- 原産:イタリア
- 科:マメ(Fabaceae)
- 属:レンリソウ(Lathyrus)
- 種:スイートピー(Lathyrus odoratus)
- 英名:スイートピー(sweet pea)
- 別名:ジャコウエンドウ/カオリエンドウ/ジャコウレンリソウ
- 品種:メイフラワー400(lathyrus odoratus ‘Mayflower 400′)
- 開花時期:4月~6月(春撒き6月~7月)
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 分類:一年草
- 草丈:約180cm
- 登攀方法:まきヒゲ
- 花言葉:「門出」「別離」「ほのかな喜び」「優しい思い出」
- 誕生花:3月20日/2月8日
- 用途:壁面緑化/香りが良い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
スイートピー(メイフラワー400)とは!?
スイートピー(メイフラワー400)は、白地に鮮やかな桃色(赤色)の絞りが入るため、可愛らしい印象や明るくポップな雰囲気をつくる園芸品種です。草姿はツル性、高さ180cmに成長します。
スイートピーとは!?
スイートピーは学名Lathyrus odoratus、別名「ジャコウエンドウ」や「カオリエンドウ」とも呼ばれるイタリア原産の一年草です。
スイートピーの語源(由来)
- 属名のLathyrusはギリシャ語の「Lathyros」に由来しており、非常に(La) + 情熱的な(thyros)の2語からなります。
- 種小名のodoratusはラテン語で「香りの良い」を意味しており、花の香りに由来します。
- スイートピー(sweet pea)は香りがよい事を表す「スイート(sweet)」と豆を意味する「ピー(pea)」の2語からなり、花に甘い香りがある事に由来します。
スイートピーの特徴(魅力)
- スイートピーは、花に甘く繊細な香りがあることから香りの花として楽しまれる事があり、またマメ科でよく見られる蝶々のような優雅な印象を与える花姿が魅力的な植物です。
- 草姿はツル性、茎は基本的に自立せず、葉軸の先端にある紐状の器官を他の植物や物体に巻き付けて植物体を固定します。
- そのため、トレリスやオベリスク等の資材を準備して育てる必要があります。
- スイートピーの花は宿根スイートピーと比べて大きくなる傾向があるため、華やかな印象を与えます。
- 花は直径約2~5.5cmと大きく、花弁が優雅に波打つため蝶々のような華やかな印象を与える花姿をしています。
- 花は色鮮やかな花色からパステルカラーまで様々あるため、お庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来る所も魅力です。
- 花は甘く繊細な香りがある事からsweet pea(甘い香りがする豆)と呼ばれています。
- 花に含まれる主な精油にはオシメン・リナロール・ネロール・ゲラニオール等があります。
- オシメンは柑橘類やウッディ等に例えられるトロピカルな甘い香りがあります。一般に植物ではスイートピー等に豊富に含まれており、精油は香水等にふくまれています。
- リナロールは柑橘類やブルーベリーやバラ等に例えられる甘く華やかな香りがあり、風味は甘くフルーティーです。精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われており、精油の効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)等があります。
- ゲラニオールは「柑橘類」「ローズ」等に例えられる甘く華やかな香りがあり、風味はフルーティーで、精油は食品の香料やアロマオイル等にも利用されています。
- 花は収穫して切り花としても楽しまれており、管理の仕方にも左右されますが花瓶の中で5~7日ほど楽しめます。
- ひらひらした花は部屋に飾ることで華やかな雰囲気となり、また様々な花色があるため桃色の花であればロマンチックな雰囲気をつくったり、紫色だったらエレガントな雰囲気をつくったりします。
- スイートピーは種に有毒な有機化合物である「アミノプロピオニトリル」が含まれているため絶対に食べてはいけません。
- スイートピーの種を多量に摂取するとラチリズムと呼ばれる症状を引き起こす事があり、人によっては下肢の麻痺と筋萎縮が起こす可能性があります。
- スイートピーは種から簡単に育てる事が出来て、苗の値段も安いため大量植栽しやすいです。
- スイートピーはアブラムシを引き寄せるため囮として庭の端に植えておけばバンカープランツとして働きます。
- バンカープランツをつくる事で、農薬の量が減り益虫を増やしたり、大切な植物にアブラムシが付く事を軽減する事ができます。
スイートピーの草丈は約50(~240)cm、草姿はツル性(まきヒゲ)、茎の色は緑色、茎の両側には翼(葉を思わせるような扁平なヒレ状の突起物)があります。※まきヒゲは葉・茎の一部分が紐状になり、紐状の器官を他の植物や物体に巻き付けて植物体を固定する方法です。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身は羽状複葉、羽状複葉は小葉が一対(2個)とまきヒゲが数本あり、小葉は長さ約2(~6)cm、幅は約0.7(~3)cm、小葉の形は楕円形をしています。
花序は総状花序、総状花序はふつう1(~4)個の花をつけます。花冠は蝶形花冠、大きさは直径約2(~5.5)cm、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、花色は紫色・青色・赤色・桃色・白色です。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は楕円形、色は緑色から成熟すると黄褐色になり、全体に長い白色の毛が生えます。
