ヒヨドリバナ(ユーパトリウム)は属の中に約126種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、スラリと垂直に伸びる洗練された草姿や鮮やかな桃色(紫色)の花色などが魅力的なユーパトロリウム(マクラツム)、葉にバニラを思わせる香りがあり非常に大きな花を咲かせるスイートジョーパイ、楚々とした花姿から茶花や切り花として親しまれており開花期にはアサギマダラが吸蜜にもくるフジバカマ等が親しまれています。
ヒヨドリバナ(ユーパトリウム)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ヒヨドリバナ(ユーパトリウム)の主な種の目次
ユーパトリウム(マクラツム)の特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Eupatorium maculatum
- 草丈:約50~200cm
- 分類:多年草(宿根草)
- 開花時期:7月~9月
- 花色:桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:背が高い花/切り花
ユーパトリウム(マクラツム)とは!?
ユーパトリウム(マクラツム)は学名Eupatorium maculatum、別名では「ジャーパイ・ウィード(Joe Pye Weed)」や「スポット・ジョーパイ・ウィード(Spotted joe-pye weed)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の多年草です。
ユーパトリウム(マクラツム)の語源(由来)
- 属名のEupatoriumの名前の由来はポントス国の国王ミトリダテス6世(Mithradates VI Eupator)からきています。
- 種小名のmaculatumはラテン語で「汚れた」「斑点のある」を意味しており、斑点のある茎に由来しています。
ユーパトリウム(マクラツム)の特徴(魅力)
- ユーパトリウム(マクラツム)は、奥ゆかしく艶やかな印象を与える紫色(赤紫色)の茎と、直径が約6~15cmになる大きく華やかな花、色鮮やかな花色などが魅力的な多年草です。
- ユーパトリウム(マクラツム)は地面下の地下茎により広がり群生をつくります。
- 茎は赤みを帯びた紫色で濃い紫色のスポット(斑点)がつく事から種小名(maculatum)や英名(Spotted joe-pye weed)の由来にもなっています。
- 茎は殆ど分枝する事なく約50~200cmの間で垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- 花は頭花が散房状に集まり直径約6~20cmの大きさになる複合花序です。
- 花は色鮮やかなため遠くからでも強く目を引きつける効果があり、上品な赤紫色の花色はエレガントな雰囲気のお庭などによくあいます。
- 筒状花からは雌蕊が突出しているため、ふんわりとした柔らかな外観をつくります。
- ユーパトリウム(マクラツム)の葉は茎に対して輪生(葉や枝などの器官が一定の箇所から輪を描く様に生じる)につく所が特徴です。
- ユーパトリウム(マクラツム)は夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすいです。
- ただし乾燥を苦手にしているため育てる際は注意が必要です。
ユーパトリウム(マクラツム)は草丈が約50(~200)cm、地下茎が地面下で横に広がり群生をつくり、茎の色は紫色(~赤色)もしくは緑色、茎は直立します。葉序は輪生葉序、葉柄は約0.5(~2)cm、葉色は緑色、葉身は長さ約6(~23)cm、幅約2(~7)cm、葉身は披針形、縁部分には鋸歯があります。花序は頭状散房花序、頭状散房花序は頭花と散房花序が組み合わさる直径約6(~20)cmの複合花序です。頭花は基部に紫色の総苞片があり、頭花は筒状花のみで構成され、筒状花からは2裂する雌蕊が突出します。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。痩果は楕円形で冠毛が生えています。
ユーパトリウム(マクラツム)の切り花の楽しみ方
- ユーパトリウム(マクラツム)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りを行いましょう。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日ごとに必要に応じて水切りと水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
ユーパトリウム(マクラツム)の園芸品種の紹介
- ゲートウェイ(eupatorium maculatum ‘gateway’)は直径最大20cmの非常に大きな花と、濃い紫色の茎、色鮮やかな桃色の花色が魅力の園芸品種です。濃い紫色と桃色の2色の色は、奥ゆかしく艶やかな印象を与えたり、また神秘的で非現実的な印象を与えたりします。そのため優雅な雰囲気漂うエレガントなお庭や、幻想的な雰囲気があるお庭などによくあうでしょう。草姿は直立、高さ約180cm、幅約90cmまで成長するため、花壇の中で高さと立体感を作ったり、また花を収穫して切り花として楽しむのも良いでしょう。
- アトロプルプレウム(eupatorium maculatum ‘atropurpureum’)は、暗くて濃い紫色の茎をもち、紫色もしくは桃色の花を咲かせる、品種群(アトロプルプレウムグループ)もしくは園芸品種です。アトロプルプレウムグループの中には「パープルブッシュ」も含まれています。
- パープルブッシュ(eupatorium maculatum ‘purple bush’)は濃い紫色の茎と、明るい桃色の花色が特徴の園芸品種です。草姿は直立で地下茎により広がるため群生をつくり、高さ150cmまで成長します。比較的に背が高く成長する事から花壇の中で背景として利用したり立体感を作ったり、また花を収穫して切り花として楽しむのも良いでしょう。
- レッドドワーフ(eupatorium maculatum ‘red dwarf’)はドワーフ(背丈が小さい)の名前からも分かる通り、一般的なマクラツム種と比べて草丈が低く100cm程度までしか成長しません。また赤紫色の茎と、明るい桃色の花が奥ゆかしく艶やかな印象を与える魅力的な園芸品種です。
スイートジョーパイの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:Eupatorium purpureum
- 草丈:約50~250cm
- 分類:多年草(宿根草)
- 開花時期:7月~9月
- 花色:桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:背が高い花/切り花
スイートジョーパイとは!?
