- 原産:中国/ヒマラヤ
- 科:ヒノキ(Cupressaceae)
- 属:ビャクシン(juniperus)
- 種:ニイタカビャクシン(squamata)
- 別名:フレイキー・ジュニパー(flaky juniper)/ヒマラヤン・ジュニパー(Himalayan juniper)/コニファー
- 品種:メイリー(Juniperus squamata ‘meyeri’)
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:黄色●緑色●
- 葉の色:緑色●青色●
- 分類:常緑低木(稀に常緑小高木)
- 草丈:約400~1000cm
- 用途:コニファー/グランドカバー/カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ニイタカビャクシン(メイリー)とは!?
ニイタカビャクシン(メイリー)は、樹形が匍匐性にならずに直立して伸びる習慣(決まりのように繰り返す癖)がある園芸品種です。樹形は木のように幹が1本伸びて成長したり、多数の茎が直立して伸びて噴水のように弧を描いて垂れたりします。高さは約400(~1000)cmです。
ニイタカビャクシンとは!?
ニイタカビャクシンは学名juniperus squamata、別名では「フレイキー・ジュニパー(flaky juniper)」や「ヒマラヤン・ジュニパー(Himalayan juniper)」とも呼ばれる中国およびヒマラヤが原産の常緑低木(稀に常緑小高木)です。
ニイタカビャクシンの語源(由来)
- 属名のjuniperusはラテン語で「イグサ」や「アシ」を意味する「iuncus」に由来しています。
- 種小名のsquamataはラテン語で「鱗状」や「鱗がある」を意味しており、鱗を思わせる様な葉の付き方に由来します。
ニイタカビャクシンの特徴(魅力)
- ニイタカビャクシンは、一般的に樹形が匍匐性をしており高さが50cmまでの常緑低木として育つ植物ですが、稀に樹形が円錐形になり高さ1000cmまでの常緑高木として育ちます。
- 園芸では、コニファー(針葉樹)の仲間として流通している事が多く、茎が匍匐して地面を覆う性質がある事から、植え込みやロックガーデンの地被植物とした利用されたり、盆栽に仕立てられて優雅に枝垂れる樹形を鑑賞する目的で利用したりされます。
- 葉は長さ約1cmの針形をしており枝に鱗状に密に付きます。
- ニイタカビャクシンの葉はふつう緑色(青緑色)をしていますが、落ち着いた印象を与える青色の葉色や、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色があり、品種を選べばカラーリーフとして楽しむ事ができます。
- 果実は球形もしくは卵形、色は白粉を帯びており多くは黒色をしています。
- ニイタカビャクシンはハイネズと外観が似ている事から比較されることがあります。
- ニイタカビャクシンは葉の幅がやや広めで葉の長さが約1cmと短めです。
- ハイネズは葉の長さが約2cmと長めで先端が鋭利に尖り触るとチクチクとしています。
- ニイタカビャクシンは匍匐性(1部で円錐形)ですが、樹高は50cmとやや高めになる傾向があると言われています。
- ハイネズは匍匐性で、樹高は30cm程度で広がります。
- ニイタカビャクシンは葉の幅がやや広めで葉の長さが約1cmと短めです。
- ニイタカビャクシンは個性的な樹形を作りやすく、底の浅い鉢植えで仕立てられ盆栽として育てられる事もあります。
ニイタカビャクシンの樹高は約30(~1000)cm、樹形は匍匐性、稀に円錐形に直立します。樹皮は赤褐色もしくは灰褐色をしており、縦に割れ不規則に剥がれます。葉序は輪生葉序で密につき、葉色は緑色(青緑色)、葉身は長さ約0.5(~1)cmの針形です。花は腋生で雌雄異株のため雄株(雄花だけ作る)と雌株(雌花だけ作る)が別々の木にあります。果実は球果、長さ約0.4(~0.9)cm、幅約0.4(0.6)cm、形は卵形もしくは卵形、色は光沢のある黒色です。
ニイタカビャクシンの園芸品種の紹介
- ブルースター(juniperus squamata ‘blue star’)は、葉全体が白色を帯びており、青白色の美しい葉色をしている事から、落ち着いた印象や洗練された印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性もしくはマウンド状、高さ約30(~100)cm、幅は約30(~120)cmに成長します。そのため地被植物やロックガーデン等に利用するとよいでしょう。
- ブルーカーペット(juniperus squamata ‘blue carpet’)は、その名前からも分かる通り青みを帯びる灰緑色の葉色と、カーペット状に広がる樹形が特徴の園芸品種です。樹形は匍匐性、高さ約15(~30)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。そのため地被植物やロックガーデン等に利用する事ができます。
- ゴールデンジョイ(Juniperus squamata ‘Golden Joy’)は、葉全体が黄色もしくは黄緑色の葉色となるため、開放的で明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性もしくはマウンド状、高さ約30(~100)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。そのため地被植物やロックガーデン等に利用する事ができます。
- メイリー(Juniperus squamata ‘meyeri’)は、樹形が匍匐性にならずに直立して伸びる習慣(決まりのように繰り返す癖)がある園芸品種です。樹形は木のように幹が1本伸びて成長したり、多数の茎が直立して伸びて噴水のように弧を描いて垂れたりします。高さは約400(~1000)cmです。
- チャイニーズシルバー(Juniperus squamata‘Chinese Silver’)は、葉全体が白色を帯びており、白緑色の美しい葉色をしている事から、落ち着いた印象や清潔感ある印象を与えるカラーリーフとして楽しめる所が魅力です。樹形は直立して横へ広がる傾向が強く、高さが約50(~250)cm、幅が約50(~250)cmに成長します。
