- 原産:日本/サハリン
- 科:ヒノキ(Cupressaceae)
- 属:ビャクシン(Juniperus)
- 種:ハイネズ(conferta)
- 別名:這杜松/ショア・ジュニパー(shore juniper)/コニファー
- 品種:オーレア(Juniperus conferta ‘Aurea’)
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:黄色●緑色●
- 葉の色:緑色●黄色●
- 分類:常緑低木
- 草丈:約10~30cm
- 用途:コニファー/カラーリーフ/グランドカバー
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ハイネズ(オーレア)とは!?
ハイネズ(オーレア)は、若葉で見られる鮮やかな黄色の葉色と、成熟した葉で見られるイエローグリーンの爽やかな葉色が魅力の園芸品種です。樹形は匍匐性のため被覆植物として利用されます。高さは約10(~30)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。
ハイネズとは!?
ハイネズは学名Juniperus conferta、別名では「這杜松」や「ショア・ジュニパー(shore juniper)」とも呼ばれる日本およびサハリンが原産の常緑低木です。日本では北海道・本州・四国・九州に分布しており、海岸地帯の岩場や砂地などに自生しています。
ハイネズの語源(由来)
- 属名のJuniperusはラテン語で「イグサ」や「アシ」を意味する「iuncus」に由来しています。
- 種小名のconfertaはラテン語で「混雑」「高密度」を意味しています。
- ハイネズの由来は「這い」性の性質があるネズ(ビャクシン属の中の1種)からきています。
ハイネズの特徴(魅力)
- ハイネズは地面を這うように広がる匍匐性の性質と、千枚通しのようなチクチクとする針のような葉が特徴の植物です。
- 園芸では、コニファー(針葉樹)の仲間として流通している事が多く、茎が匍匐して地面を覆う性質がある事から、植え込みやロックガーデンの地被植物とした利用されたり、鉢植えの側面を下垂させて優雅な樹形を鑑賞する目的で利用したりされます。
- 葉は針形で先端が尖っているため触るとチクチクとしています。
- 葉の断面は3角形、上面は白色の気孔帯があるため葉の1部(上面)の色が白色に見えます。
- 葉の色はふつう緑色ですが、爽やかな印象を与える黄色の葉色や、落ち着いた印象を与える青色の葉色などがあるため、品種を選びカラーリーフとして楽しむ事もできます。
- 果実は球形、色は白粉を帯びるため白緑色をしていますが成熟すると紫色~黒色になります。
- ハイネズは自生地が海岸の岩場や砂地にあるため乾燥や栄養の乏しい土壌によく適応します。
- 一方で雨が降った後に何時までもジメジメとする環境や浸水する環境を許容しないため育てる際は注意が必要です。
ハイネズの樹高は約10~30cm、幅は約150(~300)cm、茎は匍匐性、樹皮は赤褐色から灰褐色をしています。
葉序は輪生葉序、葉色は緑色、葉身の長さは約2cm、葉身の形は針形、先端は鋭利に尖り、葉の断面は三角形、上面には白色の気孔帯があります。
花は腋花、雌雄異株のため雄株(雄花だけ作る)と雌株(雌花だけ作る)が別々の木にあります。雄花は楕円形で黄色(~茶色)、雌花は球形で緑色(~黄緑色)をしています。
果実は球果、球果の形は球形、大きさは直径約0.8(~1.0)cm、成熟前は白粉を帯びたような白緑色で成熟すると紫色(~黒色)になります。
ハイネズの園芸品種の紹介
- ブルーパシフィック(Juniperus conferta ‘Blue Pacific’)は、葉全体が白色を帯びており、青緑色の美しい葉色をしている事から、落ち着いた印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性、高さ約10(~30)cm、幅は約100~200cmに成長します。そのため地被植物として利用されたりロックガーデン等に利用するとよいでしょう。
- サンスプラッシュ(Juniperus conferta ‘Sunsplash’)は、葉に不規則に黄色の班が入るため、1つの株に黄色と緑色の2色の葉が混在するカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため被覆植物として利用されます。高さは約10(~30)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。
- シルバーミスト(Juniperus conferta ‘Silver Mist’)は、その名前からも分かる通り、葉全体が強く白色を帯びているため葉色が白緑色もしくは青緑色をしています。そのため落ち着いた印象や洗練されたカッコイイ印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため被覆植物として利用されます。高さは約10(~30)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。
- オーレア(Juniperus conferta ‘Aurea’)は、若葉で見られる鮮やかな黄色の葉色と、成熟した葉で見られるイエローグリーンの爽やかな葉色が魅力の園芸品種です。樹形は匍匐性のため被覆植物として利用されます。高さは約10(~30)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。
- オールゴールド(juniperus conferta ‘all gold’)は、葉全体が明るい印象を与える黄色の葉色をしており、また冬になると葉全体がオレンジゴールドに変わることから暖かな印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため被覆植物として利用されます。高さは約10(~30)cm、幅は約150~300cmに成長します。
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ビャクシンの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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ハイネズ(オーレア)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ハイネズ(オーレア)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。
土壌の土質
ハイネズ(オーレア)は自生地が海岸の砂浜や崖地にあり、栄養の乏しい土壌や乾燥した土壌を好みます。一方で肥沃すぎる土壌は蒸れて根腐れを引き起こしたり、雑草に負ける事もあるためさけた方が良いかもしれません。そのため植え付けの前に土壌診断を行い、通気性が悪い場合は川砂等を入れてしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ハイネズ(オーレア)は日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
培養土
ハイネズ(オーレア)の培養土を自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
生育初期
ハイネズ(オーレア)は植え付け後、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように、水やりをしっかり行い育てましょう。
地植え
ハイネズ(オーレア)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
ハイネズ(オーレア)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ハイネズ(オーレア)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。冬から晩冬に肥料を与える事で成長がよくなる事もありますが、与えなくても問題ありません。
植え付け後の元肥(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。基本的にある程度肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めると良いです。肥料を与える場合は水平型もしくは山型の配合肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
ハイネズ(オーレア)は基本的に剪定せずに育てる事が出来ます。ただし、枝が混み合うと日照不足に陥り、葉が落ち枯れ込む事もあるため必要に応じて剪定しながら育てましょう。
- ハイネズ(オーレア)を剪定する場合は暖かな地域では早春、寒い地域では初夏に行います。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散して、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 基本的に剪定は不要ですが、形を整える目的で茎の途中で切り戻し剪定する事も出来ます。
- 切り戻し剪定する場合は、必ず葉の上で剪定しましょう。葉のない場所まで強く切り込むと葉のない枝は復活しないため注意が必要です。
夏越しする方法
ハイネズ(オーレア)は夏の高温多湿を苦手にしており、真菌性の病気等にもかかりやすいです。そのため必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うため乾燥した場所で管理しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
冬越しする方法
Hardiness:6b~10a
ハイネズ(オーレア)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ハイネズは挿し木で増やすことが出来ます。
ハイネズの挿し木の方法
- ハイネズの挿し木時期は秋が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を利用しましょう。
- 挿し穂を長さ約10~20cmとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 培養土に幾つかの節を入れ深く挿します。
- 節の部分からも発根する。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ハイネズの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ハイネズの病気
- 赤星病
ハイネズの害虫