- 原産:日本
- 科:ツツジ(Ericaceae)
- 属:ツツジ(Rhododendron)
- 種:キリシマツツジ(Rhododendron obtusum)
- 別名:キリシマ/クルメツツジ/キリシマ・アザレア(Kirishima azalea)
- 品種:本霧島
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:赤色●橙色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:半常緑低木
- 草丈:約100~200cm
- 誕生花:4月18日
- 花言葉:燃え上がる愛
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
キリシマツツジ(本霧島)とは!?
キリシマツツジ(本霧島)は、キリシマツツジの代表品種です。本霧島は燃えるような色鮮やかな深紅の花色と、株一面に咲き誇る花姿が特徴で、真っ赤に染まる美しい花姿は遠くからでも強く目を引くため景観としても働きます。樹形は株立ち、枝分かれがよくブッシュ状に密に茂り、高さ100~200cmに成長します。
キリシマツツジとは!?
キリシマツツジは学名Rhododendron obtusum、別名では「キリシマ」や「クルメツツジ」等と呼ばれる事もある日本原産の半常緑低木です。
キリシマツツジの語源(由来)
- 属名のRhododendronは古代ギリシア語で「バラ」を意味する「ῥόδον(rhodon)」と、古代ギリシア語で「木」を意味する「δένδρον(dendron)」の二語からなります。
- 種小名のobtusumは「鈍角の」「円みを帯びた」を意味しています。
- キリシマツツジの由来は鹿児島県の「霧島山」からきており、霧島山に自生するツツジが交配され選抜されたものです。
- ヤマツツジとミヤマキリシマの交配種と言われています。
キリシマツツジの特徴(魅力)
- キリシマツツジは、鹿児島県の霧島山に自生するツツジを選抜した交配種です。葉が小ぶりで花が大きく、枝がしなやかなため、盆栽の他、庭木や生垣として広く親しまれています。
- 樹形は株立ち状で、枝分かれがよくブッシュ状に茂ります。
- 花序は枝先に2~3個付き、花は直径約3~5cm、形は5個の花弁が合着した合弁花で漏斗形をしており、雄蕊は5個です。
- 花色はふつう赤色(朱色)をしており、遠くからでも目を引き付ける華やかさがあります。
- 園芸品種が多く、赤色の他にも桃色や紫色、橙色や白色などの花色があるため、お庭の雰囲気に合わせて花色が選べます。
- 花は多花性、春の開花期には株を覆うほどの花が咲き誇ります。
- 花色はふつう赤色(朱色)をしており、遠くからでも目を引き付ける華やかさがあります。
- 花は蝶々や花蜂の蜜源にもなるため開花期になると、花の周りを優雅に飛ぶ蝶々の姿や花房の上に乗って蜜を吸う蝶々の可愛らしい姿を観察出来るかもしれません。
- 葉は一般的に小さく丸みがあり、葉の両面に長毛が生えています。
- 葉は半常緑のため寒さの厳しい地域では落葉します。
- キリシマツツジの生垣は、背が高い生垣として利用出来る所と、開花期には真っ赤な花が一面に咲き華やかな雰囲気をつくる所が魅力です。
- 植え付け間隔は約30~50cmです。
- キリシマツツジは底の浅い鉢に植えられて、盆栽として仕立て育てられる事もあります。
- 枝がしなやかで扱いやすいため樹形を作りやすい所が魅力です。
キリシマツツジの樹高は約100(~500)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、茎はよく枝分かれてブッシュ状に茂ります。
葉序は互生葉序(枝先は密につき輪生状)、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は長さ約1(~3)cm、葉身の形は楕円形もしくは倒卵形か倒披針形、葉の両面に白色から褐色の長毛が生えます。
花序は頂花、枝先に花が2(~3)個付きます。花冠は漏斗形(下部が細く上部が広がり漏斗のような形をしています)で5個の花弁が合着する合弁花、直径約3(~5)cm、花色は桃色・赤色・紫色・白色・橙色等があり、雄蕊は5個、雌蕊は1個です。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。蒴果は楕円形、長さ約0.6(~0.8)cm、色は褐色で剛毛が生えます。
キリシマツツジの園芸品種の紹介
ツツジの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ツツジの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
キリシマツツジ(本霧島)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
キリシマツツジ(本霧島)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てた方が良いでしょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影でも育てられます。
作土層
キリシマツツジ(本霧島)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(深さ30~40cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌のPH
キリシマツツジ(本霧島)はPH5.0~5.5の間の酸性土壌を好みます。PHが高すぎるとサツキに必要な栄養分が溶解しにくくなる等して生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