- ホルガー(Juniperus squamata‘Holger’)は、葉全体が白色を帯びているため白緑色の美しい葉色をしており、また新しい葉はクリーム色をしている事から、柔らかでふんわりした印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はマウンド状、枝が弧を描くように広がる傾向があり、高さ約50(~100)cm、幅約100(~150)cmに成長します。
- ドリームジョイ(Juniperus squamata ‘Dream Joy’)は、若葉の葉色が黄色(クリーム色)をしているため、開放的で明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。葉色は若い時は黄色ですが、成熟すると青緑色へと変化します。樹形は匍匐性もしくはマウンド状、枝が弧を描くように広がる傾向があり、高さ約30(~50)cm、幅約100(~150)cmに成長します。
- ブルースパイダー(Juniperus squamata‘Blue Spider’)は、蜘蛛の巣ように優雅に広がりまた枝垂れる樹形と、強く白色を帯びる白緑色の美しい葉色が魅力的な園芸品種です。樹形は匍匐性、高さ約30(~50)cm、幅約100(~150)cmに成長します。
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ビャクシンの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ビャクシンの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種等の紹介【2022】
ニイタカビャクシン(メイリー)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ニイタカビャクシン(メイリー)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。日当りの悪い場所では葉が落ち枯れるため基本的には育てられません。
土壌の土質
ニイタカビャクシン(メイリー)は通気性のよい砂壌土を好みます。一方で雨の後、ジメジメした過湿が長く続く状態や浸水する様な土壌を許容しません。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ニイタカビャクシン(メイリー)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。日当りの悪い場所では葉が落ち枯れるため基本的には育てられません。
培養土
ニイタカビャクシン(メイリー)の培養土を自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
生育初期
ニイタカビャクシン(メイリー)は植え付け後、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように、水やりをしっかり行い育てましょう。
地植え
ニイタカビャクシン(メイリー)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
ニイタカビャクシン(メイリー)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ニイタカビャクシン(メイリー)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。また冬から晩冬に肥料を与える事で成長がよくなる事もありますが、与えなくても問題ありません。
植え付け後の元肥(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。基本的にある程度肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めると良いです。肥料を与える場合は水平型もしくは山型の配合肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
ニイタカビャクシン(メイリー)は基本的に剪定せずに育てる事が出来ます。ただし、枝が混み合うと日照不足に陥り、葉が落ち枯れ込む事もあるため必要に応じて剪定しながら育てましょう。
- ニイタカビャクシンを剪定する場合は新しい成長が始まる前の早春が適しています。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散して、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 基本的に剪定は不要ですが、形を整える目的で茎の途中で切り戻し剪定する事も出来ます。
- 切り戻し剪定する場合は、必ず葉の上で剪定しましょう。葉のない場所まで強く切り込むと葉のない枝は復活しないため注意が必要です。
夏越しする方法
ニイタカビャクシン(メイリー)は夏の高温多湿を苦手にしており、真菌性の病気等にもかかりやすいです。そのため必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うため乾燥した場所で管理しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
冬越しする方法
Hardiness:4a~8b
ニイタカビャクシン(メイリー)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ニイタカビャクシンは挿し木で増やすことが出来ます。
ニイタカビャクシンの挿し木の方法
- ニイタカビャクシンの挿し木時期は秋が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を利用しましょう。
- 挿し穂を長さ約10~20cmとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 培養土に幾つかの節を入れ深く挿します。
- 節の部分からも発根する。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ニイタカビャクシンの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ニイタカビャクシンの病気
- 赤星病
ニイタカビャクシンの害虫