- 原産:バルカン半島/中東
- 科:ユリ科(Liliaceae)
- 属:ユリ(Lilium)
- 種:ニワシロユリ(Lilium candidum)
- 別名:庭白百合/マドンナリリー(Madonna lily)/ホワイトリリー(white lily)
- 開花時期:6月~8月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:花
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約50~120cm
- 株張り:
- 誕生花:2月27日
- 花言葉:純粋・無垢・汚れのない心
- 用途:背が高い花/切り花/香りが良い/エレガントガーデン
- 購入方法:マドンナリリーを楽天で購入
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
マドンナリリーとは!?
マドンナリリーの学名はLilium candidum、和名では「ニワシロユリ」とも呼ばれているバルカン半島と中東が原産の多年草です。
マドンナリリーの語源(由来)
- 属名のLiliumは古代ギリシア語で「ユリ(L. candidum)」を意味する「λείριον(leírion)」からきています。
- 種小名のcandidumはラテン語で「純白」「明るい」を意味しており、花の色に由来します。
- 和名のニワシロユリ(庭白百合)の由来は英名からきています。
マドンナリリーの特徴(魅力)
- マドンナリリーは、古代ギリシア・古代エジプトにおいて神聖なシンボルの花として扱われており、またキリスト教では処女マリアのシンボルとして純潔を表す花となっています。ルネサンス時代には多くの画家が、受胎告知の絵画に聖人とニワシロユリを描き、貞淑な生活が表現されています。
- マドンナリリーの特徴は、花の色が純白で明るさな輝きを感じさせる所、花の形が漏斗状で先端が緩く反り返るため優雅さを感じさせる所、花には甘く心地よい香りがある所、花が茎に沿って総状花序に並ぶため豪華な花姿が楽しめる所、冬の間はロゼット葉を出して過ごす所等にあります。
- 園芸では、上品さや豪華さを感じさせる花を楽しむ目的や、 花を収穫して切り花として利用する目的で栽培されます。
- 草姿は冬の間はロゼット状、春になると茎を直立に伸ばし、高さ約50~120cmまで成長するため、お庭の中に高さと立体感を出すことができます。
- 鱗茎は地下茎に養分を溜めて肉厚になった鱗片葉が重なり卵形または扁球形になったものです。ユリの鱗茎には外皮がないため乾燥しやすくなっています。
- マドンナリリーの鱗茎は多くのユリ根とと同様に炭水化物が多く含まれる根菜として食べられています。
- 開花期間は初夏から夏の終わり頃までです。
- 花序は総状花序、茎に沿って複数の花が横向きにつきます。そのため、大きな花が並ぶ豪華な花姿がたのしめます。
- 花冠はユリ形花冠、漏斗状の見た目をしており花の色は白色、雄蕊は花冠から突出しておらず葯は黄色または橙色をしています。
マドンナリリーの草丈は約50(~120)cm、草姿は冬の間はロゼット状、春になると直立します。地面下には鱗茎があり、鱗茎の形は広卵形または扁球形、鱗茎の色は黄白色から白色です。葉序は互生葉序、葉身の形は披針形、葉の色は緑色です。花序は総状花序、茎の上部に複数の花が横向きにつきます。花冠はユリ形花冠(花被片が6個あり、内花被片が3個と外花被片3個が放射相称についている花冠)で漏斗状の形状をしており、花の色は白色、雄蕊は6個、雄蕊の葯は黄色または橙色、雌蕊は花柱が1個で心皮が3個ある。果実は蒴果、蒴果は三個の心皮からなり、熟すと果皮が裂開して種子を放出します。
ユリ(百合)の切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- ユリを蕾の時に収穫する場合は、収穫後に蕾が開くための糖(延命剤)をしっかり与える必要があります。
- ユリの花は受粉すると花持ちが悪くなるため、収穫時または花が開いて来た時に雄蕊の葯をピンセットなどで取り除きます。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 一般的には水切りを行いますが、花が萎れている場合などは湯揚げをしてあげると良いでしょう。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと水換えを行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ユリ(百合)の分類
- 目次
- アジアティック・ハイブリッド
- マルタゴン・ハイブリッド
- キャンディダム・ハイブリッド
- アメリカン・ハイブリッド
- ロンギフローラム・ハイブリッド
- トランペット・ハイブリッド
- オリエンタル・ハイブリッド
- その他の交配種群
- 原種系(Species)
1964年に英国王立園芸協会では、ユリの原種・雑種・品種を9つのグループに分類していますが、園芸では主にアジアティック・ハイブリッド、ロンギフローラム・ハイブリッド、トランペット・ハイブリッド、オリエンタル・ハイブリッド・LAハイブリッド、OTハイブリッドが栽培されています。ユリを選ぶ際に迷った時は、グループの特徴を参考にして品種を選んでみるのも良いかもしれません。
