シャゼンムラサキは属の中に約66種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、行儀よく真っ直ぐ成長する習慣とコイル状に花軸が巻きながら咲く青色の花が特徴的なシベナガムラサキ、常緑低木で円柱状のボリュームある花姿が魅力的なカンディカンス等が親しまれています。
シャゼンムラサキ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
目次
シベナガムラサキの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/西・中央アジア
- 学名:Echium vulgare
- 草丈:約30~80cm
- 分類:一・二年草
- 開花時期:5月~8月
- 花色:桃色●紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
シベナガムラサキとは!?
シベナガムラサキは学名Echium vulgare、別名では「エキウム・ブルガリ」や「バイパーズ・ビューグロス(viper’s bugloss)」等とも呼ばれるヨーロッパおよび西・中央アジア原産の一・二年草(多年草との記述もある)です。
シベナガムラサキの語源(由来)
- 属名のEchiumはギリシャ語で「蛇」を意味する「ἔχις(echis) 」からきており、一般的に曲がりくねる茎の形と種の形が蛇の外観に似ている所から来ていると考えられています。
- 種小名のvulgareはラテン語で「普通の」「ありふれた」を意味しています。
シベナガムラサキの特徴(魅力)
- シベナガムラサキは、茎が真っ直ぐと伸びて成長する行儀の良い草姿と、花を付ける花軸が曲がりコイル状になる個性的な花姿、落ち着いた雰囲気をつくる青色の花色が特徴の植物です。
- 草姿はロゼット状、茎は殆ど横に倒れることなく垂直に伸びるため、雑多な印象を与えず洗練された雰囲気を作ります。
- 草丈もあるため花壇の中で高さや立体感を出すことが出来ます。
- 茎の色は緑色で赤褐色の斑点が入り、茎は太くザラザラとした質感があり、人によっては触ると炎症を引き起こす可能性があります。
- 葉には粗い毛が生えていて触るとザラザラとしているため、英名では「viper’s bugloss」と呼ばれており、buglossはザラザラとする「牛の舌」を意味しています。
- 葉は人によっては触ると炎症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
- 花は長さが約2cmの漏斗形で茎から横に伸びる花軸に幾つかの青色の花を咲かせます。
- 花軸は成熟してくると内側に巻きコイル状になるため、蛇の頭を思わせるような外観をしており、英名では「viper’s bugloss」と呼ばれています。
- 花の色は青色ですが、雄蕊は赤色をしています。青色と赤色は色相環でも反対側にあるため、非常に強いコントラストを生み出し目立つ花色となります。
- 花の雄蕊は5本ありますが、1本は短く、4本は花冠から突き出る程長く伸びます。
- シベナガムラサキの根はかつてヘビの咬傷に対する薬草として利用されていた事があるようです。
- シベナガムラサキは有毒なピロリジジンアルカロイドが含まれており、人だけでなく家畜にも有毒です。摂取した量によっては肝障害等の病気を引き起こす可能性もあるため食べられません。
シベナガムラサキの草丈は30(~80)cm、草姿はロゼット状、茎は直立して基本的に分枝しません。茎の色は緑色または赤褐色の斑点が入り、茎には白色の粗い毛が生えています。
葉序は互生葉序または根生葉、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~15)cm、幅は約1(~5)cm、葉身の形は披針形または倒披針形、葉には粗い毛が生えるためザラザラしている。
花序は穂状花序または円錐花序、穂状花序の花軸は成熟してくると内巻きになりコイル状になります。花冠は長さ約2cmの漏斗形、漏斗形は5個の花弁が合着する合弁花で、筒部の下部は細く上部は広がり先端が浅く裂けます。花の色は青色、雄蕊は5個(4個が著く長い)、雌蕊は1個あります。
果実は堅果(果実の果皮は硬く木化して種子を包んでおり、成熟しても裂開しません)です。一個の花には4個の堅果が実ります。
シベナガムラサキの園芸品種の紹介
- ホワイト・ベッダー(Echium vulgare ‘White Bedder’)は、お庭全体が明るくなるような真っ白な花の色が魅力的な園芸品種です。花序は穂状花序、穂状花序は花軸が内側に曲がりコイル状になり、花の色は白色です。
- ブルー・ベッダー(Echium vulgare ‘blue bedder’)は、一般的なシベナガムラサキよりも行儀よく成長する習慣があるため育てやすい所が特徴の園芸品種です。青色の花色は鎮静効果があり、昂る気持ちを抑え、精神を安定させる働きがあります。そのため、心や体を回復させるヒーリングガーデンにおすすめの色です。
- ピンクベッダー(Echium vulgare ‘pink bedder’)は、ロマンチックな雰囲気をつくるような可愛らしい桃色の花を咲かせる園芸品種です。花序は穂状花序、穂状花序は花軸が内側に曲がりコイル状になり、花の色は桃色です。
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シャゼンムラサキの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/西・中央アジア/北アフリカ
- 学名:Echium plantagineum
- 草丈:約20~60cm(稀に150cmまで成長する)
- 分類:一・二年草
- 開花時期:3月~7月
- 花色:桃色●紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
シャゼンムラサキとは!?
