- 原産:日本/朝鮮 /中国
- 科:ガリア(Garryaceae)
- 属:アオキ(Aucuba)
- 種:アオキ/ジャポニカ(japonica)
- 別名:アオキバ/ヤマタケ/スポット・ローレル(spotted laurel)/ジャパニーズ・ローレル(Japanese laurel)/ジャパニーズ・オキュバ(Japanese aucuba)/ゴールドダスト・プラント(gold dust plant)
- 品種:富士川
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:赤色●紫色●
- 葉の色:緑色●黄色●
- 分類:常緑低木
- 草丈:約150~200cm
- 誕生花:10月22日/12月7日/12月12日/12月31日
- 花言葉:初志貫徹/永遠の愛/若く美しく/変わらぬ愛
- 用途:カラーリーフ/生垣/日陰植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アオキ(富士川)とは!?
アオキ(富士川)は「ホソバアオキ」とも呼ばれており、一般的なアオキと比べて葉が細いため、洗練された雰囲気をつくる園芸品種です。
アオキとは!?
アオキは学名Aucuba japonica、別名では「アオキバ」や「ゴールドダスト・プラント(gold dust plant)」とも呼ばれる日本および中国、朝鮮が原産の常緑低木です。
アオキの語源(由来)
- 属名のAucubaの由来は和名の「アオキバ」からきています。
- 種小名のjaponicaは「日本の」を意味しており自生地に由来します。
- アオキの由来は、一年を通して青々とした葉をつけている所と、茎が常に緑色をしている所からきています。
アオキの特徴(魅力)
- アオキの葉は革のような質感と光沢があり月桂樹(ローレル)を思わせるような美しい葉が魅力的です。
- また多くの場合で飛沫が飛んだかのような黄色の班がはいるためカラーリーフとして楽しむ事が出来ます。
- 花は雌雄異株のため雄花と雌花の2種類の花がそれぞれ別個体に生じます。
- 雄株の花は円錐花序の長さが約8~20cmあり、花には雄花が4個あります。
- 雌株の花は円錐花序の長さが約2~5cmあり、花には1個の雌蕊があります。
- 果実は赤色の核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)です。
- 果実は花の少ない冬の時期に実るためウィンターガーデンを華やかに彩ります。
- 雌雄異株のため実を楽しみたい場合は雌株と雄株の両方を準備しましょう。
- 果期(12月頃)になるとヒヨドリやツグミなどの鳥が、赤色の果実を狙って木の周りを飛び回るため、その姿を観察出来ます。
- 株は一般的に株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)になり丸みを帯びた樹形をつくります。
- 庭木として育てる場合は殆ど剪定がいらないため低メンテナンスで育てられます。
- 生垣として利用する場合は成長がとても緩やかなため希望の大きさになるまで時間がかかる場合があり、また病気(炭素病など)にかかると一気に広がるリスクも留意する必要があります。
- アオキは夏の暑さ冬の寒さに強く育てやすい植物です。
- また耐陰性が強いためシェードガーデン等にも利用出来ます。
アオキの樹高は約50(~300)cm、樹形はふつう株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)して丸みを帯びており、茎の色は緑色(成熟すると灰褐色)です。葉序は対生葉序、葉色は緑色(多くの場合で黄色の斑点が入る)、葉身の大きさは長さ約8(~20)cm、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)もしくは卵形です。花は雌雄異株のため雄株(雄花だけ作る)と雌株(雌花だけ作る)がそれぞれ分かれてあります。花序は円錐花序、円錐花序は雄株が長さ約8(~20)cmと大きく、雌株は2(~5)cmと小さい。花は花弁が4個、花弁は赤紫色をしており、雄花の場合は雄蕊が4個、雌花の場合は雌蕊が1個あります。果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、核果は長さ約1.5(~2)cm、形は楕円形、色は光沢のある赤色です。
アオキの園芸品種の紹介
- フイリアオキ(aucuba japonica ‘variegated’)は、ローレルを思わせる様な光沢のある美しい葉に黄色の班が入るためカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。鮮やかな黄色の班が入る葉は、明るく開放的な印象を与えるため、気分を向上させるような明るいお庭や、赤色や青色等の複数の花を組み合わせてつくるカラフルなお庭などにおすすめです。また一般的なアオキと同様に、雌株は冬になると赤色の果実を実らせます。
- スターダストはローレルを思わせるような光沢ある葉に飛沫(しぶき)がかかったかのような黄色の班が入る園芸品種です。鮮やかな黄色の班が入る葉は、明るく開放的な印象を与えるため、気分を向上させるような明るいお庭や、赤色や青色等の複数の花を組み合わせてつくるカラフルなお庭などにおすすめです。樹高は約150~200cmまで成長します。
- 長台寺はローレルを思わせるような光沢のある濃い緑色の葉に、直線的に境界線が引かれる黄色の切班が入るため、1つの葉の中で黄色と緑色の2色の葉色がくっきりと分かれた葉色を楽しめる園芸品種です。樹高は約150~200cmまで成長します。
