- 原産:中国/東アジア
- 科:バラ(Rosaceae)
- 属:カナメモチ(Photinia)
- 種:オオカナメモチ(serratifolia)
- 別名:チャイニーズ・フォティニア(Chinese Photinia)/タイワン・フォティニア(Taiwanese photinia)
- 品種:クランチ(photinia serratifolia ‘crunchy’)
- 開花時期:4月~5月
- 果実時期:9月~11月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●赤色●橙色●
- 分類:常緑小高木
- 草丈:約150~250cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:カラーリーフ/日陰植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オオカナメモチ(クランチ)とは!?
オオカナメモチ(クランチ)は、一般的なオオカナメモチと比べて高さが約150~250cmまでしか成長しないため狭いお庭などでも育てやすく、また新しく成長する葉が赤色(~橙色)をしているためカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。
オオカナメモチとは!?
オオカナメモチは学名Photinia serratifolia、別名では「チャイニーズ・フォティニア(Chinese Photinia)」や「タイワン・フォティニア(Taiwanese photinia)」等とも呼ばれる中国および東アジアが原産の常緑小高木です。
オオカナメモチの語源(由来)
- 属名のPhotiniaは古代ギリシャ語で「輝く」「明るい」を意味する「ϕωτεινός」に由来します。
オオカナメモチの特徴(魅力)
- オオカナメモチは花が大きく華やかで春に一斉に枝を覆うようにたくさんの花を咲かせます。
- 花は直径約0.8cmの小花が半球状に多数集まり直径約8~22cmの花を咲かせます。
- 花は臭いが強く人によっては「やや不快」と感じるようです。
- オオカナメモチの葉はとても長く長さ約6~22cmあります。
- 葉の色は通常緑色ですが幾つかの品種では桃色の葉色や赤色(~橙色)の葉色があるためカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- オオカナメモチは家の境界等に等間隔で植えて生垣として利用されます。
- 葉は常緑のため一年を通して鑑賞価値が保たれます。
- 成長が早いため剪定作業が大変と感じる場合があります。
- オオカナメモチは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆ど不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
オオカナメモチの樹高は約300(~700)cm、樹形は丸みを帯び、幹は曲がりながら上に伸びて、枝は下部からよく枝分かれします。樹皮の色は灰褐色(~赤褐色)で縦に裂け剥がれます。葉序は互生葉序、葉色は緑色で強い光沢があり革の様な質感があります。葉身の大きさは長さ約6(~22)cm、幅約3(~6.5)cm、葉身は長楕円形で縁部分に鋸歯があります。花序は複散房花序、複散房花序は直径約8(~12)cmあります。花は直径約0.6(~0.8)cm、花弁の色は白色、花弁の数は5個、雄蕊は約20個、雌蕊は1個(柱頭2個)です。果実はナシ状果(偽果とも呼ばれており、子房を包む花托が肥大して多肉質になり果実の大部分を占める)です。果実の形は球状で熟すと赤色(~赤褐色)になります。
オオカナメモチの園芸品種の紹介
- ピンククリスピー(photinia serratifolia ‘pink crispy’)は、葉全体に網状に入るクリーム色の班と、新しく成長する葉で見られる濃い桃色の葉色が魅力の園芸品種です。鮮やかな桃色の葉色は、遠くからでも目を引き付ける刺激的な色合いをしています。そのため明るくてポップな印象を与えるカラフル(様々な色を組み合わせる)なお庭や、愛情や情熱を感じさせるような可愛らしいお庭などによく合うでしょう。樹高は約100~180cm、幅約100cmまで成長します。用途に合わせて剪定しながら鉢植えで育てたり、庭木や生垣などに利用するとよいでしょう。
- クランチ(photinia serratifolia ‘crunchy’)は、一般的なオオカナメモチと比べて高さが約150~250cmまでしか成長しないため狭いお庭などでも育てやすく、また新しく成長する葉が赤色(~橙色)をしているためカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。
カナメモチ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
カナメモチの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
オオカナメモチ(クランチ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
オオカナメモチ(クランチ)は日光のよく当たる場所で最も葉色(新葉)が美しいため、基本的には直射日光が6時間以上の日向、または3時間~5時間の半日影で育てられます。また耐陰性が比較的に高いため、間接光の当たる明るい日陰でも育てられます。
作土層
オオカナメモチ(クランチ)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30~50cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
オオカナメモチ(クランチ)は水捌けがよく腐植がしっかり入った肥沃(生産性の高い土)な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行い、堆肥を入れなどしてしっかり土壌改善を行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
オオカナメモチ(クランチ)は日光のよく当たる場所で最も葉色(新葉)が美しいため、基本的には直射日光が6時間以上の日向、または3時間~5時間の半日影で管理しましょう。
培養土
オオカナメモチ(クランチ)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
オオカナメモチ(クランチ)は植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
オオカナメモチ(クランチ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
オオカナメモチ(クランチ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
オオカナメモチ(クランチ)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて成長を促したい場合などは毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
オオカナメモチ(クランチ)は最小限の剪定で育てる事が出来ますが、幾つかの品種では剪定をする事で桃色や赤色の新葉が出やすくなるなどの恩恵をうけやすいため、一般的には年に1~2回の剪定が推奨されます。
オオカナメモチの剪定の目的や手順
オオカナメモチの剪定の目的は、剪定する事により枝分かれを促し密に枝葉を茂らせる目的だったり、新芽を沢山出す目的だったり、形状を維持して美観を保つ目的だったり、飛び出た枝葉が服や肌に引っかかる事を防ぐ目的などがあります。
オオカナメモチの剪定の時期は、一般的には晩春~初夏(花後)と秋に2回行います。また必要に応じて霜の心配のなくなった早春に枯れ枝や損傷した枝を取り除き春からの強い成長を促す事も出来ます。
早春の剪定は冬に枯れた部分や損傷した部分を間引き剪定で取り除き、春からの強い成長を促します。
晩春から初夏の剪定は春から初夏にかけて活発に成長した部分を切り戻し樹形を整えます。
秋の剪定は、晩春から初夏の剪定と同様に成長した部分を切り戻し樹形を整えます。
オオカナメモチの剪定のやり方
- 早春に株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎・蘖(木の根元から生えてくる細い茎)】を探しこれを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 側面を「刈り込み剪定」で剪定して樹形を整えます。
- 前回刈り込んだ位置で剪定すると大きさが維持され、刈り込む位置を前回より内側もしくは外側にする事で全体を大きくしたり小さくしたり出来ます。
- 側面が終わったら上面を水平に刈り込みましょう。
- 紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。
夏越しする方法
オオカナメモチ(クランチ)は夏の暑さに強く基本的には夏越し対策はいりません。
冬越しする方法
Hardiness:6b~10a
オオカナメモチ(クランチ)は耐寒性が高く、基本的には冬越し対策不要です。
挿し木や株分けで増やす
オオカナメモチ(クランチ)は挿し木によって増やす事ができます。
オオカナメモチの挿し木の方法
- オオカナメモチの挿し木時期は初夏から夏(半熟枝)もしくは初冬から晩冬(熟枝挿し)が適します。
- 健康な挿し穂を約7~10cmでとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 半熟枝では下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 発根促進剤をつけます。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
おすすめの発根促進剤
播種で増やす
オオカナメモチの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
オオカナメモチの病気
- うどんこ病
- 褐斑病
オオカナメモチの害虫
- 毛虫
- ルリカミキリ