シャゼンムラサキは学名Echium plantagineum、別名では「エキウム・プランタギネウム」や「パターソンズ・カース(Patterson’s curse)」等とも呼ばれるヨーロッパおよび西・中央アジア、北アフリカが原産の一・二年草です。
シャゼンムラサキの語源(由来)
- 属名のEchiumはギリシャ語で「蛇」を意味する「ἔχις(echis) 」からきており、一般的に曲がりくねる茎の形と種の形が蛇の外観に似ている所から来ていると考えられています。
- 種小名のplantagineumはPlantago(オオバコ)に由来しており、葉っぱがオオバコに似ている所からきています。
- 英名のパターソンズ・カース(Patterson’s curse)は、ニューサウスウェールズ州のパターソン家が所有していた事に由来しており、恐らく呪いの部分は雑草のように広がった事からきています。
シャゼンムラサキの特徴(魅力)
- シャゼンムラサキは、花の色が青紫色をしているためミステリアスな雰囲気があり、また茎からの分枝が多めで長く伸びる所が特徴の植物です。
- 草姿はロゼット状、茎は直立しますが分枝が多く長く伸びるため倒れる事もあり、またフサフサとした外観をつくります。
- 茎の色は緑色、茎は太く白色の粗い毛が生えるためザラザラとした質感があり、人によっては触ると炎症を引き起こす可能性があります。
- 葉には粗い毛が生えていて触るとザラザラとしているため、英名では「purple viper’s bugloss」と呼ばれており、buglossはザラザラとする「牛の舌」を意味しています。
- 葉は人によっては触ると炎症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
- 花は長さが約2~3cmの漏斗形、漏斗形は基部から外側へと広がる漏斗のような形状をしており、丸みを帯びる外観が可愛らしい印象を与えます。
- 花は穂状または円錐状に沢山咲くため、ボリュームのある豪華な花姿が楽しめます。
- 花の色は青紫色、深い森や夜の闇の中を想像させる色をしているため、ミステリアスな雰囲気のお庭にピッタリな植物となります。
- 花の雄蕊は5本ありますが、3本は短く、2本は花冠から突き出る程長く伸びます。
- シャゼンムラサキは有毒なピロリジジンアルカロイドが含まれており、人だけでなく家畜にも有毒です。摂取した量によっては肝障害等の病気を引き起こす可能性もあるため食べられません。
シャゼンムラサキの草丈は一般的に20(~60)cmですが、稀に150cmまで成長します。草姿はロゼット状、茎は直立して、分枝が斜上に伸びるため円錐型の外観を作ることがあります。茎の色は緑色、茎には白色の粗い毛が生えています。
葉序は互生葉序または根生葉、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~14)cm、葉身の形は披針形または卵形か楕円形、葉には粗い毛が生えるためザラザラしています。
花序は穂状花序または円錐花序、花冠は長さ約2(~3)cmの漏斗形、漏斗形は5個の花弁が合着する合弁花で、筒部の下部は細く上部は広がり先端が浅く裂けます。花の色は青色または青紫色、雄蕊は5個(2個が著く長い)、雌蕊は1個あります。
果実は堅果(果実の果皮は硬く木化して種子を包んでおり、成熟しても裂開しません)です。一個の花には4個の堅果が実ります。
エキウム・カンディカンスの特徴や園芸品種
- 原産:ポルトガル(マデイラ島)
- 学名:Echium candicans
- 草丈:約150~250cm
- 分類:常緑低木
- 開花時期:5月~6月
- 花色:桃色●紫色●青色●
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:弱い
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
エキウム・カンディカンスとは!?
