- 原産:日本
- 科:マメ(Fabaceae)
- 属:フジ/ウィステリア(Wisteria)
- 種:フジ(Wisteria floribunda)
- 別名:ノダフジ/ジャパニーズ・ウイステリア(Japanese wisteria)
- 品種:ノダナガフジ(Wisteria floribunda ‘Macrobotrys’)
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 分類:落葉ツル性木本
- 登攀方法:巻き付き茎
- 草丈:300~1000cm
- 花言葉:歓迎/優しさ/忠実な/恋に酔う/決して離れない
- 誕生花:4月5日/4月29日/5月31日
- 用途:壁面緑化
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ノダナガフジとは!?
ノダナガフジは、別名では「九尺藤」ともよばれており、一般的なフジと比べて花穂(花序)が著しく長く約100~200cmあり、カーテンのように吊り下がる優雅な花姿をつくる魅力的な園芸品種です。花の色は薄い紫色(白色)と紫色、旗弁は薄い紫色・翼弁と竜骨弁は紫色をしており、紫色の色の花色はミステリアスな印象を与えたり、静かで優雅な雰囲気をつくり、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。
フジとは!?
フジは学名Wisteria floribunda、別名では「ノダフジ」や「ジャパニーズ ウイステリア(Japanese wisteria)」等とも呼ばれる日本が原産の落葉ツル性木本です。日本では本州・四国・九州に分布しており、低山地や平地の林縁や崖、林の中などに自生しています。
フジの語源(由来)
- 属名のWisteriaはアメリカの植物学者のThomas Nuttallが、アメリカの医者であるCaspar Wistar(1761-1818)に敬意を示しつけられた献名です。
- 種小名のfloribundaはラテン語で「開花」「豊富」などを意味する「floribundus」からきています。
- フジの由来は一説には「フヂ」から来ていると言われており、フヂは風が吹く度に花が「吹き散る」所からきています。
フジの特徴(魅力)
- フジは、近縁のシナフジ(Wisteria sinensis)と比べて、花穂が著しく長く100cmに達する事もあるため非常に豪華な花姿をしており、またツルはシナフジとは逆に、時計回りに旋回しながら他の植物や構造物に巻き付く性質があります。
- フジは、茎がツル性で藤棚や壁面等に誘引される事が多い植物です。上手く誘引された株は、シャンデリアのように垂れ下がる豪華な花を視界いっぱいに咲かせるため、非現実的な雰囲気を漂わせる幻想的な空間をつくりだします。
- 樹形はツル性、若い茎は基本的に自力せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎を他の植物や物体に絡ませて自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付けるトレリスやバーゴラ等の資材を準備して育てましょう。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花期は3月~5月、花序は長さは約100cm、逆さまに吊り下がりながらボリュームある花姿をつくります。※花序の長さの記録では牛島のフジは明治時代に長さ300cmの花穂をつけており、園芸品種の中のノダナガフジは花序の長さが200cmに達する事があります。
- 花の形はマメ科でよく見られる蝶形花をしており、花弁は一番大きな旗弁が1個・中央に突き出る翼弁が2個・翼弁の内側に竜骨弁が2個あります。
- 花の色はふつう、旗弁は薄い紫色または白色で花芯部分が黄色をしており、翼弁と竜骨弁は鮮やかな紫色です。
- 静かで優雅な雰囲気を漂わせる紫色の花は、高貴(貴族等)な印象を与えたり、ミステリアスな印象を与えるため、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。
- フジの花は甘い香りと表現される事もありますが、猫の尿のような悪臭と感じる人も多く、特に花が終わり夏に入ると臭くなる傾向が強くなります。
- 一方で、シナフジの花の香りは甘くフローラルな香りがありライラックの花の香り等に似ていると言われています。
- 葉は小葉が11個~19個集まり羽状に広がる形から、シダ植物の葉のような装飾的な印象を与えます。
- 葉の色はふつう緑色ですが、幾つかの品種では葉に黄色の班がはいるため、品種を選び開放的な印象を与えるカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- フジの実は豆科でよく見る鞘のような形をしており、鞘は長さ約10~19cmの大きさがあります。
- フジは全草に有毒なグルコシド(配糖体)を含有しているため、食べる事は出来ません。
- フジを摂取すると嘔吐・軽度または重度の胃腸炎・下痢等の中毒症状を引き起こす可能性があります。
- フジの仕立て方には「立木仕立て」「藤棚仕立て」「エスパリエ」「盆栽」等があります。
