- 原産:東南アジア/中国
- 科:ミソハギ(Lythraceae)
- 属:サルスベリ/ラガーストロエミア(Lagerstroemia)
- 種:サルスベリ/インディカ(Lagerstroemia indica)
- 別名:百日紅(ヒャクジツコウ)/紫薇/クレープ マートル(crepe myrtle)/クレープフラワー(crepeflower)/インディアン・クレープマートル(Indian crape myrtle)
- 品種:ブラッシュ
- 開花時期:6月~10月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:紫色●黒色●
- 香り:
- 分類:落葉小高木
- 被覆方法:
- 草丈:約200~300cm
- 誕生花:8月29日
- 花言葉:雄弁/愛嬌/不用意/世話好き
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ
- 庭のスタイル:ロマンチックガーデン/かわいいお庭
- 購入方法:ブラッシュを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サルスベリ(ブラッシュ)とは!?
サルスベリ(ブラッシュ)は、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、明るさや潔癖さを演出する白花が魅力的な園芸品種です。黒色と白色の組み合わせは、最も高いコントラストを生み出し、高級品の配色や、モダンな雰囲気を演出するカラーとして利用されます。そのため、シックな印象を与えるモダンガーデンや、洗練された雰囲気のあるエレガントガーデンなどにおすすめの品種です。
サルスベリとは!?
サルスベリは学名Lagerstroemia indica、別名では「百日紅」や「クレープ マートル(crepe myrtle)」等とも呼ばれる落葉小高木です。原産地は東南アジアおよび中国にあり、日本でも古くから栽培されています。
サルスベリの語源(由来)
- 属名のLagerstroemiaはスウェーデンの植物学者マグナス・フォン・ラガーストローム(Magnus von Lagerstroem)への献名です。
- 種小名のindicaは「インドの」を意味しています。
- サルスベリの由来は、木登りが得意な猿でさえも滑り落ちる、木の樹皮の滑らかさから来ています。
- 英名のcrepe myrtleは、花弁が「縮れ(crepe)」ていて、花の形がギンバイカ(myrtle)に似ている所からきています。
- 百日紅(ヒャクジツコウ)の由来は百日続く開花期間の長さからきています。
サルスベリの特徴(魅力)
- サルスベリは、樹皮が剥がれた場所はとても滑らかでスベスベとしていて幹にまだら模様が出来る所と、花が円錐状に密に集まり咲くボリューミーな花姿、花弁が縮れているためふんわりとした花姿をつくる所などが特徴です。
- そのため、園芸では華やかな花を鑑賞する目的で育てられたり、美しい色合いの幹を鑑賞する目的で育てられたりします。また一度定着すると水やりや肥料などの世話を殆ど必要とせず維持管理が楽なため、公園や街路樹として利用される事も多い植物です。
- サルスベリは樹皮は非常に薄く2mmほどで、幹の成長とともに毎年剥がれ落ちます。表面の樹皮が剥がれ落ちると、中には滑らかな幹があり触るとスベスベとした質感をもちます。
- 幹(樹皮)の色は淡褐色・灰褐色・白色・桃色などがあります。樹皮が剥がれ落ちたり、樹皮の成熟度で様々な色がまだら模様に混在するため、幹に美しい模様が表れることも多いです。特に冬になると葉が落葉するため、白っぽく美しい幹と枝を鑑賞する事ができます。
- 開花は初夏から秋にかけて、一個一個の花は一日花のため朝に咲くと夕方には萎みますが、次々と花を咲かせます。開花期間は百日にものぼることから、別名では百日紅とも呼ばれています。
- 花序は円錐花序、円錐花序は総状花序が円錐状に集まり、花を密に咲かせるため非常にボリューミーな花姿をしています。
- 花は花弁が6個あり、花弁は縮れてくちゃくちゃとした外観をしています。そのため、花が集まるとフリルドレスのようなふんわりとした見た目をつくり、柔らかでロマンチックな雰囲気を演出する事ができます。
- サルスベリは縁起が悪いため植えてはイケナイと言われることがあります。個人的には家の庭にもサルスベリがありますが、不吉な出来事などはありません。また下記の少し眉唾な理由を知ってる人も殆どいないため、気にする必要はないと思います。
- 理由①サルスベリは、樹皮が剥がれ落ちると、滑らかな幹の肌が表れることから、昔の人は人の生気を吸い取って成長していると考えていた人がいるようです。そのため、人によってはサルスベリを植えることを嫌う人がいます。
