原産:日本/朝鮮/中国
科:ニシキギ(Celastraceae)
属:ニシキギ/ユオニマス(euonymus)
種:マサキ(japonicus)
別名:オオバマサキ/ナガバマサキ/コバマサキ/ボウシュウマサキ/ヤクシママサキ/ジャパニーズ・スピンドル(Japanese spindle)/エバーグリーン・スピンドル(evergreen spindle)
品種:ギンマサキ(Euonymus japonicus ‘Albomarginatus’)
開花時期:5月~7月
果実時期:11月~2月
花の色:黄色●緑色●白色〇
葉色:緑色●白色〇
分類:常緑小高木
草丈:約200~400cm
誕生花:1月31日
花言葉:厚遇/円満
用途:生垣/カラーリーフ/日陰植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
マサキ(ギンマサキ)とは!?
マサキ(ギンマサキ)は、葉の縁部分に白色の覆輪がはいるため、清潔感のある印象や明るく輝くような印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はブッシュ状、一般的なマサキと同様に高さ200~400cmと背が高くなるため、植え込み等に並べ生垣として利用される事が多いです。
マサキとは!?
マサキは学名euonymus japonicus、別名では「オオバマサキ」や「ジャパニーズ・スピンドル(Japanese spindle)」等とも呼ばれる日本および朝鮮、中国に自生する常緑小高木です。日本では北海道・本州・四国・九州・沖縄の全土に分布して林縁等に自生しています。
マサキの語源(由来)
- 属名のeuonymusは古代ギリシャ語で「良い」を意味する「εὖ(eû)」と、古代ギリシャ語で「名前」を意味する「ὄνομα(ónoma)」の2語からなり、「縁起が良い」「評判が良い」等を意味しますが、実際は実が有毒なため皮肉をこめて付けられたとも言われています。
- 別の説ではギリシャ神話に出てくる復讐の女神の母である「Euonyme」に由来するとも言われます。
- 種小名のjaponicusは「日本の」を意味しており、自生地に由来します。
マサキの特徴(魅力)
- マサキは枝分かれがよくブッシュ状に密に茂る樹形と、革質で光沢のある葉が魅力の植物です。
- 園芸では主に境界を示す生垣として植栽されています。
- 花は非常に小さく薄い黄色と目立たないためあまり鑑賞価値は高くありません。
- 秋には熟した果実から鮮やかな橙色の種子を放出します。
- 果実(種子)は有毒(嘔吐・下痢等)なため食べられません。
- 秋には熟した果実から鮮やかな橙色の種子を放出します。
- 葉は革質で光沢があり魅力的です。
- 葉色はふつう緑色ですが、開放的で爽やかな印象を与える黄色の葉色や、清潔感や輝くような印象を与える白色の葉色もあるため、お庭の雰囲気に合わせてカラーリーフとして利用する事も出来ます。
- マサキの葉は常緑のため一年を通して鑑賞価値が保たれます。
- 葉色は日陰ほど濃くなる傾向があります。
- マサキは形状が整えられたフォーマルヘッジの生垣として利用されます。
- マサキは背が高く、常緑性があり、枝葉は密なため生垣としての機能性(目隠し効果・侵入防止効果・防音効果・防風効果等)をしっかり発揮する事が出来ます。
- マサキはやや葉が大きいため全体的に緩い印象を与えたり、刈り込み剪定を行った時に剪断された葉が少し気になる場合があります。
- マサキを生垣として利用する場合の植付け間隔は約50cmです。
- マサキは海岸に近い林縁等に自生しており高い耐塩性があります。
マサキの樹高は約200(~800)cm、樹形は枝分かれがよくブッシュ状に密に茂ります。樹皮は褐色もしくは灰褐色をしています。葉序は対生葉序、葉色は光沢のある緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約3(~8)cm、幅は約2(~4)cm、葉身の形は楕円形もしくは倒卵形です。花序は集散花序、花は直径約0.5cm、花弁は4個、花弁の色は白色から薄い黄色、雄蕊は4個、雄蕊の色は緑色です。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は直径約0.6(~8)cmの球形、熟すと4裂して赤橙色の種子を放出します。
マサキの園芸品種
- ホワイトスパイヤー(euonymus japonicus ‘white spire’)は、葉の縁部分に安定して入る白色から薄い黄色の覆輪と、高さが最大50cmと非常に背が低く円柱状に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)をもつ樹形が特徴の園芸品種です。白色の班の入る美しい葉は、輝くような明るい印象や洗練された印象を与える事から、お手入れされたお洒落なお庭などによくあいます。また高さ50cmと背が低い事から小さなお庭や鉢植え等でも管理がしやすいでしょう。
- ハピネス(euonymus japonicus happiness)は、若い葉の全体が鮮やかな黄色の葉色をしている事から開放的で明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。葉色は若い時は黄色ですが、成熟すると緑色へと変化するため1つの株に黄色と緑色の葉が混在します。樹形はブッシュ状で高さ約60cm、幅約70cmとあまり大きくならずコンパクトなため小さなお庭や鉢植え等でも管理がしやすい所が魅力です。
- キンマサキは葉の縁部分に鮮やかな黄色の覆輪が安定して入るため、明るく爽やかな印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はブッシュ状、一般的なマサキと同様に高さ200~400cmと背が高くなるため、植え込み等に並べ生垣として利用される事が多いです。
- オウゴンマサキ(Euonymus japonicus var.aurea)は、若い葉の全体が鮮やかな黄色の葉色をしている事から開放的で明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。葉色は若い時は黄色ですが、成熟すると緑色へと変化するため1つの株に黄色と緑色の葉が混在します。樹形はブッシュ状、一般的なマサキと同様に高さ200~400cmと背が高くなるため、植え込み等に並べ生垣として利用される事が多いです。
- ギンマサキ(Euonymus japonicus ‘Albomarginatus’)は、葉の縁部分に白色の覆輪がはいるため、清潔感のある印象や明るく輝くような印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はブッシュ状、一般的なマサキと同様に高さ200~400cmと背が高くなるため、植え込み等に並べ生垣として利用される事が多いです。
