- 原産:中国
- 科:モクセイ(Oleaceae)
- 属:レンギョウ(Forsythia)
- 種:シナレンギョウ(viridissima)
- 別名:チャイニーズ・ゴールデンベル・ツリー(Chinese golden bell tree)/グリーンステム・フォーシィシィア(greenstem)
- 開花時期:3月~4月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●黄色●白色〇
- 分類:落葉低木
- 草丈:約200~300cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
シナレンギョウとは!?
シナレンギョウは学名forsythia viridissima、別名では「チャイニーズ・ゴールデンベル・ツリー(Chinese golden bell tree)」や「グリーンステム・フォーシィシィア(greenstem)」等とも呼ばれる中国原産の落葉低木です。
シナレンギョウの語源(由来)
- 属名のforsythiaはスコットランドの植物学者William Forsythへの献名からきています。
- 種小名のviridissimaはラテン語で「濃い緑色」を意味します。
シナレンギョウの特徴(魅力)
- シナレンギョウは地際から何本も茎を伸ばし株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)の樹形をつくります。
- 枝は直立する習慣(決まりのように繰り返す癖)が強くありレンギョウの様に横へあまり広がりません。
- 花は他のレンギョウと比べて開花が約2週間程度遅いため、葉の展開と被る場合があります。
- 花は葉腋から1個もしくは2~4個の花が束生(葉・花・茎等が1箇所から束状に生える)します。
- シナレンギョウは秋に紅葉した後に葉が落ちる落葉低木です。
- 葉は紅葉すると一気に黄色から赤紫色に強く染まり美しい景観をつくります。
- 葉の色は通常緑色ですが幾つかの品種では黄色の葉色や白色の葉色があるためカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- シナレンギョウの生垣は他のレンギョウと比べると横への広がりが少ないため、形状の整ったフォーマルな生垣として楽しみやすく、また自然樹形を活かしたインフォーマルな生垣として楽しんだりもできます。
- アイノコレンギョウの生垣は他の生垣と比べても圧倒的に多い花を楽しめる所が魅力です。
- 葉は落葉性で光を通すややオープンな構造をしているため目隠し効果は他の生垣と比べて劣るかもしれません。
- シナレンギョウは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
シナレンギョウの茎は若い時は緑色、成熟すると木質化して樹皮は赤褐色(~灰褐色)をしています。樹高は約200(~300)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、枝は直立します。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約3.5(~15)cm、幅約1(~4)cm、葉身は披針形もしくは狭楕円形で、縁部分に鋸歯があります。花序は腋性で1個もしくは2~4個が葉腋から束生(葉・花・茎等が1箇所から束状に生える)します。花は直径約3cm、花色は黄色、花の形は筒状で裂片が4個あります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。蒴果は楕円形で色は茶褐色をしています。
シナレンギョウの切り花の楽しみ方
- シナレンギョウの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫したら水切りもしくは根元割りを行い水揚げします。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切り(or 根元割り)と水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが7~10日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
根元割り法・根元叩き法
根元割り法・根元叩き法とは、硬い茎や枝の根元に縦にハサミを入れて割る、または金槌などで硬い茎や枝の根元を叩いて潰して、水揚げする方法です。
根元割り・根元叩きをする事で、吸水する場所の面積が増えて、吸水力が高まり水揚げしやすくなります。
根元割り
- 切り花の根元をハサミを使って斜めにカットします。
- カットした切り口に対して垂直に、ハサミを入れて、十時に切れ込みをいれます。
根元叩き
切り花の切り口を、金槌で叩いて潰します。
シナレンギョウの園芸品種の紹介
レンギョウの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
レンギョウの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
シナレンギョウの育て方
花壇の土づくり
日当たり
シナレンギョウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また3時間~5時間の半日影でも育てられます。
