- 原産:中国/台湾/ベトナム
- 科:モクセイ(Oleaceae)
- 属:イボタノキ/リグストルム(Ligustrum)
- 種:コミノネズミモチ(sinense)
- 別名:シナイボタ/トウイボタ/チャイニーズ プリベット(Chinese privet)
- 品種:フレグラント・クラウド(ligustrum sinense ‘fragrant cloud’)
- 開花時期:5月~6月
- 花の色:白色〇
- 実の色:紫色●黒色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉低木/落葉小高木
- 草丈:約100~150cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:生垣/カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)とは!?
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)はその名前が示す通り、一般的に悪臭と言われる香りを放つコミノネズミモチと違い、花の香りがよい所が魅力の園芸品種です。花は多花性で、白色の小花が円錐形に集まり咲く花姿はボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせます。樹高は約200~400cm、幅は約200~400cmまで成長するため。用途に合わせて庭木として育てたり、生垣として利用するとよいでしょう。
コミノネズミモチとは!?
コミノネズミモチは学名Ligustrum sinense、別名「シナイボタ」や「トウイボタ」とも呼ばれる中国及び台湾、ベトナムが原産の落葉低木もしくは落葉小高木です。
コミノネズミモチの語源(由来)
- 属名のLigustrumはイボタノキの古名(Ligus/Ligustia)に由来します。
- 種小名のsinenseは「中国の」を意味しており自生地に由来します、
コミノネズミモチの特徴(魅力)
- コミノネズミモチは生垣として用いる目的で育てられることが多く、非常に沢山の花と果実を実らせる所が特徴です。
- ただし花には強い香りがあり、人によっては「不快」と感じさせる場合があります。
- コミノネズミモチの小枝には白色の毛が密生して生えています。
- 花は円錐状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせるため、花を鑑賞する目的で育てられる事もあります。
- 花には強い香りがあり、どちらかと言うと「不快」と感じる人の方が多いようです。
- 葉は長さ約2~7cmで、あまり大きくなる事はなく、小ぶりな印象を与えます。
- 葉の色はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色や、清潔感や洗練された印象を与える白色の葉色があるため、お庭の雰囲気に合わせて品種を選びカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- コミノネズミモチは生垣は、好みによって剪定されて形が整えられるフォーマルヘッジとして管理されたり、花や実を楽しむ目的で剪定を減らし自然樹形のインフォーマルヘッジとして管理されたりします。
- フォーマルヘッジの生垣として利用する場合は枝葉が密に茂ることから目隠し効果・侵入防止効果・耐風効果等の生垣に求められる機能をしっかりと持っています。
- インフォーマルヘッジの生垣として利用する場合は生垣に求められる機能性はやや劣る事になりますが、ふんわりとした樹形と、花や実を楽しむことができます。
- オオバイボタの生垣の植え付け間隔は約30cm~50cmです。自然樹形(インフォーマルヘッジ)で楽しむ場合は成熟時の横幅を目安にして広めに植え付け間隔をとります。
- コミノネズミモチは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です
コミノネズミモチの樹高は約200(~700)cm、樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)もしくは株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)になります。茎は木質で樹皮は灰褐色(~白色)をしており、小枝には毛が密生します。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約2(~7)cm、幅約1(~3)cm、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)です。花序は円錐花序、花は白色の裂片が4個、雄蕊は2個(葯は桃色)、雌蕊は1個あります。果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、色は暗紫色、形は球形、直径約0.5(~0.8)cmです。
コミノネズミモチの園芸品種の紹介
- サンシャイン(ligustrum sinense ‘sunshine’)は新しく成長する葉で見られる鮮やかな黄色の葉色と、成熟するにつれて見られるイエローグリーンの葉色が、カラーリーフとしてお庭の雰囲気を明るく爽やかに彩る魅力的な園芸品種です。樹高は約100~150cm、幅は約100~120cmまで成長します。用途に合わせて庭木として育てたり、生垣として利用するのもよいでしょう。
- フレグラント・クラウド(ligustrum sinense ‘fragrant cloud’)は、その名前が示す通り、一般的に悪臭と言われる香りを放つコミノネズミモチと違い、花の香りがよい所が魅力の園芸品種です。花は多花性で、白色の小花が円錐形に集まり咲く花姿はボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせます。樹高は約200~400cm、幅は約200~400cmまで成長するため。用途に合わせて庭木として育てたり、生垣として利用するとよいでしょう。
- カスタードリップルは、カスタードクリームを思わせるような濃い黄色の班(覆輪)が葉の大部分に入るため、明るい印象や果物の果肉を思わせるような甘い雰囲気をつくるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹高は約100~150cm、幅は約100~150cmまで成長します。用途に合わせて庭木として育てたり、生垣として利用するのもよいでしょう。
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イボタノキ(リグストルム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
イボタノキ(リグストルム)の珍しい種類、主な種や園芸品種の紹介【2022】
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)は土質を選びません。基本的に通気性が良ければ幅広い土壌で育てることが出来ます。植え付けの前に土壌診断を行い通気性がよく適度に肥沃な土壌をつくりましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)は直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが厳しい地域では半日影に移動した方が良いでしょう。
培養土
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)は植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて成長を促したい場合などは毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)は花や実を楽しむ目的で庭木として育てる場合と、形状を整え維持して生垣などに利用する場合で剪定のやり方が違います。
庭木として育てる場合は、枯れ枝や損傷した枝をぬく位で基本的に剪定を行う必要がありません。生垣として育てる場合は形状を維持して枝葉を密に茂らせるために生育期間中、2~3回の剪定が必要です。※自然樹形の生垣(インフォーマルヘッジ)として管理する場合は庭木の剪定をおこないます。
庭木として剪定する方法
- 庭木として育てる場合は基本的に剪定する必要がありません。
- 剪定する場合は晩冬から早春に行います。
- 何故なら春からの強い成長によって回復も早いからです。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため不要枝を根元付近から間引き剪定します。
- 生産性の落ちた古い枝、樹形を乱す逆さ枝や並行枝など、エネルギーが分散する原因となる蘖などを必要に応じて根元から間引き剪定します。
生垣として剪定する方法
- 生垣の剪定は早春から秋の間に2~3回行います。
- 霜の前に剪定すると芽が動き、霜で芽が傷むことがあるため、霜が降りる前の1ヶ月~2ヶ月は剪定をさけましょう。
- 剪定は刈り込みバサミやヘッジトリマーを利用して側面を刈り込み剪定します。
- 紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。その際、上部をやや狭く下部をやや広く「▲」の形をイメージしながら剪定すると下部の枝葉にも光がしっかり当たるため、下枝の葉が落ちにくいです。
- また前回刈り込みを行った位置で剪定すると大きさが維持され、刈り込む位置を前年より内側もしくは外側にする事で全体を大きくしたり小さくしたり出来ます。
- 側面が終わったら上面を刈り込み剪定をおこないます。
- 紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。
- ただし希望の高さまで成長していない場合は上面の刈り込み剪定は行いません。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)は夏の暑さに強いため、基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:7b~10a
コミノネズミモチ(フレグラント・クラウド)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
コミノネズミモチは挿し木で増やす事が出来ます。
コミノネズミモチの挿し木の方法
- コミノネズミモチの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を長さ7~15cmとりましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 茎の下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
コミノネズミモチの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
コミノネズミモチの病気
- うどんこ病
- さび病
- 炭素病
コミノネズミモチの害虫
- ハマキムシ
- アオムシ
- カイガラムシ