- 原産:中国
- 科:モクセイ(Oleaceae)
- 属:イボタノキ/リグストルム(Ligustrum)
- 種:トウネズミモチ
- 別名:ブロード・リーフプリベット(broad-leaf privet)/グロシイ・プリベット(glossy privet)
- 品種:トリカラー(ligustrum lucidum ‘tricolor’)
- 開花時期:6月~7月
- 花の色:黄色●白色〇
- 実の色:紫色●黒色●
- 葉の色:緑色●黄色●桃色●白色〇
- 分類:常緑高木
- 草丈:約1000~1500cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
トウネズミモチ(トリカラー)とは!?
トウネズミモチ(トリカラー)は葉の縁部分に入るクリーム色の覆輪と、新しく成長する葉で見られる桃色の葉色が魅力の園芸品種です。
トウネズミモチとは!?
トウネズミモチは学名Ligustrum lucidum、別名では「ブロード・リーフプリベット(broad-leaf privet)」や「グロシイ・プリベット(glossy privet)」等とも呼ばれる中国が原産の常緑高木です。
トウネズミモチの語源(由来)
- 属名のLigustrumはイボタノキの古名(Ligus/Ligustia)に由来します。
- 種小名のlucidumはラテン語で「明るい」「光沢のある」等を意味します。
トウネズミモチの特徴(魅力)
- トウネズミモチは生態系被害防止外来種リスト(要注意外来生物)に指定されています。
- 在来種のネズミモチとの交雑やその他の木本植物との競合による悪影響などが懸念されています。
- トウネズミモチを植栽を検討する際は、環境への悪影響を考えて、在来種のネズミモチを植栽に利用する事も同時に検討してみると良いかもしれません。
- トウネズミモチは一般的に単幹(根元から上部まで幹が1本)に伸びて最大1500cmまで成長します。
- 園芸では剪定で高さや形状を維持しながら常緑の生垣として利用される事が多く、また強い香りがする花や暗紫色の果実を鑑賞する目的で庭木として育てられたりもします。
- 花は小さな小花が円錐状に集まり長さ8~12cmの大きな花穂をつくります。
- 花には強い香りがありますが人によっては「不快」と感じさせる場合があります。
- 葉は光にかざすと葉脈が透けて見えるため、光をかざしても葉脈が見えないネズミモチとの区別に利用されます。
- 葉の色は通常緑色ですが幾つかの品種では黄色の葉色や白色の葉色があるためカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- 葉は常緑のため冬の間も落葉しません。
- 果実の形は球形で色が青色(~暗紫色)をしており白粉を帯びます。
- 果実は生薬名が「女貞子」と呼ばれており、滋養強壮効果等がある漢方薬の素材として利用されています。
- トウネズミモチは花や実を楽しむ目的で自然樹形のまま庭木として育てられたり、等間隔に植栽されて生垣に利用されます。
- 生垣として利用する場合は約40~50cmの間隔で植えます。
- トウネズミモチは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です
トウネズミモチの茎は木質で樹皮は灰褐色(~灰色)をしています。樹高は約1000(~1500)cm、樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)もしくは株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)になります。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄約1(~3)cm、葉身の大きさは長さ約6(~17)cm、幅約3(~8)cm、葉身の形は卵形もしくは卵状披針形です。花序は円錐花序、円錐花序は長さ約8(~20)cmあります。花は長さ約0.4cmの筒状、花の直径約0.4(~0.5)cm、裂片が4個、裂片は白色で後ろに反る傾向があり、雄蕊は2個(葯は黄色)、雌蕊は1個あります。果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、色は青色(~暗紫色)で白粉を帯び、形は球形、直径約0.7(~1)cmです。
トウネズミモチの園芸品種の紹介
イボタノキ(リグストルム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
イボタノキ(リグストルム)の珍しい種類、主な種や園芸品種の紹介【2022】
トウネズミモチ(トリカラー)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
トウネズミモチ(トリカラー)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
トウネズミモチ(トリカラー)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
トウネズミモチ(トリカラー)は土質を選びません。基本的に通気性が良ければ幅広い土壌で育てることが出来ます。植え付けの前に土壌診断を行い通気性がよく適度に肥沃な土壌をつくりましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
トウネズミモチ(トリカラー)は直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが厳しい地域では半日影に移動した方が良いでしょう。
培養土
トウネズミモチ(トリカラー)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
トウネズミモチ(トリカラー)は植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
トウネズミモチ(トリカラー)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
トウネズミモチ(トリカラー)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
トウネズミモチ(トリカラー)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて成長を促したい場合などは毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
トウネズミモチ(トリカラー)は定期的な剪定をせず自然樹形のまま庭木として花や実を楽しむ事が出来ます。また定期的に剪定を行い形状を整え維持して生垣などに利用する事も可能です。
自然樹形に剪定する方法
自然樹形にトウネズミモチを剪定する目的は、枯れた枝や病枝などを剪定する事で日当りや風通しを改善したり、生産性の悪い枝を取り除いて生産性の高い若い枝を成長させたり、徒長枝や樹形を乱す不要枝を剪定して見た目を改善したりする所にあります。
自然樹形にトウネズミモチを剪定する時期は晩冬から早春です。何故なら冬は株が休眠しているため、株へのストレスが少なく、また強い剪定をしても春からの強い成長で回復が早いからです。
自然樹形のトウネズミモチに剪定する手順
- 株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎】を探しこれを根元付近から間引き剪定して取り除きます。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため不要枝を根元付近から間引き剪定します。
- 生産性の落ちた古い枝、樹形を乱す逆さ枝や並行枝など、エネルギーが分散する原因となる蘖などを必要に応じて根元から間引き剪定します。
生垣などに剪定する方法
トウネズミモチの生垣を剪定する目的は、剪定する事で草花の摘芯と同様に枝分かれを促し枝葉を密に茂らせたり、形状を維持する事で美観を保ったり、飛び出た枝葉が服や肌に引っかかる事を防いだり、日当りや風通しを改善して健康な成長を促したりする所にあります。
トウネズミモチの生垣を剪定する時期は早春から中秋までの間に2~3回行います。木が活発に成長して、形状が崩れてきたと感じたら剪定しましょう。ただし秋遅くに剪定を行うと、霜が降りる前に新芽が成長して、その新芽が霜の影響を受けてしまうため、その時期は避けます。
トウネズミモチの生垣の剪定のやり方
- 早春に株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎・蘖(木の根元から生えてくる細い茎)】を探しこれを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 側面を「刈り込み剪定」で剪定して樹形を整えます。
- 紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。
- 前年刈り込みを行った位置で剪定すると大きさが維持され、刈り込む位置を前年より内側もしくは外側にする事で全体を大きくしたり小さくしたり出来ます。
- 側面が終わったら上面を水平に刈り込みましょう。
- 紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
\剪定の依頼は下記のバーナーから【PR】/
夏越しする方法
トウネズミモチ(トリカラー)は夏の暑さに強いため、基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:7b~11a
トウネズミモチ(トリカラー)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
トウネズミモチは挿し木で増やす事が出来ます。
トウネズミモチの挿し木の方法
- トウネズミモチの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を長さ7~15cmとりましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 茎の下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
トウネズミモチの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
トウネズミモチの病気
- うどんこ病
- さび病
- 炭素病
トウネズミモチの害虫
- ハマキムシ
- アオムシ
- カイガラムシ