- 原産:
- 科:ユリ(Liliaceae)
- 属:ユリ(Lilium)
- 別名:リリー(lily)/トゥルー・リリーズ(true lilies)/Liljor
- ユリの分類:OT・ハイブリッド(OT hybrids)
- 品種:フロンテラ(Lilium ‘Frontera’)
- 開花時期:6月~8月
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:花
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約70~100cm
- 株張り:
- 誕生花:6月25日・7月24日
- 花言葉:純粋・無垢・威厳
- 用途:背が高い花/切り花/香りが良い/エレガントガーデン
- 購入方法:ユリ(フロンテラ)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ユリ(フロンテラ)とは!?
ユリ(フロンテラ)の特徴は、花の色が桃色と白色の二色で構成されていて、花被片の中に桃色の中班が入る所、花径が20cmに達する事もあり巨大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が杯形をしていて、花被片が緩く湾曲しているためお洒落な雰囲気を感じさせる所、花が上向きに咲く所、花の香りがとても豊かな所などにあります。
フロンテラは、他のOT・ハイブリッドと同様に、花の香りがとても良いため、香りの花として楽しむ事ができます。また花は巨大で存在感があり、花茎には沢山の花を咲かせます。そのため、豪華さと華やかさを感じさせる花姿をしています。また収穫した花は、日持ちがとても良いため、切り花としても魅力的になります。
ユリ(OT・ハイブリッド)とは!?
ユリ(OT・ハイブリッド)は、オリエンタル・ハイブリッドとトランペット・ハイブリッドが交配されて作出された品種群です。
OTハイブリッドの特徴は、花径が15~25cmと巨大で強い存在感がある所、花の形が多様でトランペット形・漏斗形・ボール形・杯形・扁平形等がある所、花の向きは上向き・横向き・下向きがある所、一個の茎に沢山の花を咲かせる所、花にはオリエンタル・ハイブリッドと比べると穏やかなものの強烈な芳香を受け継いでいる所、トランペット・ハイブリッドから花の色を受け継いでいて色彩が拡張されている所などにあります。
OT・ハイブリッドは、オリエンタル・ハイブリッドから花の大きさや、花の形、強い香りを受け継いでおり、トランペット・ハイブリッドから花の色や、花の形、花が咲く向きなどを受け継いでいます。
ユリ(OT・ハイブリッド)の園芸品種
ユリ(コンカドール)の特徴は、花の色が黄色と白色の二色で構成されていて、花の中心部から外側に向かい黄色から白色へとグラデーションが作られる所、花径が20cmに達する事もあり巨大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が漏斗形をしていて、花被片が緩く湾曲しているためお洒落な雰囲気を感じさせる所、花の香りがとても豊かな所などにあります。 | ユリ(バルベルデ)の特徴は、花の色が橙色で明るさと温もりを感じさせる所、花径が20cmに達する事もあり巨大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が漏斗形をしていて、花被片が緩く湾曲しているためお洒落な雰囲気を感じさせる所、花が上向きに咲く所、花の香りがとても豊かな所などにあります。 |
ユリ(キャンディクラブ)の特徴は、花の色が桃色とクリーム色(白色)の二色で構成されていて、縁部分に幅広のクリーム色の覆輪が入る所、花径が20cmに達する事もあり巨大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が杯形をしていて、花被片が緩く湾曲しているためお洒落な雰囲気を感じさせる所、花が上向きまたは横向きに咲く所、花の香りがとても豊かな所などにあります。 | ユリ(エキゾチックサン)の特徴は、花の形が八重咲きなため華やかで豪華な印象を感じさせる所、花被片の縁部分が波打ちフリルするため優雅な見た目をしている所、花径が20cmに達する事もあり巨大輪で強い存在感があり豪華さを感じさせる所、花の色が黄色のため明るさや元気の良さを感じさせる所、花の香りがとても豊かな所などにあります。 |
ユリ(フロンテラ)の特徴は、花の色が桃色と白色の二色で構成されていて、花被片の中に桃色の中班が入る所、花径が20cmに達する事もあり巨大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が杯形をしていて、花被片が緩く湾曲しているためお洒落な雰囲気を感じさせる所、花が上向きに咲く所、花の香りがとても豊かな所などにあります。 | ユリ(ラルゴ)の特徴は、花の色が赤ピンク色で表面に光沢がある所、花径が20cmを超える事もあり巨大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が杯形をしていて、花被片が緩く湾曲しているためお洒落な雰囲気を感じさせる所、花が上向きまたは横向きに咲く所、花の香りがとても豊かな所などにあります。 |
ユリ(ラブラドール)の特徴は、花の色が桃色で表面に光沢がある所、花径が20cmを超える事もあり巨大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が杯形をしていて、花被片が緩く湾曲しているためお洒落な雰囲気を感じさせる所、花が上向きまたは横向きに咲く所、花の香りがとても豊かな所などにあります。 | ユリ(ロビナ)の特徴は、花の色が桃色で表面に光沢がある所、花径が20cmを超える事もあり巨大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が杯形をしていて、花被片が緩く湾曲しているためお洒落な雰囲気を感じさせる所、花が上向きまたは横向きに咲く所、花の香りがとても豊かな所などにあります。 |
ユリ(百合)とは!?