スイートピーの切り花の楽しみ方
- スイートピーの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫する花は、蕾が2個以上残っていると花持ちがよくなります。
- 収穫したら水揚げを悪くする葉を出来るだけ取り除きます。
- 水揚げは水切りと必要に応じて湯揚げを行いましょう。
- 花を生ける花瓶には延命剤(栄養入り)いれましょう。
- 延命剤の効果によって蕾が開きやすくなったり日持ちが長くなります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)でエチレン発生源から離した場所で楽しみましょう。
- 高温環境では日持ちが悪くなり、またエチレンの感受性が非常に高い事からエチレンが発生する場所の近くに置くと花が萎れやすくなります。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて湯揚げをしましょう。
- 萎れた花を手で丁寧に摘み取ると蕾の花が咲きやすくなります。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
エチレン
エチレンは植物の世界では植物ホルモンの一つとして働いています。一般的には植物の成長の阻害や老化、成熟等に関与しており、切り花の世界では日持ちが短縮する要因として知られています。エチレンの感受性が低い切り花(キク・ガーベラ等)はエチレンの影響を受けにくいですが、エチレンの感受性が高い切り花(カスミソウ・スイートピー等)はエチレンの発生源から遠ざけて管理した方が良いでしょう。
エチレンの発生源
果実(バナナ・リンゴ・アボカド等)・枯れた植物(花がら等)・植物が病原菌に感染した部位・植物が損傷部位・たばこ・線香の煙・排気ガス等
スイートピーの品種の種類
- クパニ(lathyrus odoratus ‘cupani’)は、1690年代にシチリアの修道院の神父フランシス・クパニよって発見された園芸品種です。原種に近く最も香りのよいスイートピーの1つに数えられており、紫色(~赤紫色)と青色(~紫色)の2色の花色が奥ゆかしく艶やかな印象を与えたり、また神秘的で非現実的な印象を与えます。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- マツカナ(lathyrus odoratus ‘matucana’)は、最も香りのよいスイートピーの1つとして、世界中で人気が高く有名な園芸品種です。花は蝶形花、鮮やかな赤紫色をした旗弁と紫色の翼弁・竜骨弁のグラデーションが美しく、高貴な印象を与えりミステリアスな雰囲気をつくります。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- ペインテッド・レディ(lathyrus odoratus ‘painted lady’)は、香水の様な甘い香りと、可愛らしい印象やロマンチックな雰囲気をつくる桃色(赤色)と白色の2色の花色が魅力的な園芸品種です。花は蝶形花、花色は旗弁が桃色で翼弁・竜骨弁が白色をしています。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- ライラックリップル(lathyrus odoratus ‘lilac Ripple’)は、花弁のふち部分がフリル状に波打つため舞い踊る姿を連想させる様な華やかな花の形をしており、また薄い紫色の花色が着物を思わせるような上品な印象や洗練された印象を与える魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- ジャネット(lathyrus odoratus ‘Janet’)は、明るく輝くような印象を与える真っ白な花色と、香りの良さが魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- アラン・ティッチマーシュ(lathyrus odoratus ‘Alan Titchmarsh’)は、花に甘く繊細な香りがあり、サーモンピンクの柔らかな花色が可愛い印象やロマンチックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約180cmまで成長します。
- ジャイアント・ウェーブ(lathyrus odoratus ‘Giant Wave’)は、花が普通のスイートピーより大きいため華やかな印象を与えます。また他のスイートピーと同様に花には甘く繊細な香りがあります。基本的に種はミックスです。そのため赤色・桃色・紫色・白色の花のいずれかが出てきます。草姿はツル性、高さ約200cmまで成長します。
- リップスティック(lathyrus odoratus ‘Lipstick’)は、花の直径が約5.5cmと大きく、花弁のふち部分がフリル状に波打つため、華やかな印象を与える花姿となります。また色鮮やかな赤色の花色は、刺激的な色をしているため遠くからでも強く目を引く力があり、華やかな印象や情熱的で愛情深い印象などを与える魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- メイフラワー400(lathyrus odoratus ‘Mayflower 400′)は、白地に鮮やかな桃色(赤色)の絞りが入るため、可愛らしい印象や明るくポップな雰囲気をつくる園芸品種です。草姿はツル性、高さ180cmに成長します。