- 立木仕立てとは、根元から上部まで幹を1本伸ばし、普通の木のように成長させる仕立て方です。
- 若い茎は細く倒れやすいため、支柱で支えながら成長させますが成熟して大きくなると幹が太くなり自立するようになってきます。株が大きくなると枝を優雅に横に伸ばし長い花穂を垂れ下がらせるため圧巻の景観がつくられます。
- 藤棚仕立てとは、バーゴラ(藤棚)にフジのツルを這わせながら、棚から垂れ下がる花を鑑賞する仕立て方です。棚から暖簾のように下垂する花は非常に美しく圧巻の景観をつくります。
- エスパリエとは、垂直な平面の壁などに、しなやかな枝を誘引して樹形などを楽しむ仕立て方です。枝を誘引するために、壁面には事前にワイヤーを張ったり、格子(トレリスなど)を準備しておきます。壁面に美しく誘引されたフジは絵画のような美しい背景をつくりだします。
- 盆栽として底の浅い鉢に上で低木状に仕立てられて育てられる事もあります。盆栽や鉢植えで育てられるフジは、一般的に樹高が50cm程の矮性品種が用いられています。
- 立木仕立てとは、根元から上部まで幹を1本伸ばし、普通の木のように成長させる仕立て方です。
フジの樹形はツル性(巻き付き茎)、茎の長さ約2000(~3000)cm、茎の色は緑色、若い茎は白色の短毛が生えており、茎が成熟すると木質化して淡褐色または灰色(~灰褐色)になります。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は長さ約10(~30)cmで小葉が11(~19)個あり、小葉の長さ約4(~10)cm、小葉の形は楕円形または卵形、葉は若い時は軟毛が生えており、葉のふち部分が波打つ傾向にあります。
花序は総状花序、総状花序は長さが約100cm、花序は地面に向かい垂れ下がります。花冠は蝶形花冠、蝶形花冠は長さ約1.5(~2.5)cm、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、雄蕊10個(1個は自由で9個は接着)、雌蕊1個あります。花弁の色は旗弁が薄い紫色または白色で花芯部が黄色、翼弁は紫色、竜骨弁は紫色です。※特別天然記念物である牛島のフジは、長さ200cmに達する花を咲かせており、明治時代には長さ300cmの花を咲かせたことがあります。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は長さは約10(~19)cm、幅は約2(~2.5)cm、形は細長い楕円形で種部分が膨らみ、色は緑色から成熟すると褐色、白色の短毛が密生します。種の形は扁平な円形、種の大きさは直径約1.1(~1.2)cm、種の色は褐色から暗褐色です。
フジの園芸品種
- シロナガフジ(白長藤)は、その名前からも分かる通り、一般的なフジと比べて花穂(花序)が著しく長く、長さ約100~200cmあり、花色が白色をしている所が特徴の園芸品種です。花はカーテンのように長く吊り下がるため優雅な雰囲気をつくり、白色の花色は明るく輝くような印象を与えたり清潔感を感じさせます。
- シロバナフジ(Wisteria floribunda ‘alba’)は、その名前からも分かる通り白色の花を咲かせる園芸品種です。花序は普通長さ約20~30cmですが、更に長く伸びる場合があり、明るく輝くような印象を与える白色の花を咲かせます。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- マルチジュガ(Wisteria floribunda ‘multijuga’)は、長さが100cmにも達する非常に長い花穂と、上品な着物のような印象を与える紫色と白色の花色が魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- 一才藤は、接ぎ木する事で幼木の頃から花が楽しめる園芸品種です。株は高さ50cm程度で仕立てる事が出来るため、鉢中で育てる盆栽用のフジとして最も親しまれており、庭木として親しまれる事もあります。花序は長さ約10~20cm、花の色は藤色(紫色)をしています。
- 長崎一才藤は、艶やかな印象を与える鮮やかな紫色の花色と長さ30cmに達する事もある長い花穂が魅力です。株は接ぎ木する事で幼木の頃から花が楽しめます。また高さ50cm程度で仕立てる事が出来るため、鉢中で育てる盆栽用のフジとして最も親しまれており、庭木として親しまれる事もあります。
- ヤエコクリュウ(八重黒竜)は、別名では丸みを帯びる花の形から「玉藤」と呼ばれたり、花の色から「黒藤」と呼ばれたりしています。フジでは珍しい八重咲き品種で、コロンとした丸みを帯びる可愛らしい外観の花の形をしており、花が幾つも並び長さ約30cmまでのボリュームある花穂をつくります。花の色は濃い紫色、濃い紫色は上品な印象やミステリアスな雰囲気をつくります。そのためエレガントなお庭などによく合うでしょう。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- 本紅藤は、花序の長さは約20~30cm、花の色がほんのりと優しい薄い桃色をしており花の1部(翼弁の先端)に鮮やかな紅色の班が入り、化粧されたかのような上品な花色が楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- 口紅藤は、別名では「アケボノフジ」ともよばれており、花の1部(翼弁の先端)に口紅を塗ったかのような花色が魅力的な園芸品種です。花序は長さ約25cm、花は鮮やかな桃色の蕾から、白色の花が開き、翼弁の先端のみ鮮やかな桃色が残ります。樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