ユリ(百合)の学名はLilium、別名では「リリー(lily)」や「トゥルー・リリーズ(true lilies)」等とも呼ばれている多年草です。ユリは属の中に約111種があり、アジア・ヨーロッパ・北アメリカ等の亜熱帯・温帯・亜寒帯にかけて広く分布しています。
ユリ(百合)の語源(由来)
- 属名のLiliumは古代ギリシア語で「ユリ(L. candidum)」を意味する「λείριον(leírion)」からきています。
- 和名のユリは茎が風で「揺れ」る様子から名前がついたといわれています。
ユリ(百合)の特徴(魅力)
- ユリ(百合)は属の中に約111種があり、園芸ではこれらの種が交配されてうまれた雑種を中心にして様々な品種が親しまれています。英国王立園芸協会では、これらの種や雑種と品種を9つのグループに分類しています。ユリの栽培を始める場合は、このグループを参考にして品種を選んでみるのも良いでしょう。
- ユリ(百合)の特徴は、茎が垂直に真っ直ぐと伸びるため行儀の良い洗練された印象を感じさせる所、花径が30cmに達することもあるため巨大で豪華な見た目をしている所、花の形がトランペットのような形から手毬形まで多様な所、花が茎の頂部または茎に沿って複数咲くためボリュームのよい豪華な花姿を楽しめる所、地面下にある鱗茎があり幾つかの種は食用にもできる所等にあります。
- 園芸では、上品さを演出する花としてお庭の中で楽しまれたり、また花を収穫して切り花として利用されたりしており、商業的にはヤマユリ・コオニユリ・オニユリが鱗茎を食用とするために栽培されたりしています。
- 草姿は、鱗茎から茎を真っ直ぐ垂直に30~200cmまで伸ばして成長しており、基本的に分枝することはありません。
- ユリの中には地上茎の葉腋にムカゴをつくるものもあります。日本の自生種では、オニユリだけがムカゴをつくります。ムカゴはわき芽が栄養を蓄えて肥大化した部分で、栄養繁殖の器官となります。そのため、地面にムカゴが落ちると、そこから新しい植物体が生成されます。
- 鱗茎は地下茎に養分を溜めて肉厚になった鱗片葉が重なり球状になったものです。ユリの鱗片葉には外皮がないため乾燥しやすくなっています。
- ユリの鱗茎は乾燥すると状態が悪くなり、上手く成長しない事もあるため、基本的には掘り出し後は直ぐに植え付けをおこないます。
- ユリの鱗茎はユリ根とも呼ばれており、炭水化物が多く含まれる根菜として中国・日本・北アメリカなどで食べられます。日本ではヤマユリ・コオニユリ・オニユリの鱗茎が食べる目的で栽培されており、ホクホクとした食感とほろ苦さがあり、和え物や煮物、かき揚げ等にされて食べられています。
- 開花期間はユリの種類によって変わりますが、初夏から夏の終わり頃までです。
- 花序はユリの種類により、茎の頂部に集まるように咲く散形花序、または茎に沿って花が咲く総状花序があります。
- 花冠はユリ形花冠、花の形は花被片の付き方により「トランペット形」「漏斗形」「杯形」「扁平形」「手毬形」等があります。
- ユリの雄蕊は花から長く突出しているため、派手でお洒落な印象を感じさせます。またユリの立場からすると、花冠から雄蕊が長く突出する事で、大型の蝶々に花粉を効率よく付けやすくなっています。花粉は昆虫や雌蕊に付着しやすいようにするため、花粉の表面には脂質類が主成分となる粘着物で覆われています。
- ユリ(百合)の花は収穫して切り花として花瓶の中に入れて飾られたり、フラワーアレンジメントの素材として利用されたりします。
- ただしユリの花粉は粘着質のため衣類などに付着すると汚れたり染みになったりする事があります。そのため、切り花として利用する場合は扱いに注意したり、雄蕊の葯をピンセットで取り除いたりする必要があります。また幾つかの品種では無花粉の品種もあるため、切り花として利用する場合はそちらの品種を選ぶのもおすすめです。
- ユリの花粉が衣類についた場合は、直後に拭いたり、水で洗ったりするのは避けた方が良いでしょう。花粉の染みが広がったり、布に染み込むことがあります。花粉が万が一ついた場合は、花粉を乾燥させた後に、粘着テープなどで丁寧に花粉を取り、アセトンまたはアセトンが含まれている除光液で染み抜きをすると良いでしょう。自分で染み抜きするのが難しい場合は、クリーニングに相談してみてください。
ユリ(百合)の草丈は約30(~200)cm、地面下に鱗茎があり、幾つかの種は匍匐枝や根茎をもちます。※鱗茎は地下茎に養分を溜めて肉厚になった鱗片葉が重なり球状になったものです。葉序は互生葉序または輪生葉序、葉身の形は狭披針形または線形か倒卵形、葉の色は緑色です。花序は総状花序または散形花序、花冠はユリ形花冠(花被片が6個あり、内花被片が3個と外花被片3個が放射相称についている花冠)、花の色は赤・桃・黄・橙・紫・白・黒など、雄蕊は6個、雌蕊は花柱が1個で心皮が3個ある。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