アジアティック・ハイブリッド(Asiatic hybrids)
アジアティック・ハイブリッドは、アジア原産のユリを中心にして交配された品種群です。交配親にはエゾスカシユリ・イワトユリ・ヒメユリ・イトハユリ・マツバユリ・オニユリ・コオニユリ・コマユリなどが使われています。
アジアティック・ハイブリッドの特徴は、花序が総状花序または総状花序と散形花序になり沢山の花を咲かせる所、花径が10~15cm程度ありオリエンタル・ハイブリッドと比べると小振りですが十分に大きな花を咲かせる所、花の形は漏斗形・ボール形・杯形と多様な所、花の色の範囲がとても広く多様な所、花の向きは基本的に上向きのため花の顔が良く見える所(横向き・下向きの品種もある)、花の香りが基本的にほとんどない所、花は収穫後の花持ちがいいため切り花として人気が高い所、非常に丈夫で生命力が強く育てやすい所、茎が丈夫なため支柱を立てなくても基本的に問題ない所等にあります。
アジアティック・ハイブリッドは、人気が高く非常に大きなグループの一つでしたが、現在はLAハイブリッドに置き変わっていっているようです。
マルタゴン・ハイブリッド(Martagon hybrids)
マルタゴン・ハイブリッドは、マルタゴンリリー・タケシマユリ・クルマユリ・チョウセンカサユリ・ダルハンソニー(Lilium dalhansonii)などが交配された品種群です。
マルタゴン・ハイブリッドの特徴は、花序が総状花序で最大50個くらい沢山の花が咲く所、花が俯くように咲く所、花被片が強く外側に反り返り手毬形の花姿をつくる所、種子繁殖の傾向が強く開花までにも時間がかかる所、丈夫で育てやすい一方で植えてから確立するまでに一年から数年必要な所、半日影や明るい日陰を好む所等にあります。
キャンディダム・ハイブリッド(Candidum hybrids)
キャンディダム・ハイブリッドは、ニワシロユリ(Lilium candidum)及びこれらの近縁の種(Lilium chalcedonicum/Lilium kesselringianum/Lilium monadelphum/Lilium pomponium/Lilium pyrenaicum/Lilium × testaceum)と交配された品種群です。
アメリカン・ハイブリッド(American hybrids)
アメリカン・ハイブリッドはアメリカが原産の種(Lilium bolanderi/Lilium × burbankii/Lilium canadense/Lilium columbianum/Lilium grayi/Lilium humboldtii/Lilium kelleyanum/Lilium kelloggii/Lilium maritimum/Lilium michauxii/Lilium michiganense等)が元になり交配された品種群です。
アメリカン・ハイブリッドの特徴は、草丈が200cmに達することがあり背が高くなり傾向がある所、地面下に根茎を持っている品種が多い所、花が俯くように咲く傾向がある所等にあります。
ロンギフローラム・ハイブリッド(Longiflorum hybrids)
ロンギフローラム・ハイブリッドは、タカサゴユリやテッポウユリ等が元になり交配された品種群です。
ロンギフローラム・ハイブリッドの特徴は、花が大きくて存在感があり、トランペット形をしている所、花に爽やかな香りがある所、実生から1年で開花することもあるため切り花のために栽培される所等にあります。
トランペット・ハイブリッド(Trumpet lilies)
トランペット・ハイブリッドはアジア原産の多くの種(Lilium × aurelianense/Lilium brownii, Lilium × centigale/Lilium henryi/Lilium × imperiale/Lilium × kewense, Lilium leucanthum/Lilium regale/Lilium rosthornii/Lilium sargentiae/Lilium sulphureumand Lilium × sulphurgale)などが元になり交配されて作出された品種群です。
トランペット・ハイブリッドの特徴は、花の長さが約15~25cmある所、花の形がトランペット形または漏斗形をしている所、花の向きが水平またはやや下向きになる所、花に重厚的な香りがあり、特に夜に強い香りがある所等にあります。
オリエンタル・ハイブリッド(Oriental hybrids)
オリエンタル・ハイブリッドは、ヤマユリ・カノコユリ・サクユリ等の日本原産の幾つかの種が交配されて作出された品種群です。
オリエンタル・ハイブリッドの特徴は、花径が15~30cmに達する事もあり大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が杯形・ボール形・扁平形をしていて花被片の上部が外側に緩く湾曲しているため優雅な見た目をしている所、花は基本的に上向きに咲くため花の顔がよくみえる所、花に強い香りがあり強烈な芳香が長く漂う所、花の色は赤・桃・黄・紫・白の範囲にある所、一本の茎に6~8個の花を咲かせるため豪華な花姿が楽しめる所、花は収穫後の花持ちがいいため切り花として人気が高い所、比較的に丈夫で育てやすい所等にあります。
その他の交配種群(Other hybrids)
その他の雑種(LAハイブリッド・OTハイブリッド・LOハイブリッド・OAハイブリッド等)が含まれます。
