- 原産:日本/台湾/中国/インド
- 科:マンサク(Hamamelidaceae)
- 属:トキワマンサク(Loropetalum)
- 種:トキワマンサク(chinense)
- 別名:常磐万作/チャイニーズ・フリンジ・フラワー(Chinese fringe flower)
- 品種:赤レンガ
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:桃色●
- 葉の色:淡褐色●
- 分類:常緑低木
- 草丈:約100~300cm
- 誕生花:2月12日
- 花言葉:神聖な/不思議な力
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
トキワマンサク(赤レンガ)とは!?
トキワマンサク(赤レンガ)は、葉全体がレンガを思わせる様なセピア色をしているため、花が咲かない時期も素朴で落ち着いた印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。開花期になると濃い桃色のストラップ状の花を一斉に咲かせます。
トキワマンサクとは!?
トキワマンサクは学名Loropetalum chinense、別名では「チャイニーズ・フリンジ・フラワー(Chinese fringe flower)」等とも呼ばれる日本および台湾、中国、インドに自生する常緑低木です。日本では静岡・三重・熊本に自生しており、山地に自生します。
トキワマンサクの語源(由来)
- 属名のLoropetalumはギリシャ語で「革ひも」を意味する「loron」と、「花弁」を意味する「petalon」の2語からなり、革ひもの様な個性的な花弁の形に由来します。
- 種小名のchinenseは「中国の」を意味しており自生地に由来します。
トキワマンサクの特徴(魅力)
- トキワマンサクは糸状に伸びるフサフサとした外観の花や、優雅に広がる樹形、幾つかの品種などで見られる赤紫色(~黒色)の美しい葉が魅力的な植物です。
- 樹形は株立ち状(根元から茎がわかれ複数の茎が立ち上がる樹形)で、枝は横へと広がり弧状に枝垂れる傾向も強いため優雅な雰囲気をつくります。
- 花序は総状花序、枝先に密に複数の花が集まり、花は糸状の花弁が4~6個つき、フサフサとした箒のような個性的な外観をつくります。※品種によっては10個以上の花弁がある場合もあります。
- 花色はロマンチックな雰囲気を作り出す桃色の花色や、華やかな雰囲気をつくる真っ赤な花色、清潔感や輝くような印象を与える真っ白な花色があるためお庭の雰囲気に合わせて品種選びができます。
- 花は多花性、沢山の花が枝葉を覆うように咲くため美しい景観を作り出します。
- 葉はふつう緑色ですが、園芸では上品な印象を与える赤紫色の葉や、シックで落ち着いた雰囲気をつくる黒色の葉の品種等が選ばれる事がおおいです。
- 葉裏には放射状に伸びる星状毛が密生しているため触るとザラザラとしています。
- トキワマンサクは優雅に広がる樹形を楽しむ目的で庭木にされたり、家などの境界を囲う生垣にされたり、鉢植えで盆栽として育てられたりします。
- 生垣としては自然な樹形を生かしたインフォーマルヘッジの生垣、もしくは年に1回の頻度で剪定され形が整えられるフォーマルヘッジの生垣として利用されます。
- トキワマンサクの生垣は赤紫色や黒色の葉をカラーリーフとして楽しんだり、春に一斉に開花する花を楽しんだりしながら、生垣を利用できる所が魅力です。
- トキワマンサクの生垣の植付け間隔は約30~50cmです。※自然樹形の生垣として利用する場合は成熟時の横幅で植え付けます。
- トキワマンサクは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です
トキワマンサクの樹高は約100(~300)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、茎は下部からよく枝分かれして広がります。樹皮の色は淡褐色です。
葉序は互生葉序、葉色は緑色もしくは赤紫色、葉柄は0.2(~0.5)cm、葉身の大きさは長さ約2(~6.5)cm、幅約1(~3)cm、葉身の形は卵形もしくは楕円形、葉裏は星状毛が生えており触るとザラザラとしています。
花序は密で短い総状花序、総状花序は花が3(~16)個つきます。花は花弁の数が約4(~6)個(園芸品種では10以上ある場合もある)、花弁の色は桃色・赤色・白色、雄蕊は4(~5)個、雌蕊は1個あります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。蒴果は卵形で毛が密に生え、熟すと縦に割れ種子を放出します。
トキワマンサクの園芸品種の紹介
- トキワマンサク(黒雲)は葉色が殆ど黒色(~濃い赤紫色)をしているため花のない時期もカラーリーフとなり、また開花期には鮮やかな桃色の花が一斉に開花して枝を覆い美しい景観をつくる魅力的な園芸品種です。桃色の花色と重厚感のある黒色(~濃い赤紫色)の葉色の2色は、チャーミングで小悪魔的な印象を与えたり、モダンで高級感のある印象を与えるます。そのため遊び心のある可愛らしいお庭や、大人の魅力を感じさせるお洒落なお庭などによく合うでしょう。
- トキワマンサク(紅彩)は、殆ど黒色をした銅葉と、紅葉により不規則に入る桃色の散班、春に一斉に開花する桃色の花などが魅力の園芸品種です。落ち着いた雰囲気を出す銅葉(~黒葉)と可愛らしい雰囲気を出す桃色の班は、カラーリーフとして楽しむと、お庭にチャーミングで小悪魔的な印象を与えたり、モダンで高級感のある印象を与えるます。そのため遊び心のある可愛らしいお庭や、大人の魅力を感じさせるお洒落なお庭などによく合うでしょう。
- トキワマンサク(黒美人)は、樹高が300cmに達する一般的なトキワマンサクと比べて黒美人は高さが最大150cm程度しかならないため小さな庭でも育てやすく、また葉色が殆ど黒色(~濃い紫色)をしているため花のない時期もカラーリーフとなり、また開花期には鮮やかな桃色の花が一斉に開花して枝を覆い美しい景観をつくる魅力的な園芸品種です。
- トキワマンサク(花吹雪)は、1個の花に【濃い桃色・薄桃色・白色】の3色のストラップ状の花弁が咲き分けるようにあり、開花期の春になると花が一斉に開花して枝を覆うように花が咲き「紙吹雪」が舞うような美しい景観をつくる魅力的な園芸品種です。
- トキワマンサク(青葉白花)は、葉が細く小さいため刈り込みに強く生垣などに重宝される園芸品種です。花は白色の花を咲かせます。
- トキワマンサク(七彩)は、秋期になると紅葉して若葉に掃け込み班が入り、ハツユキカズラを思わせる様な濃い緑色・白色(クリーム色)・桃色の3色のトリカラーの葉色が楽しめる園芸品種です。花は濃い桃色で、ストラップ状の花弁の長さはやや長めです。
- トキワマンサク(夢物語)は、1年を通して新葉に桃色とクリーム色(~薄黄色)の班が入るため、ハツユキカズラを思わせる様な美しいカラーリーフが楽しめて、また開花期には鮮やかな桃色の花が一斉に開花して枝を覆うためロマンチックな美しい花姿が見られる魅力的な園芸品種です。夢物語は2019年フラワートライアル大賞を受賞しています。
