
- 原産:
- 科:モクセイ(Oleaceae)
- 属:レンギョウ(Forsythia)
- 種:アイノコレンギョウ/インターメディア(Forsythia × intermedia)
- 別名:レンギョウ/レンギョウ・インターメディア/ボーダー・フォーサイシア(border forsythia)
- 開花時期:3月~4月
- 花の色:黄色
- 葉の色:緑色・黄色
- 香り:
- 生活形:落葉低木
- 樹高:約200~300cm
- 誕生花:1月10日/1月18日/2月12日/3月22日
- 花言葉:期待/希望/集中力/叶えられた希望
- 用途:カラーリーフ/生垣/景観植物/切り花
- 購入方法:アイノコレンギョウを楽天で購入
■アイノコレンギョウとは!?
アイノコレンギョウ(学名: Forsythia × intermedia)は、別名で「レンギョウ(園芸上の呼称)」「レンギョウ・インターメディア」「ボーダー・フォーサイシア(border forsythia)」とも呼ばれるモクセイ科レンギョウ属に分類される落葉低木の交雑種です。
アイノコレンギョウは野生に自生している原種ではありません。本種はシナレンギョウ(Forsythia viridissima)とレンギョウ(Forsythia suspensa)の栽培環境下での交雑種です。
■アイノコレンギョウの語源(由来)
- Forsythiaの語源:スコットランドの植物学者【William Forsyth(1737 – 1804)】への献名です。
- intermediaの語源:ラテン語で「中間体」や「中間の」を意味しており、本種が交雑種であることに由来します。
■アイノコレンギョウの特徴(魅力)
- 形態:樹高は約200~300cm、生育型は地際から茎が何本も出る【叢生型】です。主枝は地際付近では直立し、途中で湾曲する傾向があり、分枝は斜上に伸び、途中で湾曲しながら枝垂れます。葉は異形葉性で通常は単葉(楕円形・卵形・披針形)ですが、しばしば分裂葉(三出複葉)です。花序は腋生で、葉腋に1~6個の花が束生し、直径約2.5~3.5cmの黄色の合弁花が咲きます。
- ライフサイクル:生活形は落葉低木です。
- 春:葉が展開する前の3月頃から開花が始まり、4月にかけて枝を覆うように花が一斉に開花します。4月頃になると葉が展開し始め、枝も伸長させます。
- 夏:高温期も生育旺盛に枝葉をぐんぐん伸ばし成長し、花芽の分化が始まります。
- 秋:気温が低くなり始めると生育がやや鈍り、葉は黄色・赤紫色・紫褐色に紅葉します。
- 冬:枝から葉が全て落ち休眠状態になります。
- 近縁種との比較:本種は、交配親のレンギョウ(Forsythia suspensa)と比べて、枝が直立に伸びやすくコンパクトに成長する傾向があります。また1節に花が1~6個と多めに束生し、花のサイズも直径2.5~3.5cmと大きいため、より豪華な花姿が楽しめる点も特徴となります。
- 花の魅力:本種は、葉の展開に先駆けて、早春から春に開花期があり、裸の枝を覆い尽くすように黄色の花が一斉に咲き誇ります。その圧巻の花姿は、一際視線を引きつけるため、庭園などの広い空間でもフォーカルポイントとして働き、更に黄色の色彩効果で、周囲をパッと明るくして、心理的にもポジティブで元気な気持ちにさせます。
- カラーリーフ:葉の色は緑色が一般的ですが、品種により黄色の葉色も見られます。そのため、品種を選べば明るさを感じさせるカラーリーフを楽しむこともできます。
- 紅葉:秋が深まると緑色の葉が、黄色・赤紫色・紫褐色に変化します。そのため、この葉の色が季節の変化を感じさせたり、またアンティークな雰囲気を感じさせる季節限定のカラーリーフとしても楽しめる点も魅力となります。
- 生垣:本種は樹高約200~300cm、生育型が叢生型で、枝葉が密に茂りブッシュ状になります。一般的に、花も楽しめる自然風の生垣として利用されますが、花を少し犠牲にしますが剪定で概形を整えて整形式の生垣として利用することも出来ます。生垣として利用する場合は、品種により変わりますが、株同士の間隔は100cm程にして植栽します。
- フラワーアレンジメント:花は収穫して花瓶に生けて切り花として楽しむことができます。切り花とすることで、お部屋の中で花を気軽に楽しむことが出来て、明るいインテリアとして空間を彩ります。 花瓶の中での寿命は管理の仕方でも変わりますが一般的に約7~10日ほどです。
アイノコレンギョウの切り花の楽しみ方
切り花の作り方

- 収穫:切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げ:葉は水揚げを悪くするため、必要な葉以外を全て取り除きます。茎の切り口は水切りまたは根元割りを行います。
- 花を生ける:花瓶の中に水を入れて花を生けます。
