- 原産:朝鮮
- 科:マツ(Pinaceae)
- 属:モミ(Abies)
- 種:チョウセンシラベ(koreana)
- 別名:コリアン・ファー(Korean Fir)
- 品種:アイスベイカー(abies koreana ‘ice breaker’)
- 花の色:赤色●黄色●
- 葉の色:緑色●白色〇
- 分類:常緑高木
- 草丈:約60cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:コニファー/カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
チョウセンシラベ(アイスベイカー)とは!?
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は高さ約60cm幅90cmまでしか成長せず、一般的に円錐形に成長するコロラドモミと違い、半球状のに成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)をもつ園芸品種です。また葉が強くカールするため、チョウセンシラベ特有の葉裏の白色の部分が非常に目立ち、まるで雪が積もったかのような個性的な外観をつくります。
チョウセンシラベとは!?
チョウセンシラベは学名Abies koreana、別名では「コリアン・ファー(Korean Fir)」とも呼ばれる朝鮮が原産の常緑高木です。
チョウセンシラベの語源(由来)
- 属名のAbiesの由来は英名のモミから来ていると言われます。
- 種小名のkoreanaはラテン語で「韓国の」を意味します。
チョウセンシラベの特徴(魅力)
- チョウセンシラベは濃い紫色の果実を鑑賞する目的や、葉の表(緑色)と裏(白色)のコントラストを楽しむ目的、洗練された円錐形の樹形を楽しむ目的などで育てられる植物です。
- 野生では樹高がとても高くなりますが、園芸品種は殆どが300cm程度しかなく成長も緩やかで 鉢植えや小さなお庭でも育てやすい所が魅力です。
- チョウセンシラベは垂直に伸びる幹と水平に伸びる枝葉でつくる円錐形の樹形が美しい植物です。
- 剪定しなくても円錐形の樹形になる習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、逆に剪定すると樹形が乱れる場合があります。
- 葉は裏面に目立つ白色の気孔帯があるため、葉裏は殆ど白色の外観をつくります。
- 葉は細長い線形で枝に螺旋状についたやや捻れます。
- 果実は若木の時から紫色の果実(球果)を生産する事が出来ます。
- 果実は長さ約4~7cmで円錐形の形をしており、枝に垂直に立つように実ります。
- 果実は紫色から始まり5~6ヶ月かけて成熟して薄褐色へと変わり徐々に崩壊しながら翼のある種子を放出します。
チョウセンシラベの茎は木質で樹皮は淡褐色もしくは灰褐色をしています。樹高は約1000(~1800)cm、樹形は円錐形、幹の太さは約70cmになり単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は水平に広がります。葉は螺旋状に付き、葉色は緑色、葉裏に目立つ白色の気孔帯があり白色の外観となります。葉身の長さ約1(~2)cm、葉身の形は線形です。花は雌雄同株(雄花と雌花の2種類が同一個体に生じる)です。雄花は球花で、円錐形をしており花粉を生成します。雌花は球花で、円錐形もしくは卵形をしており受粉後に果実(球果)になります。果実は球果(裸子植物の果実で鱗片が重なり円錐形や球形をつくり内部に種子がある)です。球果は円錐形をしており長さ約4(~7)cm、幅約1.5(~2)cmあり、約5~6ヶ月かけて成熟して、色は濃い紫色から薄褐色へと成熟します。種子は淡褐色で翼をもちます。
チョウセンシラベの園芸品種の紹介
- シルバーロック(abies koreana ‘silberlocke’)は葉が強く反り返るため、チョウセンシラベ特有の葉裏の白色の部分がとても目立ち、また成長がとても緩やかで高さが150~400cm程度と背が低いため小さなお庭でも育てやすい園芸品種です。
- オーレア(abies koreana ‘aurea’)は春に新しく成長する葉で見られる黄色の葉色と、成熟するにつれて見られるイエローグリーンの爽やかな葉色が、明るい雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。成長は非常に緩やかで10年後に約200cmまで成長します。
- シルバーショー(abies koreana ‘silver show’)は葉が強くカールするため、チョウセンシラベ特有の葉裏の白色の部分が非常に目立ち、まるで雪が積もったかのような個性的な外観をつくる魅力的な園芸品種です。また成長がとても緩やかで高さが150~400cm程度と背が低いため小さなお庭でも育てやすい園芸品種です。
- アイスベイカー(abies koreana ‘ice breaker’)は高さ約60cm幅90cmまでしか成長せず、一般的に円錐形に成長するコロラドモミと違い、半球状のに成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)をもつ園芸品種です。また葉が強くカールするため、チョウセンシラベ特有の葉裏の白色の部分が非常に目立ち、まるで雪が積もったかのような個性的な外観をつくります。
モミの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
モミの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種などの紹介【2022】
チョウセンシラベ(アイスベイカー)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
チョウセンシラベ(アイスベイカー)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(約50~60cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は土質を選びません。基本的に通気性が良ければ幅広い土壌で育てることが出来ます。植え付けの前に土壌診断を行い通気性がよく適度に肥沃な土壌をつくりましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
チョウセンシラベ(アイスベイカー)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(中粒)+鹿沼土+バーク堆肥+くん炭=4:2:3:1
水やりの仕方
生育初期
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
チョウセンシラベ(アイスベイカー)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
チョウセンシラベ(アイスベイカー)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。成長を促進させる目的で春に一度、肥料を与えることが出来ます。ただし窒素成分の多い肥料を施すと肥焼けする事があるため注意が必要です。
オススメは肥料の代わりに、株の周りに堆肥(腐葉土等)をマルチングする事です。堆肥でマルチングする事で、肥沃な土壌が作られ、雑草が生える事も防げます。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。基本的にある程度肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めるだけで良いです。肥料を与える場合は配合肥料もしくは緩効性肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は剪定をしなくても自然樹形のままで同じ形(円錐形等)をとる習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、基本的に剪定しなくても育てられます。過度な剪定を行うと後々に美しい円錐形の樹形を崩したり、枝から新芽が出ずにそのまま枝が枯れ込む事があるため剪定する際も注意が必要になります。
チョウセンシラベの剪定の目的
チョウセンシラベは基本的に剪定不要ですが、必要に応じて枯れた枝や損傷した枝、病気の枝を取り除き、日当りや風通しを改善したり、不要な茎を取り除いて外観を改善する事が出来ます。
チョウセンシラベの剪定時期は早春です。また枯れ枝であれば何時でも剪定して取り除く事が出来ます。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、病気の茎等の健康な成長を阻害する不要な茎を見つけて根元から間引き剪定するだけです。また樹形を乱す不要枝も必要に応じて根元もしくは枝分かれした部分から間引き剪定します。
夏越しする方法
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は夏の暑さに強く基本的には対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~7a
チョウセンシラベ(アイスベイカー)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
チョウセンシラベは挿し木でも増やす事が出来ますが、時間がかかり難しい場合があります。そのため園芸品種等を増やしたい場合は実生から育てた2~3年生の苗に、増やしたい株の挿し穂を接ぎ木して増やすのが一般的です。親株と同じ習慣(決まりのように繰り返す癖)を持たない株で問題なければ実生(種)から増やして育てます。
播種で増やす
チョウセンシラベの種蒔の方法
播種時期:3月~5月(理想)・何時でも
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
種まき手順
- 種を撒く前に果実(球果)から種子を取り出し、種子を水の中に24時間つけます。
- やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜ密閉される袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で約6~8週間保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
チョウセンシラベの病気
チョウセンシラベの害虫