- 理由②サルスベリは、名前に「滑る」が入ることから「受験に滑る」などと縁起が悪いと考えられています。そのため、縁起を気にする人はサルスベリを植えることを避ける場合があります。
- 理由③サルスベリは幹が滑らかなため子供が木登りをすると滑って落ちる危険があります。そのため、子供のいる家庭ではサルスベリを植えることを避けることもあるようです。
- 理由④サルスベリは墓地やお寺などによく植えられています。墓地は「死」などの不吉なイメージを持たせるため、自宅の庭に植えるのを避ける人もいるようです。
- 理由⑤サルスベリを植えると「隣人とトラブルになった」「家人が病気になった」などの凶事に見舞われた伝聞がよくあります。また逆にサルスベリを切ったら運気が好転したなどの伝聞もあります。そのため、運気を気にする人にとってはこの話を聞くと植えることを躊躇う人もいるようです。
- サルスベリは一度定着すると乾燥に強くなり、栄養の乏しい土壌でもしっかり育ちます。また大きく成長することを除けば剪定しなくても優雅に広がる美しい樹形となるため、殆ど手をかけずに育てる事ができます。そのため、維持管理が楽で育てやすい植物です。
サルスベリの樹高は約100(~700)cm、樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)または株立ち状(根元から茎がわかれ複数の茎が立ち上がる樹形)になり、枝は湾曲しながら広がるため樹冠は扇のような形になる傾向にあります。樹皮の色は淡褐色または灰褐色か白色、稀に桃色、樹皮は剥がれやすいため所々剥がれ落ちてまだら模様になります。
葉序は通常は互生葉序、稀に対生葉序になる、葉色は緑色、葉身の長さ約2.5(~7)cm、葉身の幅は約1.5(~4)cm、葉身の形は楕円形または卵形か倒卵形です。
花序は円錐花序、円錐花序の長さ約5(~20)cm、円錐花序は総状花序が円錐状にならび、総状花序は節ごとに花がつきます。花の形は6個の花弁が平開して、花弁は縮れて強く皺がより、花弁の色は赤色・桃色・紫色・白色です。雄蕊は36(~42)個、雄蕊の葯は黄色です。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)で、蒴果の大きさは約1(~1.5)cm、形は楕円形です。
サルスベリの園芸品種の紹介
育て方・楽天で購入 ブラックパール・レッドは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、華やかさと上品さを演出する赤花が魅力的な園芸品種です。そのため、ラグジュアリーで上品な雰囲気をつくるお庭や、魔王の城を思わせるようなミステリアスなお庭、チャーミングで魅惑的な雰囲気を演出するお庭などにピッタリな品種です。 | 育て方・楽天で購入 ブラックパール・ホワイトは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、明るさと清潔感を演出する白花が魅力的な園芸品種です。黒色と白色は最も高いコントラストを生み出し、高級品の配色や、モダンな雰囲気を演出するカラーとして利用されます。そのため、シックな印象を与えるモダンガーデンや、洗練された雰囲気のあるエレガントガーデンなどにおすすめの品種です。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 ブラックパール・シェルピンクは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、女性的で可愛らしさを演出する桃花が魅力的な園芸品種です。桃色と黒色は、桃色の子供っぽさや女性らしさ、黒色の落ち着きと大人っぽさを演出する事が出来ます。そのため、悪戯っぽく小悪魔的な雰囲気を感じさせるコケティッシュガーデンや、可愛いをテーマにするお庭などによくあいます。 | e-フラワー 育て方・楽天で購入 ブラックパール・ライトピンクは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、女性的で可愛らしさを演出するほんのり桃色に染まる花が魅力的な園芸品種です。薄い桃色と黒色は、桃色の子供っぽさや女性らしさ、黒色の落ち着きと大人っぽさを演出する事が出来ます。そのため、悪戯っぽく小悪魔的な雰囲気を感じさせるコケティッシュガーデンや、可愛いをテーマにするお庭などによくあいます。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 クリムゾンレッドは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、華やかで上品な印象を与える濃い赤花が魅力的な園芸品種です。