- 管理:直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。また徐々に水揚げが悪くなるため、必要に応じて水切りを再度して水換えをしましょう。管理の方法にも左右されますが日持ちは7~10日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水中につけた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの切り花で行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切り法は、水中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切り法を行うことで茎が詰まっている原因(微生物・空気・樹液など)を取り除いて、切り口の状態を正常に戻す効果があります。
水切り法のやり方
- 準備:花材と水の入った容器を準備する
- 茎の切断:切り花の切り口を水中に漬けて、その中で切り口の根元から上に約1~5cmの場所で斜めにカットします。※斜めにカットする事で吸水部が増えて水揚げ効率がよくなります。
- 切り花を生ける:切り口を別の容器にいれて水揚げするか、花器に入れて飾ります。
根元割り法・根元叩き法
根元割り法・根元叩き法とは、硬い茎や枝の根元に縦にハサミを入れて割る、または金槌などで硬い茎や枝の根元を叩いて潰す水揚げ方法です。
根元割り・根元叩きを行う事で、吸水する場所の面積が増えて、吸水力が高まり水揚げしやすくなります。
根元叩き法のやり方
- 切り花の切り口を、金槌で叩いて潰します。
根元割り法のやり方
- 切り花の根元をハサミを使って斜めにカットします。
- カットした切り口に対して垂直に、ハサミを入れて、十時に切れ込みをいれます。
■アイノコレンギョウの生活形と形態

●生活形・茎の形態
- 生活形:落葉低木
- 樹高:約200~300cm
- 生育型:地際から茎が何本も出る【叢生型】です。
- 主枝:基本的に直立または斜上し、途中で外側にやや湾曲する傾向があります。※ただし交配親のレンギョウ(Forsythia suspensa)と比べると直立しやすいです。
- 分枝:斜上に伸びた枝も、途中で上側に湾曲する傾向があります。
- 枝の断面:若い枝は四角形状で稜があり、成熟すると稜が消えて円形になります。
- 樹皮:色は赤褐色・灰褐色・灰白色で、表面に目立つ皮目があります。
●葉の形態
- 葉序:対生
- 葉柄:有柄
- 葉身の長さ:約5~10cm
- 葉身の幅:約2~5cm
- 葉身の概形:異形葉性で通常は単葉ですが、しばしば分裂葉になることがあります。
- 単葉:概形は楕円形・卵形・披針形で、葉縁部に鋸歯があります。
- 分裂葉:概形は三出複葉で、小葉の概形は楕円形・卵形・披針形で、葉縁部に鋸歯があります。
- 葉脈:羽状脈
- 葉の毛:無毛
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:腋生し、葉腋に単生または2~6個束生します。※束生は節間が短いため1箇所から花が発生しているように見える状態です。
- 花柄:有柄
- 花:花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:萼・花冠・雄蕊・雌蕊を支えています。
- 萼:4枚の萼片が基部で合着し、裂片は深く裂け、鐘形をしている合片萼です。裂片は4枚あり、裂片の形は楕円形です。萼は花冠筒部より短いです。
- 花冠:4枚の花弁の基部が合着する合弁花冠です。花冠の直径は約2.5~3.5cm、花冠筒部の長さは花冠裂片の3分の1程度、形は漏斗形・鐘形、色は黄色ですが内部に橙色の条線模様があります。花冠裂片の数は4枚、花冠筒部から斜上に伸び、形は長楕円形で、色は黄色です。
- 雄蕊:2本
- 雌蕊:1本(子房上位)
- 備考:落葉期の葉の無い枝に開花します。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:果実が成熟すると裂開して種子が露出する【蒴果】です
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■アイノコレンギョウの園芸品種を紹介
●フイリレンギョウ
学名:Forsythia intermedia ‘variegated’
開花時期:3月~4月
花の色:黄色
葉の色:緑色・黄色
樹高:約200~300cm
カラーリーフ:葉の色は緑色を基調として、縁部分に幅広の黄色の覆輪が入ります。黄色は光を反射しパッと明るくして、心理的にもポジティブで元気な気持ちにさせるため、活発で元気な雰囲気を感じさせるお庭、また他の鮮やかな原色と組み合わせるとカラフルでポップなお庭に演出することもできます。
●スペクタビリス
学名:Forsythia intermedia ‘Spectabilis’
開花時期:3月~4月
花の色:黄色
葉の色:緑色
樹高:200~300cm
