- 原産:中央・南ヨーロッパ
- 科:リンドウ(Gentianaceae)
- 属:リンドウ/ゲンチアナ(Gentiana)
- 種:ゲンチアナ(lutea)
- 別名:ゲンチアナ・ルテア/グレートイエロー・ゲンチアン(great yellow gentian)
- 開花時期:7月~9月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約100~200cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ゲンチアナとは!?
ゲンチアナは学名Gentiana lutea、別名では「ゲンチアナ・ルテア」や「グレートイエロー・ゲンチアン(great yellow gentian)」などとも呼ばれる中央・南ヨーロッパが原産の多年草です。
ゲンチアナの語源(由来)
- 属名のGentianaはイリュリアの王ゲンティウス(Gentius)に因んで名付けられています。
- ゲンティウス(Gentius)はゲンチアナ・ルテアから薬効(強壮効果)を発見したと言われています。
- 種小名のluteaはラテン語で「粘土」「黄色の」を意味しており、花の色に由来します。
ゲンチアナの特徴(魅力)
- ゲンチアナは色鮮やかな黄色の花色や、ダンギクのように節ごとに多数の小花が集まり円環状に咲く個性的な花姿などが魅力の植物です。
- 花は夏から秋にかけて色鮮やかな黄色の小花を節ごとに多数集まり咲きます。
- 花は5~7個の裂片が大きく裂け基部で繋がっており全体としてふさふさとした見た目をつくります。
- 葉は下部にいくほど大きくなり長さ約30cmに達する事もあります。
- ゲンチアナの太い根は古くから薬用ハーブとして利用されており、独特な苦味から清涼飲料水やアルコール飲料水等の原料として利用されることもあります。
- ゲンティウス(Gentius)はゲンチアナ・ルテア(Gentiana lutea)から薬効(強壮効果)を発見したと言われており、属名の由来にもなっています。
ゲンチアナは草丈が約100(~200)cm、茎は直立に伸びます。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約10(~30)cm、幅約4(~12)cm、葉身の形は卵形もしくは楕円形か披針形です。花序は腋性で無事ごとに多数の花が集まり咲きます。花色は黄色、花は細長い裂片が5(~7)個、雄蕊は5個、雌蕊は1個あります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は熟すと縦に2裂に割れます。種子は楕円形で色は薄褐色です。
ゲンチアナの園芸品種の紹介
リンドウ(ゲンチアナ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
リンドウ(ゲンチアナ)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介
ゲンチアナの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ゲンチアナは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。また日当たりが悪いと茎が間延びしてひょろひょろとした株になりやすいです。そのため日向(直射日光6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てると良いでしょう。また暑さの厳しい地域では、葉やけを引き起こしたり暑さで生育が衰えやすいため西日の当たらない半日影で育てた方が良いです。
土壌の土質
ゲンチアナは通気性がよく適度に肥沃な土壌(壌土)を好みます。 そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ゲンチアナは日向(直射日光6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てると良いでしょう。日当りの良い環境で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、暑さの厳しい地域では葉やけを引き起こしたり暑さで生育が衰えやすいため西日の当たらない半日影で育てた方が良い場合もあります。
培養土
ゲンチアナは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土+ピートモス=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ゲンチアナを地植えしている場合は基本的に降水のみでも育てられます。土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ゲンチアナを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ゲンチアナは多くの肥料を必要としませんが、健康な成長を促す目的で植付け時もしくは春に元肥(or 芽出し肥)を入れましょう。
ゲンチアナの元肥(or 芽出し肥)の与え方
- 元肥は植え付け時に与える肥料の事です。
- 芽出し肥は新芽が動き出す時期(早春から春)に、発芽を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びましょう。
- 元肥の与え方は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥で行ます。
- 芽出し肥は株元から少し離した場所に置き肥しましょう。
剪定のやり方
ゲンチアナは基本的に剪定不要です。
夏越しする方法
ゲンチアナは基本的に暑さをやや苦手にしており冷涼な気候を好みます。そのため夏の暑さが厳しい地域では、必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
ゲンチアナの夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、茎葉が枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
冬越しする方法
Hardiness:4a~8b
ゲンチアナは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ゲンチアナは挿し芽によって増やす事ができます。
ゲンチアナの挿し芽の手順
- 挿し芽の時期は生育が活発で発根力が高い晩春から夏が適します。
- 茎に弾力があり健康な茎をカットします。
- 挿し穂 の長さ約5~7cmにわけしましょう。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残しましょう。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行い管理しましょう。
播種で増やす
ゲンチアナの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・10月~11月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
ゲンチアナは花が終わると果実(蒴果)が縦に2列に裂けて種を放出します。種は淡褐色で約2mm程度の大きさのため、これを採取します。
種を採取したら、そのまま撒くか、翌年の春に撒きます。翌年の春に撒く場合は休眠打破のために寒さの経験させる必要とするため、低温環境(冷蔵庫など)に置く必要があります。※ジベレリン溶液で休眠打破する事も可能
また種から育てた場合、一般的に開花は翌年以降となります。
種まき手順
- 自家採取した種子は発芽の為に寒さの経験が必要なため、秋に種を撒いて冬の寒さを経験させるか、低温処理した後で早春から春に種を撒きます。
- 春に種を撒く場合は、やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜポリ袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で6週間保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土にバラ撒きします。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ゲンチアナの病気
- 灰色カビ病
- モザイク病
ゲンチアナの害虫
- アブラムシ
- アザミウマ
- ナメクジ