- 原産:日本
- 科:ベンケイソウ(Crassulaceae)
- 属:ムラサキベンケイソウ/ヒロテレフィウム(Hylotelephium)
- 種:ヒダカミセバヤ(cauticolum)
- 別名:セダム・カウティコラ
- 開花時期:10月~11月
- 花の色:桃色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約10cm
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒダカミセバヤとは!?
ヒダカミセバヤは学名Hylotelephium cauticolum、別名では「セダム・カウティコラ」とも呼ばれる日本固有の多年草です。日本では北海道に分布しており、岩場などに自生しています。
ヒダカミセバヤの語源(由来)
- 属名のHylotelephiumはラテン語で「森」「森林」等を意味する「hylo」と、ギリシャ語で「遠く離れた」を意味する「tele-」と、ギリシャ語で「最愛の」や「愛する」を意味する「philos」の3語からなります。
- 種小名のcauticolumは「崖に生える」を意味しており、自生地に由来します。
ヒダカミセバヤの特徴(魅力)
- ヒダカミセバヤは茎が地面這うように成長する事から高さ10cmと背が低い一方で、幅が約30cmに広がります。
- 匍匐性に広がる草姿から地面を被覆する地被植物として利用されたり、鉢植えの側面や岩壁を下垂させて優雅な草姿を鑑賞する目的で利用したりできます。
- 茎の色は白緑色もしくは赤みを帯びます。
- 葉は厚みがあり、艶消しされたプラスチックの様な個性的な外観をしています。
- 葉色は青緑色でふち部分が赤みを帯びています。
- 花は薄桃色で青緑色の柔らかな葉との相性もよく、ベビーグッズの様な可愛らしい外観をつくります。
- 花は桃色の小花が半球状(散房花序)に集まっています。
- ヒダカミセバヤは夏の暑さ冬の寒さに強く地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
- ただし湿度の高い環境では根腐れや病気になりやすいため注意が必要です。
ムラサキベンケイソウの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ベンケイソウの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ヒダカミセバヤの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ヒダカミセバヤは成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。日当りの悪い環境では茎が徒長して倒伏したり、花が少なくなったり開花しない場合があります。
土壌の土質
ヒダカミセバヤは湿度の高い環境を嫌います。何故なら根腐れや腐敗などを引き起こし生育不良の原因となるからです。そのため、水捌けを悪くする粘土質な土壌や、蒸れる原因となる有機物が多く入る土壌などは避けた方が良いでしょう。基本的には通気性がよく適度に有機物が入る砂壌土もしくは、通気性や排水性に優れた砂土で育てましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。サボテンや多肉植物などに向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌ですが、乾燥を好む植物には蒸れてしまうためあまり適さないかもしれません。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和するか、土を入れ替えましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 黒っぽい土の場合は保水性が高く夏場蒸れる原因ともなるため、必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和した方がよいかもしれません。
鉢土づくり
日当たり
ヒダカミセバヤは成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。日当りの悪い環境では茎が徒長して倒伏したり、花が少なくなったり開花しない場合があります。
培養土
ヒダカミセバヤは他の多肉植物と同様に多湿環境を嫌うため、多肉植物の培養土等を利用すると良いでしょう。自作する場合は通気性が良い培養土をつくります。腐葉土等の堆肥が多いと夏に蒸れる原因にもなるためやや少なめにいれます。
- 川砂+ボラ土(小粒)+赤玉土+腐葉土=3:3:3:1
- 軽石(小粒)+ボラ土+ピートモス=5:3:2
水やりの仕方
地植え
ヒダカミセバヤは乾燥に強いため、地植えしている場合は乾燥が極端に続く場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし雨が長く降らず、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ヒダカミセバヤを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土が乾燥して数日たってから、もしくは葉にシワがよったり変色するようなら、鉢底から溢れるほど水をたっぷり与えると良いでしょう。目安の頻度は月に2~3回(冬場は1回)です。常に湿った土壌を嫌うため乾燥と湿潤のメリハリをしっかりつけて水やりをおこないましょう。
肥料の与え方
ヒダカミセバヤは栄養の乏しい土壌でも育ち、基本的に肥料を必要としません。多過ぎる肥料は、ひょろひょろとした茎が伸びて徒長したり、倒伏したり、病気を招いたり、肥焼けする原因にもなります。そのため、肥料を与える場合は、少なめで年に1度与えましょう。
肥料は基本的には不要ですが、栄養が乏しい土壌と感じる場合は、早春に堆肥を追加したり、少量の肥料を与える事も可能です。
剪定のやり方
ヒダカミセバヤの剪定は基本的に不要です。
必要に応じて開花後に乾燥した花を切り戻して見た目を整えたり、冬の間に枯れた茎を翌春(早春)に根元から切り戻し、新しい芽の成長を促す事が出来ます。
夏越しする方法
ヒダカミセバヤは夏の暑さに耐えますが多湿を苦手にしており、根腐れしたり腐敗する原因になる事があります。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
ヒダカミセバヤの夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うため乾燥した場所で管理しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
冬越しする方法
Hardiness:
ヒダカミセバヤは冬になると地上部が枯れますが、耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ヒダカミセバヤは挿し木や葉挿し、株分けによって増やす事ができます。
ヒダカミセバヤの挿し木の方法
- ヒダカミセバヤの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
ヒダカミセバヤの葉挿し手順
- ヒダカミセバヤは健康な葉を利用して葉挿しが出来ます。
- 葉を葉柄ごと茎からとります。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 葉柄の部分を下にして葉を1/4を目安に培養土の中に挿します。
- 明るい日陰で培養土が完全に乾燥しない様に水やりを時折行い管理しましょう。
播種で増やす
ヒダカミセバヤの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ヒダカミセバヤの病気
- 白絹病
- 軟腐病
- 根腐れ病
ヒダカミセバヤの害虫
- ベンケイソウスガ
- ナメクジ