- 原産:中国
- 科:モクセイ(Oleaceae)
- 属:レンギョウ(Forsythia)
- 種:レンギョウ(suspensa)
- 別名:レンギョウウツギ/ウィーピング・フォーシィシィア(weeping forsythia)/ゴールデン・ベル(golden bell)
- 開花時期:3月~4月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約200~300cm
- 誕生花:1月10日/1月18日/2月12日/3月22日
- 花言葉:期待/希望/集中力/叶えられた希望
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
レンギョウとは!?
レンギョウは学名forsythia suspensa、別名「レンギョウウツギ」や「ウィーピング・フォーシィシィア(weeping forsythia)」とも呼ばれる中国原産の落葉低木です。
レンギョウの語源(由来)
- 属名のforsythiaはスコットランドの植物学者William Forsythへの献名からきています。
- 種小名のsuspensaはラテン語で「垂れ下がった」を意味しており、枝が垂れ下がる樹形に由来します。
- レンギョウの由来は漢名の連翹を音読みしたものです。
レンギョウの特徴(魅力)
- レンギョウは地際から何本も茎を伸ばし株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)の樹形をつくります。
- 枝は弧状に枝垂れる傾向が強く、放射状に横へと大きく広がります。
- 枝は地面に接触すると根を下ろすことがあり、そこから栄養繁殖して新しい株をつくります。
- レンギョウ(連翹)の枝は髄が早期に喪失するため切断すると中が空洞になっています。そのため別名でレンギョウウツギ(連翹空木)と呼ばれます。
- 花は葉が展開する前に開花が始まるため葉に邪魔される事なく綺麗な花を鑑賞する事ができます。
- 花は葉腋から1個もしくは数個の花が束生(葉・花・茎等が1箇所から束状に生える)します。
- 花は雌雄異株ですが雄株の雄花にも短い雌蕊があり、雌株の雌花にも短い雄蕊があります。
- 果実の形は楕円形で長さ2.5cmあり茶褐色をしています。
- 果実は生薬名が「連翹」と呼ばれており、強い抗菌性等がある漢方薬の素材等として利用されています。
- レンギョウは秋に紅葉した後に葉が落ちる落葉低木です。
- 葉は紅葉すると一気に黄色から赤紫色に強く染まり美しい景観をつくります。
- レンギョウの生垣は一般的に自然な樹形を活かしたインフォーマルな生垣となりますが、刈り込みを行い形状を整えてフォーマルな生垣として楽しむ事も可能です。
- 生垣として利用する場合は品種によって変わりますが一般的に約90~150cmの間隔で植えます。
- レンギョウの生垣は他の生垣と比べても圧倒的に多い花を楽しめる所が魅力です。
- 葉は落葉性で光を通すややオープンな構造をしているため目隠し効果は他の生垣と比べて劣るかもしれません。
- レンギョウは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
レンギョウの茎は木質で樹皮は赤褐色(~灰褐色)をしています。樹高は約200(~300)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、枝は弧を描き横へと大きく広がる傾向にあります。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約3(~10)cm、幅約2(~5)cm、葉身の形は狭卵形もしくは楕円形で、縁部分に鋸歯があります。花序は腋性で1個もしくは数個が葉腋から束生(葉・花・茎等が1箇所から束状に生える)します。花は雌雄異株(雄花と雌花の2種類の花がそれぞれ別個体に生じる)です。雄花は直径約2(~3)cm、花の色は黄色、花の形は筒状で裂片が4個あり、長い雄蕊が2個、短い雌蕊があります。雌花は直径約2(~3)cm、花の色は黄色、花の形は筒状で裂片が4個あり、長い雌蕊、短い雄蕊があります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。蒴果は楕円形で、長さ約2.5cm、色は茶褐色をしています。
レンギョウの切り花の楽しみ方
- レンギョウの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫したら水切りもしくは根元割りを行い水揚げします。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切り(or 根元割り)と水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが7~10日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
根元割り法・根元叩き法
根元割り法・根元叩き法とは、硬い茎や枝の根元に縦にハサミを入れて割る、または金槌などで硬い茎や枝の根元を叩いて潰して、水揚げする方法です。
根元割り・根元叩きをする事で、吸水する場所の面積が増えて、吸水力が高まり水揚げしやすくなります。
根元割り
- 切り花の根元をハサミを使って斜めにカットします。
- カットした切り口に対して垂直に、ハサミを入れて、十時に切れ込みをいれます。
根元叩き
切り花の切り口を、金槌で叩いて潰します。
レンギョウの園芸品種の紹介
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レンギョウの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