土壌の土質
シナレンギョウは基本的に通気性が良ければ幅広い土壌で育てることが出来ます。植え付けの前に土壌診断を行い通気性がよく適度に肥沃な土壌をつくりましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
シナレンギョウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また3時間~5時間の半日影でも育てられます。
培養土
シナレンギョウの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
シナレンギョウは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
シナレンギョウを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
シナレンギョウは多くの肥料を必要とせず、ある程度肥沃な土壌であれば肥料なしで問題なく育ちます。春からの成長を促進させたい場合等は、必要に応じて早春に、【窒素・リン・カリ】がバランスよく入る化成肥料を規定された量与えましょう。
剪定のやり方
シナレンギョウは基本的に定期的な剪定をせず自然樹形のまま庭木として花や実を楽しみながら育てられます。
生垣として育てる場合も、インフォーマルな生垣として自然樹形のまま邪魔になる枝を落とし育てられる事が一般的ですが、フォーマルな生垣として刈り込みを行いながら綺麗な生垣として育てる事も出来ます。
自然樹形に剪定する方法
自然樹形にシナレンギョウを剪定する目的は、枯れた枝や病枝などを剪定する事で日当りや風通しを改善したり、生産性の悪い古い枝を取り除いて生産性の高い若い枝を成長させたり、徒長枝や樹形を乱す不要枝を剪定して見た目を改善したりする所にあります。
自然樹形にシナレンギョウを剪定する時期は冬に行います。なぜなら冬の間は植物が休眠しているため強い剪定をしてもダメージが少なく、また葉がないため不要な枝の見極めが容易になるからです。
自然樹形にシナレンギョウを剪定する手順
- 株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎】を探しこれを根元付近から間引き剪定して取り除きます。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため不要な茎を根元付近から間引き剪定します。
- 生産性の落ちた古い茎や地面につくように外側に広がる茎、混みあった部分の茎を間引き剪定しましょう。
生垣に剪定する方法
生垣のシナレンギョウを剪定する目的は定められた空間以上に広がる枝を剪定して、歩行の邪魔になる事を塞ぐ事や、日当りや風通しを改善して健康な成長を促したりする所にあります。また基本的には自然樹形のまま生垣として利用される事が多いですが、必要に応じて刈り込んで形状を整える事も可能です。
生垣のシナレンギョウを剪定する時期は冬と必要に応じて花後の5月頃です。自然樹形の生垣として楽しむ場合は冬に間引き剪定を行うだけです。
刈り込み剪定を行う場合は花後の5月に行います。何故なら花が咲く前に刈り込み剪定を行うと今年の開花に影響を与えてしまう事と、遅くに刈り込み剪定すると翌年の開花に影響を与えてしまうからです。花芽分化は6月下旬以降に行われるため、それ以降に剪定すると花芽を切ってしまう恐れがあります。花は枝に満遍なく咲くため、6月以降も軽く剪定する事は出来ますが、強い剪定をすると花がなくなる事があるため、6月以降は軽めの刈り込みにした方が良いでしょう。
生垣のシナレンギョウの剪定のやり方
- 冬に株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎】を探しこれを根元から間引き剪定して取り除きます。
- また古い茎や徒長した茎を根元から幾つか剪定して春からの新しい成長を促します。
- 側面に強く飛び出て徒長した枝を一本一本観察しながら目的の位置から少し中(奥)めの節の部分、もしくは根元から剪定します。
- また一般的にはあまりされませんがフォーマルな生垣として楽しみたい場合は刈り込み剪定を行い一律に形状を整える事も可能です。
夏越しする方法
シナレンギョウは夏の暑さに強いため、基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~8a
シナレンギョウは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
シナレンギョウは挿し木で増やす事が出来ます。
シナレンギョウの挿し木の方法
- シナレンギョウの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を長さ約10~15cmとりましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 茎の下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
シナレンギョウの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
シナレンギョウの病気
- うどんこ病
- 枝枯病
- 白紋羽病
シナレンギョウの害虫
- カイガラムシ
- アオバハゴロモ