- ショーベンチ8(lathyrus odoratus ‘Showbench 8′)は、花の直径が大きく花弁のふち部分がフリル状に波打つため、華やかな印象を与える花姿となります。花色は基本的にミックスなため、ため赤色・桃色・紫色・白色の花のいずれかが出てきます。草姿はツル性、高さ約200cmまで成長します。
- サマーシズラー(lathyrus odoratus ‘Summer Sizzler’)は、花の香りがとてもよく、トマトを連想させるような真っ赤な花が魅力的な園芸品種です。草姿はツル性ら高さ約200cmに成長します。
- パティオ・ミックス(lathyrus odoratus ‘Patio mixed’)は、成熟しても高さが30cm程度までしか成長しないため、鉢植えなどでも育てやすい園芸品種です。花色は基本的にミックスなため、ため赤色・桃色・紫色・白色の花のいずれかが出てきます。
- ウィルシャー・リップル(lathyrus odoratus ‘Wiltshire Ripple’)は、花弁のふち部分が波打つためフリルドレスの様な優雅な印象を与える花姿をしており、また白地に紫色の班が入る花色が、高貴な印象を与えたりエレガントな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200に成長します。
- キング・エドワード VII(lathyrus odoratus ‘KING EDWARD VII’)は、1903年に著名な園芸家であるHenry Eckfordに紹介された古くからある園芸品種です。花は非常に香りがよく、炎を思わせるような真紅の花色が魅力です。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- グリーンフィンガーズ(lathyrus odoratus ‘Greenfingers’)は、花弁の縁部分に紫色の線状の覆輪が入り、クリーム色と紫色の二色の花色が楽しめる園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- キューピット・ピンク(lathyrus odoratus ‘Cupid Pink’)は、成熟しても高さが40cm程度までしか成長しないため鉢植えなどでも育てやすく、桃色と白色のバイカラーの花色が、可愛らしい印象を与えたりロマンチックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。
- オールドタイム(lathyrus odoratus ‘Old Times’)は、花全体が薄いクリーム色をしており、旗弁がほんのりと薄い紫色に染まることからグラデーションのような色合いになる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約250cmに成長します。
- テレサ・モーリーン(lathyrus odoratus ‘Teresa Maureen’)は、花の香りがとてもよく、上品な印象を与える紫色と白色の2色の花色が魅力的な園芸品種です。花は蝶形花、花色は旗弁が紫色で翼弁・竜骨弁が白色をしています。草姿はツル性、高さ約100cmに成長します。
- クリーム・エッグス(lathyrus odoratus ‘Cream Eggs’)は、花に繊細で甘い香りがあり、またクリーム色の花弁のふち部分にほんのり紫色のピコティー(覆輪)が入ることから、優しい雰囲気の中に気品を感じさせる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- ハイ・セント(lathyrus odoratus ‘Hi Scent’)は、「高い香り(Hi Scent)」の品種名からも分かる通り、スイートピーの中でも最も香りがよい品種の1つとして数えられています。花色はクリーム色の花弁のふち部分にほんのり紫色のピコティー(覆輪)が入ることから、優しい雰囲気の中に気品を感じさせる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- ファイヤー&アイス(lathyrus odoratus ‘Fire & Ice’)は、力強い香りとグランディフローラ(大きな花)が特徴的な品種です。花は赤色と紫色の二色が対比するため、遠くからでも非常によく目立ち華やかな印象を与えます。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
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スイートピー(レンリソウ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
スイートピー(レンリソウ)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2022】
スイートピー(メイフラワー400)の育て方
花壇の土づくり
日当り
スイートピー(メイフラワー400)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌のPH
スイートピー(メイフラワー400)は土壌のPH7.0~7.5の中性から弱アルカリ性を好みます。PHが高すぎたり低すぎたりすると生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
スイートピー(メイフラワー400)は通気性と排水性がよく適度に肥沃な土壌を好みます。水捌けの悪い粘土質な土壌や、有機物が豊富に入る土壌では、浸水したり、夏に蒸れて病気や根腐れ(腐敗)を招き短命になりやすいです。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