レンギョウの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
レンギョウの育て方
花壇の土づくり
日当たり
レンギョウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また3時間~5時間の半日影でも育てられます。
土壌の土質
レンギョウは基本的に通気性が良ければ幅広い土壌で育てることが出来ます。植え付けの前に土壌診断を行い通気性がよく適度に肥沃な土壌をつくりましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
レンギョウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また3時間~5時間の半日影でも育てられます。
培養土
レンギョウの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
レンギョウは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
レンギョウを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
レンギョウは多くの肥料を必要とせず、ある程度肥沃な土壌であれば肥料なしで問題なく育ちます。春からの成長を促進させたい場合等は、必要に応じて早春に、【窒素・リン・カリ】がバランスよく入る化成肥料を規定された量与えましょう。
剪定のやり方
レンギョウは基本的に定期的な剪定をせず自然樹形のまま庭木として花や実を楽しみながら育てられます。
生垣として育てる場合も、インフォーマルな生垣として自然樹形のまま邪魔になる枝を落とし育てられる事が一般的ですが、フォーマルな生垣として刈り込みを行いながら綺麗な生垣として育てる事も出来ます。
自然樹形に剪定する方法
自然樹形にレンギョウを剪定する目的は、枯れた枝や病枝などを剪定する事で日当りや風通しを改善したり、生産性の悪い古い枝を取り除いて生産性の高い若い枝を成長させたり、徒長枝や樹形を乱す不要枝を剪定して見た目を改善したりする所にあります。
自然樹形にレンギョウを剪定する時期は冬に行います。なぜなら冬の間は植物が休眠しているため強い剪定をしてもダメージが少なく、また葉がないため不要な枝の見極めが容易になるからです。
自然樹形にレンギョウを剪定する手順
- 株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎】を探しこれを根元付近から間引き剪定して取り除きます。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため不要な茎を根元付近から間引き剪定します。
- 生産性の落ちた古い茎や地面につくように外側に広がる茎、混みあった部分の茎を間引き剪定しましょう。
生垣に剪定する方法
生垣のレンギョウを剪定する目的は定められた空間以上に広がる枝を剪定して、歩行の邪魔になる事を塞ぐ事や、日当りや風通しを改善して健康な成長を促したりする所にあります。また基本的には自然樹形のまま生垣として利用される事が多いですが、必要に応じて刈り込んで形状を整える事も可能です。
生垣のレンギョウを剪定する時期は冬と必要に応じて花後の5月頃です。自然樹形の生垣として楽しむ場合は冬に間引き剪定を行うだけです。
刈り込み剪定を行う場合は花後の5月に行います。何故なら花が咲く前に刈り込み剪定を行うと今年の開花に影響を与えてしまう事と、遅くに刈り込み剪定すると翌年の開花に影響を与えてしまうからです。花芽分化は6月下旬以降に行われるため、それ以降に剪定すると花芽を切ってしまう恐れがあります。花は枝に満遍なく咲くため、6月以降も軽く剪定する事は出来ますが、強い剪定をすると花がなくなる事があるため、6月以降は軽めの刈り込みにした方が良いでしょう。
生垣のレンギョウの剪定のやり方
- 冬に株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎】を探しこれを根元から間引き剪定して取り除きます。
- また古い茎や徒長した茎を根元から幾つか剪定して春からの新しい成長を促します。
- 側面に強く飛び出て徒長した枝を一本一本観察しながら目的の位置から少し中(奥)めの節の部分、もしくは根元から剪定します。
- また一般的にはあまりされませんがフォーマルな生垣として楽しみたい場合は刈り込み剪定を行い一律に形状を整える事も可能です。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
レンギョウは夏の暑さに強いため、基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
レンギョウは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
レンギョウは挿し木で増やす事が出来ます。
レンギョウの挿し木の方法
- レンギョウの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を長さ約10~15cmとりましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 茎の下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
レンギョウの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
レンギョウの病気
- うどんこ病
- 枝枯病
- 白紋羽病
レンギョウの害虫
- カイガラムシ
- アオバハゴロモ