LAハイブリッドは、1992年に紹介された、アジアティック・ハイブリッドとロンギフローラム・ハイブリッドが交配されて作出された品種群です。LAハイブリッドの特徴は、交配親のアジアティック・ハイブリッドと比べて、花がより大きくなっている所や、少しトランペット状(漏斗形)の見た目をしている所、花持ちが良くなっている所、ロンギフローラム・ハイブリッドと比べて、花の色が拡張されている所や、萼が直立になる所(花が上向き)、花の形が漏斗形(トランペット状)をしている所等にあります。花序は総状花序と散形花序の組み合わせで、3~10個程度の花を上向きにつけます。花冠は花冠はユリ形花冠で、漏斗形・トランペット状・杯形をしています。花は収穫後の花持ちがいいため、切り花として花屋さん等にもよく並んでいます。
OT・ハイブリッドは、オリエンタル・ハイブリッドとトランペット・ハイブリッドが交配されて作出された品種群です。OTハイブリッドの特徴は、花径が15~25cmと巨大で強い存在感がある所、花の形が多様でトランペット形・漏斗形・ボール形・杯形・扁平形等がある所、花の向きは上向き・横向き・下向きがある所、一個の茎に沢山の花を咲かせる所、花にはオリエンタル・ハイブリッドと比べると穏やかなものの強烈な芳香を受け継いでいる所、トランペット・ハイブリッドから花の色を受け継いでいて色彩が拡張されている所などにあります。OTハイブリッドは、オリエンタル・ハイブリッドから花の大きさや、花の形、強い香りを受け継いでおり、トランペット・ハイブリッドから花の色や、花の形、花が咲く向きなどを受け継いでいます。
LO・ハイブリッドは、ロンギフローラム・ハイブリッドとオリエンタル・ハイブリッドが交配されて作出された品種群です。LOハイブリッドの特徴は、オリエンタル・ハイブリッドのように花が大きく存在感がある所、花の形が漏斗形に近くトランペット形や杯形等もある所、花の向きが横向きから上向きに咲く所、一個の茎に数個から十個を超える花を咲かせる所、花にはオリエンタル・ハイブリッドから受け継いだ強い芳香がある所などです。
- LOハイブリッド
- ダンシングレディ
- イエローウィン
- ホワイトトライアンファター
- デリアナ
OAハイブリッドはオリエンタル・ハイブリッドとアジアティック・ハイブリッドが交配されてつくられた品種群です。
- OAハイブリッド
原種系(Species)
全ての野生種とその変種がこのグループに入ります。
ニワシロユリ(庭白百合)の園芸品種の紹介
ユリ(百合)主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
マドンナリリーの育て方
花壇の土づくり
日当り
マドンナリリーは、高温や乾燥をにがてにしているため、基本的に午前中に日が当たり、午後から日陰になる、半日影で育てる事が理想です。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌の土質
マドンナリリーは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
水分が停滞して過湿する土壌では根腐れを引き起こして、生育不良となったり、枯れる原因となったりするため、粘土質な土壌は避けた方がいいでしょう。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌診断の結果に従って、土壌改良材を入れて通気性・排水性・保水性を改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け時の注意点
- 植え付け時期
- 10月~11月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは球根の大きさの約2~3倍の深さに植え付けます。※地面から球根1個分以上あける。
- 植付け間隔
- 植付け間隔は球根の3倍以上、または20~50cm程度離します。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして、下根が出ている場合は根を広げます。
- 穴の中に球根を置いたら土を被せましょう。
鉢土づくり
日当り
マドンナリリーは、高温や乾燥をにがてにしているため、基本的に午前中に日が当たり、午後から日陰になる、半日影で育てる事が理想です。
培養土
マドンナリリーは、一般的な草花の培養土で育てられます。培養土を自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
植え替え時の注意点
- 植え替えを行う理由
- 基本的に根域を制限されると、生育が悪くなるため、鉢植えで育てる場合は毎年植え替えが必要です。
- 植え替え時期
- 10月~12月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは球根の大きさの2倍以上の深さに植え付けます。※地面から球根1個分以上あける。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして、下根が出ている場合は根を広げます。
- 穴の中に球根を置いたら土を被せましょう。
水やりの仕方