エキウム・カンディカンスは学名Echium candicans、別名では「プライドオブマデイラ(pride of Madeira)」等とも呼ばれるポルトガル(マデイラ島)が原産の常緑低木です。
エキウム・カンディカンスの語源(由来)
- 属名のEchiumはギリシャ語で「蛇」を意味する「ἔχις(echis) 」からきており、一般的に曲がりくねる茎の形と種の形が蛇の外観に似ている所から来ていると考えられています。
- 種小名のcandicansはラテン語で「輝くような白色」を意味しています。
エキウム・カンディカンスの特徴(魅力)
- エキウム・カンディカンスは、濃い青色の花弁と鮮やかな紫色の雄蕊が作り出すミステリアスな花色と、花が円柱状に密に集まり咲くボリュームのよい花姿が魅力の植物です。
- 樹形はドーム状、茎の枝分かれがよく、横へと広がる傾向が強いため、優雅な外観を作ります。
- 花は非常に多花性、円柱状に沢山の青色の花が密に咲くため非常にボリュームのある花姿を作ります。
- 花序は穂状円錐花序、穂状花序が円柱状に並んで咲くため、ブラシや塔を思わせるような外観の花姿を作ります。そのため、広い庭園でも一際目立ち、フォーカルポイントとして働かせることが可能です。
- 穂状花序の花軸は時間を経て成熟してくると内側に巻いてカールします。そのため、蛇の頭を思わせるような個性的な外観となります。
- 花の色は青色、突出する雄蕊は紫色をしているため、青色と紫色の二色の花色となり、青色と紫色は深い闇やネオンサイン等を想像させるためミステリアスな雰囲気等をつくります。
- エキウム・カンディカンスは温暖な地域では屋外で育てる事も可能ですが、寒さに弱いため霜の降りる地域では冬越し対策が必要になります。
エキウム・カンディカンスの樹高は150(~250)cm、幅は約200(~300)cm、樹形はドーム状、茎はよく枝分かれして横へと広がり、途中で立ち上がる傾向があります。茎の色は緑色、成熟すると木質化して灰褐色に変化します。
葉序は根生葉(1年目)または互生葉序、葉色は緑色、葉身の形は狭楕円形または披針形(~倒披針形)、葉には白色の毛が生えるため白緑色の外観をしている事もあります。
花序は穂状円錐花序、穂状円錐花序は長さ約50cm、穂状花序が円柱状に密に付き、穂状花序の花軸は内側に巻きカールします。花冠は漏斗形、漏斗形は5個の花弁が合着する合弁花で、筒部の下部は細く上部は広がり先端が浅く裂けます。花の色は青色、雄蕊は5個、雌蕊は1個あります。
果実は堅果(果実の果皮は硬く木化して種子を包んでおり、成熟しても裂開しません)です。一個の花には4個の堅果が実ります。
エキウム・カンディカンスの園芸品種の紹介
エキウム・ウィルドプレッティの特徴や園芸品種
- 原産:スペイン(カナリア諸島)
- 学名:Echium wildpretii
- 草丈:約100~300cm
- 分類:一・二年草
- 開花時期:5月~6月
- 花色:赤色●桃色●
- 葉色:緑色●
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
エキウム・ウィルドプレッティとは!?
