- 原産:日本
- 科:マンサク(Hamamelidaceae)
- 属:トキワマンサク(Loropetalum)
- 種:マンサク(japonica)
- 品種:アカバナマンサク(Hamamelis japonica var. obtusata f. incarnata)
- 別名:カタソゲ
- 開花時期:2月~3月
- 花の色:赤色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉小高木
- 草丈:約300~600cm
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アカバナマンサクとは!?
アカバナマンサクはマルバマンサク(Hamamelis japonica var. obtusata)の中の1品種とされており、赤色の花と赤色の紅葉が美しい園芸品種です。
マンサクとは!?
マンサクは学名Loropetalum japonica、別名では「カタソゲ」等とも呼ばれる日本原産の落葉小高木です。日本では本州・四国・九州に分布しており、山地に自生します。
マンサクの語源(由来)
- 属名のLoropetalumはギリシャ語で「革ひも」を意味する「loron」と、「花弁」を意味する「petalon」の2語からなり、革ひもの様な個性的な花弁の形に由来します。
- 種小名のjaponicaは「日本の」を意味しており自生地に由来します。
- マンサクの由来は諸説あり、他の花に先駆け「先ず(まず)」「咲く(咲く)」ことから来ているという説や、黄金色の花が沢山咲くことから豊作と絡めて「万年豊作(ばんねんほうさく)」からきたという説などがあります。
マンサクの特徴(魅力)
- マンサクの花は葉が展開する前に開花が始まるため葉に邪魔される事なく綺麗な花を鑑賞する事ができます。
- 一つの花からは、紐状の黄色の花弁が4個出て、花弁は捻れながら個性的な花姿をつくります。
- 花弁は通常黄色ですが赤色の品種(アカバナマンサク)もあります。
- マンサクは秋に紅葉した後に葉が落ちる落葉低木です。
- 葉は紅葉すると一気に黄色(~赤色)に染まり美しい景観をつくります。
- マンサクは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です
マンサクの樹高は約300(~600)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、茎は下部からよく枝分かれする傾向にあります。樹皮の色は淡褐色(~灰褐色)です。葉序は互生葉序、葉色は緑色で星状毛が生えます。葉身の大きさは長さ約5(~10)cm、葉身の形は菱形から菱形状の楕円形(~倒卵形)で縁部分に鋸歯があります。花序は前年の短枝から数個の花が束生(葉・花・茎等が1箇所から束状に生える)します。花は直径約3(~4)cm、花弁は4個で色は黄色、雄蕊は4個、仮雄蕊4個、花柱は2個、花弁の数が約4(~6)個(品種では10以上ある場合もある)、花弁の色は桃色・赤色・白色、雄蕊は4(~5)個、雌蕊は1個あります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。蒴果は直径約1cm、卵状球形で褐色の毛が密に生え、熟すと縦に割れ種子を放出します。
マンサクの園芸品種の紹介
トキワマンサクの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
トキワマンサクの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
アカバナマンサクの育て方
花壇の土づくり
日当たり
アカバナマンサクは直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが強い場所では半日影が理想です。
土壌の土質
アカバナマンサクは水捌けがよく腐植がしっかり入った肥沃(生産性の高い土)な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行い、堆肥を入れなどしてしっかり土壌改善を行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アカバナマンサクは直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが厳しい地域では半日影に移動した方が良いでしょう。
培養土
アカバナマンサクの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
アカバナマンサクは植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
アカバナマンサクは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
アカバナマンサクを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
アカバナマンサクはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて成長を促したい場合などは毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
アカバナマンサクは基本的に定期的な剪定を必要としない低メンテナンスな植物です。
アカバナマンサクを庭木として剪定する目的や手順
アカバナマンサクを庭木として剪定する目的は外観を悪くしたり、日当たりや風通しを悪くする、枯れた枝や病枝、不要な茎などを取り除く事にあります。
アカバナマンサクを庭木として剪定する時期は花が終わった後の晩春から初夏です。何故なら花が終わった後直ぐに剪定した方が翌年の開花への影響が少ないからです。
アカバナマンサクを庭木として剪定する手順
- 株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎】を探しこれを根元付近から間引き剪定して取り除きます。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため不要な茎を根元付近から間引き剪定します。
- 生産性の落ちた古い茎、著しく徒長して見た目を悪くする茎等を剪定します。
夏越しする方法
アカバナマンサクは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。ただし強い日差しをやや苦手にすることから鉢植えで育てている場合は、午後から日陰になるような半日影に移動するとよいでしょう。
冬越しする方法
Hardiness:
アカバナマンサクは耐寒性が比較的に高いため、冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
アカバナマンサクの挿し木の方法
- アカバナマンサクの挿し木時期は晩夏から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した弾力がある茎(硬くない茎)を長さ約10~15cmでとりましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 茎の下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 発根促進剤をつけます。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
アカバナマンサクの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アカバナマンサクの病気
アカバナマンサクの害虫