- 原産:ヨーロッパ/西・中央アジア/北アフリカ
- 科:ムラサキ(Boraginaceae)
- 属:シャゼンムラサキ(Echium)
- 種:シャゼンムラサキ(Echium plantagineum)
- 別名:エキウム・プランタギネウム/パープル・バイパーズ・ビューグロス(purple viper’s-bugloss)/パターソンズ・カース(Patterson’s curse)
- 開花時期:3月~7月
- 花の色:桃色●青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:一・二年草
- 草丈:約20~60cm(稀に150cmまで成長する)
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
シャゼンムラサキとは!?
シャゼンムラサキは学名Echium plantagineum、別名では「エキウム・プランタギネウム」や「パターソンズ・カース(Patterson’s curse)」等とも呼ばれるヨーロッパおよび西・中央アジア、北アフリカが原産の一・二年草です。
シャゼンムラサキの語源(由来)
- 属名のEchiumはギリシャ語で「蛇」を意味する「ἔχις(echis) 」からきており、一般的に曲がりくねる茎の形と種の形が蛇の外観に似ている所から来ていると考えられています。
- 種小名のplantagineumはPlantago(オオバコ)に由来しており、葉っぱがオオバコに似ている所からきています。
- 英名のパターソンズ・カース(Patterson’s curse)は、ニューサウスウェールズ州のパターソン家が所有していた事に由来しており、恐らく呪いの部分は雑草のように広がった事からきています。
シャゼンムラサキの特徴(魅力)
- シャゼンムラサキは、花の色が青紫色をしているためミステリアスな雰囲気があり、また茎からの分枝が多めで長く伸びる所が特徴の植物です。
- 草姿はロゼット状、茎は直立しますが分枝が多く長く伸びるため倒れる事もあり、またフサフサとした外観をつくります。
- 茎の色は緑色、茎は太く白色の粗い毛が生えるためザラザラとした質感があり、人によっては触ると炎症を引き起こす可能性があります。
- 葉には粗い毛が生えていて触るとザラザラとしているため、英名では「purple viper’s bugloss」と呼ばれており、buglossはザラザラとする「牛の舌」を意味しています。
- 葉は人によっては触ると炎症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
- 花は長さが約2~3cmの漏斗形、漏斗形は基部から外側へと広がる漏斗のような形状をしており、丸みを帯びる外観が可愛らしい印象を与えます。
- 花は穂状または円錐状に沢山咲くため、ボリュームのある豪華な花姿が楽しめます。
- 花の色は青紫色、深い森や夜の闇の中を想像させる色をしているため、ミステリアスな雰囲気のお庭にピッタリな植物となります。
- 花の雄蕊は5本ありますが、3本は短く、2本は花冠から突き出る程長く伸びます。
- シャゼンムラサキは有毒なピロリジジンアルカロイドが含まれており、人だけでなく家畜にも有毒です。摂取した量によっては肝障害等の病気を引き起こす可能性もあるため食べられません。
シャゼンムラサキの草丈は一般的に20(~60)cmですが、稀に150cmまで成長します。草姿はロゼット状、茎は直立して、分枝が斜上に伸びるため円錐型の外観を作ることがあります。茎の色は緑色、茎には白色の粗い毛が生えています。
葉序は互生葉序または根生葉、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~14)cm、葉身の形は披針形または卵形か楕円形、葉には粗い毛が生えるためザラザラしています。
花序は穂状花序または円錐花序、花冠は長さ約2(~3)cmの漏斗形、漏斗形は5個の花弁が合着する合弁花で、筒部の下部は細く上部は広がり先端が浅く裂けます。花の色は青色または青紫色、雄蕊は5個(2個が著く長い)、雌蕊は1個あります。
果実は堅果(果実の果皮は硬く木化して種子を包んでおり、成熟しても裂開しません)です。一個の花には4個の堅果が実ります。
シャゼンムラサキの園芸品種の紹介
シャゼンムラサキの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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シャゼンムラサキの育て方
花壇の土づくり
日当り
シャゼンムラサキは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
土壌の土質
シャゼンムラサキは、通気性と排水性がとても良く、適度に保水性のある土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
シャゼンムラサキは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
培養土
シャゼンムラサキは通気性の高い培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
シャゼンムラサキは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
シャゼンムラサキを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
シャゼンムラサキは、栄養の乏しい土壌で問題なく育つ事が出来ます。基本的に肥料は必要としませんが、植え付け時に元肥を入れておく事も出来ます。
剪定のやり方
シャゼンムラサキの剪定は花がら摘みのみです。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。花がら摘みの目的は、「病気の予防」「こぼれ種を防ぐ」「エネルギーの損失を抑える」「外観を整える」事にあります。
花がら摘みのやり方
シャゼンムラサキの花がら摘みのやり方は、花穂が色褪せたり外観が崩れたら、花軸の根元からハサミで剪定して摘み取ります。植物に触れると肌が荒れる事もあるため、基本的にハサミを使いましょう。
夏越しする方法
シャゼンムラサキは夏の暑さや日差しに強く基本的に夏越し対策は不要です。ただし、乾燥により株が弱る事もあるため、雨が長く降らない場合は、水やりをしっかり行いましょう。
冬越しする方法
Hardiness:4a~8b
シャゼンムラサキは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
シャゼンムラサキの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:1ヶ月以上
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
シャゼンムラサキの病気
シャゼンムラサキの害虫