- 原産:日本/中国/台湾/朝鮮/ミャンマー/タイ/ベトナム/フィリピン
- 科:レンプクソウ(Adoxaceae)
- 属:ガマズミ/ビバーナム(Viburnum)
- 種:サンゴジュ・アワブキ(viburnum odoratissimum ver. awabuki)
- 別名:ヤブサンゴ/スイートビバーナム(Sweet viburnum)
- 品種:
- 開花時期:6月~7月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:花
- 分類:常緑小高木
- 草丈:約300~900cm
- 誕生花:10月23日
- 花言葉:端麗/負けず嫌い
- 用途:カラーリーフ/生垣/香りが良い
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サンゴジュ(アワブキ)とは!?
サンゴジュ(アワブキ)は、枝に水分が多く含まれており、燃やすと泡をふく姿からアワブキの名前がついています。非常に燃えにくいため防火対策として生垣などによく利用されます。
サンゴジュとは!?
サンゴジュは学名Viburnum odoratissimum、別名では「ヤブサンゴ」や「スイートビバーナム(Sweet viburnum)」とも呼ばれる日本及びアジア原産の常緑小高木です。
サンゴジュの語源(由来)
- 属名のViburnumはViburnum lantanaのラテン語名に由来します。
- 種小名のodoratissimumは「とても香りの良い」を意味します。
- サンゴジュの由来は、秋に実る赤色の果実と果柄がサンゴのように見える所からきています。
サンゴジュの特徴(魅力)
- サンゴジュは香りがよく円錐状にボリュームよく咲く白色の花と、秋に真っ赤に実る赤色の果実が魅力的な植物です。またサンゴジュの果実は果柄まで赤くなり実るため「サンゴ」を思わせるような外観をしており、和名の由来にもなっています。
- 園芸では主に花や果実を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、定期的に刈り込み剪定しながら生垣などとして利用する目的で育てられる植物です。
- 花は円錐状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせるため、花を鑑賞する目的で育てられる事もあります。
- 花には心地よい香りがあるため、種小名odoratissimum(とても香りの良い)やSweet viburnum(甘いガマズミ属の植物)の由来にもなっています。
- 果実は晩夏から秋頃に熟し、花柄まで赤くなるため「サンゴ」のような外観をしており非常に装飾的です。
- 果実はメジロなどが食べにくる事もあるため、木に集って赤色の果実を食べる鳥の姿を観察する事が出来ることもあります。
- 葉は光沢があり美しく長さ約7~20cmと大きめです。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の班がはいったり、落ち着いた印象を与える赤茶色の葉色等があるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- サンゴジュの生垣は形状が整えられたフォーマルヘッジの生垣して利用されます。
- サンゴジュは背が高く、常緑性があり、枝葉は密で、水分を多く含む事から生垣としての機能性(目隠し効果・侵入防止効果・防火効果・防音効果・防風効果等)をしっかり発揮する事が出来ます。
- サンゴジュはやや葉が大きいため全体的に緩い印象を与えたり、刈り込み剪定を行った時に剪断された葉が少し気になる場合があります。
- サンゴジュの生垣の植え付け間隔は100cm以上です。
- サンゴジュは基本的に強い霜に耐えられないため、普通は暖地や平地などで育てられます。
サンゴジュの樹高は約300(~900)cm、樹形はブッシュ状(Bushy)で枝分かれがよくふさふさとしており、樹皮の色は灰褐色です。
葉序は対生葉序、葉色は光沢のある緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約7(~20)cm、幅約4(~9)cm、葉身の形は楕円形、ふち部に鋸歯があり、葉の質感は革質です。
花序は円錐花序、円錐花序は円錐状に花が多数集まります。花の色は白色、花の直径約0.7cm、形は筒状で筒上部が広がり裂片が5個、雄蕊は5個、雌蕊は1個あります。果実は液果(果皮のうち特に中果皮が水分を多く含む細胞になり液質もしくは多肉質な果実)です。液果は楕円形、直径約0.7(~0.8)cm、色は赤色から熟すと黒色に変わる。
サンゴジュの園芸品種の紹介
- 班入りサンゴジュは、葉にクリーム色の班が入る事から明るい印象や洗練された印象を与えるカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。樹形はブッシュ状、樹高は約500~900cmに成長します。
- アワブキ(viburnum odoratissimum ver. awabuki)は、枝に水分が多く含まれており、燃やすと泡をふく姿からアワブキの名前がついています。非常に燃えにくいため防火対策として生垣などによく利用されます。
- エメラルド・ラスター(viburnum odoratissimum ‘emerald lustre’)は、宝石のように光沢のあるエメラルドグリーンの濃い葉色が魅力の園芸品種です。花は白色の小花が半球状に集まりボリュームよく咲きます。樹形はブッシュ状、高さ約200(~400)cm、幅約200(~400)cmに成長します。
- コッパートップ(viburnum odoratissimum ‘coppertop’)は、若葉で見られるチョコレートを思わせるような茶色の葉色が、落ち着いた雰囲気をつくるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。花は白色の小花が半球状に集まりボリュームよく咲きます。樹形はブッシュ状、高さ約250cm、幅約150cmに成長します。
