- 原産:オーストラリア
- 科:マメ(Fabaceae)
- 属:ハーデンベルギア(hardenbergia)
- 種:ビオラセア(hardenbergia violacea)
- 別名:コマチフジ(小町藤)/ヒトツバマメ/パープル・コーラル・ピー(purple coral pea)/パープルスイング・ピー(purple twining-pea)/バイン・ライラック(vine lilac )
- 品種:ミーマ(hardenbergia violacea ‘meema’)
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:紫色●
- 葉色:緑色●
- 分類:常緑ツル性木本
- 登攀方法:巻き付き茎
- 草丈:200cm
- 花言葉:壮麗/広い心/思いやり/過去の愛/奇跡的な再開/運命的な出会い
- 誕生花:3月22日/3月30日
- 用途:壁面緑化
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ハーデンベルギア(ミーマ)とは!?
ハーデンベルギア(ミーマ)は、普通のハーデンベルギアと違い茎が直立またはブッシュ状に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があるため、自然(インフォーマル)な生垣として利用される事もある園芸品種です。花は紫色で花芯部分に黄色の斑点があります。樹形はブッシュ状、高さ約50cm、幅は約200cmに成長します。
ハーデンベルギアとは!?
ハーデンベルギアは学名hardenbergia violacea、別名では「コマチフジ(小町藤)」や「ヒトツバマメ」とも呼ばれるオーストラリアが原産の常緑ツル性木本です。
ハーデンベルギアの語源(由来)
- 属名のhardenbergiaは、オーストリアの外交官で男爵のKarl von Hugelの妹である、オーストリアの貴婦人Franziska von Hardenbergへの献名です。
- Franziska von Hardenbergは、ハーデンベルギア(hardenbergia)をオーストラリアで採取してきたオーストリアの植物学者のパトロンでした。
- 種小名のviolaceaは「紫色」を意味しており花の色に由来しています。
ハーデンベルギアの特徴(魅力)
- ハーデンベルギアは、茎がつる性の性質を持つため壁面を登り成長する事が出来ます。花はマメ科特有の「蝶形花」で、上品な印象を与える胡蝶蘭の花を小さくしたような花の形をしており、紫色の花色が気品を感じさせる植物です。
- 樹形はツル性、茎は針金状であまり自立せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎を他の植物や物体に絡ませて自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が右か左に旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付ける支柱やトレリス等の資材を準備したり、フェンスなどに誘引して育てましょう。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が右か左に旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花期は3月~5月、花はマメ科でよく見られる蝶形花をしており、小ぶりな蝶形花が約20~40個集まる事でボリューミーな花姿をつくります。
- 花の色は、ふつう紫色で1番後ろにある花弁(旗弁)の芯部分に黄色の班があります。恐らくこの黄色の班は蜜を集めにくる昆虫達のための花蜜標識(ネクターガイド)として働いています。
- 花は蜜蜂の蜜源となるため、開花期になると花の周りを元気に飛び回る蜜蜂の姿や、花の中に頭を突っ込む蜜蜂の可愛らしい姿を観察する事が出来ます。
- ハーデンベルギアの葉はマメ科植物でよく見られる複葉ではなく単葉で、節に1個の葉がつき、葉は細長く革質で濃い緑色をしており、落ち着いた印象を与えます。
- ハーデンベルギアは耐寒性が低いです。軽い霜に耐えられる事もあるため暖地であれば屋外で越冬する事も可能ですが、基本的に霜に当たると枯れるため冬越し対策を行った方が良いでしょう。
- 冬越しさせる場合は温室に入れたり、日光の当たる室内などに入れて上げる等の方法が考えられます。
ハーデンベルギアの樹形はツル性、茎の長さ約200cm、茎の色は緑色もしくは赤色、茎は針金状です。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄は長さ約1cm、葉身の長さ約3(~10)cm、幅は約1(~5)cm、葉身の形は卵形または披針形をしています。
花序は総状花序、総状花序は約20(~40)個の花をつけます。花冠は蝶形花冠、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、花色は旗弁は紫色で芯部分に黄色の班が入り、翼弁は紫色、竜骨弁は紫色です。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は長さ約2(~4.5)cm、形は円筒型、色は緑色から成熟すると 褐色になります。果実には種が約6(~8)個入っており、種の形は楕円形です。
ハーデンベルギアの園芸品種
- ハッピーワンダラー(hardenbergia violacea ‘happy wanderer’)は、ハーデンベルギアの中で最も人気の高い園芸品種です。登攀能力が高いため壁面緑化植物として使いやすく、また多花性のため開花期には沢山の花が見られます。花は紫色で花芯部分に黄色の斑点があります。樹形はツル性、高さ約200cmに成長します。
- ミーマ(hardenbergia violacea ‘meema’)は、普通のハーデンベルギアと違い茎が直立またはブッシュ状に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があるため、自然(インフォーマル)な生垣として利用される事もある園芸品種です。花は紫色で花芯部分に黄色の斑点があります。樹形はブッシュ状、高さ約50cm、幅は約200cmに成長します。
- 白花(hardenbergia violacea ‘alba’)は、その名前からも分かる通り、明るく輝くような印象を与える白花を咲かせる園芸品種です。花は白色で花芯部分に黄色の斑点があります。樹形はツル性、長さ約200cmまで成長します。
- ロゼア(hardenbergia violacea ‘rosea’)は、可愛らしい印象やロマンチックな雰囲気をつくる桃色の花が魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、長さ約200cmまで成長します。
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ハーデンベルギアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ハーデンベルギア(ミーマ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ハーデンベルギア(ミーマ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光により葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
