ゲッケイジュ(月桂樹)は属の中に約3種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は、葉にシネオール由来の爽やかでスパイシーな香りがあり料理用途などに使われるゲッケイジュ(ローレル)とその園芸品種です。
ゲッケイジュ(月桂樹)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ゲッケイジュ(月桂樹)の主な種の目次
ゲッケイジュ(ローレル)の特徴や園芸品種
- 原産:地中海沿岸
- 学名:Laurus nobilis
- 草丈:約200~1800cm
- 分類:常緑高木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:黄色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通
- 誕生花:2月16日/2月28日/10月10日
- 花言葉:栄光/栄誉/勝利/裏切り(花)/私は死ぬまで変わりません(葉)
- 用途:カラーリーフ/生垣/背が高い花/香りが良い
ゲッケイジュ(ローレル)とは!?
ゲッケイジュ(ローレル)は学名Laurus nobilis、別名では「ローリエ」や「ベイ・ローレル(bay laurel)」等とも呼ばれる地中海沿岸が原産の常緑高木です。
ゲッケイジュ(ローレル)の語源(由来)
- 属名のLaurusはラテン語で「賞賛」や「名声」を意味する「laus」からきていると言われており、古代ギリシャやローマでは勝利の象徴でもありました。
- また一説にはケルト語で「緑」を意味する「laur」からきているとも言われます。
- 種小名のnobilisは「高貴な」「気品のある」を意味します。
ゲッケイジュ(ローレル)の特徴(魅力)
- ゲッケイジュ(ローレル)は枝葉にシネオールやリナロールを由来とするスッキリとした中に甘さを感じるスパイシーな香りがあり、一般的にスープやパスタなど、地中海料理のスパイスとしてよく利用されている植物です。
- 園芸では、主に生垣やトピアリーなどに利用されています。成長が緩やかなため確立するまで数年の時間がかかる事がありますが、1度確立すると成長が緩やかなため管理が楽な所が魅力です。
- 樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)もしくは株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)の低木として育てる事が可能で、剪定にも強いため生垣やトピアリーとしてよく利用されます。
- 花は腋性、腋性は葉腋から花柄を出し複数の花が房状に集まり散形花序のように咲きます。
- 花は雌雄異株のため株によって、雄花が咲く個体と雌花が咲く個体にわかれます。
- 雄花には雄蕊が12個あります。
- 雌花には雌蕊が1個と仮雄蕊が4個つきます。
- 花は雌雄異株のため株によって、雄花が咲く個体と雌花が咲く個体にわかれます。
- 葉はオリーブグリーンから濃い緑色の光沢ある葉色しており、質感は革のようです。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色等があるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- ゲッケイジュ(ローレル)から生成されるオイルは「ベイオイル」と呼ばれており、枝葉を手で折ったり熱を加えると、スッキリとした中に甘さを感じるスパイシーな強い香りを漂わせます。
- 枝葉に含まれる主な精油はシネオールで、他にリナロール・サビネン・α-ピネン・オイゲノール等が含まれます。
- シネオールは「ユーカリ」や「レモン」等に例えられるスッキリとした爽やかな香りがあり、精油は食品の香料や化粧品等に使用されます。シネオールが含まれる主な植物はユーカリや月桂樹などで、精油の効能には集中力を高め記憶力を上げる効果があるとされています。
- リナロールは柑橘類やブルーベリーやバラ等に例えられる甘く華やかな香りがあり、風味は甘くフルーティーです。精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われており、精油の効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)等があります。
- サビネンは黒コショウの辛さに寄与する化合物の1つで、香りは「針葉樹」や「柑橘類」を想像させます。一般に植物ではマジョラム等に含まれており、精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「抗炎症作用」「抗酸化作用」等があります。
- α-ピネンの香りは「針葉樹(松・檜など)」「薬品」等に例えられる爽やかな香りがあり、精油は香水等に利用されています。α-ピネンが含まれる主な植物はユーカリやローマンカモミール等で、精油の効果には「抗炎症作用」「抗菌作用」「鎮静作用」等があります。
- オイゲノールは「クローブ」「シナモン」を思わせるような甘辛い刺激的なスパイシーな香りがあり、風味は甘辛いです。精油は食品の香料や香水や医薬品など様々な用途で利用されており、精油の効果には「抗菌作用」「抗真菌作用」「抗炎症作用」「抗酸化作用」「鎮痙」「殺虫作用」等の効能があります。
