- 原産:北アフリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:フランスギク/レウカンセマム(Leucanthemum)
- 種:カンシロギク/パルドスム(Leucanthemum paludosum)
- 同義語:Chrysanthemum paludosum
- 流通名:ノースポール
- 別名:カンシロギク(寒白菊)/クリサンセマム・パルドサム/レウカンセマム・パルドスム/クリーピング・デイジー(creeping daisy)/ミニマーガレット(mini marguerite)
- 品種:スノーランド(Leucanthemum paludosum ’snow land’)
- 開花時期:12月~7月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約15~20cm
- 株張り:
- 誕生花:1月9日・12月24日
- 花言葉:誠実・高潔・冬の足音
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/切り花
- 購入方法:ノースポール(スノーランド)を楽天で購入
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ノースポール(スノーランド)とは!?
ノースポール(スノーランド)は別名では「クリサンセマム・スノーランド」と呼ばれています。特徴は、従来のノースポールよりも花径が3.5~4cmと大きく存在感のある花が楽しめる所、多花性で株を覆うように花が咲く所、草姿がドーム状で株は高さ20cm程度になる所などにあります。
スノーランドも、他のノースポールと同様に開花期間が初冬から初夏と長くて、冬の花壇を彩る代表的な植物となります。株は草丈が低くてこんもりと広がるため、花壇に並べ植えて楽しむとよいかもしれません。
ノースポールとは!?
ノースポールの学名はLeucanthemum paludosumまたは同義語でChrysanthemum paludosum、別名では「カンシロギク(寒白菊)」や「クリサンセマム・パルドサム」等とも呼ばれる北アフリカが原産の多年草です。※園芸では夏に枯れる一年草扱いされています。
ノースポールの語源(由来)
- 属名のLeucanthemumは、ギリシャ語で「白」を意味する「λευκός(leukos)」と、ギリシャ語で「花」を意味する「ἄνθεμον(anthemon)」の二語で構成されており、花の色に由来します。
- 種小名のpaludosumはラテン語で「沼地」「湿地」を意味する「palus」からきています。
- ノースポールは、元はサカタのタネの商品名ですが、現在ではこの植物の一般名として定着しています。
ノースポールの特徴(魅力)
- ノースポールの特徴は、開花期間が初冬から初夏までと長い所、花数がとても多く、株の表面を覆うように沢山咲く所、葉の縁部分に切れ込みが入りお洒落な見た目をしている所、草丈が25cm程度にしかならず、横へと広がる傾向があるため地被植物としても利用出来る所などにあります。
- 園芸では、冬の花壇を長く彩る代表的な植物として利用されており、花壇に並べて植えられて楽しまれることが多いです。
- 草姿はドーム状にこんもりと広がる傾向ごあるため、花壇の縁どりとして使われたり、また小道沿いに並べられて縁どりとして利用されたりします。
- 開花期間は初冬から初夏、花冠はキク科でよく見られる頭花、花の大きさは直径約2~4cmあり、花の色は白色です。
- 花は多花性で株の表面を覆うように咲くため、とても華やかな見た目をしており、花の色が白色をしているため、明るさや清潔感を演出することが出来ます。
ノースポールの草丈は約15~25cm、草姿はドーム状、茎は株の根元でよく枝分かれしており、茎は直立・斜上・傾状します。
葉序は根生葉または互生葉序、葉身の長さ12cm以下、葉身の形は羽状深裂または羽状浅裂、葉の色は緑色です。
花序は頭状花序、頭状花序は直径が約2~4cm、花は舌状花と筒状花で構成されています。舌状花の形は長楕円形、舌状花の色は白色、筒状花は中心部に集まり、筒状花の色は黄色です。
ノースポールの切り花の楽しみ方
- 収穫タイミング
- 朝の涼しい時間帯もしくは夕方に収穫すると花に十分な水分が含まれており水揚げしやすいです。
- 水揚げ
- 葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて茎から全て取り外しましょう。
- 水揚げの方法は水切りを行います。
- 花瓶に生ける
- 花瓶に水を入れて花を生けましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約3~5日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
ノースポールの園芸品種の紹介
フランスギク(レウカンセマム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ノースポール(スノーランド)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ノースポール(スノーランド)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
ノースポールは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質な土壌を避けることです。ある程度の水分を保った土壌で、最もよく成長しますが、水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け時の注意点
- 植付け間隔
- 植付け間隔は30~60cm程度の間隔で離します。
- 植え付け方法
- 植付け方法は標準植えで行います。苗(根鉢)の1.5~2倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除き、標準植えで植え付けを行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ノースポール(スノーランド)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
ノースポールの培養土は、一般的な草花の培養土を選ぶと良いでしょう。
自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土を作ると良いでしょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
楽天で人気の高い培養土を購入する
- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
ノースポール(スノーランド)は、乾燥した土壌に比較的に耐えますが、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。
ただし水分の多い過湿状態が続くと根腐れをおこす事があります。そのため水やりのタイミングは注意が必要です。
地植え
地植えしている場合は、基本的に水やり不要です。ただし、雨が長く降らない時には必要に応じて水やりが必要になります。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため注意が必要になります。
水やりのタイミングは、基本的に土の表面から数cmが乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
ノースポール(スノーランド)は、肥沃な土壌を好み、また生育期間中にしっかり肥料を与える事で、株がしっかりと育ち沢山の花を咲かせます。
そのため、植え付け時に堆肥を入れておき、また生育期間中もしっかりと肥料を与えるようにしましょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 生育期間中に肥料を与えます。
- 肥料の選び方
- 肥料は化成肥料(固形肥料)、または液肥がおすすめです。
- 肥料の成分はリン酸が多めに入る山型肥料、または窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 液体肥料を与える場合は、規定された分量で希釈して、約10~14日の頻度で、水やりと一緒に液肥も与えましょう。
- 化成肥料(固形肥料)を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
挿し木や株分けで増やす
ノースポールは株分けで増やすのが最適ですか、挿し木によっても増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂の長さ7cm程度にわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂の1/3程を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分けの方法
- 株分けに適する時期
- 春または秋が最適です。
- 株分けのやり方
- 株分けの準備が出来ているか確認します。
- 株は根茎で広がり叢生するため、株分けの準備が出来ている株は、分割できそうな部分を見つける事ができます。
- 株を掘りあげます。
- 株を掘りあげたら土を軽く落として根茎の広がりと茎葉の塊の位置を確認します。
- 株と株を、根をあまり傷つけないように切り離しましょう。
- 切り離した株を新しい鉢植えまたは植えたい場所に地植えします。
- 植え直した株に水をたくさん与えたら株分けの終了です。
播種で増やす
ノースポールの種蒔の方法
播種時期:4月~5月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約5日~10日
発芽条件:好光性種子
- 種まきの時期
- 暖地:9月~10月
- 寒地:4月~5月
- 土の準備
- ピートバンや種まき専用の培養土などを準備しておくと失敗が減るでしょう。花壇の土に撒くことも可能です。
- 種の撒き方
- 種は重ならないように点まき、またはばら撒きします。
- 好光性種子のため、光がないと発芽しません。そのため、種の上に土を被せないか、乾燥を抑えるため極薄く土を被せます。
- 種まき後の管理
- 種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。