ユリ(百合)の切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- ユリを蕾の時に収穫する場合は、収穫後に蕾が開くための糖(延命剤)をしっかり与える必要があります。
- ユリの花は雄蕊も含めて魅力的ですが、花粉は粘着質なため洋服につくと染みのようになったり、また受粉すると花持ちが悪くなる傾向があります。そのため、収穫時または花が開いて来た時に雄蕊の葯をピンセットなどで取り除くと良いかもしれません。※ユリの品種の中には花粉がない品種もあるため、切り花として利用する場合はそちらを選ぶのもおすすめです。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 一般的には水切りを行いますが、花が萎れている場合などは湯揚げをしてあげると良いでしょう。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと水換えを行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ユリ(百合)の分類
- 目次
- アジアティック・ハイブリッド
- マルタゴン・ハイブリッド
- キャンディダム・ハイブリッド
- アメリカン・ハイブリッド
- ロンギフローラム・ハイブリッド
- トランペット・ハイブリッド
- オリエンタル・ハイブリッド
- その他の交配種群
- 原種系(Species)
1964年に英国王立園芸協会では、ユリの原種・雑種・品種を9つのグループに分類していますが、園芸では主にアジアティック・ハイブリッド、ロンギフローラム・ハイブリッド、トランペット・ハイブリッド、オリエンタル・ハイブリッド・LAハイブリッド、OTハイブリッドが栽培されています。ユリを選ぶ際に迷った時は、グループの特徴を参考にして品種を選んでみるのも良いかもしれません。
アジアティック・ハイブリッド(Asiatic hybrids)
アジアティック・ハイブリッドは、アジア原産のユリを中心にして交配された品種群です。交配親にはエゾスカシユリ・イワトユリ・ヒメユリ・イトハユリ・マツバユリ・オニユリ・コオニユリ・コマユリなどが使われています。
アジアティック・ハイブリッドの特徴は、花序が総状花序または総状花序と散形花序になり沢山の花を咲かせる所、花径が10~15cm程度ありオリエンタル・ハイブリッドと比べると小振りですが十分に大きな花を咲かせる所、花の形は漏斗形・ボール形・杯形と多様な所、花の色の範囲がとても広く多様な所、花の向きは基本的に上向きのため花の顔が良く見える所(横向き・下向きの品種もある)、花の香りが基本的にほとんどない所、花は収穫後の花持ちがいいため切り花として人気が高い所、非常に丈夫で生命力が強く育てやすい所、茎が丈夫なため支柱を立てなくても基本的に問題ない所等にあります。
アジアティック・ハイブリッドは、人気が高く非常に大きなグループの一つでしたが、現在はLAハイブリッドに置き変わっていっているようです。
マルタゴン・ハイブリッド(Martagon hybrids)
マルタゴン・ハイブリッドは、マルタゴンリリー・タケシマユリ・クルマユリ・チョウセンカサユリ・ダルハンソニー(Lilium dalhansonii)などが交配された品種群です。
マルタゴン・ハイブリッドの特徴は、花序が総状花序で最大50個くらい沢山の花が咲く所、花が俯くように咲く所、花被片が強く外側に反り返り手毬形の花姿をつくる所、種子繁殖の傾向が強く開花までにも時間がかかる所、丈夫で育てやすい一方で植えてから確立するまでに一年から数年必要な所、半日影や明るい日陰を好む所等にあります。
キャンディダム・ハイブリッド(Candidum hybrids)
キャンディダム・ハイブリッドは、ニワシロユリ(Lilium candidum)及びこれらの近縁の種(Lilium chalcedonicum/Lilium kesselringianum/Lilium monadelphum/Lilium pomponium/Lilium pyrenaicum/Lilium × testaceum)と交配された品種群です。
アメリカン・ハイブリッド(American hybrids)
