イカリソウは属の中に約63種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、花が大きく四方に広がる距の形が「錨」に例えられており落葉性の性質があるイカリソウ、常緑性のため冬の間も葉が残りイカリソウと比べると花の大きさが小降りなトキワイカリソウ、赤色と白色の花色の対比が魅力的なイカリソウ(ルブルム)等が親しまれています。
イカリソウ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
目次
イカリソウ属の種の簡易比較
種 | 比較 |
---|---|
イカリソウ |
|
トキワイカリソウ |
|
キバナイカリソウ |
|
イカリソウ(ルブルム) |
|
イカリソウの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Epimedium grandiflorum var. thunbergianum
- 草丈:約20~50cm
- 分類:多年草(落葉性)
- 開花時期:4月~5月
- 花色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:3月13日/3月24日/4月8日/5月4日
- 花言葉:旅立ち/執着心/君を離さない
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/ロックガーデン/日陰植物
イカリソウとは!?
イカリソウは学名Epimedium grandiflorum var. thunbergianum、別名では「三枝九葉草(サンシクヨウソウ)」や「カグラバナ」とも呼ばれる日本原産の多年草です。日本では、北海道・本州・四国・九州に分布しており、山裾の雑木林や林縁などに自生しています。
イカリソウの語源(由来)
- 属名のEpimediumは古代ギリシア語の「ἐπιμήδιον」に由来します。
- 種小名のgrandiflorumは「大きい」を意味する「grandi」と、ラテン語で「花」を意味する「flos」の2語からきており、大きな花を咲かせる事に由来します。
- イカリソウの由来は、花の形が錨の形に似ている所からきています。
イカリソウの特徴(魅力)
- イカリソウは、花の直径が5~7cmと大きく、四方に伸びる管状の距の形から、花の形が「船の錨」に例えられています。また葉(小葉)は左右非対称な可愛らしいハート形をしており、茎の頂部で三股に分かれ小葉を9個つける個性的な外観をつくる所も魅力です。
- イカリソウは根茎が地面下を横に這い、根茎から数本の直立する茎を出します。
- 茎は先端で三つに分かれて葉柄を出し、葉柄の先に三個のハート形(心形)をした小葉を付けます。
- 開花は4月から5月、花序は総状花序、総状花序は花軸に複数の花をつけ、斜上に伸びる花姿をつくります。
- 花は花弁状の萼が4個(残り4個は早落性)あり、
- 管状の距が四方に伸びる姿から「船の錨」に例えられており、距の裏側には目立つ花弁状の萼が4個(残り4個は早落性)あり本物の花弁よりも装飾的な外観をしています。
- 葉は二回三出複葉、左右非対称なハート形をした可愛らしい外観の小葉を9個つけます。
- 葉の色はふつう緑色ですが、いくつかの品種では葉に黄色や白色の班が入る事もあるため、明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しまれる事もあります。
- 葉は落葉性のため冬になると落ちてしまいます。
- イカリソウは神経衰弱・健忘症・強精・強壮等に効用があるとされており、乾燥させた茎葉が、生薬名の「淫羊霍(いんようかく)」で流通しています。
- イカリソウの茎葉には「イカリイン」と「フラボノール配糖体」などが含まれており、血流を改善する事から冷え性対策、冷え性から来る腰痛対策、血流を改善する事から男性のインポテンツにも効果があるとされています。
- イカリソウは耐陰性が強い事から日陰植物(シェードガーデン)等に利用される事もあり、日陰で咲く華やかな花が重宝されます。
イカリソウの草丈は約20(~50)cm、根茎は横に這いひげ根を出し、草姿は直立、基部から数本立ち上がり、鱗片がある。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または茎の先端につく、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は2回3出複葉、2回3出複葉は小葉が9個、小葉は心形(基部が凹む)または卵形(基部が凹まない)、葉のふち部に刺毛状の細かい鋸歯がある。
花序は総状花序、総状花序は茎の途中から出て斜上に伸び、4~(~7)個の花をつけます。花は直径約5(~7)cm、花弁の数は4個、花弁の色は白色・赤色・桃色があり、距の数は4個(四方に広がる)、距の長さは約1.5(~2)cm、距の形は管状、距の色は白色・赤色・桃色があり、萼の数は8個、内側の4個の萼は花弁状に広がり、外側の4個の萼は早落する、萼の色は赤色または桃色です。
イカリソウの園芸品種の紹介
- 赤城桜は、群馬県の赤城山麓で発見された事から名前の由来がきています。花全体が柔らかな桃色で桜を連想させるようなロマンチックな花色をしており、花の形は距が横に大きく平開せずに内側にカールするコロンとした可愛らしい外観をしている所が特徴の園芸品種です。
- 光琳は、花全体が鮮やかな赤紫色をしているため、奥ゆかしく艶やかな印象を与えたり、また高級感のある着物の色を連想させる魅力的な園芸品種です。花の形は距が横に大きく平開せずに内側にカールするためコロンとした可愛らしい外観をしています。
- 夕映は、花全体が鮮やかな桃色をしているため、可愛らしい印象をあたえたり、明るくポップな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。花の形は距が横に大きく平開せずに内側にカールするためコロンとした可愛らしい外観をしています。
- 花吹雪は、花の萼部分に桃色の搾りが入るため白色と桃色の二色の花色となり可愛らしい印象を与える園芸品種です。花の形は花弁が4個、水平に広がる距が4個、萼が8個(4個は早落)あり、色は花弁と距は白色、萼は白色に桃色の絞りが入ります。
- 多摩の源平は、可愛らしい印象を与える桃色と、明るく輝くような印象を与える白色の花色が、明るくポップな雰囲気を作ったり、ロマンチックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。花の形は花弁が4個、水平に広がる距が4個、萼が8個(4個は早落)あり、色は花弁と距は白色、萼は鮮やかな桃色をしています。
楽天で購入 | |||
トキワイカリソウの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Epimedium sempervirens
- 草丈:約20~60cm
- 分類:多年草
- 開花時期:
- 花色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●褐色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/ロックガーデン/日陰植物
トキワイカリソウとは!?