- 駿河弁天は、縁部分にギザギザとした鋸葉が入る葉の形と、夜空に星を散らしたような黄色の星斑が入る葉色が魅力的な園芸品種です。樹高は約150~200cmまで成長します。
- 満月は葉に黄色の中班と黄色の星班が入り、夜空に浮かぶ満月と星を連想させるような葉色をつくる魅力的な園芸品種です。
- 富士川は「ホソバアオキ」とも呼ばれており、一般的なアオキと比べて葉が細いため、洗練された雰囲気をつくる園芸品種です。
- 見沼黄金は葉全体が黄みを帯びライムグリーンの明るい葉色をしているため、爽やかな印象を与えるカラーリーフとして楽しめる魅力的な園芸品種です。
アオキ(富士川)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
アオキ(富士川)は日向から日陰まで幅広い場所で育てる事が出来ます。ただし強い日差しの当たる場所では葉焼けを引き起こしたり、また暗い日陰では生育が悪くなることがあります。そのため直射日光が3時間から5時間の半日影や、間接光の当たる明るい日陰が理想です。
作土層
アオキ(富士川)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
アオキ(富士川)は幅広い土壌で育てる事が出来ますが、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。
- 土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アオキ(富士川)は日向から日陰まで幅広い場所で育てる事が出来ます。ただし強い日差しの当たる場所では葉焼けを引き起こしたり、また暗い日陰では生育が悪くなることがあります。そのため直射日光が3時間から5時間の半日影や、間接光の当たる明るい日陰が理想です。
培養土
アオキ(富士川)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
アオキ(富士川)は、やや湿り気のある土壌で最もよく成長します。水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。ただし水のやり過ぎでジメジメとした過湿が続いたり浸水するなどすると根腐れする事もあるため注意が必要です。
肥料の与え方
アオキ(富士川)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて成長を促したい場合などは毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分は水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは谷型肥料(窒素・カリが多く入る)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
アオキ(富士川)は成長がとても緩やかなため剪定を殆ど必要としませんが、剪定をせずに育てると間延びした茎が外観を崩す可能性があります。そのため必要に応じて春に剪定が行われます。
アオキ(富士川)の剪定時期は霜の心配がなくなる春です。何故なら春からの成長が最もよく、剪定しても回復が早いからです。花が重要視される事はすくないですが、あまり遅い時期(6月以降)に剪定すると翌年の開花に影響が出るため注意が必要です。また枯れ枝や病枝などの完全に不要な枝であれば何時でも間引き剪定して取り除けます。
アオキ(富士川)の剪定の手順
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探しこれを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 不要な茎【徒長枝・古い枝など】を探して、必要に応じて剪定しましょう。
- 徒長枝は側面から飛び出ている枝を少し中(奥)めの節の部分で切り戻し剪定して輪郭をととのえます。
- 生産性の落ちた古い枝は必要に応じて根元から間引き剪定して生産性の高い新しい成長をうながしましょう。
夏越しする方法
アオキ(富士川)は夏の暑さに強く、基本的には夏越し対策を必要としません。ただし強い日差しの当たる環境では、葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしたり、ストレスにより班が消えやすくなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:6b~10a
アオキ(富士川)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
アオキは挿し木や取り木によって増やす事ができます。
アオキの挿し木の方法
- アオキの挿し木時期は初夏から初秋が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~15cmにわけします。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残し、上部の葉は半分にカットします。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 水揚げした挿し穂の切り口に発根促進剤をつけます。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
アオキの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アオキの病気
- 褐斑病
- 炭素病
- うどんこ病
- すす病
アオキの害虫
- カイガラムシ
- チャノホコリダニ
- アオキミタマバエ