スイートジョーパイは学名Eupatorium purpureum、別名では「パープル・ジョーパイ・ウィード(purple Joe-Pye weed)」や「スイーツセンテッド・ジョーパイ・ウィード(sweetscented joe pye weed)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の多年草です。
スイートジョーパイの語源(由来)
- 属名のEupatoriumの名前の由来はポントス国の国王ミトリダテス6世(Mithradates VI Eupator)からきています。
- 種小名のpurpureumはラテン語で「紫色の」を意味しています。
スイートジョーパイの特徴(魅力)
- スイートジョーパイはバニラを思わせる様な香りがする葉と、最大25cmにも達する巨大な花が魅力の多年草です。
- スイートジョーパイは地面下の地下茎により広がり群生をつくります。
- 茎は殆ど分枝する事なく約150~250cmの間で垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- 茎は垂直に伸びますが花の重みで横に倒れる事がしばしばあります。
- 花は頭花が散房状に集まり直径約10~25cmの大きさになる複合花序です。
- 筒状花からは雌蕊が突出しているため、ふんわりとした柔らかな外観をつくります。
- 花は蜜蜂や昆虫の蜜源となるため開花期になると花の周りを元気に飛び回る蜜蜂や昆虫の姿が観察出来ます。
- スイートジョーパイの葉は「バニラ」を思わせる甘い香りがする事で知られており、英名「sweetscented joe pye weed」の由来にもなっています。
- 葉は最大30cmの大きさで皺のある質感があり潰すとバニラの香りが漂います。
- 葉は茎に対して輪生(葉や枝などの器官が一定の箇所から輪を描く様に生じる)につきます。
- スイートジョーパイは夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすいです。
- ただし乾燥を苦手にしているため育てる際は注意が必要です。
スイートジョーパイは草丈が約150(~250)cm、地下茎が地面下で横に広がり群生をつくり、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、茎は直立します。葉序は輪生葉序、葉色は緑色、葉身は長さ最大30cm、葉身は披針形、縁部分には鋸歯があります。花序は頭状散房花序、頭状散房花序は頭花と散房花序が組み合わさる直径約10(~25)cmの複合花序です。頭花は筒状花のみで構成され、筒状花からは2裂する雌蕊が突出します。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。痩果は楕円形で冠毛が生えています。
スイートジョーパイの切り花の楽しみ方
- スイートジョーパイの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りを行いましょう。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日ごとに必要に応じて水切りと水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
スイートジョーパイの園芸品種の紹介
フジバカマの特徴や園芸品種
- 原産:日本/中国/朝鮮
- 学名:Eupatorium japonicum(synonym: Eupatorium fortunei)
- 草丈:約50~200cm
- 分類:多年草(宿根草)
- 開花時期:8月~9月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:9月8日/11月6日
- 花言葉:遅延/躊躇/ためらい/優しい思い出/あの日を思い出す
- 用途:背が高い花/香りが良い/切り花
フジバカマとは!?