黒色と赤色の組み合わせは、高級品の配色などに使われたり、また深い闇や血の色などを想像させるため魔王城などの配色に使われたりします。そのため、ラグジュアリーで上品な雰囲気をつくるお庭や、魔王の城を思わせるようなミステリアスなお庭、チャーミングで魅惑的な雰囲気を演出するお庭などにピッタリな品種です。 | 千草園芸 育て方・楽天で購入 ブラッシュは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、明るさや潔癖さを演出する白花が魅力的な園芸品種です。黒色と白色の組み合わせは、最も高いコントラストを生み出し、高級品の配色や、モダンな雰囲気を演出するカラーとして利用されます。そのため、シックな印象を与えるモダンガーデンや、洗練された雰囲気のあるエレガントガーデンなどにおすすめの品種です。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 ラベンダーレースは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、ラベンダー色の 花が魅力的な園芸品種です。黒色と紫色(桃色)の組み合わせは、落ち着きと上品さを演出することが出来ます。 | 千草園芸 育て方・楽天で購入 レッドホットは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、鮮やかな赤色の花が魅力的な園芸品種です。黒色と赤色の組み合わせは、ミステリアスな印象を与えたりチャーミングな印象を与えたりします。そのため、魔王のお城を思わせるような怪しい雰囲気のお庭や、ゴシック調の部屋や服を思わせるようなお洒落な雰囲気のお庭、チャーミングで小悪魔的な雰囲気のあるお庭などによくあうでしょう。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 ミスティックマゼンタは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、華やかで気品を感じさせる赤紫色の花が魅力的な園芸品種です。黒色と赤紫色は、シックで優雅な雰囲気を演出したり、深い闇と神秘性を演出したりする事が出来ます。そのため、大人っぽく優雅なエレガントガーデンや、魔女の庭や魔法の世界を想像させるようなテーマガーデンによく合う品種です。 | 育て方・楽天で購入 ピュアリーパープルは、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する黒葉と、上品さを演出する紫花が魅力的な園芸品種です。黒色と紫色は、深い闇や魔法の力などを想像させるため魔法の世界を演出するテーマガーデンや、大人っぽく優雅な雰囲気を演出するためエレガントガーデンなどによくあいます。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 ウィズ ラブ チェリーは、一般的なサルスベリと比べて高さが60cm程度にしかならない矮性品種です。そのため、管理がとてもしやすく花壇や植込みの境界線に並べて植えたり、鉢植えで育てやすくなっています。花の色は鮮やかな赤ピンク色、鮮やかなピンク色は可愛らしい印象やポップな雰囲気をつくる事から、ロマンチックな雰囲気のお庭や、カラフルで明るいお庭などによく合うでしょう。 | 千草園芸 育て方・楽天で購入 ウィズ ラブ ヴァージンは、一般的なサルスベリと比べて高さが60cm程度にしかならない矮性品種です。そのため、管理がとてもしやすく花壇や植込みの境界線に並べて植えたり、鉢植えで育てやすくなっています。花の色は白色、白色は穢れのなさや明るさを演出することができるため、ウェディングガーデンやエレガントガーデンなどにピッタリな品種です。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 ウィズ ラブ キスは、一般的なサルスベリと比べて高さが60cm程度にしかならない矮性品種です。そのため、管理がとてもしやすく花壇や植込みの境界線に並べて植えたり、鉢植えで育てやすくなっています。花の色は鮮やかな桃色、鮮やかな桃色は可愛らしい印象やポップな雰囲気をつくる事から、ロマンチックな雰囲気のお庭や、カラフルで明るいお庭などによく合うでしょう。 | 千草園芸 育て方・楽天で購入 ウィズ ラブ エターナルは、一般的なサルスベリと比べて高さが60cm程度にしかならない矮性品種です。そのため、管理がとてもしやすく花壇や植込みの境界線に並べて植えたり、鉢植えで育てやすくなっています。花の色は明度の高い紫色または桃色をしています。そのため、上品さや可愛らしさを演出することが出来ます。 |