アメリカン・ハイブリッドはアメリカが原産の種(Lilium bolanderi/Lilium × burbankii/Lilium canadense/Lilium columbianum/Lilium grayi/Lilium humboldtii/Lilium kelleyanum/Lilium kelloggii/Lilium maritimum/Lilium michauxii/Lilium michiganense等)が元になり交配された品種群です。
アメリカン・ハイブリッドの特徴は、草丈が200cmに達することがあり背が高くなり傾向がある所、地面下に根茎を持っている品種が多い所、花が俯くように咲く傾向がある所等にあります。
ロンギフローラム・ハイブリッド(Longiflorum hybrids)
ロンギフローラム・ハイブリッドは、タカサゴユリやテッポウユリ等が元になり交配された品種群です。
ロンギフローラム・ハイブリッドの特徴は、花が大きくて存在感があり、トランペット形をしている所、花に爽やかな香りがある所、実生から1年で開花することもあるため切り花のために栽培される所等にあります。
トランペット・ハイブリッド(Trumpet lilies)
トランペット・ハイブリッドはアジア原産の多くの種(Lilium × aurelianense/Lilium brownii, Lilium × centigale/Lilium henryi/Lilium × imperiale/Lilium × kewense, Lilium leucanthum/Lilium regale/Lilium rosthornii/Lilium sargentiae/Lilium sulphureumand Lilium × sulphurgale)などが元になり交配されて作出された品種群です。
トランペット・ハイブリッドの特徴は、花の長さが約15~25cmある所、花の形がトランペット形または漏斗形をしている所、花の向きが水平またはやや下向きになる所、花に重厚的な香りがあり、特に夜に強い香りがある所等にあります。
オリエンタル・ハイブリッド(Oriental hybrids)
オリエンタル・ハイブリッドは、ヤマユリ・カノコユリ・サクユリ等の日本原産の幾つかの種が交配されて作出された品種群です。
オリエンタル・ハイブリッドの特徴は、花径が15~30cmに達する事もあり大輪で強い存在感と豪華さがある所、花の形が杯形・ボール形・扁平形をしていて花被片の上部が外側に緩く湾曲しているため優雅な見た目をしている所、花は基本的に上向きに咲くため花の顔がよくみえる所、花に強い香りがあり強烈な芳香が長く漂う所、花の色は赤・桃・黄・紫・白の範囲にある所、一本の茎に6~8個の花を咲かせるため豪華な花姿が楽しめる所、花は収穫後の花持ちがいいため切り花として人気が高い所、比較的に丈夫で育てやすい所等にあります。
その他の交配種群(Other hybrids)
その他の雑種(LAハイブリッド・OTハイブリッド・LOハイブリッド・OAハイブリッド等)が含まれます。
LAハイブリッドは、1992年に紹介された、アジアティック・ハイブリッドとロンギフローラム・ハイブリッドが交配されて作出された品種群です。LAハイブリッドの特徴は、交配親のアジアティック・ハイブリッドと比べて、花がより大きくなっている所や、少しトランペット状(漏斗形)の見た目をしている所、花持ちが良くなっている所、ロンギフローラム・ハイブリッドと比べて、花の色が拡張されている所や、萼が直立になる所(花が上向き)、花の形が漏斗形(トランペット状)をしている所等にあります。花序は総状花序と散形花序の組み合わせで、3~10個程度の花を上向きにつけます。花冠は花冠はユリ形花冠で、漏斗形・トランペット状・杯形をしています。花は収穫後の花持ちがいいため、切り花として花屋さん等にもよく並んでいます。
OT・ハイブリッドは、オリエンタル・ハイブリッドとトランペット・ハイブリッドが交配されて作出された品種群です。OTハイブリッドの特徴は、花径が15~25cmと巨大で強い存在感がある所、花の形が多様でトランペット形・漏斗形・ボール形・杯形・扁平形等がある所、花の向きは上向き・横向き・下向きがある所、一個の茎に沢山の花を咲かせる所、花にはオリエンタル・ハイブリッドと比べると穏やかなものの強烈な芳香を受け継いでいる所、トランペット・ハイブリッドから花の色を受け継いでいて色彩が拡張されている所などにあります。OTハイブリッドは、オリエンタル・ハイブリッドから花の大きさや、花の形、強い香りを受け継いでおり、トランペット・ハイブリッドから花の色や、花の形、花が咲く向きなどを受け継いでいます。
LO・ハイブリッドは、ロンギフローラム・ハイブリッドとオリエンタル・ハイブリッドが交配されて作出された品種群です。LOハイブリッドの特徴は、オリエンタル・ハイブリッドのように花が大きく存在感がある所、花の形が漏斗形に近くトランペット形や杯形等もある所、花の向きが横向きから上向きに咲く所、一個の茎に数個から十個を超える花を咲かせる所、花にはオリエンタル・ハイブリッドから受け継いだ強い芳香がある所などです。