- ノダナガフジ(Wisteria floribunda ‘Macrobotrys’)は、別名では「九尺藤」ともよばれており、一般的なフジと比べて花穂(花序)が著しく長く約100~200cmあり、カーテンのように吊り下がる優雅な花姿をつくる魅力的な園芸品種です。花の色は薄い紫色(白色)と紫色、旗弁は薄い紫色・翼弁と竜骨弁は紫色をしており、紫色の色の花色はミステリアスな印象を与えたり、静かで優雅な雰囲気をつくり、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。
- ニシキフジ(wisteria floribunda ‘Nishiki’)は、葉全体に虎柄のようなまだら模様の薄い黄色の班がはいるため、花のない時期もカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。花穂は長さ約30cm、花の色は淡い紫色をしており、樹形はツル性、長さ約300~1000cmに成長します。
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フジ(ウィステリア)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ノダナガフジの育て方
花壇の土づくり
日当り
ノダナガフジは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
土壌の土質
ノダナガフジは通気性と保水性のバランスがよく、適度に肥沃な土壌を好みます。やや湿り気のある土壌でよく育ちますが、水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こすことがあるため注意が必要です。土壌診断を行い、通気性や保水性が悪かったら、土壌改善を行ってから植え付けを行いましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ノダナガフジは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
培養土
ノダナガフジは、やや通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
ノダナガフジは、浸水したり水分が停滞する様なジメジメした環境を嫌いますが、生育期間中に水切れを起こすと生育や花付きを悪くしてしまいます。そのため定期的に水やりを行い、水切れを引き起こさないように注意しましょう。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
ノダナガフジは、肥料を与え過ぎると花が上手く咲かないことがあります。そのため、ある程度、肥沃な土壌であれば、基本的に肥料を必要としません。
基本的には肥料を必要としませんが、栄養の乏しい土壌で育てる場合、鉢植えで育てる場合などは栄養が足りなくなる事があります。その場合は毎年晩冬もしくは早春に堆肥を入れて土壌の改善を行ったり、必要に応じてリン・カリが多めの肥料を与えたりする事も出来ます。
堆肥と寒肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。そのため土壌の【化学性・物理性・生物性】を高める堆肥を入れて劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える必要があります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に入れます。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘りそこに堆肥を埋めましょう。
- 寒肥とは晩冬から早春に与える肥料です。
- 寒肥は堆肥を入れておけば基本的に与えなくても問題ありません。与える場合はリンとカリが多めの低窒素肥料を施しましょう。窒素が多い肥料は花付きを悪くするため避けてください。※ただし株が若く、茎葉の成長を促したい場合は窒素肥料を与える事も出来ます。
剪定のやり方
ノダナガフジの剪定には、成長を制御する目的・種作りを防ぎ株を充実させる目的・花に集中的にエネルギーを送り大きな花を咲かせる目的があります。
ノダナガフジは非常に生育が旺盛なため、剪定せずに放っておくとツルが奔放に伸びてしまい、枯れた枝や太い枝などが複雑に絡み合い手が出せないような状態になったり、枝が本来あるべき場所から逸出してしまい外観を崩したり歩行者の邪魔になったり大切なものを傷つける可能性があります。また枝が沢山伸びているとエネルギーが分散されて花が小さくなる原因にもなります。そのため毎年定期的な剪定が必要になります。
ツル誘引の目的と方法