育て方・楽天で購入 ウィズ ラブ ベーブは、一般的なサルスベリと比べて高さが60cm程度にしかならない矮性品種です。そのため、管理がとてもしやすく花壇や植込みの境界線に並べて植えたり、鉢植えで育てやすくなっています。花の色は薄い桃色、薄い桃色は「可愛らしさ」「柔らかさ」「女性らしさ」を演出する事が出来ます。そのため、可愛いをテーマにしたお庭や、愛や恋心をくすぐるようなロマンチックガーデンなどにピッタリな品種になります。 | 育て方・楽天で購入 ウィズ ラブ ガールは、一般的なサルスベリと比べて高さが60cm程度にしかならない矮性品種です。そのため、管理がとてもしやすく花壇や植込みの境界線に並べて植えたり、鉢植えで育てやすくなっています。花の色は鮮やかな桃色、桃色は華やかな印象や可愛らしい印象を与えるため、明るくてポップな印象を与えるカラフル(様々な色を組み合わせる)なお庭や、愛情を感じさせるようなロマンチックなお庭などによく合います。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 ペチート・プラムは、樹高が150cm程度にしかならず、直立または斜上に行儀よく成長する習慣があるペチート・シリーズの中の一品種です。ペチート・プラムは花の色が紫色をしています。紫色は古くから貴族や王族などが権威性を示す目的で使用していた色です、そのため高貴でエレガントな雰囲気を作りたい時や、格式高い雰囲気を作りたい時におすすめの品種になります。 | 千草園芸 育て方・楽天で購入 ペチート・ピンキーは、樹高が150cm程度にしかならず、直立または斜上に行儀よく成長する習慣があるペチート・シリーズの中の一品種です。ペチート・ピンキーは花の色が桃色をしています。桃色は「可愛らしさ」「柔らかさ」「女性らしさ」を演出する事が出来ます。そのため、可愛いをテーマにしたお庭や、愛や恋心をくすぐるようなロマンチックガーデンなどにピッタリな品種になります。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 ペチート・スノーは、樹高が150cm程度にしかならず、直立または斜上に行儀よく成長する習慣があるペチート・シリーズの中の一品種です。ペチート・スノーは花の色が白色をしています。白色は古くから神事や神様の色として使用してきました、そのため神聖な雰囲気や清浄な印象を与える事があります。従って、ギリシャ神話を想像させるギリシャ庭園や、上品で清潔感のあるエレガントガーデン等によくあいます。 | 千草園芸 育て方・楽天で購入 ペチート・レッドインプは、樹高が150cm程度にしかならず、直立または斜上に行儀よく成長する習慣があるペチート・シリーズの中の一品種です。ペチート・レッドインプは花の色が赤色をしています。赤色は華やかな印象や情熱的で愛情深い印象を与えるため、人の心を惹き付けるようなチャーミングなお庭や、明るくカラフルなお庭などによく合うでしょう。 |
育て方・楽天で購入 タスカローラは学名Lagerstroemia ‘tuscarora’、サルスベリとヤクシマサルスベリの交雑品種です。非常に色鮮やかなホットピンクの花色と、灰色から灰色を帯びるピンクの樹皮が魅力の品種になります。 | 育て方・楽天で購入 ダイナマイトは、驚くほどに真っ赤な花色と、長さ35cmに達する事もある非常にボリューミーな花房が特徴の園芸品種です。赤色は、華やかな印象や情熱的で愛情深い印象を与えるため、人の心を惹き付けるようなチャーミングなお庭や、明るくカラフルなお庭などによく合うでしょう。 |
千草園芸 育て方・楽天で購入 ペパーミントレースは、花弁の縁部分に白色の覆輪が入るため、桃色と白色の二色の花色をしています。桃色と白色は、大人っぽく上品な雰囲気と、子供っぽく可愛らしい雰囲気が同居します。そのため、フェミニンな雰囲気のあるエレガントガーデンや、上品な雰囲気のあるロマンチックガーデンなどにおすすめする品種です。 | 千草園芸 育て方・楽天で購入 ポコモックは、樹高が50~100cm程度にしかならず、ドーム状に盛り上がり成長する習慣がある矮性品種です。ドーム状に成長する習慣があることから、落葉性ですが植込みの生垣として利用されることがあります。花の色は鮮やかな桃色、桃色は可愛らしい印象やポップな雰囲気をつくる事から、ロマンチックな雰囲気のお庭や、カラフルで明るいお庭などによく合うでしょう。 |
サルスベリの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
