クロベは属の中に約5種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は、園芸品種が非常に豊富で生垣やシンボルツリーなど幅広く利用されるニオイヒバとその園芸品種です。
クロベ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
クロベの主な種の目次
ニオイヒバの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Thuja occidentalis
- 草丈:約1500~2000cm
- 分類:常緑高木
- 花色:桃色●黄色●緑色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:1月11月
- 花言葉:固い友情/真の友情
- 用途:コニファー/カラーリーフ
ニオイヒバとは!?
ニオイヒバは学名Thuja occidentalis、別名では「ノーザン・ホワイトシダー(northern white-cedar)」や「イースターン・ホワイトシダー(eastern white-cedar)」とも呼ばれる北アメリカ原産の常緑高木です。
ニオイヒバの語源(由来)
- 属名のThujaは古代ギリシア語の「θυία」に由来します。
- 種小名のoccidentalisはラテン語で「西」を意味する「occidēns」と、接尾辞の「-ālis」の2語からなります。
- ニオイヒバの由来は葉に「レモン」や「パイナップル」を思わせる香りがある事からきています。
ニオイヒバの特徴(魅力)
- ニオイヒバは円錐形の洗練された樹形や、レモンやパイナップルを思わせる葉の香り、レースの編み物を連想させる様な光を通す羽状の葉の形などが魅力の植物です。
- 円錐形に整った樹形は洗練された印象を与えるためエレガントなお庭に良く合い、また大きく成長するためランドスケープやシンボルツリーなどにも利用出来ます。
- ニオイヒバは垂直に伸びる幹と斜上に伸びる枝葉でつくる円錐形の樹形が美しい植物です。
- 剪定しなくても円錐形の樹形になる習慣(決まりのように繰り返す癖)があるため殆どせずに育てる事が出来ます。
- 生垣などにする場合は定期的な剪定が必要です。
- 葉は小枝に鱗の様につく非常に小さな鱗片葉です。
- 枝葉は羽状に広がり隙間があり光を通すためレースの編み物の様な上品な外観をつくり全体として柔らかな印象を与えます。
- 葉は指で潰すなどすると「レモン」や「パイナップル」等を連想させる心地よい香りが広がります。
- ニオイヒバは家の境界等に等間隔(品種に合わせ約60~120cm)で植えて生垣として利用されます。
- 葉は常緑のため一年を通して鑑賞価値と目隠し効果が保たれます。
- 植栽間隔などにもよりますが円錐形の美しい木が並ぶ姿は非常に洗練された印象を与えます。
- ニオイヒバは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため低メンテナンスで育てられます。
ニオイヒバの茎は木質で樹皮は灰褐色もしくは赤褐色をしており、樹齢が重なると縦方向に裂けます。樹高は約1500(~2000)cm、樹形は円錐形、幹の太さは約90(~120)cmになり単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は斜上に広がります。葉色は緑色、葉裏に目立たない灰緑色の気孔帯があり、葉身は羽状して小枝に長さ約0.3(~0.5)cmの鱗片葉がつき、葉先は鋭利です。花は雌雄同株(雄花と雌花の2種類が同一個体に生じる)です。雄花は小枝の枝先に付き色は茶褐色で数個の花粉嚢があります。雌花は枝先に付き鱗片状に重なり色は黄緑色で受粉後に果実(球果)になります。果実は球果(裸子植物の果実で鱗片が重なり円錐形や球形をつくり内部に種子がある)です。球果は円錐形(~卵形)をしており長さ約1(~1.4)cmあり、色は緑色から褐色に変わり、約8個の種子をもちます。種子は淡褐色、楕円形で、長さ約0.4(0.7)cmで翼をもちます。
ニオイヒバの園芸品種の紹介
- ヨーロッパゴールド(thuja occidentalis ‘europe gold’)は新しい葉の成長で見られる黄色の明るい葉色と、円錐形に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)が魅力の園芸品種です。樹高は250cm~450cmに成長します。用途に合わせてシンボルツリーとしてお庭で育てたり、剪定しながら生垣やトピアリーなどにして利用するとよいでしょう。
- エメラルドグリーン(thuja occidentalis ‘emerald green’)はエメラルドを思わせる様な美しい葉色と、成長が非常に緩やかで殆ど横への広がりなく狭い円錐形に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)などが魅力の園芸品種です。成長が緩やかで低メンテナンスで育てられる事から生垣に利用する品種として人気があり、高さは約250cm~450cmに成長します。
