- 原産:南アフリカ
- 科:ノウゼンカズラ(Bignoniaceae)
- 属:タチノウゼン/テコマ(Tecoma)
- 種:ヒメノウゼンカズラ(capensis)
- 別名:テコマ・カペンシス/ケープ・ハニーサックル(Cape honeysuckle)
- 品種:ハマーズローズ(tecoma capensis ‘hammer’s rose’)
- 開花時期:5月~11月(理想的な環境では周年)
- 花の色:橙色●桃色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑低木/常緑ツル性木本
- 登攀方法:スクランブリング・シュラブ(Scrambling shrub)
- 草丈:約100~400cm
- 誕生花:
- 花言葉:誕生
- 用途:開花期間長い/壁面緑化
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)とは!?
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)は、可愛らしい印象を与えたりロマンチックな雰囲気をつくるサーモンピンクの優しい花色が魅力的な園芸品種です。樹形はブッシュ状もしくはツル性、高さ約150~300cmに成長します。
ヒメノウゼンカズラとは!?
ヒメノウゼンカズラは学名Tecoma capensis、別名では「テコマ・カペンシス」や「ケープ・ハニーサックル(Cape honeysuckle)」とも呼ばれる南アフリカが原産の常緑低木もしくは常緑ツル性木本です。
ヒメノウゼンカズラの語源(由来)
- 属名のTecomaはナワトル語のtecomaxochitlに由来しています。
- tecomaxochitlは、ナワトル語で液体の容器として利用される「ヒョウタン」を意味する「tecomatl」と、「花」を意味する「xochitl」の2後の造語です。
- 種小名のcapensisは南アフリカのケープ州を意味しています。
ヒメノウゼンカズラの特徴(魅力)
- ヒメノウゼンカズラは、理想的な環境では1年を通して開花する能力があり、ラッパのような外観の花を枝先に密につけボリュームある花姿をつくる所が魅力で、またツル性の枝を他の植物や構造物に絡ませながら成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。
- 樹形はツル性もしくはブッシュ状、またはスクランブリング・シュラブ(Scrambling shrub)とも呼ばれており、他の植物や構造物の上にシュート(新鞘)を伸ばしかけるようにして壁を登る習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。
- 開花時期はふつう春から秋にかけてですが、十分な温かさのある理想的な環境では1年を通して開花することが出来ます。
- 花は枝先で密に集まりくっつきながら沢山の花が咲くため、非常にボリューミーな印象を与えます。
- 花は長さ約7.5cmある細長い筒状で、筒上部では5個の裂片が外側にカールするように開きます。
- 葉は小葉が5~9個集まり羽状に広がる形から、シダ植物の様な上品な外観をしており装飾的です。
- 商業的には、木材が建築物や家具などに利用されたり、また薬用植物として糖尿病や消化器系の病気に利用されたりします。
- また幾つかの地域では蛇(コブラ)の毒を抑制する目的で、咬傷に葉のペーストが塗られる事もあるようです。
- ヒメノウゼンカズラは挿し木で簡単に増やすことが出来ます。
- ヒメノウゼンカズラは耐寒性が低いです。
- 軽い霜であれば耐える事も可能なため暖地等であれば屋外で越冬する事も可能ですが、基本的には霜の降りる地域では枯れるリスクもあるため、冬の管理に注意が必要です。
ヒメノウゼンカズラの樹高は約100(~400)cm、樹形はツル性、もしくはブッシュ状になります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は羽状複葉、羽状複葉は長さ約15cmで小葉が約5(~9)個集まり、小葉の長さ約3(~5)cm、小葉の形は卵形もしくは楕円形、葉のふち部分には鋸歯があります。
花序は総状花序、総状花序は長さ約10(~15)cmで枝先に密に花がつきます。花は長さ約7.5cm、花の形は筒状で先端の裂片が外側にカールするように開き、裂片は5個、花色は橙色・赤色・桃色・黄色があります。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は細長い円筒型、色は緑色から成熟すると淡褐色になります。
ヒメノウゼンカズラの園芸品種の紹介
タチノウゼン(テコマ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
土壌の土質
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)は、基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ます。通気性と保水性のバランスがよく適度に肥沃な壌土、もしくは通気性や排水性が高めの砂壌土に土壌改良を行い植え付けを行うと良いでしょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向から、3時間から5時間の半日影で育てましょう。
培養土
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)は、ある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。必要に応じて毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えるだけで追肥は不要です。
寒肥と堆肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料の種類は、肥沃な土を好むため有機肥料(配合肥料)が理想ですが、緩効性肥料でも問題ありません、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離した場所に穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 緩効性肥料の場合は株の近くの土の上に置く、置き肥で問題ありません。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)の剪定の目的は、木のように成長して生産性が落ちた古い枝などを必要に応じて剪定して、花や葉の生産性の高い若い枝の成長を促したり、奔放に伸びた枝や自然に反して成長する枝(下がり枝等)を剪定して見た目の改善やエネルギーの分散を防いだりする所にあります。
剪定のやり方
- ヒメノウゼンカズラの剪定は晩冬から早春に 1回おこないます。
- 株全体を観察して枯れた枝・損傷した枝(折れてる枝等)・病気の枝を探して、これを枝分かれしてる場所、もしくは被害を受けていない枝の途中の節(芽)の上で、剪定して取り除きましょう。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散されて健康に成長している枝の成長に悪影響を及ぼしたりしやすいからです。
- 株全体を観察して不要と思われる枝を剪定しましょう。
- 株全体を観察して間違った方向に伸びた枝を根元から剪定するか枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定したり、絡み合い茎が混雑している部分を必要に応じて間引き剪定して枝の数を減らしたり、生産性の落ちた古い枝を根元から間引き剪定もしくは枝分かれさせたい部分の芽で剪定して生産性の高い若い成長を促しましゃう。
夏越しする方法
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)は夏の暑さに強いため、基本的に対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:9b~11a
ヒメノウゼンカズラ(ハマーズローズ)は軽い霜に耐える事も出来ますが、霜の降りる地域では、対策を行わないと屋外で枯れる事もあります。そのため必要に応じて冬越し対策を行いましょう。
冬越し対策
- 軽い霜が降りる地域であらば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ヒメノウゼンカズラは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- ヒメノウゼンカズラの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ヒメノウゼンカズラの種蒔の方法
播種時期:3~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ヒメノウゼンカズラの病気
ヒメノウゼンカズラの害虫