マドンナリリーは基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。ただし水分の多い過湿状態が続くと根腐れをおこす事もあるため、水やりのタイミングは注意が必要です。
地植え
マドンナリリーを地植えしている場合は、基本的に水やり不要です。ただし、生育が活発な期間、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時にどは必要に応じて水やりが必要になります。
鉢植え
マドンナリリーを鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため注意が必要になります。そのため、水やりの頻度は地植えと比べて多くなります。
水やりのタイミングは、基本的に土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
マドンナリリーは、ある程度の肥沃さがあれば基本的に肥料は不要です。花壇であれば、毎年春に堆肥を入れて上げたり、鉢植えであれば植え替えの時に腐葉土などを培養土に混ぜて上げると良いでしょう。
また活発に成長する春に液肥を与えると、成長を促進させる効果がきたいできます。
剪定のやり方
マドンナリリーの剪定は、花がら摘みを行います。花を剪定して種を作らせない事で、球根にエネルギーがまわり翌年もしっかりとした花を咲かせることが出来ます。
花がら摘み
花がら摘みとは、花色が悪くなったり花の外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みを行う理由
花がら摘みを行う主な理由は、球根のエネルギーを温存する事にあります。花を残しておくと、球根のエネルギーが沢山使われるため、翌年に花を咲かせるエネルギーが足りなくなる可能性があります。
花がら摘みをして葉を残す事で、光合成によるエネルギーを球根に効率よく貯めさせる事が出来ます。その結果、球根が大きくなるため、翌年もしっかりとした花を咲かせることが出来ます。
花がら摘みのやり方
マドンナリリーの花の剪定のタイミングは、花が咲いたら直ぐに切り花として収穫するか、花が咲き終わるのを待ってから行います。
花の剪定は、花茎の下から行います。葉は球根のエネルギーを補充するのに役立つため、残しておきましょう。
夏越しする方法
マドンナリリーは、夏の高温や乾燥を苦手にしています。そのため、管理場所に気をつけたり、また必要に応じて水やりなどのお世話も必要になるかもしれません。
夏越しで重要なポイント
- 西日の当たらない半日影、または直射日光が二時間程度の明るい日陰で管理します。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 土壌が何時までも濡れていてジメジメした状態が続くと、茎・葉・根が腐敗して枯れる事があります。
- 土壌の通気性・排水性をよくしておきましょう。
- 土壌の状態を観察しながら水やりの頻度を調節しましょう。
- 乾燥が続くと予定よりも早く花が枯れたり、茎葉が萎れたり枯れたりする事があります。
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
- 半日影や明るい日陰などの乾燥しにくい環境で管理するのもひとつの対策になります。
- 土壌の表面を腐葉土で覆いマルチングする事で、土壌が乾燥したり熱くなることを防ぐことができます。
冬越しする方法
Hardiness:5~9
マドンナリリーは、基本的に耐寒性が高いため冬越しの準備をする必要はありません。
挿し木や株分けで増やす
マドンナリリーは分球や鱗片によって増やす事ができます。
分球方法
- 掘りあげ時期
- 球根の掘りあげは10~11月頃です。
- 地上部の茎葉が枯れたら枯れた茎葉を切り戻して、球根を掘りあげます。
- 分球する
- 球根を観察すると大きな球根が分かれていることがあります。その部分を手で分割して分球します。
- 球根の上にある茎を観察すると、茎の節の部分に木子やムカゴがついていることがあります。木子やムカゴも茎から外して育てることが出来ます。ただし、開花までには数年かかります。
- 植え直し
- 球根を保管する
- ユリの球根は乾燥すると状態が悪くなり、植え直しても上手く育たないことがあります。そのため、保管する場合は袋の中に湿らせたバーミキュライトを入れて、その中に球根を入れて保管すると良いでしょう。基本的には保管はせずに直ぐに球根を植えてあげてください。
鱗片での増やし方
- 掘りあげ時期
- 球根の掘りあげは10~11月頃です。
- 鱗片を外す
- 球根から鱗片を外します。鱗片の基部から芽・根が出るため、一枚一枚丁寧に外します。
- 鱗片を挿し穂する
- 鉢植えにバーミキュライトを入れて、バーミキュライトを湿らせた状態で、鱗片を半分程度さします。鱗片の切り口から根・芽が出るため、切り口を下にしましょう。
- 鱗片の挿し穂の管理
- 乾燥させないために、直射日光を避けた日陰の風通しのよい場所で管理しましょう。
- 鉢植えにビニールを被せて置くと乾燥を防ぐことができます。
- 土はやや湿り気のある状態で保ちましょう。
播種で増やす
マドンナリリーの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
マドンナリリーの病気
- 灰色カビ病
- 球根腐敗病
- 青かび病
- 葉枯れ病
- ウイルス病
マドンナリリーの害虫
- アザミウマ
- スリップス
- ハダニ