フジバカマは学名Eupatorium japonicum(synonym: Eupatorium fortunei)、別名では「コメバナ」や「フレグラント・ユーパトロリウム(fragrant eupatorium)」等とも呼ばれる日本および中国、朝鮮が原産の多年草です。日本では本州(関東以西)・四国・九州に分布しており、河原や草地などに自生しています。
フジバカマの語源(由来)
- 属名のEupatoriumの名前の由来はポントス国の国王ミトリダテス6世(Mithradates VI Eupator)からきています。
- 種小名のjaponicumは「日本の」を意味しており自生地に由来します。
- フジバカマ(藤袴)の由来は「藤(フジ)色」の花色と「袴(ハカマ)」を思わせる花弁の形からきています。
フジバカマの特徴(魅力)
- フジバカマは秋の七草のひとつであり、楚々とした奥ゆかしい花姿を鑑賞したり、桜餅に例えられる優しい芳香がある葉を収穫してポプリなどで楽しむ目的で育てられる植物です。
- 花は頭花が散房状に集まる複合花序です。
- 花は筒状花から雌蕊が突出しているため、ふさふさとした柔らかな外観をつくります。
- 楚々とした花姿から茶花や切り花としての人気も高く約5~7日の日持ちがあります。
- 花はアサギマダラの蜜源となるため開花期になると優雅に飛び回る蝶々の姿が観察出来ます。
- アサギマダラはフジバカマに含まれるアルカロイドの1種(ピロリジジンアルカロイド)を摂取する事で、雄が雌を誘うフェロモンを作っています。
- そのためフジバカマに群がるのは主に雄で、またアサギマダラはピロリジジンアルカロイドを摂取しないと交尾しないと言われています。
- アサギマダラは繁殖を重ねながら北へ南へと移動を重ねる「渡り蝶」として知られており、時に多くの危険をおかしながら海を渡り2000km以上の旅をします。
- フジバカマの茎や葉は瑞々しい状態では無臭ですが、乾燥(生乾き)すると「桜餅」や「バニラ」に似た香りを放ちます。
- フジバカマの生きている葉はクマリン酸が糖分子と結びつき液胞内に隔離されるため無臭ですが、フジバカマの葉が枯れたり半乾きになると液胞内のクマリン酸が加水分解されるなどしてクマリンが生成され「桜餅」や「バニラ」に似た香りを放ちます。
- そのためフジバカマの葉は、乾燥させてポプリ(芳香剤)として利用されたり、乾燥させた葉を布袋などに入れて入浴剤にして楽しまれたりします。
- 食用ではありません。
- フジバカマは地面下の地下茎により侵襲的に広がる傾向があり群生をつくります。
- 広がりを抑えたい場合は枠で囲うなどの対策をした方が良いかもしれません。
- フジバカマは夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすいです。
- ただし乾燥を苦手にしているため育てる際は注意が必要です。
フジバカマは草丈が約50(~200)cm、地下茎が地面下で横に広がり群生をつくり、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、茎は直立します。葉序は対生葉序、葉柄は約1(~2)cm、葉色は緑色、葉身は長さ約6(~20)cm、幅約2(~6.5)cm、葉身の形は3深裂もしくは披針形、縁部分には鋸歯があります。花序は頭状散房花序、頭状散房花序は頭花と散房花序が組み合わさる直径約3(~6)cmの複合花序です。頭花は基部に薄桃色の総苞片があり、頭花は筒状花5個で構成され、筒状花からは2裂する雌蕊が突出します。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。痩果は長さ約0.3cmの楕円形で冠毛が生えており、冠毛は長さ約0.6cmあります。
フジバカマの切り花の楽しみ方
- フジバカマの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りを行いましょう。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日ごとに必要に応じて水切りと水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
フジバカマの園芸品種の紹介
- ハゴロモフジバカマは一般的なフジバカマと比べて葉が非常に細く、繊細な見た目をしている園芸品種です。
マルバフジバカマの特徴や園芸品種
- 原産:北アメリカ
- 学名:ageratina altissima(synonym:Eupatorium altissima)
- 草丈:約150cm
- 分類:多年草(宿根草)
- 開花時期:7月~9月
- 花色:白色〇
- 葉色:緑色●紫色●黒色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:カラーリーフ/背が高い花
マルバフジバカマとは!?