- 枝葉に含まれる主な精油はシネオールで、他にリナロール・サビネン・α-ピネン・オイゲノール等が含まれます。
- 葉は熱を長時間くわえる料理(地中海料理など)で利用される事が多いです。
- 乾燥させた葉をスープやシチューなどに入れて長時間煮込み、ゲッケイジュの爽やかな風味を食材やスープに添加します。風味を出した葉は食べられる事無く、取り除かれるのが普通ですが、細かく挽いた葉はそのまま食べられる事もあります。
- ゲッケイジュ(ローレル)は形状が整えられたフォーマルヘッジの生垣として利用されます。
- ゲッケイジュ(ローレル)は常緑性があり、枝葉は密なため生垣としての機能性(目隠し効果・侵入防止効果・防音効果・防風効果等)をしっかり発揮します。
- ゲッケイジュ(ローレル)はやや葉が大きいため全体的に緩い印象を与えたり、刈り込み剪定を行った時に剪断された葉が少し気になる場合があります。
- ゲッケイジュ(ローレル)は根が浅くなる傾向があるため、暴風が吹くと倒れる可能性があります。そのため強風の吹く地域では必要に応じて杭で固定して倒れないようにしておく必要があります。
- ゲッケイジュ(ローレル)を生垣として利用する場合の植付け間隔は約50~100cmです。間隔を狭くすると間隔をあけた生垣よりも素早く枝葉で埋め尽くされます。
ゲッケイジュ(ローレル)の樹高は約200(~1800)cm、幅約200(~1200)cm、樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)もしくは株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)になります。樹皮は灰白色から灰褐色をしています。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約5(~12)cm、幅約2(~4)cm、葉身の形は楕円形をしており、葉の質感は革質です。
花は雌雄異株(雄花と雌花の2種類の花がそれぞれ別個体に生じる)です。花序は腋性、腋性は節から花柄を出し散形状に複数の花をつけます。花は直径約1cm、花被片は4個、花被片の色は白色(薄い黄色)で透き通り、雄花の雄蕊は12個、雄蕊の色は黄色、雌花の雌蕊は1個と仮雄蕊が4個つきます。果実は液果(果皮のうち特に中果皮が水分を多く含む細胞になり液質もしくは多肉質な果実)です。液果は楕円形、大きさ長さ約1.5cm、幅広い約1cm、色は光沢があり暗紫色から黒色です。
ゲッケイジュ(ローレル)の料理での使い方
- 食用部分:葉
- 収穫時期:通年(夏が最適)
- 食べ方:スープ・煮込み・パスタなど
ゲッケイジュ(ローレル)の葉の収穫は夏が最も風味がよく最適ですが、1年を通して行えます。収穫した葉は生のままでも利用されますが、乾燥させた方が風味(精油)が濃縮されるため、普通は乾燥させます。乾燥させる方法は、収穫した葉を汚れ落とすために一旦水で洗い、葉をキッチンペーパーやネットなどの上に広げます。直射日光の当たらない乾燥した風通しの良い場所で2週間ほど置いておけば完成です。乾燥させたゲッケイジュは密閉容器に入れて常温で1年(最長2年)ほど保管出来ます。
ゲッケイジュ(ローレル)の食べ方は主に料理の香り付けとして「葉」が利用されます。葉は生のまま利用される事もありますが、普通は乾燥させ精油を濃縮させてから利用されるのが一般的です。乾燥させた葉は、そのままの形でスープなどの煮込み料理に入れられたり、細かく挽いた後でスープなどの煮込み料理に入れられます。そのままの形で利用された葉は、料理を出す前に取り出されるのが一般的です。
ゲッケイジュ(ローレル)のクックパッドでの食べ方一覧
ゲッケイジュ(ローレル)の園芸品種の紹介
- オーレア(laurus nobilis ‘aurea’)は、冬と春に見られる鮮やかな黄色の葉が特徴の園芸品種です。鮮やかな黄色の葉色は、明るく開放的な印象を与えたり、レモンのような爽やかな印象を与えたりします。そのため気分が向上する様な爽やかで明るいお庭や、様々な花色を組み合わせたカラフルなお庭などにおすすめです。高さは約400(~800)cm、幅約200(~400)cmに成長します。
- アングスティフォリア(laurus nobilis ‘angustifolia’)は、その名前angusti(狭い)+folia(葉)からも分かる通り、幅の狭い細長い葉の形が特徴の園芸品種です。一般的なゲッケイジュと同様に、葉は料理用途にも使われます。高さは約400(~800)cm、幅約400(~800)cmに成長します。
- バリエガータ(laurus nobilis ‘variegated’)は葉に黄色の不規則な班が入るため、明るく開放的な印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
- ベイビーベイ(laurus nobilis ‘baby bay’)は、成熟しても高さが200cmにまでしかならないため小さな庭でも管理がしやすく、また円柱形の樹形をつくるため、生垣などにも使いやすい園芸品種です。
- ウンデュラータ(laurus nobilis ‘Undulata’)は葉のふち部分がフリル状に波打ち、個性的な外観をつくる園芸品種です。
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