- トキワマンサク(白孔雀錦)は、一つの葉の中に濃い緑色と薄緑色の二色の葉色があるためまだら模様になり、瑞々しさやフレッシュな印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。開花期になるとやや小ぶりな白色の花を一斉に咲かせます。
- トキワマンサク(赤レンガ)は、葉全体がレンガを思わせる様なセピア色をしているため、花が咲かない時期も素朴で落ち着いた印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。開花期になると濃い桃色のストラップ状の花を一斉に咲かせます。
- トキワマンサク(紅姫)は、一般的なトキワマンサクと違い茎が横へと広がる習慣(決まりのように繰り返す癖)があるため地被植物として利用されることもあり、またやや赤みを帯びる銅色の落ち着いた葉色と、殆ど赤色に見える紅色の美しい花色が魅力の園芸品種です。
トキワマンサクの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
トキワマンサクの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
トキワマンサク(赤レンガ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
トキワマンサク(赤レンガ)は直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが強い場所では半日影が理想です。
土壌の土質
トキワマンサク(赤レンガ)は水捌けがよく腐植がしっかり入った肥沃(生産性の高い土)な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行い、堆肥を入れなどしてしっかり土壌改善を行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
トキワマンサク(赤レンガ)は直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが厳しい地域では半日影に移動した方が良いでしょう。
培養土
トキワマンサク(赤レンガ)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
トキワマンサク(赤レンガ)は植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
トキワマンサク(赤レンガ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
トキワマンサクを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
トキワマンサク(赤レンガ)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて成長を促したい場合などは毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
トキワマンサク(赤レンガ)は基本的に定期的な剪定を必要としない低メンテナンスな植物です。生垣などに利用する場合は形の維持のために年に一度の刈り込み剪定が必要になりますが、庭木として育てる場合は枝葉を優雅に伸ばしながら、外観を悪くしたり、日当たりや風通しを悪くする枝を間引き剪定して、自然樹形で育てます。
トキワマンサクを庭木として剪定する手順
- 剪定する時期は花が終わる晩春から初夏に、計1回です。
- 剪定が遅くなると剪定からの回復が遅くなったり、花芽を切ってしまい、翌年の開花に影響を与える可能性があるため注意が必要です。※花芽の分化は8月頃です。
- 剪定の方法は株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 株全体のバランスを見ながら、混み合う枝や外観を乱す枝を根元もしくは節の上の部分で切り戻します。
- 生産性の落ちた古い枝や、自然淘汰されていくような細い枝、樹形を乱すような枝を、根元から間引き剪定もしくは切り戻し剪定しましょう。
- また著しく徒長している枝が邪魔になる場合は枝の途中(芽・節がある場所の少し上)で切り戻しする事ができます。
生垣のトキワマンサクを剪定する手順
- 剪定する時期は花が終わる晩春から初夏です。
- 剪定が遅くなると花芽を切ってしまい、翌年の開花に影響を与える可能性があるため注意が必要です。※花芽の分化は8月頃です。
- 剪定する方法は刈り込み剪定です。
- 刈り込みハサミやヘッジトリマー等を利用して「バッサ」「バッサ」と刈り込みましょう。
- 刈り込み剪定する時は紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。上面・側面と刈り込み剪定しましょう。
- その際、上部をやや狭く下部をやや広く「▲」の形をイメージしながら剪定すると下部の枝葉にも光がしっかり当たるため、下枝の葉が落ちにくいです。
- また前年刈り込みを行った位置で剪定すると大きさが維持され、刈り込む位置を前年より内側もしくは外側にする事で全体を大きくしたり小さくしたり出来ます。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
\剪定の依頼は下記のバーナーから【PR】/
夏越しする方法
トキワマンサク(赤レンガ)は夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。ただし強い日差しをやや苦手にすることから鉢植えで育てている場合は、午後から日陰になるような半日影に移動するとよいでしょう。
冬越しする方法
Hardiness:7b~9a
トキワマンサク(赤レンガ)は耐寒性が比較的に高いため、冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
トキワマンサク(赤レンガ)の挿し木の方法
- トキワマンサクの挿し木時期は晩夏から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した弾力がある茎(硬くない茎)を長さ約10~15cmでとりましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 茎の下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 発根促進剤をつけます。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
トキワマンサクの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
トキワマンサクの病気
トキワマンサクの害虫