、取り出した粘着物質を鳥黐(トリモチ)として利用したことからきています。
モチノキの特徴(魅力)
- モチノキは樹皮から小鳥や昆虫を捕獲する「鳥黐(トリモチ)」が取れる事からこの名前がついています。
- トリモチの作り方はモチノキの樹皮を細かく砕き、目の粗い袋に入れて流水の中に漬け2ヶ月から3ヶ月のあいだ水にさらします。水に数ヶ月さらすことで不要な木質部が腐敗し除去され、トリモチ成分だけが残ります。トリモチ成分を流水から取り出し、繊維質がなくなるまで砕きます。その後、流水で洗い残差を取り除きましょう。
- 花は小さくクリーム色と目立たないため鑑賞目的として重要視される事は殆どありません。
- 花は蜜蜂や昆虫の蜜源となるため開花期になると花の周りを元気に飛び回る蜜蜂や昆虫の姿が観察出来ます。
- モチノキの果実は1口サイズで食べやすいためヒヨドリやツグミなどがよく実を食べに来ます。そのためその鳥の姿を観察する事が出来ます。
- モチノキの葉は革質で濃い緑色をしており葉脈が殆ど見えないためのっぺりとした外観をしています。
- 葉色は通常は濃い緑色をしていますが幾つかの品種では葉の色が黄色のためカラーリーフとして楽しまれる事もあります。
- モチノキは家の境界等に等間隔で植えて生垣として利用されることがあります。
- 葉は常緑のため一年を通して鑑賞価値が保たれます。
- モチノキは雌雄異株のため雄株と雌株がありますが、しばしば性転換して雄株と雌株が入れ替わる事があります。
- モチノキは受粉しなくても果実を実らせる事が可能で、3割程は未受粉と言われています。
- モチノキは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆ど不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
モチノキの茎は木質で樹皮は灰褐色(~灰白色)をしています。樹高は約500(~1000)cm、樹形は円筒形です。葉序は互生葉序、葉色は濃い緑色で葉脈は殆ど見えず革質、葉身の大きさは長さ約4(~7)cm、幅約2(~3)cm、葉身の形は楕円形で、葉のふち部分は全円(稀に鋸歯)です。花は雌雄異株のため雄株(雄花だけ作る)と雌株(雌花だけ作る)がそれぞれ分かれてあります。雄花は2(~15)個の花が葉腋から束生(葉・花・茎等が1箇所から束状に生える)して、萼片が4個、花弁が4個、花弁の色は薄黄色、雄蕊は4(~6)個、雄蕊の色は黄色です。雌花は1(~4)個の花が葉腋から束生(葉・花・茎等が1箇所から束状に生える)して、萼片が4個と、花弁が4個、中央に子房と柱頭があり、周りに不稔性の退化した雄花が4個あります。果実は核果、色は赤色、形は球形、直径約1cmです。
モチノキの園芸品種の紹介
モチノキ(イレックス)はの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
モチノキ(イレックス)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2022】
オウゴンモチの育て方
花壇の土づくり
日当たり
オウゴンモチは直射日光が6時間以上あたる日向、間接光しか当たらないような日陰までで育てる事が出来ます。
作土層
オウゴンモチがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30~50cmまでスコップを使い穴を掘り、土を解して、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
オウゴンモチは水捌けがよく腐植がしっかり入った肥沃(生産性の高い土)な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行い、堆肥を入れる等してしっかり土壌改善を行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
オウゴンモチは直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また直射日光から半日影までで育てることが出来ます。
培養土
オウゴンモチの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
オウゴンモチは植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
オウゴンモチは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし夏場等で雨が降らず乾燥が続く場合や、土の中に指を入れて湿り気がない場合などは、水やりを行いましょう。
鉢植え
オウゴンモチを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
オウゴンモチはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。必要に応じて冬に土質を改善する堆肥と肥料を入れましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。肥料の成分は水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びましょう。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
オウゴンモチは剪定をしなくても育てられますが、樹形を整えたり樹高を抑えたい場合などは剪定が必要になります。
オウゴンモチを剪定する目的や手順
オウゴンモチを剪定する目的は、樹形を整えたり、樹高を抑える目的で剪定されます。また樹形を乱す不要枝を剪定する事でエネルギーの分散を防ぎ花や実の生産性を向上させたり、見た目を改善したり、その他にも枯れた枝や病枝などを剪定する事で日当りや風通しを改善して健康な成長を促す所にあります。
オウゴンモチの剪定時期は春(3月~4月)もしくは夏(6月~7月)です。
オウゴンモチの剪定の手順
- 基本的に単幹(根元から上部まで幹が1本)に仕立てるため、幹が二股に分かれた場合は、どちらか一方を剪定して片方(綺麗に伸びてる方)を残します。
- 樹高を抑えたい場合は好みの高さや枝が多く出る場所で、鋸を使い幹の上部を切り取ります。その際は傷口から木を腐らせる菌(腐朽菌など)が入らないように癒合剤を使ってケアしてください。
- 株全体を観察して円筒形の樹形をイメージしながら木の上部から下部に向かい剪定していきます。
- まずは枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探しこれを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 不要枝【逆さ枝・下がり枝・徒長枝・平行枝・蘖など】を探し、全体のバランスを見ながら、透かしていくイメージで根元から間引き剪定しましょう。
- 全体を観察して込み合ってる場所や飛び出ている枝を剪定して輪郭をととのえます。
おすすめの癒合剤
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
オウゴンモチは夏の暑さに強いため、基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:7a~9b
オウゴンモチは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
モチノキは挿し木によって増やす事ができます。
モチノキの挿し木の方法
- モチノキの挿し木時期は初夏から夏(半熟枝)もしくは初冬から晩冬(熟枝挿し)が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を利用しましょう。
- 半熟枝では挿し穂を長さ約7~10cmをとります。
- 熟枝挿しでは挿し穂を長さ約10~20cmとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 半熟枝では下部の葉を取り除きます。
- 培養土に幾つかの節を入れ深く挿します。
- 節の部分からも発根する。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
接ぎ木での増やし方
挿し木で増やす事が難しい場合は接ぎ木で増やす事が出来ます。園芸品種等を増やしたい場合は実生から育てた2~3年生の苗に、増やしたい株の挿し穂を接ぎ木して増やします。親株と同じ習慣(決まりのように繰り返す癖)を持たない株で問題なければ実生(種)から増やして育てるとよいでしょう。
播種で増やす
モチノキの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
モチノキは寒さを経験しないと発芽しません。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)等に入れて寒さを経験させた後に種を撒く必要があります。処理を行うメリットは発芽が揃いやすい所にあります。
植物の病気
モチノキの病気
- すす病
モチノキの害虫
- カイガラムシ
- コバチ