- 原産:北アメリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:へレニウム(Helenium)
- 種:ダンゴギク/オータムナーレ(autumnale)
- 別名:へレニウム・オータムナーレ/ヘレニウム・アウツムナレ/コモン・スニーズウィード(common sneezeweed)/ラージ・フラワー・スニーズウィード(large-flowered sneezeweed)
- 品種:ダブルトラブル(helenium autumnale ‘Double Trouble)
- 開花時期:8月~10月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約120cm
- 誕生花:9月28日/10月2日
- 花言葉:寛容/上機嫌/派手/恋の望み
- 用途:背が高い花/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
へレニウム・ダブルトラブルとは!?
へレニウム・ダブルトラブルは一般的なダンゴギクと比べて花弁が多く何段にも黄色の花弁が重なり半八重咲きする華やかな花姿が魅力の園芸品種です。また花は中央部の筒状花まだ黄色(黄緑色)のため最高に明るく開放的な雰囲気をつくります。草丈は約80~120cmまで垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
へレニウム・オータムナーレとは!?
へレニウム・オータムナーレは学名Helenium autumnale、別名では「へレニウム・オータムナーレ」や「ダンゴギク」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
へレニウム・オータムナーレの語源(由来)
- 属名のHeleniumはギリシャ語の「helenion」に由来しており、helenionは恐らく世界で最も美しいとも言われるギリシャ神話に出てくる女性の「Helen of Troy」に因むと言われています。
- 種小名のautumnaleはラテン語で「秋の」を意味しており、秋に花が咲く事に由来します。
- ダンゴギクの由来は花中央の筒状花だが団子のようにみえることからきています。
へレニウム・オータムナーレの特徴(魅力)
- へレニウム・オータムナーレは花の中央に団子を思わせる様な丸い突起がある個性的な花姿をしている所と、遠くからでも目をひく色鮮やかな花色がある所が魅力の多年草(宿根草)です。
- 花は茎の上部で枝分かれして円錐状に沢山の花が咲きます。
- 一個一個の花は頭花で舌状花と筒状花で構成されています。
- 花の中央には約200~800個の沢山の小花(筒状花)が集まり団子の様な個性的な外観をつくります。
- 個性的で色鮮やかな花は切り花として利用される事もあり日持ちは管理方法でもかわりますが約5~7日です。
- へレニウム・オータムナーレの葉を乾燥させたものが以前は嗅ぎタバコとして利用されていた経緯があり、吸うとくしゃみが発生することから英名sneeze(くしゃみ)weed(雑草)と呼ばれています。
- またくしゃみを発生させる事で体から悪霊を追い払う事ができると信じられていました。
- 草姿は叢生型で地面から沢山の垂直に伸びる茎が出てきます。
- 茎は直立に約100~130cmまで伸びるため花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- 茎には扁平な葉っぱの様な翼がつくため個性的な外観をしています。
- へレニウム・オータムナーレは宿根草のため冬になると地上部が枯れますが春になると地面から沢山の芽が出てきて再度成長を始めます。
- 基本的に丈夫ですが乾燥を苦手にしているため育てる際は注意が必要です。
へレニウム・オータムナーレは草丈が約50(~130)cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)、茎は直立して上部で分枝します。茎の色は緑色、扁平な翼があります。葉序は互生葉序、葉色は緑色、毛が密に生えており、葉身は披針形もしくは狭楕円形、縁部分に鋸歯があります。花序は頭状円錐花序、頭状円錐花序は頭花と円錐花序が組み合わさる複合花序です。頭花は直径約2(~5)cm、頭花は約8(~21)個の舌状花と約200(~800)個の筒状花で構成されています。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。種子は褐色で冠毛があります。
へレニウム・オータムナーレの切り花の楽しみ方
- へレニウム・オータムナーレの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
へレニウム・オータムナーレの園芸品種の紹介
- フエゴ(helenium autumnale ‘fuego’)は赤色(橙色)と黄色の2色の花色が暑い太陽を連想させる魅力的な園芸品種です。花は花弁の基部と縁部分に黄色の班が入り、中央が赤色(橙色)をしています。草丈は50cm程度とあまり背が高くなりません。
- バターパット(helenium autumnale ‘Butterpat)は「バター(の一片)」を連想させる様な鮮やかな黄色の花色が魅力の園芸品種です。花は中央部の筒状花まで黄色いため、最高に明るく開放的な雰囲気をつくります。草丈は約120cmまで垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- タイダイ(helenium autumnale ‘tie dye’)は花弁が内側に緩く巻き筒状の形になる所と、花弁の表面(黄色)と裏面(赤橙色・桃色)で花色が違うためツートンカラーの花が楽しめる所などが魅力の園芸品種です。草丈は約80cmまで垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- ブルーノ(helenium autumnale ‘Bruno’)は上品な赤ワインやお洒落な口紅の色を連想させる濃い赤色の花が魅力の園芸品種です。濃い赤色の花は華やかでありながら円熟して落ち着いた雰囲気があるため、エレガントで気品のあるお庭や、独特な世界観のあるミステリアスなお庭などによくあうでしょう。