多花性:通常より花数が多く高密度に花が咲き誇るため、豪華な花姿が楽しめます。
■レンギョウ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■アイノコレンギョウの育て方
花壇の土づくり
●日照条件
アイノコレンギョウは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。ただし、一定の湿潤環境を好むため、直ぐに乾くような土壌も避けた方が良いでしょう。日照条件・周囲の水捌け具合などを考慮して、土質は水捌けのよい【砂壌土から壌土】に調節すると良いでしょう。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は適さず、根腐れを引き起こすため避けて下さい。
- 肥沃さ:有機物をしっかりと含む肥沃な土壌を好みます。腐葉土などの有機物を入れることで、土壌の団粒化が促されて物理性(通気性・排水性・保水性)が向上したり、陽イオン交換容量が高くなり保肥力が向上したり、植物が必要とする栄養分を含有するため成長を補助したりする効果が期待出来ます。そのため、土壌の状態にもよりますが土色などを見て肥沃さが足りないと感じたら【腐葉土・完熟牛糞堆肥】などを2~3割程度を目安に混ぜこみましょう。
- pH:pHは5.5~7.0の弱酸性から中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を全面施肥で混和しておきましょう。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
アイノコレンギョウは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
●培養土
アイノコレンギョウの培養土を購入する場合は、一般的な庭木・花木の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:基本的に通気性・排水性・保水性のバランスよく、堆肥がしっかり入る培養土を作りましょう。また本種は弱酸性から中性の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 無機質の用土:通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などを6割~7割を目安に配合します。土粒は基本的に小粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性の低下や植物の生育不良の原因となるため避けてください。
- 有機質の用土:腐葉土などの堆肥を全体の3割~4割を目安に培養土の中に配合すると、土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、堆肥が栄養素を含有しているため植物の栄養補給に寄与したり、微生物の働きを促進して土質を改善したりします。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を混和しておきましょう。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 保水性の高い配合:赤玉土(小粒)5割+バーミキュライト2割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が長持ちする配合:日向土(細粒・小粒)5割+ピートモス(酸度調整済)4割+くん炭1割+元肥適量
- 肥沃な配合:赤玉土6割+腐葉土2割+完熟牛糞堆肥2割+元肥適量
- 夏の蒸れ対策の培養土:赤玉土(小粒)4割+パーライト3割+腐葉土3割+元肥適量
水やりの仕方
アイノコレンギョウは、基本的に一定の湿り気がある環境を好みますが、株が定着すると比較的高い耐乾性を獲得するため栽培環境によっては水やりは基本的に不要です。
●栽培環境での違い
- 地植え:基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、根系が未発達で株が定着していなかったり、高温や強光で乾燥しやすい夏の季節だったり、雨が降らず土壌が極端に乾燥していたり、土壌が砂質で乾燥しやすい状態にあったりしている場合は、必要に応じて水やりが必要となるでしょう。
- 鉢植え:地植えと比べて、土の容量が限られるため乾燥がかなり早いです。そのため、定期的な水やりが必要となります。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。朝の涼しい時間帯に土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えることが基本です。