マルバフジバカマは学名ageratina altissima(synonym:Eupatorium altissima)、別名では「ホワイト・スネークルート(white snakeroot)」や「リッチウィード(richweed)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の多年草です。
マルバフジバカマの語源(由来)
- 属名のageratinaは「アゲラタムのような」を意味しており、花の形がアゲラタムを思わせる所から来ています。
- 種小名のaltissimaはラテン語で「最も背が高い」を意味しています。
マルバフジバカマの特徴(魅力)
- マルバフジバカマは、その名前からも分かる通り葉が丸みを帯び幅広い所が特徴です。
- 葉色はふつう緑色ですが、有名な園芸品種の「チョコレート」は暗紫色をしており上品な雰囲気をつくるカラーリーフとして楽しまれます。
- マルバフジバカマは地面下の地下茎により広がり群生をつくります。
- 茎は殆ど分枝する事なく約150cmまで垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- 花は頭花が散房状に集まり直径約5~15cmの大きさになる複合花序をつくります。
- 白色の花は繊細で楚々とした雰囲気があります。
- 筒状花からは雌蕊が突出しているため、ふんわりとした柔らかな外観をつくります。
- マルバフジバカマの中には、中毒を引き起こしたり人間をころす事もある有毒成分のトレメトルが含まれています。
- マルバフジバカマを食べた牛は「牛乳」や「牛肉」もトレメトルで汚染されます。そのため人間が牛乳や牛肉を食べる事で、間接的にトレメトルを摂取する事になります。
- トレメトルで汚染された牛乳は「ミルク病(Milk sickness)」と呼ばれており、19世紀のアメリカでは汚染された牛乳を飲んだ事で何千人もの人が亡くなっています。
- マルバフジバカマは夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすいです。
- ただし乾燥を苦手にしているため育てる際は注意が必要です。
マルバフジバカマは草丈が約150cm、地下茎が地面下で横に広がり群生をつくり、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、茎は直立します。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身は長さ約12cm、葉身は卵形、縁部分には鋸歯があります。花序は頭状散房花序、頭状散房花序は頭花と散房花序が組み合わさる直径約5(~15)cmの複合花序です。頭花は白色の筒状花のみで構成され、筒状花からは2裂する雌蕊が突出します。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。痩果は楕円形で冠毛が生えています。
マルバフジバカマの園芸品種の紹介
ヒヨドリバナの特徴や園芸品種
- 原産:日本/中国/朝鮮
- 学名:Eupatorium chinense
- 草丈:約50~250cm
- 分類:多年草(宿根草)
- 開花時期:8月~10月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:9月26日/11月6日
- 花言葉:清楚/期待/延期
- 用途:背が高い花/切り花
ヒヨドリバナとは!?
ヒヨドリバナは学名Eupatorium chinense、別名では「ユーパトロリウム・シネンシス」や「チャイニーズ・ジョー・パイ・ウィード(Chinese joe pye weed)」等とも呼ばれる日本および中国、朝鮮が原産の多年草です。
ヒヨドリバナの語源(由来)
- 属名のEupatoriumの名前の由来はポントス国の国王ミトリダテス6世(Mithradates VI Eupator)からきています。
- 種小名のchinenseは「中国の」を意味しており自生地に由来します。
ヒヨドリバナの特徴(魅力)
- ヒヨドリバナの花は白色(~薄桃色)の頭花が散房状に集まる複合花序です。
- 花は筒状花から雌蕊が突出しているため、ふさふさとした柔らかな外観をつくります。
- ヒヨドリバナの葉は一般的に分裂せず披針形をしているためフジバカマと区別する事ができます。
- ただし葉は稀に3裂します。
- ヒヨドリバナは地下茎が短めなため、フジバカマのように侵襲的に広がる心配が少ないです。
- 花はアサギマダラの蜜源となるため開花期になると優雅に飛び回る蝶々の姿が観察出来ます。
- アサギマダラはヒヨドリバナに含まれるアルカロイドの1種(ピロリジジンアルカロイド)を摂取する事で、雄が雌を誘うフェロモンを作っています。
- そのためヒヨドリバナに群がるのは主に雄で、またアサギマダラはピロリジジンアルカロイドを摂取しないと交尾しないと言われています。
- アサギマダラは繁殖を重ねながら北へ南へと移動を重ねる「渡り蝶」として知られており、時に多くの危険をおかしながら海を渡り2000km以上の旅をします。
ヒヨドリバナは草丈が約50(~250)cm、地下茎は短く、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、茎はよく分枝しながら直立します。葉序は対生葉序、葉柄は約0.2(~0.4)cm、葉色は緑色、葉身は長さ約4(~20)cm、幅約3(~6.5)cm、葉身の形は殆どが披針形(~卵形)でしばしば3深裂しており、縁部分には鋸歯があります。花序は頭状散房花序、頭状散房花序は頭花と散房花序が組み合わさる複合花序です。頭花は筒状花5個で構成され、筒状花からは2裂する雌蕊が突出します。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。痩果は長さ約0.3cmの楕円形で冠毛が生えており、冠毛は長さ約0.5cmあります。
ヒヨドリバナの切り花の楽しみ方
- ヒヨドリバナの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りを行いましょう。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日ごとに必要に応じて水切りと水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
その他の種や園芸品種
- ユーパトリウム・ピンクフロストは学名eupatorium arakianum ‘Pink Frost’、フジバカマ(Eupatorium japonicum)とサワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum)の交雑種の多年草(宿根草)です。ユーパトリウム・ピンクフロストの特徴は、やや捻れる葉の形や、クリーム色の覆輪が入る葉色、柔らかな桃色の花(総苞片)にあります。桃色とクリーム色の2色の花(葉)色は、甘く優しい印象を与えます。そのため恋心をくすぐる様なロマンチックなお庭や、繊細で心が癒されるような優しい雰囲気のお庭などによく合うでしょう。ユーパトリウム・ピンクフロストの草姿は直立で高さ90cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中で背景として利用したり立体感を作ったり、また花を収穫して切り花として楽しむのも良いでしょう。