- LOハイブリッド
- ダンシングレディ
- イエローウィン
- ホワイトトライアンファター
- デリアナ
OAハイブリッドはオリエンタル・ハイブリッドとアジアティック・ハイブリッドが交配されてつくられた品種群です。
- OAハイブリッド
原種系(Species)
全ての野生種とその変種がこのグループに入ります。
ユリ(百合)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ユリ(フロンテラ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ユリ(フロンテラ)は、日向から半日影までで育てる事が出来ます。基本的には日向を好みますが、夏の暑さが厳しい地域では西日の当たらない半日陰や明るい日陰で管理した方が良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌の土質
ユリは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
水分が停滞して過湿する土壌では根腐れを引き起こして、生育不良となったり、枯れる原因となったりするため、粘土質な土壌は避けた方がいいでしょう。
また基本的にPH6.0に近い土壌でよく育ちます。酸性やアルカリ性に傾き過ぎた土壌では生育不良を引き起こすこともあるため注意する必要があります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌診断の結果に従って、土壌改良材を入れて通気性・排水性・PHを改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け時の注意点
- 植え付け時期
- 10月~11月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは球根の大きさの約2~3倍の深さに植え付けます。※地面から球根1個分以上あける。
- 植付け間隔
- 植付け間隔は球根の3倍以上、または20~50cm程度離します。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして、下根が出ている場合は根を広げます。
- 穴の中に球根を置いたら土を被せましょう。
鉢土づくり
日当り
ユリ(フロンテラ)は、日向から半日影までで育てる事が出来ます。基本的には日向を好みますが、夏の暑さが厳しい地域では西日の当たらない半日陰や明るい日陰で管理した方が良いでしょう。
培養土
ユリは、一般的な草花の培養土で育てられます。培養土を自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
植え替え時の注意点
- 植え替えを行う理由
- 基本的に根域を制限されると、生育が悪くなるため、鉢植えで育てる場合は毎年植え替えが必要です。
- 植え替え時期
- 10月~12月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは球根の大きさの2倍以上の深さに植え付けます。※地面から球根1個分以上あける。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして、下根が出ている場合は根を広げます。
- 穴の中に球根を置いたら土を被せましょう。
水やりの仕方
ユリ(フロンテラ)は基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。ただし水分の多い過湿状態が続くと根腐れをおこす事もあるため、水やりのタイミングは注意が必要です。
地植え
ユリを地植えしている場合は、基本的に水やり不要です。ただし、生育が活発な期間、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時にどは必要に応じて水やりが必要になります。
鉢植え
ユリを鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため注意が必要になります。そのため、水やりの頻度は地植えと比べて多くなります。
水やりのタイミングは、基本的に土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
ユリ(フロンテラ)は、生育期間中にしっかり肥料を与える事で、球根に栄養がしっかりと溜まり、大きな花を咲かせることが出来ます。