- 秋の水やり:生育がやや緩慢になりますが、生育期間中です。土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 冬の水やり:休眠期は殆ど水分を吸収しないため、水やりの頻度を大きく減らします。この時期に水分が多いと根腐れを引き起こす原因になります。ただし、土壌が完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後を目安に、必要に応じて水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、夏の昼の高温時に水を与えると、鉢内の温度上昇と共に湿度が上がり、根が酸欠状態(蒸れ)に陥り、根腐れや生理障害を起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、夜間に土壌が過湿状態になり、病原菌(真菌)の繁殖や呼吸の邪魔となり、根腐れを引き起こす原因になったり、過剰な水分で徒長し株姿が乱れる原因にもなります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいです。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
アイノコレンギョウは栄養の少ない環境で育てることも可能ですが、健康な成長を促進し豊富な花を咲かせるために、土壌を肥沃にして、十分な肥料(栄養)を与えることがとても大切です。
そのため、土壌の状態(色や膨軟性など)を見て堆肥を投入したり、生育期間中も追肥を施すと良いでしょう。
●栽培環境での違い
- 地植え:腐葉土や堆肥が十分にすき込まれた、一定の肥沃さがある土壌であれば、肥料が無くても栽培可能です。そのため、土壌の状態を見て堆肥を入れたり必要に応じて寒肥やお礼肥を与えるとよいでしょう。
- 鉢植え:土の量が限られており、養分も流出しやすいため、定期的に追肥を施したり、堆肥が十分入った培養土への植え替えが必要です。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えで変わります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥を入れて混和します。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土を再利用する場合は、日光消毒などをした上で、新しい培養土または腐葉土を2割から3割を混ぜて再利用する。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または花付きを良くするためにリン酸が多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:有機肥料(植付け前)・緩効性肥料・配合肥料がおすすめです。
- 施し方:全面施肥・溝施肥(有機肥料)
- 全面施肥:植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。有機肥料を使用する場合は発酵時のガスや高温で根を傷める事もあるため、植付け2週間程度前に肥料を入れて混和する。
- 溝施肥:植物の植付けを行う場所に深さ20cm程度の穴を掘り、溝(穴)の中に有機肥料を入れる。有機肥料に根が直接触れないよう間に土を1層被せて、苗の高さを調節しながら植付けを行います。
- 寒肥:寒肥とは、植物が休眠または成長が緩やかになっている冬の時期に与えられる肥料です。春の成長時期に栄養が出てくるように考えられて施されるため、一般的に有機肥料・有機配合肥料・緩効性肥料が使用されることが多いです。
- 肥料を与える時期:晩冬頃
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランスよく入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(有機肥料・有機配合肥料・緩効性肥料など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
- お礼肥:花や実がなった後に消耗したエネルギーを補う目的や、翌年の開花や結実をよくする目的で、植物に与えられる肥料です。
- 肥料を与える時期:花後すぐ与えます。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランスよく入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:基本的に肥効が素早く出る液肥・固形肥料(有機肥料・有機配合肥料・緩効性肥料など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約10~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
