- 原産:オーストラリア
- 科:ナンヨウスギ(Araucariaceae)
- 属:ナンヨウスギ(Araucaria)
- 種:ナンヨウスギ(cunninghamii)
- 別名:フープ・パイン(hoop pine)/コロニアル・パイン(colonial pine)/クィーンズランド・パイン(Queensland pine)/ドリンゴ・パイン(Dorrigo pine)/モールトンベイ・パイン(Moreton Bay pine)/リッチモンド・リバーパイン(Richmond River pine)
- 花の色:黄色●茶色●緑色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑高木
- 草丈:約4000~6000cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:コニファー
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ナンヨウスギとは!?
ナンヨウスギは学名Araucaria cunninghamii、別名では「フープ・パイン(hoop pine)」や「クィーンズランド・パイン(Queensland pine)」等とも呼ばれるオーストラリアが原産の常緑高木です。
ナンヨウスギの語源(由来)
- 属名のAraucaria の由来はチリにあるアラウコ(Arauco)県からきています。
- 種小名のcunninghamiiはイギリス出身の植物学者アラン・カニンガム(Allan Cunningham)への献名です。
ナンヨウスギの特徴(魅力)
- ナンヨウスギは垂直に伸びる幹と水平に伸びる枝葉でつくる円錐形(~円筒形)の樹形が美しい植物です。
- 剪定しなくても円錐形の樹形になる習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、逆に剪定すると樹形が乱れる場合があります。
- 日当たりが悪いと枝葉が垂れたり枯れて樹形が乱れたりします。
- 花は雌雄同株のため雄花と雌花の2種類が同一個体状に生じます。
- 花は球花で雄花は花粉を生成し雌花は受粉後に球果となります。
- 葉は長さ約1~2cmの細長い針形をしています。
- 針形の葉は枝に螺旋状に密につくため円筒型の外観をつくります。
- 果実(球果)は楕円形で長さ約8~10cm、幅約6~8cmの大きさがあります。
- 球果の外側は鱗片が重なり、鱗片は先端がフック状に尖ります。
- 球果は約18ヶ月かけて緑色から褐色へと熟すと徐々に崩壊して中の種子を放出します。
- 種子には薄い翼があり風によって遠くへ飛散します。
- ナンヨウスギは夏の暑さや乾燥に強く肥料も基本的に不要なため放ったらかしで育てる事が出来ます。
- ただし霜が降りる場所では越冬が難しいです。
ナンヨウスギの樹高は約4000(~6000)cm、樹形は若い時は円錐形で成熟すると円筒形になります。樹皮は赤褐色もしくは灰褐色で横縞があり不規則に剥がれます。幹は単幹(根元から上部まで幹が1本)で直立して、枝は輪生(葉や枝などの器官が一定の箇所から輪を描く様に生じる)します。葉序は互生、葉色は緑色で白色の気功が目立ちます。葉身の長さ約1(~2)cm、幅約0.2(~0.4)cm、葉身の形は針形です。花は雌雄同株(雄花と雌花の2種類が同一個体状に生じる)です。雄花は球花で、円錐形をしており花粉を生成します。雌花は球花で、円錐形もしくは卵形をしており受粉後に果実(球果)になります。果実は球果(裸子植物の果実で鱗片が重なり円錐形や球形をつくり内部に種子がある)です。球果は円錐形をしており長さ約8(~10)cm、幅約6(~8)cmあり、色は緑色から約18ヶ月かけて成熟すると褐色に変わります。種子は淡褐色、長さ約1.5cmで翼をもちます。
ナンヨウスギの園芸品種
アローカリア(ナンヨウスギ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ナンヨウスギの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ナンヨウスギは直射日光が6時間以上あたる日向から、3時間から5時間の半日影までで育てましょう。また日陰にも比較的に耐えますが、枝葉は垂れ生育は衰えます。
作土層
ナンヨウスギがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30~50cmまでスコップを使い穴を掘り、土を解して、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ナンヨウスギは土質を選びません。基本的に通気性が良ければ幅広い土壌で育てることが出来ます。植え付けの前に土壌診断を行い通気性がよく適度に肥沃な土壌をつくりましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ナンヨウスギは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
ナンヨウスギの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(中粒)+鹿沼土+バーク堆肥+くん炭=4:2:3:1
水やりの仕方
生育初期
ナンヨウスギは植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
ナンヨウスギは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
ナンヨウスギを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ナンヨウスギはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。成長を促進させる目的で春に一度、肥料を与えることが出来ます。ただし窒素成分の多い肥料を施すと肥焼けする事があるため注意が必要です。
オススメは肥料の代わりに、株の周りに堆肥(腐葉土等)をマルチングする事です。堆肥でマルチングする事で、肥沃な土壌が作られ、雑草が生える事も防げます。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。基本的にある程度肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めるだけで良いです。肥料を与える場合は配合肥料もしくは緩効性肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
ナンヨウスギは剪定をしなくても自然に枝分かれして美しい樹形をつくるため定期的な剪定は不要です。また剪定は枝分かれを多くして美しい樹形を乱す可能性があります。そのため剪定は最小限、必要に応じて行いましょう。
ナンヨウスギの剪定の目的
ナンヨウスギは基本的に剪定不要ですが、必要に応じて枯れた枝や損傷した枝、病気の枝を取り除き、日当りや風通しを改善したり、一般的に不要ですが樹形を乱す不要な茎を根元から剪定して取り除く事が出来ます。
ナンヨウスギの剪定時期は早春です。また枯れ枝であれば何時でも剪定して取り除く事が出来ます。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、病気の茎等の健康な成長を阻害する不要な茎を見つけて根元から間引き剪定するだけです。また樹形を乱す不要枝も必要に応じて根元から間引き剪定します。
夏越しする方法
ナンヨウスギは夏の暑さに強いため、基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:9b~10a
ナンヨウスギは基本的に霜に耐えられません。
挿し木や株分けで増やす
ナンヨウスギは挿し木で増やす事ができます。
播種で増やす
ナンヨウスギの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ナンヨウスギの病気
ナンヨウスギの害虫