そのため、元肥・芽出し肥・追肥をしっかり与えるようにしましょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 元肥は植え付け時または植え付け前に施します。
- 芽出し肥料 は3月~4月に施します。
- 追肥は5月下旬~8月に施します。
- 肥料の選び方
- 元肥は肥効が緩かに出る緩効性肥料を利用します。肥料の成分は窒素・リン・カリの三要素がバランス良く入る製品を選びましょう。
- 芽出し肥・追肥は肥効が素早く出る、化成肥料または液肥を利用します。肥料の成分は窒素・リン・カリの三要素がバランス良く入る製品を選びましょう。元肥の与え方
- 元肥は下根と上根に与えるため、球根を挟むようにして与えましょう。
- 下根の元肥は、穴の底部分に元肥を入れて、その上に土を被せます。
- 元肥を埋めた、土の上に球根を置きます。
- 球根の上に土を軽く被せて、さらに上根用の元肥を入れて、土を被せます。
- 芽出し肥と追肥の与え方
- 液体肥料を規定された分量で希釈して、約10~14日の頻度で、水やりと一緒に液肥も与えましょう。
- 化成肥料(固形肥料)を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
ユリ(フロンテラ)の剪定は、花がら摘みを行います。花を剪定して種を作らせない事で、球根にエネルギーがまわり翌年もしっかりとした花を咲かせることが出来ます。
花がら摘み
花がら摘みとは、花色が悪くなったり花の外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みを行う理由
花がら摘みを行う主な理由は、球根のエネルギーを温存する事にあります。花を残しておくと、球根のエネルギーが沢山使われるため、翌年に花を咲かせるエネルギーが足りなくなる可能性があります。
花がら摘みをして葉を残す事で、光合成によるエネルギーを球根に効率よく貯めさせる事が出来ます。その結果、球根が大きくなるため、翌年もしっかりとした花を咲かせることが出来ます。
花がら摘みのやり方
ユリの花の剪定のタイミングは、花が咲いたら直ぐに切り花として収穫するか、花が咲き終わるのを待ってから行います。
花の剪定は、花茎の下から行います。葉は球根のエネルギーを補充するのに役立つため、残しておきましょう。
夏越しする方法
ユリ(フロンテラ)は、夏の間は開花期間に入り、成長して球根に栄養も貯めています。
そのため、夏場に水切れを引き起こしたり、肥料切れを起こすと、予定よりも早く花や葉が枯れてしまったり、球根に栄養が蓄えられない事があります。そのため、水やりや肥料をしっかり行ってあげると良いでしょう。
冬越しする方法
Hardiness:
ユリ(フロンテラ)は、 耐寒性が高いため基本的に冬越しの準備をする必要はありません。
挿し木や株分けで増やす
ユリは分球や鱗片によって増やす事ができます。
ユリの分球方法
- 掘りあげ時期
- 球根の掘りあげは10~11月頃です。
- 地上部の茎葉が枯れたら枯れた茎葉を切り戻して、球根を掘りあげます。
- 分球する
- 球根を観察すると大きな球根が分かれていることがあります。その部分を手で分割して分球します。
- 球根の上にある茎を観察すると、茎の節の部分に木子やムカゴがついていることがあります。木子やムカゴも茎から外して育てることが出来ます。ただし、開花までには数年かかります。
- 植え直し
- 球根を保管する
- ユリの球根は乾燥すると状態が悪くなり、植え直しても上手く育たないことがあります。そのため、保管する場合は袋の中に湿らせたバーミキュライトを入れて、その中に球根を入れて保管すると良いでしょう。基本的には保管はせずに直ぐに球根を植えてあげてください。
鱗片での増やし方
- 掘りあげ時期
- 球根の掘りあげは10~11月頃です。
- 鱗片を外す
- 球根から鱗片を外します。鱗片の基部から芽・根が出るため、一枚一枚丁寧に外します。
- 鱗片を挿し穂する
- 鉢植えにバーミキュライトを入れて、バーミキュライトを湿らせた状態で、鱗片を半分程度さします。鱗片の切り口から根・芽が出るため、切り口を下にしましょう。
- 鱗片の挿し穂の管理
- 乾燥させないために、直射日光を避けた日陰の風通しのよい場所で管理しましょう。
- 鉢植えにビニールを被せて置くと乾燥を防ぐことができます。
- 土はやや湿り気のある状態で保ちましょう。
播種で増やす
ユリの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ユリの病気
- 灰色カビ病
- 球根腐敗病
- 青かび病
- 葉枯れ病
- ウイルス病
ユリの害虫
- アザミウマ
- スリップス
- ハダニ