キリシマツツジ(本霧島)は通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
キリシマツツジ(本霧島)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てた方が良いでしょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影でも育てられます。
培養土
キリシマツツジ(本霧島)は酸性土壌を好むためツツジやサツキの培養土を選ぶとよいでしょう。自作する場合は酸性用土を使いながら通気性が良く適度に肥沃な培養土を作ります。
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土+黒土=5:3:2
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+ピートモス(無調整)=3:3:4
水やりの仕方
地植え
キリシマツツジ(本霧島)を地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
キリシマツツジ(本霧島)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
キリシマツツジ(本霧島)の肥料は、晩冬から早春に1回、花後に1回、秋に1回、計3回行います。基本的に肥沃な土壌を好むことから、晩冬から早春は堆肥と寒肥を与え、花後には翌年の開花のためお礼肥を与えます。
寒肥と堆肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料の種類は、肥沃な土を好むため有機肥料(配合肥料)が理想ですが、緩効性肥料でも問題ありません、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離した場所に穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 緩効性肥料の場合は株の近くの土の上に置く、置き肥で問題ありません。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
お礼肥の与え方
- お礼肥は開花後の初夏から秋(5月~6月)に行います。
- お礼肥は翌年の開花のため株を充実させる目的で有機肥料(発酵油カス)もしくは配合肥料を与えると良いでしょう。追肥に近いため、効果が早く出る発酵済みのものがおすすめです。
- 有機肥料は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れて土を上から被せましょう。
追肥の与え方
- 追肥は秋頃(9月~10月)に行います。
- 追肥は緩効性肥料もしくは有機肥料(発酵油カス)か配合肥料を与えると良いでしょう。
剪定のやり方
キリシマツツジ(本霧島)を剪定する目的は、高さや幅を制御する目的だったり、樹形をつくる目的だったり、分枝を増やし沢山の花を咲かせる目的等で行われます。
剪定時期は花後すぐ行います。キリシマツツジは7月頃から花芽を作り始めるため、剪定が遅くなると翌年の開花に悪影響を及ぼす事があり、剪定の仕方によっては翌年に花が咲かないこともあるからです。
庭木として剪定する方法
- 庭木として剪定する時期は花後直ぐです。
- 7月から花芽を作り出すため、剪定が遅くなると翌年の開花に悪影響を与える場合があります。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 株全体のバランスを必ず見ながら樹形を乱したり自然淘汰されていくような弱い不要枝(下がり枝・逆さ枝など)を、根元から間引き剪定もしくは芽・節がある場所の少し上で切り戻し剪定しましょう。
- 他の枝と比べて著しく伸びて外観を乱している徒長枝や太い枝を全体より少し奥目の場所で、芽・節がある場所の少し上で切り戻し剪定します。
- 全体的に浅く刈り込み剪定を行い外観を整える事も出来ます。
- 軽く刈り込み剪定をする事で、剪定された場所から枝分かれするため、枝葉が密になり花数も増えます。
生垣(トピアリー)として剪定する方法
- 生垣の剪定時期は花後すぐです。
- 7月から花芽を作り出すため、剪定が遅くなると刈り込み剪定で花芽を全て切ってしまい翌年に花が咲かないこともあるため注意が必要です。
- 剪定する方法は刈り込み剪定です。
- 剪定する形(四角や丸など)を決めて、刈り込み鋏もしくはヘッジトリマーを使い、上面・側面と刈り込み形を作りましょう。また生垣として剪定する場合は紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
キリシマツツジ(本霧島)は夏の暑さに強い一方で、乾燥をやや苦手にしています。そのため、地植えしてる場合でも土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行いましょう。特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:
キリシマツツジ(本霧島)は耐寒性が高いため基本的に冬越しの準備をする必要はありません。
挿し木や株分けで増やす
キリシマツツジは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- キリシマツツジの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
キリシマツツジの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
キリシマツツジの病気
- 灰色カビ病
- 褐斑病
キリシマツツジの害虫
- ツツジグンバイムシ
- ベニモンアオリンガ
- ハマキムシ
- ハダニ