ロウバイは属の中に約5種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は、中国が原産で蝋細工のような透き通る花が美しいロウバイとその園芸品種です。
ロウバイ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ロウバイの主な種の目次
ロウバイの特徴や園芸品種
- 原産:中国
- 学名:chimonanthus praecox
- 草丈:約200~500cm
- 分類:落葉低木
- 開花時期:12月~2月
- 花色:赤色●黄色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:1月2日/1月21日/12月30日
- 花言葉:先導/先見/慈しみ/ゆかしさ
- 用途:香りが良い/切り花
ロウバイとは!?
ロウバイは学名chimonanthus praecox、別名では「ウィンタースウィート(wintersweet)」や「ジャパニーズ・オイルスター(Japanese allspice)」等とも呼ばれる中国原産の落葉低木です。
ロウバイの語源(由来)
- 属名のchimonanthusはギリシャ語で「冬」を意味する「χειμώνας (chheimónas)」と、ギリシャ語で「花」を意味する「anthus」の2語からなり、冬に花を咲かせる事に由来します。
- 種小名のpraecoxはラテン語で「早期の」「早咲きの」を意味しており、まだ他の花が咲き始めない冬に開花が始まる事に由来します。
- 英名のwintersweetは「冬」「甘い」を意味しており、冬に甘い香りがする花を咲かせる事に由来します。
- ロウバイの由来は漢名の「臘梅」の音読みからきています。
ロウバイの特徴(魅力)
- ロウバイは蝋細工のような透けた薄黄色の花と、花が少なくなる真冬に開花する所などが魅力の植物です。
- 樹形はふつう根元から枝が何本も出る株立ち状で、2~3本の太い枝に仕立てられたり、地際から何本も新しい枝を伸ばし育てられたりします。
- 定期的に若返り剪定を行い新しい枝を多く成長させた場合は、枝が湾曲しながら横へと広がり優雅な樹形をつくります。
- 花は花弁(花被片)が15~25個あり外側の花被片は薄黄色で内側の花被片は紫色(赤紫色)をしています。
- 花被片はワックス状もしくは蝋状で透け感のある細工物の様な個性的な外観をしています。
- 花は葉が展開する前に開花が始まるため葉に邪魔される事なく鑑賞する事ができます。
- 花には強い甘い香りがあるため英名wintersweetの由来にもなっています。
- 花はカット後の日持ちが約7日と長く、切り花や茶花などにして親しまれています。
- 果実は壺の様な形をした偽果で、中にさらに数個の楕円形の偽果がはいっています。
- ロウバイは落葉性のため秋から冬になると葉が黄色くなり落葉します。
ロウバイの樹高は約200(~500)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、茎は直立もしくは斜上する傾向にあり。茎の色は灰褐色から赤褐色です。葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約5(~29)cm、幅約2(~12)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形か披針形です。花序は腋生で前年の枝に付き、花の大きさは直径約1.5(~4)cm、花被片の数は15(~21)個、花被片の色は外側が黄色(~薄黄色)になり内側が紫色(~赤紫色)をしており、雄蕊は5(~8)個あります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)で、花托が肥大化して壺状となる偽果、偽果の中にはさらに赤褐色をした楕円形の偽果が数個詰まっています。
ロウバイの切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは根元割りを行います。
- 花瓶に水を入れて花を生けましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
根元割り法・根元叩き法
根元割り法・根元叩き法とは、硬い茎や枝の根元に縦にハサミを入れて割る、または金槌などで硬い茎や枝の根元を叩いて潰して、水揚げする方法です。
根元割り・根元叩きをする事で、吸水する場所の面積が増えて、吸水力が高まり水揚げしやすくなります。
根元割り
- 切り花の根元をハサミを使って斜めにカットします。
- カットした切り口に対して垂直に、ハサミを入れて、十時に切れ込みをいれます。
根元叩き
切り花の切り口を、金槌で叩いて潰します。
ロウバイの園芸品種の紹介
- マンゲツロウバイは、花弁(花被片)が丸みを帯びて全体的にコロッとした可愛らしい花姿をしており、黄色と紫色(赤紫色)の2色の対比がカラフルな印象を甘える園芸品種です。花は外側の花被片が鮮やかな黄色で、内側の花被片に赤紫色の班がはいります。
- ソシンロウバイ(chimonanthus praecox ‘concolor’)は、普通のロウバイと違い中央の花弁(花被片)が赤みを帯びておらず鮮やかな黄色一色の花を咲かせます。花弁は蝋細工のように透明感があり、幾重にも重なる事で華やかな印象を与えます。
- トウロウバイ(chimonanthus praecox ‘grandiflorus’)は全体的に一般的な種より大きくなる傾向があり、花もやや大きなものを咲かせます。