- ダブルトラブル(helenium autumnale ‘Double Trouble)は一般的なダンゴギクと比べて花弁が多く何段にも黄色の花弁が重なり半八重咲きする華やかな花姿が魅力の園芸品種です。また花は中央部の筒状花まだ黄色(黄緑色)のため最高に明るく開放的な雰囲気をつくります。草丈は約80~120cmまで垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- モアハイムビューティ(helenium autumnale ‘Moerheim Beauty)は晩夏から晩秋まで長く開花する所と、赤橙色の鮮やかな花色が魅力の園芸品種です。草丈は約80~120cmまで垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- サルサ(helenium autumnale ‘salsa’)は一般的なヘレニウムと比べて背が低く高さが約50cmまでしか成長しないため鉢植え等でも育てやすく、また色鮮やかな赤色(~赤橙色)の花色が南国の暖かさと開放感を感じさせる魅力的な園芸品種です。
- ヘレナ・レッドシェイズ(helenium autumnale ‘helena red shades’)は花弁の縁部分に黄色の覆輪が入り、濃い赤色と黄色の2色のカラフルな花色が楽しめる魅力的な園芸品種です。草丈は約80~120cmまで垂直に伸びるため、花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
へレニウムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
へレニウムの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
へレニウム・ダブルトラブルの育て方
花壇の土づくり
日当たり
へレニウム・ダブルトラブルは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
へレニウム・ダブルトラブルがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
へレニウム・ダブルトラブルは幅広い土壌で育てる事が出来ますが、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
へレニウム・ダブルトラブルは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
へレニウム・ダブルトラブルは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+バーミキュライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
へレニウム・ダブルトラブルは乾燥すると葉が落ちる事が多くなるため、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
へレニウム・ダブルトラブルはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。基本的に春に1度だけ肥料を与えたら追肥は不要で、多すぎる肥料は徒長させたり栄養成長を促進させて花数を減らす可能性があります。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年晩冬から早春に与えます。ある程度肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めます。肥料は水平型の配合肥料もしくは緩効性肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
へレニウム・ダブルトラブルは剪定せずに育てる事も出来ますが、晩春に茎の頂部を指やハサミで摘芯する事で、茎の高さを抑えて倒伏を塞いだり、茎数や花数を増やす事が出来ます。ただし花が開花する時期が遅くなる可能性があります。
夏越しする方法
へレニウム・ダブルトラブルは夏の暑さに耐えますが、乾燥を苦手にしています。そのため地植えでも土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行いましょう。また鉢植えで育てている場合は、特に乾燥がより早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:3b~8a
へレニウム・ダブルトラブルは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
へレニウム・ダブルトラブルは挿し芽や株分けによって増やす事ができます。
へレニウム・ダブルトラブルの挿し芽の方法
- へレニウム・ダブルトラブルの挿し芽時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~10cmにわけします。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
へレニウム・ダブルトラブルの株分け手順
- へレニウム・ダブルトラブルの株分け時期は春が最適です。
- スコップを使い出来るだけ根が傷まないように慎重に株を掘りあげます。
- 株にに数個の芽をつけるようにして手やハサミ等を使い切り分けます。
- 株分けしたらそれぞれの株を植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
へレニウム・オータムナーレの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:14~21日
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
へレニウム・オータムナーレの病気
- うどんこ病
へレニウム・オータムナーレの害虫