- 原産:北アメリカ
- 科:メギ(Berberidaceae)
- 属:ヒイラギナンテン/マホニア(mahonia)
- 種:ヒイラギメギ (aquifolium)
- 同義語(synonym):berberis aquifolium
- 別名:オレゴン・グレープ(Oregon grape)/ホーリー・リーブ・バーベリー(holly-leaved barberry)
- 開花時期:3月~4月
- 果実時期:9月~10月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑低木
- 草丈:約100~300cm
- 用途:日陰植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒイラギメギとは!?
ヒイラギメギは学名mahonia aquifolium(berberis aquifolium)、別名では「オレゴン・グレープ(Oregon grape)」や「ホーリー・リーブ・バーベリー(holly-leaved barberry)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の常緑低木です。
ヒイラギメギの語源(由来)
- 属名のmahoniaはアイルランド系アメリカ人で園芸家のBernard McMahonへの献名です。
- 種小名のaquifoliumはラテン語で「棘のある葉」を意味しており、ヒイラギメギの葉のふち部分に刺がある事に由来します。
ヒイラギメギの特徴(魅力)
- ヒイラギメギはヒイラギを思わせるトゲトゲした葉の形、明るく華やかな黄色の花、青紫色の果実が魅力の植物です。
- ヒイラギメギの葉は幾つもの小葉が連なるように集まっており、また小葉は「柊(ヒイラギ)」の様な形をしているため非常に装飾的な見た目をしています。
- 葉は冬になると赤色もしくは紫色へと紅葉します。
- 花は総状花序で花穂が頂部付近で密に集まるため非常にボリューミーな花姿をつくります。
- 花弁(6個)も萼片(6個)も同色(黄色)のため半八重咲きの様な外観をしています。
- 花には蜂蜜のような甘い香りがあります。
- 果実は秋に実りブドウの様な色と房状になる姿からオレゴングレープ(Oregon grape)とも呼ばれています。
- 果実は生で食べられますが、酸っぱいため一般的にジャムやジュースなどに甘く加工して食べられます。
- ヒイラギメギは境界等に等間隔で植えて生垣として利用されます。
- 葉は常緑のため一年を通して鑑賞価値と目隠し効果が保たれます。
- ヒイラギメギは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
ヒイラギメギは樹高が約100~300cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、茎は直立します。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉、小葉は楕円形もしくは卵形、縁部分に歯牙があります。花序は複総状花序、複総状花序は頂部で総状花序が密に集まり、総状花序は黄色の花が30(~60)個つきます。花は黄色の萼片が6個、黄色の花弁が6個、雄蕊が6個、雌蕊が1個あります。果実は液果(果皮のうち特に中果皮が水分を多く含む細胞になり液質もしくは多肉質な果実)、液果の大きさは直径0.6(~1)cm、形は楕円形もしくは球形、色は熟すと青色(~青紫色)になります。
ヒイラギメギの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヒイラギナンテンの珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2022】
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ヒイラギメギの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ヒイラギメギは直射日光が6時間以上あたる日向から間接光のみが当たる日陰までで育てられます。ただし完全な日陰はひょろひょろとした成長になるため、直射日光が3時間から5時間の半日影が理想です。
作土層
ヒイラギメギがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ヒイラギメギは極端に水捌けの悪い土壌等を除き、様々な土壌に適応する能力があります。基本的には、水捌けがよく腐植がしっかり入った肥沃(生産性の高い土)な土壌を好むため、植え付けの前に土壌診断を行い、堆肥を入れなどしてしっかり土壌改善を行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ヒイラギメギは直射日光が6時間以上あたる日向から間接光のみが当たる日陰までで育てられます。ただし完全な日陰はひょろひょろとした成長になるため、直射日光が3時間から5時間の半日影が理想です。
培養土
ヒイラギメギの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
ヒイラギメギは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし夏場等で雨が降らず乾燥が続く場合や、土の中に指を入れて湿り気がない場合などは、水やりを行いましょう。
鉢植え
ヒイラギメギを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ヒイラギメギはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。必要に応じて冬に土質を改善する堆肥と肥料を入れましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。肥料の成分は水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びましょう。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
ヒイラギメギは成長が緩やかなため基本的には剪定しなくても育てられます。必要に応じて、古い茎を剪定して、より活力のある若い枝葉を成長させたり、また枯れ枝などを取り除いて風通しや日当たりをよくする等します。
ヒイラギメギを剪定する時期は花が咲く前の晩冬から早春、もしくは花後の晩春から初夏です。
ヒイラギメギを剪定する手順
- 株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎】を探しこれを根元付近から間引き剪定して取り除きます。
- 必要に応じて生産性の落ちている古い茎や、混みあった部分の茎を間引き剪定して新しい成長を促しましょう。
- その際、剪定の量は全体を通して株の3分の1以下に収めてください。何故なら株に強いストレスがかかってしまうからです。
播種で増やす
ヒイラギメギの種蒔の方法
播種時期:周年
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
ヒイラギメギは寒さを経験しないと発芽しません。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)等に約4~6週間入れて寒さを経験させた後に種を撒く必要があります。処理を行うメリットは発芽が揃いやすい所にあります。