トキワイカリソウは学名Epimedium sempervirens、別名では「常盤碇草」とも呼ばれる日本原産の多年草です。日本では、本州の北陸から山陰地方に分布しており、山野の林下などに自生しています。
トキワイカリソウの語源(由来)
- 属名のEpimediumは古代ギリシア語の「ἐπιμήδιον」に由来します。
- 種小名のsempervirensは「常緑」を意味しています。
- トキワイカリソウ(常盤碇草)は、常緑を意味する「トキワ(常盤)」からもわかる通り冬も葉が落ちず残る所から名前の由来がきています。
トキワイカリソウの特徴(魅力)
- トキワイカリソウは、近縁のイカリソウと比べて、花がやや小ぶりになる傾向がありますが、円錐状に花が集まるためボリュームある花姿を作ります。また永遠や不変を意味するトキワ(常盤)の名前が入る所からもわかる通り冬の間も葉が残ります。
- トキワイカリソウは根茎が地面下を横に這い、根茎から数本の直立する茎を出します。
- 茎は先端で三股または二股に分かれて葉柄を出し、葉柄の先に三個のハート形(心形)をした小葉を付けます。
- 開花は4月から5月、花序は総状花序または円錐花序、円錐花序は円錐状に沢山の花をつけるためボリュームある花姿をつくり、また茎の途中から花軸が伸びるため斜上に傾く花姿となります。
- 花は管状の距が四方に伸びる姿から花の形が「船の錨」に例えられており、距の裏側には目立つ花弁状の萼が4個(残り4個は早落性)あり本物の花弁よりも装飾的な外観をしています。
- 葉は二回三出複葉または二股にわかれた後に三出複葉して、左右非対称なハート形をした可愛らしい外観の小葉を9個または6個つけます。
- 葉の色は緑色または赤褐色を帯びており、いくつかの品種では葉に黄色や白色の班が入る事もあるため、明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しまれる事もあります。
- 葉は常緑性、冬の間も基部から出る根生葉が残ります。
- トキワイカリソウは耐陰性が強い事から日陰植物(シェードガーデン)等に利用される事もあり、日陰で咲く華やかな花が重宝されます。
トキワイカリソウの草丈は約20(~60)cm、根茎は横に這いひげ根を出し、草姿は直立、基部から数本立ち上がります。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または茎の先端につく、葉色は緑色または赤褐色を帯びる、葉柄はあり、葉身は2回3出複葉または2出した後に3出複葉、2回3出複葉は小葉が9個または6個、小葉の長さ約5(~12)cm、幅は約3(~6)cm、小葉の形は心形(基部が凹む)、葉のふち部に刺毛状の細かい鋸歯がある。
花序は総状花序または円錐花序、茎の途中から花軸が出て斜上に伸び、穂状または円錐状に沢山の花をつけます。花は直径約3(~4)cm、花弁の数は4個、花弁の色は白色・赤色・桃色があり、距の数は4個(四方に広がる)、距の長さは約1.5(~2)cm、距の形は管状、距の色は白色・赤色・桃色があり、萼の数は8個、内側の4個の萼は花弁状に広がり、外側の4個の萼は小さく早落する、萼の色は白色または赤色か桃色です。
トキワイカリソウの園芸品種の紹介
- バイオレットクイーン(epimedium sempervirens ‘violet queen’)は、高級感のある着物の色を連想させるような上品な紫色の花と、成熟するにつれて赤褐色へと変化していく葉色が魅力的な園芸品種です。
- キャンディハーツ(epimedium sempervirens ‘candy hearts’)は、花の萼部分が桃色をしているため、白色と桃色の可愛らしい印象を与える花色となり、また葉は成熟するにつれてハート形の葉の縁部分が赤褐色になるためカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。
楽天で購入 | ||
キバナイカリソウの特徴や園芸品種
キバナイカリソウとは!?