- デグルーツ・スパイアー(thuja occidentalis ‘degroot’s spire’)は横への広がりが殆どなく鉛筆を思わせる様な円柱形に成長する樹形と、羽状に広がる枝葉が捻れ個性的な外観をつくる所が魅力の園芸品種です。高さ約800~1200cm、幅約150~250cmと成長するため用途に合わせてシンボルツリーとしてお庭で育てたり、剪定しながら生垣やトピアリーなどにして利用するとよいでしょう。
- ダニカ(thuja occidentalis ‘danica’)は、円錐形に成長する一般的なニオイヒバと違い、球形に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)をもつ園芸品種です。高さは約30cm~50cmに成長するため、トピアリーとして利用したり、花壇の縁どりにしたり、鉢植えで育てるのにおすすめです。
- グリーンコーン(thuja occidentalis ‘green cone)は横への広がりが殆どなく円錐形に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)と、密に茂る枝葉が魅力の園芸品種です。樹高は250cm~450cmに成長するため、用途に合わせてシンボルツリーとしてお庭で育てたり、剪定しながら生垣やトピアリーなどにして利用するとよいでしょう。
- イエローリボン(thuja occidentalis ‘yellow ribbon’)は季節事にかわる葉色が魅力で、春に現れる黄色の葉は、夏になると緑色へと変わり、また秋から冬にかけ黄金色へと変化します。樹形は円錐形で、高さ約300cmに成長するため、用途に合わせてシンボルツリーとしてお庭で育てたり、剪定しながら生垣やトピアリーなどにして利用するとよいでしょう。
- グロボーサ・オーレア(thuja occidentalis ‘globosa aurea’)は新しい葉で見られる明るい黄色の葉色と、球形に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)が魅力の園芸品種です。高さは約50cm~100cmに成長するため、トピアリーとして利用したり、花壇の縁どりにしたり、鉢植えで育てるのにおすすめです。
- ティニティム(thuja occidentalis ‘tiny tim’)は円錐形に成長する一般的なニオイヒバと違い、球状に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)をもつ園芸品種です。高さ幅ともに50~100cmに成長するため、トピアリーとして利用したり、花壇の縁どりにしたり、鉢植えで育てるのにおすすめです。
クロベの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Thuja standishii
- 草丈:約2000~3500cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:5月
- 花色:橙色●黄色●緑色●黒色●
- 葉色:緑色●
- 用途:
クロベとは!?
クロベは学名Thuja standishii、別名では「ネズコ」や「ジャパニーズ・ツジャ(Japanese thuja)」とも呼ばれる日本原産の常緑高木です。日本では本州・四国に分布しており、山地の岩場などに自生します。
クロベの語源(由来)
- 属名のThujaは古代ギリシア語の「θυία」に由来します。
- クロベの由来は富山県の黒部渓谷でよく見られることからきています。
クロベの特徴(魅力)
- クロベは円錐形の樹形が美しく、材は主に家具や建材などに利用されます。
- クロベは垂直に伸びる幹と横に伸びる枝葉でつくる円錐形の樹形が美しい植物です。
- 剪定しなくても円錐形の樹形になる習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。
- 葉は小枝に鱗の様につく非常に小さな鱗片葉です。
- 枝葉は羽状に広がり隙間があり光を通すためレースの編み物の様な上品な外観をつくり全体として柔らかな印象を与えます。
クロベの茎は木質で樹皮は赤褐色もしくは灰褐色をしており、樹齢が重なると縦方向に裂けます。樹高は約2000(~3500)cm、樹形は円錐形、幹の太さは約100cmになり単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は横に広がります。葉色は緑色、葉裏に目立たない白緑色の気孔帯があり、葉身は羽状して小枝に長さ約0.2(~0.4)cmの鱗片葉がつきます。花は雌雄同株(雄花と雌花の2種類が同一個体に生じる)です。雄花は小枝の枝先に付き楕円形で色は茶褐色(~黒色)をしており数個の花粉嚢があります。雌花は枝先に付き球形で色は黄緑色をしており受粉後に果実(球果)になります。果実は球果(裸子植物の果実で鱗片が重なり円錐形や球形をつくり内部に種子がある)です。球果は楕円形をしており直径約1cmあり、色は緑色から褐色に変わります。種子は淡褐色、楕円形で、長さ約0.5(~0.6)cmで翼をもちます。