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マサキ(ギンマサキ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
マサキ(ギンマサキ)は日向(直射日光6時間以上)から明るい日陰までの幅広い環境で育てる事が出来ます。
作土層
マサキ(ギンマサキ)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
マサキ(ギンマサキ)は通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
マサキ(ギンマサキ)は日向(直射日光6時間以上)から明るい日陰までの幅広い環境で育てる事が出来ます。
培養土
マサキ(ギンマサキ)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期(植付け後数ヶ月)
マサキ(ギンマサキ)が根をしっかり張り活着するまでの数ヶ月は、土壌を完全に乾燥させないように気をつけましょう。基本的には土の表面が乾燥してきたタイミングで水やりを行います。
地植え
マサキ(ギンマサキ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
マサキ(ギンマサキ)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。隔年に1度だけ、晩冬もしくは早春に肥料(寒肥)を与えましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
剪定のやり方
マサキ(ギンマサキ)の剪定は庭木として育てる場合と、形状を整え維持して生垣(トピアリー)などに利用する場合で剪定のやり方が違います。庭木として育てる場合は、枯れ枝や混みあった枝葉などをぬく間引き剪定を行います。生垣(トピアリー)として育てる場合は形状を維持するため切り戻し剪定もしくは刈り込み剪定します。
庭木として剪定する方法
- 剪定する時期は晩冬から早春に1回行います。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 株全体のバランスを見ながら、枝が混み合っている場所の枝を間引き剪定したり、外観を崩す不要枝を間引き剪定したり、著しく枝が伸びて外観を崩している徒長枝を切り戻し剪定ましょう。
- 枝が混み合っていると風通しや日当たりを悪化させる事があります。そのため生産性の落ちた古い枝や、弱い枝などの不要と思われる枝を根元から間引き剪定、もしくは枝の途中の節や芽のある場所から切り戻し剪定しましょう。
- 外観を崩す不要枝とは自然に反して、枝(下がり枝)が下向きに成長したり、ふつうとは逆方向に成長したりする枝などです。※詳しくは不要枝のリンクからご覧下さい。これらの枝は外観を崩すだけでなく、エネルギーの分散を引き起こし、健康に成長してる枝のエネルギーを奪ってしまいます。また不要枝は自然な成長に反して育っているため自然淘汰されて枯れてしまう事もおおいです。そのため株全体のバランスも見ながら根元から間引き剪定しましょう。
- 徒長枝とは他と比べて著しく長く伸びてひょろひょろと間延びする枝のことです。植物は基本的に頂芽優勢の性質があり、枝が間延びして外観を崩しやすいです。そのため必要に応じて枝の途中(芽・節がある場所の少し上)で切り戻す剪定を行って上げましょう。コツは全体の外観より少し奥目で切って上げます。
生垣として剪定する方法
- 生垣の剪定時期は初夏(6月)に1回、秋(9月)に1回、計2回行います。
- 秋以降は生育が緩慢になるため、あまり強く切り戻して外観を崩すと回復が遅くなります。そのため秋は形を整える程度の剪定がよいでしょう。
- 剪定する方法は切り戻し剪定もしくは刈り込み剪定です。
- 樹形を大幅に整えたい場合はヘッジトリマー等を利用して刈り込みます。
- 樹形がある程度整っていて、秋以降生育が緩慢であまりいじりたくない場合は剪定バサミを利用して切り戻し剪定します。
- 刈り込み剪定する場合は紐などを事前に張っておき、それに合わせて刈り込みを行うと均一に仕上げやすくなります。側面・上面と刈り込み剪定しましょう。
- その際、上部をやや狭く下部をやや広く「▲」の形をイメージしながら剪定すると下部の枝葉にも光がしっかり当たるため、下枝の葉が落ちにくいです。
- 切り戻し剪定する場合は、側面の飛び出た徒長枝を少し奥目の節の部分もしくは根元から間引き剪定します。上面は1番低い所に合わせて切り戻し剪定もしくは刈り込み剪定しましょう。
- 切り戻し剪定するメリットは、枝葉が混みあっている所と空いている所を確認しながら作業が行えて、また葉にハサミが入らないため剪定されて汚くなった葉の断面が出来ない所にあります。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
マサキ(ギンマサキ)は夏の暑さに強く、基本的には夏越し対策不要で育てられます。
冬越しする方法
Hardiness:6b~9a
マサキ(ギンマサキ)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
マサキは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木手順
- マサキの挿し木時期は生育が活発で発根力が高い晩春から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分(新鞘)を利用します。
- 茎に弾力があり健康な茎をカットします。
- 挿し穂 の長さ約10~20cmにわけしましょう。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残しましょう。
- 水を入れたバケツに30分程浸けて水揚げを行いましょう。
- 切り口に発根ホルモンを付けます。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿して下さい。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行い管理しましょう。
播種で増やす
マサキの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
マサキの病気
- うどんこ病
- すす病
- 根頭がんしゅ病
- 灰色こうやく病
- モザイク病
マサキの害虫
- カイガラムシ
- ユウマダラエダシャク