- 原産:中央・南ヨーロッパ
- 科:リンドウ(Gentianaceae)
- 属:リンドウ/ゲンチアナ(Gentiana)
- 種:チャボリンドウ/アカウリス(acaulis)
- 別名:ゲンチアナ・アカウリス/ステムレス・ゲンチアン(stemless gentian)/トランペット・ゲンチアン(trumpet gentian)
- 品種:アルペンブルー(gentiana acaulis ‘alpine blue’)
- 開花時期:5月~6月
- 花の色:青色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約10cm
- 用途:グランドカバー
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
チャボリンドウ(アルペンブルー)とは!?
チャボリンドウ(アルペンブルー)はチャボリンドウの選抜種で、吸い込まれるように濃い青色の花が魅力の園芸品種です。
チャボリンドウとは!?
チャボリンドウは学名Gentiana acaulis、別名では「ゲンチアナ・アカウリス」や「ステムレス・ゲンチアン(stemless gentian)」などとも呼ばれる中央・南ヨーロッパ原産の多年草です。
チャボリンドウの語源(由来)
- 属名のGentianaはイリュリアの王ゲンティウス(Gentius)に因んで名付けられています。
- ゲンティウス(Gentius)はゲンチアナ・ルテアから薬効(強壮効果)を発見したと言われています。
- 種小名のacaulisはラテン語で「茎がない」「茎が短い」を意味しており、花が葉の上に座る様に咲く姿に由来すると言われています。
チャボリンドウの特徴(魅力)
- チャボリンドウは春に一斉に開花する鮮やかな青色の花、地面を覆うようにマット状広がる草姿が魅力の植物です。
- 草姿はロゼット状でマット状に緩やかに広がります。
- 花は春から初夏にかけて地面を覆うように一斉に開花して湖面を連想させるような美しい景観をつくります。
- 花は葉に乗っかるように開花して上向きに口を開けるように咲きます。
- 花は植物の中では珍しい鮮やかな青色をしており筒内部は緑色もしくは濃い青色のスポットが入ります。
チャボリンドウは高さ約10cm、幅は約50cm、草姿はマット状に広がります。葉序は根生葉もしくは対生葉序、葉色は緑色、葉身は長さ約2(~3.5)cm、葉身の形は卵形もしくは披針形です。花序は頂花で1個、花冠の色は青色(筒内部に緑色もしくは濃い青色のスポットがある)、花冠の形は鐘形で裂片は5個、雄蕊は5個、雌蕊は1個あります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は熟すと縦に2裂に割れます。種子は楕円形で色は淡褐色です。
チャボリンドウの園芸品種の紹介
リンドウ(ゲンチアナ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
リンドウ(ゲンチアナ)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介
チャボリンドウの育て方
花壇の土づくり
日当たり
チャボリンドウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。また日当たりが悪いと茎が間延びしてひょろひょろとした株になりやすいです。そのため日向(直射日光6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てると良いでしょう。また暑さの厳しい地域では、葉やけを引き起こしたり暑さで生育が衰えやすいため西日の当たらない半日影で育てた方が良いです。
土壌のPH
チャボリンドウは土壌のPH5.5~6.5の間を好みます。PHが高すぎると鉄などが溶解しにくくなり欠乏症を引き起こし生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
チャボリンドウは通気性がよく適度に肥沃な土壌(壌土)を好みます。 そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
チャボリンドウは日向(直射日光6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てると良いでしょう。日当りの良い環境で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、暑さの厳しい地域では葉やけを引き起こしたり暑さで生育が衰えやすいため西日の当たらない半日影で育てた方が良い場合もあります。
培養土
チャボリンドウは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土+ピートモス=4:2:4
水やりの仕方
チャボリンドウを乾燥に弱く葉が傷みやすい植物です。そのため土の表面が乾いて来たら、水やりを行うようにしましょう。基本的に成長期や夏場は毎日水やりを行います。
肥料の与え方
チャボリンドウは肥料を好む植物です。健康な成長を促し秋にしっかり花を咲かせるため、休眠期(冬)を除いて、成長期(春から秋)はしっかり肥料を与えましょう。
チャボリンドウの元肥(or 芽出し肥)の与え方
- 元肥は植え付け時に与える肥料の事です。
- 芽出し肥は新芽が動き出す時期(早春から春)に、発芽を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びましょう。
- 元肥の与え方は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥で行ます。
- 芽出し肥は株元から少し離した場所に置き肥しましょう。
チャボリンドウの追肥の与え方
- チャボリンドウの追肥は生育期間中(春から秋)持続的に行います。
- 追肥は肥料の効きが早い速効性肥料(化成肥料・液肥)を選びましょう。
- 化成肥料を与える場合は製品にもよりますが一般的に月に1回程度のペースで置き肥しましょう。
- 液肥の場合は規定された分量で希釈して、月に2回のペースで水やりの際に一緒に液肥を与えましょう。
剪定のやり方
チャボリンドウの剪定は基本的に不要です。必要に応じて、こぼれ種を防ぐ目的や株を弱らせないために、萎れた花を摘みます。
夏越しする方法
チャボリンドウは暑さに強い品種も出ていますが、基本的に高温に弱く、冷涼な気候を好みます。そのため夏の暑さが厳しい地域では、必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
チャボリンドウの夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、茎葉が枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 乾燥を苦手にしていることから土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行います。
- 特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:3b~7a
チャボリンドウは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
チャボリンドウは株分けや挿し芽によって増やす事ができます。
播種で増やす
チャボリンドウの種蒔の方法
播種時期:周年
発芽適温:約20~25度
発芽日数:
発芽条件:
チャボリンドウは花が終わると果実(蒴果)が縦に2列に裂けて種を放出するため、これを採取します。
種は採取後、直ぐに撒く事も出来ますが、休眠している事もあり発芽が不規則になります。そのため一般的には、種子の休眠打破をするために寒さを経験させます。低温を経験させる場合は、やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜポリ袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中に約4週間保管します。
植物の病気
チャボリンドウの病気
チャボリンドウの害虫