アイノコレンギョウは剪定せずに育てることも出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。例えば、剪定により、枝の流れが一定になり美しい樹形となります。また株の大きさを一定に保って通行人の邪魔になることを防げます。
剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
●剪定方法
- 株立ち仕立て:本種は、地際から複数の幹(主枝)が発生する【叢生型】です。また本種の幹(主枝)は寿命が中程度に分類されており、数年ごとに樹勢が落ちて、花付きが悪くなったり枯れたりします。そのため、剪定ではこの古い幹を定期的に剪定することが主要な剪定となります。
- 剪定時期:剪定は花後の春(4月頃)に行うのが基本ですが、休眠期(12月~2月)も形を整える目的で軽く剪定することも出来ます。
- 枯れ幹・不要な幹の除去:株を観察し、枯れた幹・折れた幹・病気の幹を探し、地際から剪定して取り除きます。
- 古い幹の除去:株を観察し、数年(約3~5年)成長し樹勢が落ちた古い幹(幹の色が褪せている・幹が太い・幹の丈が高い等)を探し、株全体のバランスを見ながら、不要と感じる古い幹を地際から剪定して取り除きます。
- 樹形を整える:本種は内側から外側へと枝が湾曲しながら優雅に流れる樹形が魅力となります。そのため、株全体を見てこれを阻害するような不要な枝(立ち枝・逆さ枝・混み枝・絡み枝・平行枝)を探します。この不要な枝を見つけたら、株全体のバランスや枝の量なども考えて、不要な枝は枝の分かれ目や根元から間引き剪定しましょう。※ただし本種は旧枝咲きで前年の枝に花が咲きます。そのため、休眠期の冬に枝を切りすぎると花数が大幅に減る可能性があります。注意してください。
挿し木や株分けで増やす
アイノコレンギョウは挿し木や取り木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを10~15cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
●取り木(圧条法)の方法
- 概要:柔軟で長く伸びる枝の1部を土に埋めて発根させる圧条法と呼ばれる取り木の技法の1種です。
- 取り木の時期:植物の生育が旺盛な春から初夏の季節が取り木に最適な季節となります。
- 枝の選定:取り木を行う枝は、前年もしくは当年成長した、充実した枝の中から選定します。枝は柔軟で曲げることが可能で、鉛筆程度の太さがあり、健康なものを選びましょう。
- 培養土:枝を埋める場所は、雑菌が多いと病気になる原因となるため、水捌けが良い清潔な培養土を入れたポットを準備するか、または礫質で雑菌が繁殖しにくい土壌で行いましょう。
- 加工:枝の発根させたい部分の表皮を剥がすために、リング状(枝の周りを1周)に刃物で浅く切れ込みを入れて、表皮を剥離(環状剥離法)します。
- 埋める:枝を曲げながら剥離した部分を地面に埋め、残りの枝は地表から出します。地面に埋めた部分が地表に出てこないように、枝をピンなどで固定して、必要に応じて地表に出ている部分も支柱で上向きに固定しましょう。
- 管理:土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理します。発根して株が固定するまで数ヶ月かかります。
- 定植:土中に埋めた茎から根が長く伸び、株が安定したのを確認出来たら、親株から切り離し、子株の方を好きな場所に定植しましょう。
播種で増やす
- 播種時期:10月~11月
- 発芽適温:約20度
- 備考:低温要求性種子のため自然に低温を経験させない場合は発芽促進処理が必要です。
発芽促進処理
- 低温湿層処理:自然採種した種は、胚に生理的な成長阻害機構を持ち、発芽が妨げられている状態にあります。そのため、この種子は冬の寒さを自然に経験させるか、または低温湿層処理を行い発芽促進処理を行う必要があります。
- 準備:袋・バーミキュライト・完熟した種を準備する。
- 種子を入れる:袋の中に、軽く湿らせたバーミキュライトを入れて、その中に種を入れる。
- 保管:袋の中の湿潤を保った状態で冷蔵庫(約0~10度)の中に入れて2ヶ月程度保管します。
- 種まき:種まき時期になったら、冷蔵庫から種を取り出して種を撒きます。
種まき手順
- 種まきの時期:10月~11月
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:移植栽培をするため、容器(プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブン等)を準備し、その中に種まき用の培養土を入れます。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株同士がくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。