エキウム・ウィルドプレッティは学名Echium wildpretii、別名では「宝石の塔(tower of jewels)」や「レッド・ビューグロス(red bugloss)」等とも呼ばれるスペイン(カナリア諸島)が原産の一・二年草です。
エキウム・ウィルドプレッティの語源(由来)
- 属名のEchiumはギリシャ語で「蛇」を意味する「ἔχις(echis) 」からきており、一般的に曲がりくねる茎の形と種の形が蛇の外観に似ている所から来ていると考えられています。
- 種小名のwildpretiiは、19世紀のスイスの植物学者であるHermann Josef Wildpretへの献名です。
エキウム・ウィルドプレッティの特徴(魅力)
- エキウム・ウィルドプレッティは、シルクを思わせるような美しい葉の色と、ロケットや塔を想像させる様な高さ300cmに達する巨大な花姿、色鮮やかな赤色(赤褐色)の花が魅力的な植物です。
- 草姿はロゼット状、一年目は葉が地面から放射状に広がり丸みを帯びる外観を作り、二年目の春から茎を一気に伸ばし成長します。
- 葉に白色の細かい毛が生えているためシルクを思わせる様な上品な白緑色の葉色をしています。そのため、シルバーリーフとして楽しむ事も可能です。
- 花は非常に多花性、円錐状に沢山の花が密に咲くため非常にボリュームのある花姿を作ります。
- 花序は穂状円錐花序、穂状花序が円錐状に並んで咲くため、円錐のロケットまたは塔のような外観の花姿を作ります。そのため、広い庭園でも一際目立ち、フォーカルポイントとして働かせることが可能です。
- エキウム・ウィルドプレッティは寒さに弱いため、霜の降りる地域では冬越し対策が必要になります。
エキウム・ウィルドプレッティの草丈は100(~300)cm、草姿はロゼット状、茎は直立して基本的に分枝しません。
葉序は互生葉序または根生葉、葉色は緑色、葉身の長さ約30(~60)cm、葉身の形は線形または狭披針形、葉には白色の細かい毛が生えるため白緑色の外観をしています。
花序は穂状円錐花序、穂状円錐花序は穂状花序が円錐状に密に付き、穂状花序の花軸は成熟してくるとやや湾曲します。花冠は漏斗形、漏斗形は5個の花弁が合着する合弁花で、筒部の下部は細く上部は広がり先端が浅く裂けます。花の色は赤色、雄蕊は5個、雌蕊は1個あります。
果実は堅果(果実の果皮は硬く木化して種子を包んでおり、成熟しても裂開しません)です。一個の花には4個の堅果が実ります。
エキウム・ウィルドプレッティの園芸品種の紹介
エキウム・ウェビーの特徴や園芸品種
- 原産:スペイン(カナリア諸島)
- 学名:Echium webbii
- 草丈:約100~150cm
- 分類:常緑低木
- 開花時期:5月~6月
- 花色:青色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:弱い
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
エキウム・ウェビーとは!?
エキウム・ウェビーは学名Echium webbii、別名では「ウェッブ・バイパーズ・ビューグロス(Webb viper’s bugloss)」等とも呼ばれるスペイン(カナリア諸島)が原産の常緑低木です。
エキウム・ウェビーの語源(由来)
- 属名のEchiumはギリシャ語で「蛇」を意味する「ἔχις(echis) 」からきており、一般的に曲がりくねる茎の形と種の形が蛇の外観に似ている所から来ていると考えられています。
- 種小名のwebbiiは英国の植物学者であるPhilip Barker Webb(1793-1854)への献名です。
エキウム・ウェビーの特徴(魅力)
- エキウム・ウェビーは、優雅に広がるドーム状の樹形と、上向きに咲く円柱形のボリュームのよい青色の花姿が魅力的な植物です。
- 樹形はドーム状、茎の枝分かれがよく、横へと広がる傾向が強いため、優雅な外観を作ります。
- 花は非常に多花性、円錐状に沢山の青色の花が密に咲くため非常にボリュームのある花姿を作ります。
- 花序は穂状円錐花序、穂状花序が円柱状に並んで咲くため、ブラシや塔を思わせるような外観の花姿を作ります。そのため、広い庭園でも一際目立ち、フォーカルポイントとして働かせることが可能です。
- エキウム・ウェビーは温暖な地域では屋外で育てる事も可能ですが、寒さに弱いため霜の降りる地域では冬越し対策が必要になります。
エキウム・ウェビーの樹高は100(~150)cm、樹形はドーム状、茎はよく枝分かれして横へと広がる傾向があります。茎の色は緑色、成熟すると木質化して灰褐色に変化します。葉序は互生葉序、葉色は緑色または白緑色、葉身の形は狭楕円形または狭披針形です。
花序は穂状円錐花序、穂状円錐花序は穂状花序が円柱状に密に付きます。花冠は漏斗形、漏斗形は5個の花弁が合着する合弁花で、筒部の下部は細く上部は広がり先端が浅く裂けます。花の色は青色、雄蕊は5個、雌蕊は1個あります。
果実は堅果(果実の果皮は硬く木化して種子を包んでおり、成熟しても裂開しません)です。一個の花には4個の堅果が実ります。