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ガマズミ(ビバーナム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ガマズミ(ビバーナム)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
サンゴジュ(アワブキ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
サンゴジュ(アワブキ)は直射日光が6時間以上当たる日向から、3時間から5時間の半日影迄で育てられます。日当たりの悪い環境にも耐えますが、葉が疎らになり花付きが悪くなることがあるため避けた方がよいでしょう。
作土層
サンゴジュ(アワブキ)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(深さ30~40cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
サンゴジュ(アワブキ)は通気性と保水性のバランスがよく肥沃な土壌を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
サンゴジュ(アワブキ)は直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが厳しい地域では半日影に移動した方が良いでしょう。
培養土
サンゴジュ(アワブキ)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
サンゴジュ(アワブキ)は根が活着すると乾燥に強くなります。そのため地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
サンゴジュ(アワブキ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
サンゴジュ(アワブキ)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。晩冬から早春に1回のみ肥料(寒肥)を与えて、必要に応じて堆肥をいれましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
サンゴジュ(アワブキ)の剪定は花や実を楽しむ目的で庭木として育てる場合と、形状を整え維持して生垣などに利用する場合で剪定のやり方が違います。庭木として育てる場合は、枯れ枝や混みあった枝葉などをぬく間引き剪定を行います。生垣として育てる場合は形状を維持するため切り戻し剪定もしくは刈り込み剪定します。
サンゴジュ(アワブキ)はふつう、4月~7月に1回、9月~10月に1回、計2回の剪定が行われます。ただし4月に剪定する場合は、春からの強い成長で回復も早いため、夏頃にもう1度剪定が必要になる事があります。強く切り戻して樹形を整えたい場合など、必要に応じて2~3回の剪定を行いましょう。
庭木として剪定する方法
- 庭木として育てる場合は基本的に間引き剪定を行います。
- 剪定する時期は4月~7月に1回、9月~10月に1回、計2回です。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため、株全体のバランスを必ず見ながら不要枝を間引き剪定もしくは切り戻し剪定します。
- 間引き剪定とは枝の根元から切る剪定です。平行枝や下がり枝などの完全に不要な枝、自然に淘汰されるような枝を剪定する時に行います。
- 切り戻し剪定とは枝の途中(芽・節がある場所の少し上)で切り戻す剪定です。切り戻し剪定は側面から飛び出る徒長枝などの外観を崩す枝で行われる事が多い剪定です。
生垣として剪定する方法
- 生垣の剪定時期は6月~7月に1回、9月~10月に1回の計2回です。
- ただし強く刈り込んで形を整えたい場合は、霜の心配がなくなる3月~4月に刈り込みます。春からの強い成長があるため多少強く刈り込んでも回復が早いからです。
- 逆に秋以降は生育が緩慢になるため、あまり強く切り戻して外観を崩すと回復が遅くなります。そのため9月~10月は形を整える程度の剪定がよいでしょう。
- 剪定する方法は切り戻し剪定もしくは刈り込み剪定です。
- 樹形を大幅に整えたい場合はヘッジトリマー等を利用して刈り込みます。
- 樹形がある程度整っていて、秋以降生育が緩慢であまりいじりたくない場合は剪定バサミを利用して切り戻し剪定します。
- 刈り込み剪定する場合は紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。側面・上面と刈り込み剪定しましょう。
- その際、上部をやや狭く下部をやや広く「▲」の形をイメージしながら剪定すると下部の枝葉にも光がしっかり当たるため、下枝の葉が落ちにくいです。
- 切り戻し剪定する場合は、側面の飛び出た徒長枝を少し奥目の節の部分もしくは根元から間引き剪定します。上面は1番低い所に合わせて切り戻し剪定もしくは刈り込み剪定しましょう。
- 切り戻し剪定するメリットは、枝葉が混みあっている所と空いている所を確認しながら作業が行えて、また葉にハサミが入らないため剪定されて汚くなった葉の断面が出来ない所にあります。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
サンゴジュ(アワブキ)は夏の暑さに強く基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:8a~10b
サンゴジュ(アワブキ)は軽い霜が降りる程度の地域であれば屋外での越冬が可能ですが、強い霜の降りる地域では屋外での越冬は難しいかもしれません。
挿し木や株分けで増やす
サンゴジュは挿し木によって増やす事ができます。
- 挿し木時期は熟枝挿し(晩冬から早春)もしくは半熟枝(初夏)が適します。
- 挿し穂の長さ約7~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き、上部の葉は残しましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
サンゴジュの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
サンゴジュの病気
- すす病
サンゴジュの害虫
- サンゴジュハムシ
- アメリカシロヒトリ
- カイガラムシ