フジは自らの茎を他の植物や物体に螺旋状に巻き付けて体を固定します。そのため、茎を巻き付けやすい園芸資材を準備して育てると良いでしょう。また花が下垂するように咲く傾向があるため、園芸資材は、バーゴラ(藤棚)等がおすすめです。※ツル植物としてではなく、樹高を低く抑えて盆栽として仕立て育てられたり、立木仕立てで育てられる事もあります。
フジをバーゴラ(藤棚)で育てる場合は、新しいツルが資材などに巻き付きやすいように、初めはツルと支柱を麻紐で結び優しく誘引して上げましょう。 ツルが自力で支柱を登る様になったら自然に任せます。またツルが枠から逸出したりする場合は、隙間を埋める目的で逸出したツルを空いている隙間に誘引して麻紐で結び誘引したり、不要な場合は剪定して取り除くと良いでしょう。
資材:トレリス/アーチ/バーゴラ(藤棚)/ガゼボ/壁面ワイヤー/フェンス
フジの剪定方法
- フジの剪定は、花後に1回、秋または晩冬から早春に1回、計2回行います。
- 花後の剪定は、花が受粉して果実を付ける事を防ぐ目的で行われます。花後の剪定を行わないと果実をつくる目的で、エネルギーが使われるため、株が弱ったり、翌年の開花に悪影響をもたらす事があります。またこの時期に軽く枝を剪定しておく事で成長が制御されるため、秋または冬の剪定が楽になります。
- 秋の剪定または晩冬から早春の剪定は、奔放に伸びた不要な枝をバッサリと強く剪定して取り除き、スッキリとした外観にしたり、余分な枝を剪定して、花に集中的にエネルギーを送り大きく華やかな花を咲かせる目的があります。
- 花後の剪定のやり方
- 花が色褪せたり花穂の大部分の花が落ちたら、花穂の根元から剪定して、終わった花を取り除きましょう。
- 今年成長した当年枝を長さ約15~20cmまたは芽を6個程度残して切り戻し剪定しましょう。※枠を構成する重要な枝になりそうな場合は残します。
- ここで軽く剪定しておく事で成長がある程度抑制されるため秋の剪定が少し楽になります。
- 根元から出てくる蘖を必要に応じて根元から剪定しましょう。
- 蘖を残すと、そちらに栄養が流れてしまうため、メインの枝の成長が抑制される原因となります。
- 枠から逸出した不要な枝を、根元から剪定するか枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定しましょう。
- 秋または晩冬から早春の剪定のやり方
- 主幹または主枝から伸びる側枝を剪定します。側枝は根元から数えて3芽を残し、3芽の少し上を剪定して取り除きましょう。
- この剪定を行う事で、春に咲く花に十分なエネルギーが送られるため大きな花が咲きます。
- 長く伸びた当年枝は、枠を構成する重要な枝になりそうな場合は残して、そうでない場合は枝が混雑するのを防ぐため、剪定して取り除きましょう。
- 主幹または主枝から伸びる側枝を剪定します。側枝は根元から数えて3芽を残し、3芽の少し上を剪定して取り除きましょう。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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夏越しする方法
ノダナガフジは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
ノダナガフジは冬の寒さに強く基本的には冬越し対策不要です。
挿し木や株分けで増やす
フジは挿し木で増やす事も可能です。
挿し木の方法
- フジの挿し木時期は晩春から夏または晩秋から早春です。
- 晩春から夏の方が、挿し穂からの発根力が高く成功率は高くなります。
- 挿し穂の茎は基本的には弾力があり健康な当年枝を使いましょう。※秋から早春に行う場合も基本的には新しく成長した部分を使います。
- 挿し穂の太さは鉛筆程度、長さは約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。※秋から早春の挿し穂には葉がありません。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
フジの種蒔の方法
播種時期:9月~10月・3月~5月
発芽適温:20度
発芽日数:約14日
発芽条件:
フジは種から育てる事が出来ます。ただし種から育てる場合は花が咲くまでに10年以上の年がかかる事もあるため留意が必要です。
種まき手順
- 種が成熟して乾燥してくる秋に鞘ごと採取しましょう。
- 種を鞘から取り出してそのまま撒く準備に入るか、乾燥させて春まで保管します。
- 種を撒く前にぬるま湯に一晩浸して、中まで水分を吸水させて休眠をときます。
- ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種は土に置き、そのまま1cmほど土の中に押し込みます。※鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくします。
- 種の上に1cmほど土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
フジの病気
- 斑点病
- 炭疽病
- さび病
- うどんこ病
- 根頭がんしゅ病
フジの害虫
- フジノキクイムシ
- マメコガネ
- マメドクガ
- ミノガ
- カイガラムシ
- ハゴロモ
- カメムシ