土壌の土質
ハーデンベルギア(ミーマ)は基本的に水はけの良い土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌改良しましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ハーデンベルギア(ミーマ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光により葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
培養土
ハーデンベルギア(ミーマ)は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ハーデンベルギア(ミーマ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ハーデンベルギア(ミーマ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ハーデンベルギア(ミーマ)は多くの肥料を必要としませんが、春と秋に一度ずつ緩効性肥料をいれると、成長が促進されたり、開花が良くなります。
剪定のやり方
ハーデンベルギア(ミーマ)は剪定せずに育てる事も出来ます。ただし剪定せずに育てた場合、ツルが奔放に伸びて本来あるべき場所から逸出してしまったり、外観を崩してしまったり、またツルが成熟して古くなると生産性が落ちて花や葉の数が減る事があります。そのため必要に応じて剪定が行われます。
ハーデンベルギアは茎が基本的に自立しないため、茎が巻き付くための資材を準備してあげる必要があります。資材があれば自らで茎を固定して成長するため基本的に誘引は不要です。
ツル誘引の目的と方法
ハーデンベルギアは自らの茎を他の植物や物体に螺旋状に巻き付けて体を固定します。そのため、茎を巻き付けやすい園芸資材を準備してあげる必要があります。
園芸資材は、トレリスやフェンス等がおすすめです。ツルを這わせる資材を準備しておけば、自らの力で茎を固定して成長するため誘引は不要です。
資材:ネット/トレリス/アーチ/バーゴラ/ガゼボ/オベリスク/壁面ワイヤー/フェンス
ハーデンベルギアの剪定方法
- ハーデンベルギアの剪定は花が終わったら直ぐに行いましょう。
- 株全体を観察して枯れた枝・損傷した枝(折れてる枝等)・病気の枝を探して、これを枝分かれしてる場所、もしくは被害を受けていない枝の途中の節(芽)の上で、剪定して取り除きましょう。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散されて健康に成長している枝の成長に悪影響を及ぼしたりしやすいからです。
- 株全体を観察して不要と思われる枝を剪定しましょう。
- 間違った方向に伸びた枝は、外観を崩したり、歩行者のじゃまになったり、入るべき場所じゃない所に侵入して撤去が難しくなる可能性があります。そのため根元から剪定するか枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定しましょう。
- 生産性の落ちた古い枝は、葉が少なく外観を悪くしたり花の数を減らしたりする原因にもなります。古い茎を切る事でエネルギーが生産性の高い新しい芽や若い茎に向かうため、株全体のバランスを見ながら必要に応じて古い枝を剪定しましょう。剪定は古い茎の根元から間引き剪定するか、もしくは枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定します。
- 全体的に株の大きさを制御したい場合は、株全体の1/2もしくは1/3ほどを目安にして、一律に茎を強く切り戻しましょう。強い切り戻し剪定を行う事で、株全体がコンパクトになる事はもちろん、茎の枝分かれが促されるためフサフサとした外観を作ったり、生産性の高い茎の成長が促されるため翌年の開花も期待出来ます。※必ず必要な作業ではありません。
夏越しする方法
ハーデンベルギア(ミーマ)は夏の暑さに耐えますが、強い日差しにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こし生育不良になる事もあります。そのため必要に応じて強光対策を行いましょう。
夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、西日の当たらない半日影に鉢植えを移動するといいでしょう。
- 地植えで育てている場合は、株を弱らせない為に、必要に応じて遮光ネットを張るのも1つの対策です。
冬越しする方法
Hardiness:9a~11b
ハーデンベルギア(ミーマ)は軽い霜であれば耐えられる事があるため、暖地であれば地植えで育てられる事があります。ただし基本的に霜が降りると枯れてしまうため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
冬越し対策
- 軽い霜が降りる地域であらば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 支柱を立ててビニールを被せるとより対策効果が上がります。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ハーデンベルギアは挿し木で増やす事も可能です。
挿し木の方法
- ハーデンベルギアの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ハーデンベルギアの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・10月~11月
発芽適温:20度
発芽日数:約7日~14日
発芽条件:硬実種子
硬実種子
ハーデンベルギアの種は硬実種子です。市販の種の場合は発芽促進処理をされているため、そのまま撒く事が出来ますが、自家採種した種は発芽促進処理を行う必要があります。
何故なら、ハーデンベルギアの種は水を吸収しにくい構造をしているため、そのまま撒いても水が吸収されず発芽までの期間が不規則になるからです。
ハーデンベルギアの発芽促進処理のやり方
①種の硬い種皮をナイフで刻むか、サンドペーパーで擦り物理的に傷つけて水を吸収させやすくします。
②容器に浅くぬるま湯を入れて種を数時間浸します。
③発芽準備の整った種子は膨らみ柔らかくなります。
直根性
ハーデンベルギアの根は直根性のため、根が傷つくと生育不良を起こしやすく、また回復までに時間がかかります。そのため、できるだけ根を傷つけない方法で育成する必要があります。
そのため、直撒きして移植を避けるか、ピートポット等の移植しやすいポットを利用して種を撒く方法が一般的です。
ハーデンベルギアの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に約1cm程度の土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ハーデンベルギアの病気
- うどんこ病
- 根腐れ病
ハーデンベルギアの害虫