スイートピー(メイフラワー400)は日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
スイートピー(メイフラワー400)の培養土は酸性土壌を嫌うため、PH中性以上の通気性の高い草花の培養土を選びましょう。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土+くん炭=6:3:1
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土+苦土石灰(適量)=5:2:3:
培養土作成時の注意点
スイートピーは酸性土壌を嫌うため、培養土にアルカリ性のくん炭や草木灰等を混ぜこむか、苦土石灰を混ぜ込む必要があります。
苦土石灰を混ぜ込む量は培養土の土質にも左右されますが、スイートピーは一般的なバランス良い土壌を好むため恐らく壌土に近い培養土を使っているはずです。
壌土のPHを1上げるには培養土10Lに対して苦土石灰15~20g程度を目安に使用します。基本的には1Lあたり1.5~2.0gの苦土石灰を混ぜ込むとよいでしょう。ただし培養土を強い酸性に傾ける無調整ピートモスや鹿沼土を利用した場合は話しが変わります。そのため培養土に使う用土は中性のものを利用する事がおすすめです。
水やりの仕方
スイートピー(メイフラワー400)はやや湿り気のある土壌を好みます。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
スイートピー(メイフラワー400)は花をしっかり咲かせるために、植付け時に元肥を施し、また生育期間中も持続的に追肥を施す事が大切です。
元肥
元肥は植え付け時に与える肥料の事です。元肥は肥効が長い緩効性肥料を選びましょう。成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。
追肥
スイートピーの追肥は生育期間中持続的に行います。基本的には液肥で与えるといいでしょう。液肥で与える場合は10~14日に一度のペースで水やりの際に与えます。
また必要に応じて化成肥料や緩効性肥料を利用すると、省力化に繋がり追肥作業が楽になります。化成肥料や緩効性肥料は山型肥料(リン酸多め)を選び、株から少し離した場所に規定量を置肥しましょう。
剪定のやり方
スイートピー(メイフラワー400)の剪定は「摘芯」と「花がら摘み」の2つに分かれます。
摘芯とは!?
摘芯は生育初期の草丈の低い時期に、茎の分岐を促し茎の数や花の数を増やす目的で行われます。※ただし茎の長さが短くなったり、花の大きさが小さくなる事もあるため、摘芯をしないで育てることも可能です。
摘芯のやり方は、草丈が10~20cm程に成長してきた所で、草の成長点を摘みましょう。
花がら摘みとは!?
花がら摘みの目的は、萎れた花を摘みとる事で種の生産を防ぎ余計なエネルギーを使わせない事にあります。余計なエネルギーを使わせない事によって、株の老化(弱体)を防いだり、花の生産が止まる事を防ぎ開花期間を延長する事に繋がったり、花数を増やす事に繋がったりします。
花がら摘みのやり方は、個々の萎れた花を指もしくはハサミを使い取り除くだけです。
ツル誘引の目的と方法
スイートピーの茎は基本的に自立する事が出来ません。葉柄がまきヒゲの働きとなり、他の植物や物体に葉柄を巻き付けて体を固定します。そのため、茎を巻き付けやすい園芸資材を準備してあげる必要があります。
園芸資材は、あんどん仕立て資材やネット等がおすすめです。ツルを這わせる資材を準備しておけば、自らの力で茎を固定して成長するため誘引は不要です。
夏越しする方法
冬越しする方法
Hardiness:
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
スイートピーの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・10月~11月
発芽適温:15度~20度
発芽日数:約7日~14日
発芽条件:硬実種子
硬実種子
スイートピーの種は硬実種子です。市販の種の場合は発芽促進処理をされているため、そのまま撒く事が出来ますが、自家採種した種は発芽促進処理を行う必要があります。
何故なら、スイートピーの種は水を吸収しにくい構造をしているため、そのまま撒いても水が吸収されず発芽までの期間が不規則になるからです。
スイートピーの発芽促進処理のやり方
①種の硬い種皮をナイフで刻むか、サンドペーパーで擦り物理的に傷つけて水を吸収させやすくします。
②容器に浅くぬるま湯を入れて種を数時間浸します。
③発芽準備の整った種子は膨らみ柔らかくなります。
直根性
スイートピーの根は直根性のため、根が傷つくと生育不良を起こしやすく、また回復までに時間がかかります。そのため、できるだけ根を傷つけない方法で育成する必要があります。
そのため、スイートピーは直撒きして移植を避けるか、ピートポット等の移植しやすいポットを利用して種を撒く方法が一般的です。
スイートピーの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に約1cm程度の土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
スイートピーの病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
- 炭疽病
- 萎凋病
- 半身萎凋病
- モザイク病
スイートピーの害虫
- アブラムシ