キバナイカリソウは学名Epimedium koreanum、別名では「黄花錨草」や「チョウセンイカリソウ」とも呼ばれる日本および朝鮮が原産の多年草です。日本では、北海道・本州の日本海側に分布しており、山地の林床や林縁などに自生しています。
キバナイカリソウの語源(由来)
- 属名のEpimediumは古代ギリシア語の「ἐπιμήδιον」に由来します。
- 種小名のkoreanumは「韓国」を意味します。
キバナイカリソウの特徴(魅力)
- キバナイカリソウは、近縁のイカリソウと同様に花が大きく、四方に伸びる管状の距の形から、花の形が「船の錨」に例えられており、黄色または白色の花色をしている所が特徴です。
- キバナイカリソウは根茎が地面下を横に這い、根茎から数本の直立する茎を出します。
- 茎は先端で三つに分かれて葉柄を出し、葉柄の先に三個のハート形(心形)をした小葉を付けます。
- 開花は4月から5月、花序は総状花序、総状花序は花軸に複数の花をつけ、斜上に伸びる花姿をつくります。
- 花の色は黄色、管状の距が四方に伸びる姿から「船の錨」に例えられており、距の裏側には目立つ花弁状の萼が4個(残り4個は早落性)あり本物の花弁よりも装飾的な外観をしています。
- 葉は二回三出複葉、左右非対称なハート形をした可愛らしい外観の小葉を9個つけます。
- 葉は秋になると黄色または赤色(橙色)に紅葉するため、カラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- キバナイカリソウは耐陰性が強い事から日陰植物(シェードガーデン)等に利用される事もあり、日陰で咲く華やかな花が重宝されます。
キバナイカリソウの草丈は約30(~60)cm、根茎は横に這いひげ根を出し、草姿は直立、基部から数本立ち上がります。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または茎の先端につく、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は2回3出複葉、2回3出複葉は小葉が9個、小葉は心形(基部が凹む)または卵形(基部が凹まない)、葉のふち部に刺毛状の細かい鋸歯がある。
花序は総状花序、総状花序は茎の途中から出て斜上に伸び、多数の花をつけます。花の花弁の数は4個、花弁の色は白色または黄色、距の数は4個(四方に広がる)、距の長さは約2(~2.4)cm、距の形は管状、距の色は白色または黄色、萼の数は8個、内側の4個の萼は花弁状に広がり、外側の4個の萼は早落する、萼の色は白色または黄色です。
キバナイカリソウの園芸品種の紹介
イカリソウ(ルブルム)の特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Epimedium × rubrum
- 草丈:約30cm
- 分類:多年草
- 開花時期:4月~5月
- 花色:赤色●桃色●黄色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●茶色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/ロックガーデン/日陰植物
イカリソウ(ルブルム)とは!?
イカリソウ(ルブルム)は学名Epimedium × rubrum、別名では「レッド・バランワート(red barrenwort)」とも呼ばれ、アルピナム種(E. alpinum)とイカリソウ(E. grandiflorum)の交雑種と考えられている落葉性の多年草です。
イカリソウ(ルブルム)の語源(由来)
- 属名のEpimediumは古代ギリシア語の「ἐπιμήδιον」に由来します。
- 種小名のrubrumはラテン語で「赤(色)」を意味しており、実の色に由来しています。
イカリソウ(ルブルム)の特徴(魅力)
- イカリソウ(ルブルム)は、一般的なイカリソウと比べて四方に広がる距が短く扁平な形をしており、赤色をした萼の中央に距があり、距が中班の模様のような外観をしている所が特徴の植物です。
- イカリソウは根茎が地面下を横に這い、根茎から数本の直立する茎を出します。
- 茎は先端で三つに分かれて葉柄を出し、葉柄の先に三個のハート形(心形)をした小葉を付けます。
- 開花は4月から5月、花序は総状花序、総状花序は花軸に複数の花をつけ、斜上に伸びる花姿をつくります。
- 花は直径が約2cmと小ぶり、鮮やかな桃色をした花弁状の萼の中央に、四方に広がる扁平な白色の距があるため、赤色に白色の絞りが入ったかのような、明るくポップな花色になります。
- 葉は二回三出複葉、左右非対称なハート形をした可愛らしい外観の小葉を9個つけます。
- 葉の色は緑色、成熟してくると赤褐色を帯びてきて、秋になると更に赤色へと強く紅葉します。
- 葉は落葉性のため冬になると落ちてしまいます。
- イカリソウ(ルブルム)は耐陰性が強い事から日陰植物(シェードガーデン)等に利用される事もあり、日陰で咲く華やかな花が重宝されます。
イカリソウ(ルブルム)の草丈は約30cm、根茎は横に這いひげ根を出し、草姿は直立、基部から数本立ち上がります。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または茎の先端につく、葉色は緑色または赤褐色を帯びる、葉柄はあり、葉身は2回3出複葉、2回3出複葉は小葉が9個、小葉の形は心形(基部が凹む)、葉のふち部に刺毛状の細かい鋸歯がある。
花序は総状花序、総状花序は茎の途中から出て斜上に伸び、花を複数つけます。花は直径約2cm、花弁の数は4個、花弁の色は白色または黄色があり、距の数は4個(四方に広がる)、距の形は管状、距の色は白色、萼の数は8個、内側の4個の萼は花弁状に広がり、外側の4個の萼は早落する、萼の色は赤色または桃色です。