- 原産:エジプト
- 科:セリ(Apiaceae)
- 属:アンミ(Ammi)
- 種:ビスナガ(visnaga)
- 同義語(synonym):Visnaga daucoides
- 別名:トゥースピック・プラント(toothpick -plant)/トゥースピック・ウィード(toopickweed)/ビスナガ(bisnaga)/ケラ(khella)/ビショップ・ウィード(Bishop’s Weed)
- 品種:グリーンミスト(ammi visnaga ‘green mist’)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草
- 草丈:約30~80cm
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アンミ(グリーンミスト)とは!?
アンミ(グリーンミスト)は一般的な種と比べて葉がとても多く、非常に細い葉がグリーンの霧(ミスト)のような柔らかな外観をつくり、霧から現れる大きな白色の花が幻想的な雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。高さ約30~80cmまで成長します。
アンミ(ビスナガ)とは!?
アンミ(ビスナガ)は学名Ammi visnaga(synonym:Visnaga daucoides)、 別名では「トゥースピック・プラント(toothpick -plant)」や「トゥースピック・ウィード(toopickweed)」等とも呼ばれるヨーロッパおよびアジア、北アフリカが原産の一年草です。
アンミ(ビスナガ)の語源(由来)
- 属名のAmmiは、古代ギリシアでこの属の植物を意味する「ἄμμι」に由来します。
- またギリシャ語で「砂」を意味する「ammos」からきているとも言われており、ナイルデルタや地中海に起源がある事に由来するとも言われています。
- 種小名のvisnagaの由来はスペイン語の「biznaga」からきています。
アンミ(ビスナガ)の特徴(魅力)
- アンミ(ビスナガ)は、半球状に小花が密に集まるボリュームある花姿と、花の重さにも耐える丈夫な茎、繊細な印象を与える細い線形の葉などが特徴の一年草です。
- 茎はやや太めで力強い印象を与えますが、丈夫で大きな花を支えることが出来ます。
- 花は非常に小さな花が茎の頂部で半球状(複散形花序)に密に集まり直径4~12cmの大きな花を咲かせます。
- 小花と小花の間には空間が少ないためボリュームある豪華な花姿をつくります。
- 葉は非常に細く羽状に裂けているため、光や風をよく通し、霞がかかったような柔らかで繊細な印象を与えます。
- 花は収穫して切り花やフラワーアレンジメントの素材として利用されます。
- アンミ(ビスナガ)の白色の花は大きく豪華なため、切り花を部屋に飾ることで清潔感や華やかな印象を与えます。
- 切り花やフラワーアレンジメントとして楽しむ場合は持続的に収穫するため週をまたぎ数回にわけて種を撒くとよいかもしれません。
- アンミ(ビスナガ)の結実した小花柄は爪楊枝として、幾つかの地域(エジプト等)で利用されたり販売されたりしています。
- そのため、英名では爪楊枝の植物を意味する「toothpick plant」と呼ばれたりします。
- アンミ(ビスナガ)は一年草ですが、こぼれ種が地面に落ちて自然に芽生えてくる事も多いです。
アンミ(ビスナガ)は草丈が約50(~120)cm、根は直根性、茎は直立して、斜上に分枝します。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~20)cm、葉身の形は1(~3)回羽状複葉、小葉は線形もしくは披針形です。花序は複散形花序、複散形花序は直径約4(~12)cm、複数の散形花序が集まる複合花序です。花は花弁が5個、花弁の色は白色です。果実は楕円形で直径約0.2cm、目立つ稜があります。
アンミ(ビスナガ)の切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は花(小花)が半分以上が開き、茎に弾力が出てきたタイミングで行うとよいでしょう。あまり収穫が早いと萎れやすくなります。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果によって蕾が開きやすくなったり腐敗が抑制され日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約3~7日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
アンミ(ビスナガ)の園芸品種の紹介
アンミ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アンミの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
レースフラワーの種類は下記のリンクから紹介しています。
レースフラワーの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種【2020】
アンミ(グリーンミスト)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
アンミ(グリーンミスト)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花が小さくなる可能性があります。
作土層
アンミ(グリーンミスト)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
アンミ(グリーンミスト)は土質を選ばず育てる事が可能で、通気性がよければ幅広い土壌で育てる事が出来ます。ただし最もよく成長して、沢山の花を咲かせるのは通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌のため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アンミ(グリーンミスト)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花が小さくなる可能性があります。
培養土
アンミ(グリーンミスト)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
アンミ(グリーンミスト)は乾燥に強いため地植えしている場合は降水のみでも育てられます。ただし生育初期や成長期に十分に水が与えられる事で最も生産性が高ままります。そのため土の表面(数cm)が乾いてきたらしっかり水やりを行いましょう。
鉢植え
アンミ(グリーンミスト)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
アンミ(グリーンミスト)は、有機物を含む十分肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。植え付け時に土質を改善して元肥を入れておきましょう。栄養の乏しい土壌で育てる場合、鉢植えで育てる場合などは栄養が足りなくなる事があるため定期的に肥料を与えましょう。
元肥の与え方
- 元肥は苗の植え付け時に与える肥料の事です。
- 肥料は肥効が長く続く配合肥料もしくは緩効性肥料を選び、成分は山型肥料(リン酸が多い)を選びましょう。
- 元肥の与え方は規定された量を土壌に入れます。
- 緩効性肥料の場合は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥を行います。
- 配合肥料の場合は、植え穴に有機肥料や配合肥料を施して、穴(溝)に少量の土を戻し、その上に苗を植え付ける溝施肥を行いましょう。
追肥の与え方
- アンミ(グリーンミスト)の追肥は生育期間中に行う肥料です。
- 本葉が出てきたら与え始めます。
- 追肥は肥料の効きが早い速効性肥料を選びましょう。
- ふつうは液肥を定期的に与えます。
- 肥料の与え方は7~10日の頻度で水やりの際に液肥を一緒に与えましょう。
剪定のやり方
アンミ(グリーンミスト)の剪定は基本的には不要です。こぼれ種を落としたくない場合は花が終わったら切り戻しを行い片付けましょう。
夏越しする方法
アンミ(グリーンミスト)は高温多湿を苦手にしているため、必要に応じて対策を行いましょう。
冬越しする方法
Hardiness:
アンミ(グリーンミスト)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
アンミ(ビスナガ)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約7日~21日
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、直播きする場所の土壌を整えるか、ポットに種まき用の培養土を入れて準備します。
- 直根性で移植を嫌うため基本的には直播きしましょう。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に0.1cmほど薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
- 本葉が2枚出てきたら約10~20cm間隔で間引きましょう。
植物の病気
アンミ(ビスナガ)の病気
- 立枯病
アンミ(ビスナガ)の害虫
- アブラムシ
- ハダニ