サルスベリ(ブラッシュ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
サルスベリ(ブラッシュ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また夏の暑さが厳しい地域では葉焼け対策として半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事が可能です。ただし日当たりが悪いと花の数が少なくなります。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
サルスベリは、水捌けがよい土壌であれば土質は殆ど選びません。乾燥に比較的に強く栄養の乏しい土壌でも生き残ります。
基本的には通気性・排水性・保水性のバランスが良く、適度に肥沃な土壌で育てると良いでしょう。
注意することは水捌けの悪い場所で育てたり、粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になったり、枯れたりすることがあります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性を良くしたり、通気性と保水性のバランスを改善したり、腐葉土等の有機物を入れて適度に肥沃な土壌にした方が良いでしょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け時の注意点
サルスベリはしっかり根を張り健康な成長するために、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。スコップを使い土壌を深さ約30~50cmまで穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
植付け方法は標準植えで行います。
楽天で人気の高いおすすめの堆肥
鉢土づくり
日当り
サルスベリ(ブラッシュ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また夏の暑さが厳しい地域では葉焼け対策として半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事が可能です。ただし日当たりが悪いと花の数が少なくなります。
培養土
サルスベリは、一般的な培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+ボラ土(細粒)+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
サルスベリ(ブラッシュ)は根を深く張るため、一度根付けば乾燥に強くなります。そのため、成熟した株では水やりは基本的に不要になります。
ただし、一年目の株や鉢植えで育てている株は、乾燥が早いため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土壌の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
サルスベリ(ブラッシュ)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。肥料を与えすぎると花を犠牲にして葉が茂る原因となります。
肥料は、土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合、必要に応じて堆肥と肥料が必要になります。
肥料と堆肥の与え方
- 堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 植物が休眠中の冬から晩冬に行います。
- 肥料の選び方
- 有機肥料または緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(枝先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
剪定のやり方
サルスベリ(ブラッシュ)は、自然樹形のまま扇状に優雅に広がる傾向にあります。そのため枯れ枝を落とすなどの最低限の剪定で育てる事もできます。
しかし、サルスベリは剪定を行わないと非常に大きくなるため、木の大きさを制御する目的だったり、形を制御する目的だったり、生産性の高い茎の成長を促して花の数を増やす目的で剪定される事が多いです。
サルスベリの剪定方法は二種類あります。ある程度、自然風の樹形で大きさを制御したい場合は「一般的な剪定」を選んで下さい。決められた空間でサルスベリを楽しみたい場合などは「こぶ仕立て剪定」も選択肢に入ります。好みに合わせて剪定方法を選ぶと良いでしょう。
