- 原産:日本/朝鮮
- 科:メギ(Berberidaceae)
- 属:イカリソウ(Epimedium)
- 種:キバナイカリソウ(Epimedium koreanum)
- 別名:黄花錨草/チョウセンイカリソウ
- 開花時期:4月~5月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約30~60cm
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/日陰植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
キバナイカリソウとは!?
キバナイカリソウは学名Epimedium koreanum、別名では「黄花錨草」や「チョウセンイカリソウ」とも呼ばれる日本および朝鮮が原産の多年草です。日本では、北海道・本州の日本海側に分布しており、山地の林床や林縁などに自生しています。
キバナイカリソウの語源(由来)
- 属名のEpimediumは古代ギリシア語の「ἐπιμήδιον」に由来します。
- 種小名のkoreanumは「韓国」を意味します。
キバナイカリソウの特徴(魅力)
- キバナイカリソウは、近縁のイカリソウと同様に花が大きく、四方に伸びる管状の距の形から、花の形が「船の錨」に例えられており、黄色または白色の花色をしている所が特徴です。
- キバナイカリソウは根茎が地面下を横に這い、根茎から数本の直立する茎を出します。
- 茎は先端で三つに分かれて葉柄を出し、葉柄の先に三個のハート形(心形)をした小葉を付けます。
- 開花は4月から5月、花序は総状花序、総状花序は花軸に複数の花をつけ、斜上に伸びる花姿をつくります。
- 花の色は黄色、管状の距が四方に伸びる姿から「船の錨」に例えられており、距の裏側には目立つ花弁状の萼が4個(残り4個は早落性)あり本物の花弁よりも装飾的な外観をしています。
- 葉は二回三出複葉、左右非対称なハート形をした可愛らしい外観の小葉を9個つけます。
- 葉は秋になると黄色または赤色(橙色)に紅葉するため、カラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- キバナイカリソウは耐陰性が強い事から日陰植物(シェードガーデン)等に利用される事もあり、日陰で咲く華やかな花が重宝されます。
キバナイカリソウの草丈は約30(~60)cm、根茎は横に這いひげ根を出し、草姿は直立、基部から数本立ち上がります。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または茎の先端につく、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は2回3出複葉、2回3出複葉は小葉が9個、小葉は心形(基部が凹む)または卵形(基部が凹まない)、葉のふち部に刺毛状の細かい鋸歯がある。
花序は総状花序、総状花序は茎の途中から出て斜上に伸び、多数の花をつけます。花の花弁の数は4個、花弁の色は白色または黄色、距の数は4個(四方に広がる)、距の長さは約2(~2.4)cm、距の形は管状、距の色は白色または黄色、萼の数は8個、内側の4個の萼は花弁状に広がり、外側の4個の萼は早落する、萼の色は白色または黄色です。
キバナイカリソウの園芸品種の紹介
イカリソウの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
キバナイカリソウの育て方
花壇の土づくり
日当り
キバナイカリソウは、自生地が山地の木陰などにあるため半日影や明るい日陰を基本的に好みます。一方で強い日差しなどは苦手にしており、特に夏場の強い日差しなどは生育不良を引き起こしやすくなるため、直射日光が6時間以上当たる日向や西日の当たる環境は避けた方がよいでしょう。
土壌の土質
キバナイカリソウは基本的に水はけの良い土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく、しっかり腐葉土等が入った肥沃な土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
キバナイカリソウは、自生地が山地の木陰などにあるため半日影や明るい日陰を基本的に好みます。一方で強い日差しなどは苦手にしており、特に夏場の強い日差しなどは生育不良を引き起こしやすくなるため、直射日光が6時間以上当たる日向や西日の当たる環境は避けた方がよいでしょう。
培養土
キバナイカリソウは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
キバナイカリソウは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
キバナイカリソウを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
キバナイカリソウは、しっかり堆肥が入る肥沃な土壌で育てている場合は、多くの肥料を必要としません。必要に応じて毎年晩冬から早春に土質を改善する堆肥を入れて、肥料(寒肥)を1回入れましょう。また鉢植えの場合は根が回りやすいため毎年植え替えと必要に応じて株分けも行った方がよいでしょう。
肥料と堆肥の与え方
- 晩冬から早春に与える肥料
- 肥効が長く緩やかに効き土壌改善効果もある有機肥料(配合肥料)または必要な栄養成分がしっかりはいっており非常に肥効が長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分は山型肥料(リン成分が多く入る)または水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(枝先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 緩効性肥料の場合も株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
- 堆肥の与え方(鉢植えは植え替え)
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、5月~7月に植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
剪定のやり方
キバナイカリソウの剪定は基本的に不要です。冬になると地上部が枯れる落葉性のため、必要に応じて枯れた部分を片付けましょう。
夏越しする方法
キバナイカリソウは、夏の暑さに耐えますが強い日差しで葉焼けを引き起こしたり葉が枯れたり、また乾燥によっても同様の症状が出て株が弱る事があります。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
夏越し対策
- 西日の当たる環境は強い日差しで葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしたり枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
キバナイカリソウは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
キバナイカリソウは株分けによって増やす事ができます。
株分け手順
- キバナイカリソウの株分け時期は5月頃から7月頃が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 株から少し土を落として根茎と茎(芽)の位置を確認します。
- 根茎に数個の芽を残すようにしてナイフやハサミ等を使い個々に切り分けましょう。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えます。
播種で増やす
キバナイカリソウの種蒔の方法
播種時期:5月~7月
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
キバナイカリソウの果実(種)は5月から6月頃に熟します。果実は熟したら収穫しますが、熟すと種が落ちてしまいやすいため、果実から種がこぼれないように袋をかけておきます。果実が熟したら種を集めて、そのまま種を撒きましょう。
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
キバナイカリソウの病気
キバナイカリソウの害虫
- アブラムシ