サルスベリの一般的な剪定
サルスベリの一般的な剪定は冬と夏、または冬にのみ行います。時間・労力・費用と相談して行うと良いでしょう。
冬の剪定
サルスベリは冬(12月~2月)の剪定は、木の大きさや形を制御する目的、春からの新しい成長を促す目的などで行われます。
剪定をせずに育てる事も出来ますが、上記を改善したい場合は剪定すると良いかもしれません。
- 剪定の時期
- 剪定する時期は、サルスベリが成長を始める前の、12月から2月の休眠期です。
- この時期に剪定をする事で、株にストレスを与えることなく剪定する事ができます。また古い枝が落とされる事で、新芽が刺激されて生産性の高い若い成長が促されます。
- 剪定のやり方
- 枯れた茎または病気の茎を根元から剪定するか、健康な茎の部分まで切り戻し剪定します。
- 株全体を観察して樹形を乱している不要枝を枝の途中から切り戻し剪定、または根元から間引き剪定します。
- 不要枝の種類
- 徒長枝は、他の枝と比較して著しく真っ直ぐに長く伸びる茎です。他の枝と長さを合わせるように枝の途中から切り戻し剪定します。
- 逆さ枝は他の枝とは逆(内側)に向かって成長する枝です。根元から間引き剪定しましょう。
- 絡み枝は枝が不自然に伸びて正常に伸びた枝と絡む、もしくは交差する枝です。枝の根元から間引き剪定しましょう。
- ふところ枝は、樹冠付近にある小さく弱い枝で、光を遮り風通しを悪くするため不要枝です。根元から間引き剪定して取り除きます。
- この他にも不要枝があります。詳しくは不要枝の種類のリンクからご覧ください。
夏の剪定
サルスベリは夏(8月頃)に剪定を行う事で、二番花の開花を促したり、樹形を整える事ができます。
花後に剪定をせずに育てる事も出来ますが、樹形が暴れて外観が悪くなっていたりする場合は、必要に応じて剪定して見た目の改善をはかってみるのも良いでしょう。また花がら摘みだけを行い二番花を楽しむ剪定を行うのもよいかもしれません。
- 花後の剪定の時期
- 剪定する時期は夏頃です。
- 自然樹形で美しい樹形になりやすいですが、不自然な場所で強い剪定していると、そこから枝が暴れる事があります。枝が暴れたままにすると見た目が悪いため必要に応じて剪定しましょう。
- この時期に軽い剪定を行うと剪定した場所から芽吹いて二番花が咲く事もあります。
- 剪定のやり方
- 花がら摘みを行うだけの場合は、花が咲いてる枝を2節ほど戻すように軽く切り戻します。
- 株が暴れている場合は、株全体を観察して樹形を乱している不要枝を枝の途中から切り戻し剪定、または根元から間引き剪定します。
- 不要枝の種類
- 徒長枝は、他の枝と比較して著しく真っ直ぐに長く伸びる茎です。他の枝と長さを合わせるように枝の途中から切り戻し剪定します。
- 逆さ枝は他の枝とは逆に向かって成長するため外観を乱します。根元から間引き剪定しましょう。
- 絡み枝は枝が不自然に伸びて正常に伸びた枝と絡む、もしくは交差します。枝の根元から間引き剪定しましょう。
- ふところ枝は、樹冠付近にある小さく弱い枝で、光を遮り風通しを悪くするため不要枝です。根元から間引き剪定して取り除きます。
- この他にも不要枝があります。詳しくは不要枝の種類のリンクからご覧ください。
こぶ仕立て剪定
サルスベリのこぶ仕立てとは、毎年同じ枝の箇所で剪定を行い、枝の先端にこぶを作り、こぶから沢山の枝を伸ばして花を咲かせる方法です。
こぶ仕立てのメリット
- 同じ箇所で剪定を繰り返すため、剪定作業に頭を使う必要がありません。また基本的に低い場所で剪定されるため管理作業がとても楽に行えます。
- こぶからは基本的に細い枝しか伸びないため、樹形が一定になりやすく狭い空間でも育てやすいです。
- 幹や枝の先端に、こぶが出来てそこから枝が沢山伸びるため、トピアリー仕立てのような個性的な樹形を楽しむ事ができます。
こぶ仕立てのデメリット
- 自然風の樹形が好きな人は、枝の先端に出来るコブに違和感を感じる事があります。
- こぶ仕立てのような剪定は切り花の花材を取りたい場合などによく利用されますが、サルスベリの花はすぐに落ちるため、そのメリットを享受する事はありません。
こぶ仕立て剪定のやり方
こぶ仕立ての剪定は、毎年同じ箇所で剪定をするだけです。同じ箇所で剪定していると枝の先端に大きなこぶが出来てきます。そのこぶから出てきた枝を、花が終わったら根元から間引き剪定して取り除きます。
冬越しする方法
Hardiness:6~9
サルスベリ(ブラッシュ)は、耐寒性が高いため極端に寒い地域でなければ冬越し対策を行う必要はありません。
翌年の成長に備えて剪定したり、堆肥や堆肥を入れておくと良いでしょう。