- 原産:南アメリカ
- 科:ヒガンバナ(Amaryllidaceae)
- 属:ヒッペアストルム(Hippeastrum)
- 一般名:アマリリス
- 品種:アフロディーテ(Hippeastrum ’aphrodite’/Amaryllis ’aphrodite’)
- 開花時期:4月~7月(休眠させる事で開花時期を制御できる)
- 花の色:赤色●桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:
- 分類:多年草
- 草丈:約30~50cm
- 貯蔵方法:乾燥貯蔵(おがくずを入れ完全に乾燥させない)
- 植付け時期:春植え球根
- 誕生花:5月28日・5月30日・6月21日
- 花言葉:内気・誇り・虚栄心・臆病な心・おしゃべり・輝くほどの美しさ
- 用途:切り花/球根植物
- 購入方法:アマリリス(アフロディーテ)を楽天で購入
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アマリリス(アフロディーテ)とは!?
アマリリス(アフロディーテ)の特徴は、花の大きさが20cmに達する事もあり巨大で強い存在感を感じさせる所、花の形が八重咲きで花被片が波打ちながら優雅に広がるためお洒落な見た目をしている所、花の色が白色と赤ピンク色をしており、花被片縁部分と花脈に赤ピンク色の班が入る所などにあります。そのため、優雅さをテーマにするエレガントガーデンや愛をテーマにするロマンチックガーデンなどにピッタリな園芸品種です。
アマリリスとは!?
アマリリスと呼ばれる植物は、アマリリス(Amaryllis)属とヒッペアストルム(Hippeastrum)属の二種類あります。上記の二つの属は、元々同一のアマリリス属の中にありましたが、18世紀頃から二つの属の分離が試みられており、長年に渡り多くの植物学者の間で混乱がみられました。
現在は1987年の第14回国際植物会議(International Botanical Congress)により、南アフリカを原産とする、べラドンナリリー(amaryllis belladonna)と1998年の最近に発見されたパラディシコーラ種(Amaryllis paradisicola)の二種だけがアマリリス属に残されており、南アメリカを原産とする約90の種はヒッペアストルム(Hippeastrum)属に分離されています。
アマリリス(Amaryllis)属とヒッペアストルム(Hippeastrum)属の植物は、どちらもアマリリスと呼ばれています。さらに、一般的にアマリリスとして栽培されているのはヒッペアストルム(Hippeastrum)属の方であり、ヒッペアストルムは名前付きの園芸品種が600以上あります。そのため、一般的にアマリリスの学名というとヒッペアストルムをさしている事が多いようです。
アマリリスの語源(由来)
- 種小名のHippeastrumは、古代ギリシア語で「騎兵」を意味する「ἱππεύς(hippeús)」と、古代ギリシア語で「太陽」「星座」を意味する「ᾰ̓́στρον(astron)」の二語で構成されています。この名前がついた由来は、葉の間から突き出る芽が馬に似ているなど諸説あるようです。
- アマリリスの由来は、ウェルギリウスの牧歌エクローグに登場する羊飼いの娘である「Amaryllis」からきています。
アマリリス(ヒッペアストルム)の特徴(魅力)
- アマリリス(ヒッペアストルム)の特徴は、球根の植付けから開花まで6~8週間程度と早い所、花茎が太く寸胴な見た目をしている所、花が直径10~20cmと大きくて茎の頂部に2~6個つくため、豪華な花姿が楽しめる所、葉の展開が普通は花茎が出て開花してからおこる所などにあります。
- アマリリスは豪華な花を鑑賞する目的で育てられます。例えば、花壇に植えて豪華な花を楽しみながら翌年の球根のためにエネルギーを蓄えさせたり、開花期間中だけ鉢植えに植えて屋内で花を楽しまれたり、花を収穫して切り花として楽しまれたりします。
- 地面下には鱗茎があり、鱗茎から花茎を1~3個と葉を2~7枚つけます。
- 鱗茎は直径が約5~12cmあり、大きい程に複数(1~3本)の花茎を生成して沢山の花を咲かせます。そのため、球根を購入する場合は大きい球根を選ぶとよいでしょう。
- 開花期間は一般的に春から夏にありますが、球根を約6~10週間ほど休眠させる事で開花時期を制御する事ができます。
- またいくつかの原種は開花期間が春ではなく秋にある場合もあります。
- 花序は散形花序、花茎の頂部に花が2~6個つき、花はユリのような外観をしており、直径が10~20cmあります。そのため、非常に大きく豪華な花姿が楽しめます。
- アマリリス(Hippeastrum)は休眠期が一般的に冬にありますが、夏に休眠する原種もあります。そのため、植付け時期が春ではなく夏や秋になる場合もあります。
アマリリスの草丈は約30~70cm、花茎は直立して内部は中空、鱗茎の大きさは直径が約5~12cm、鱗茎の形は球形、鱗茎は有皮鱗茎で褐色の外皮がある。※鱗茎は地下茎に養分を溜めて肉厚になった鱗片葉が重なり球状になったものです。
葉は1個の鱗茎に約2~7枚、葉序は根生葉、葉身の長さ約30~60cm(稀に90cm)、葉身の形は線形または剣形、葉の色は緑色、葉は多くの場合で花が開花した後に展開します。
花序は散形花序、散形花序は茎の頂部に約2~6個(最大14個)の花を付ける。花の直径は約10~20cm、花冠は漏斗状または鐘形状で花被片が六個ある、雄蕊は6本、雌蕊の花柱は先端で3裂します。
果実は蒴果、蒴果は三個の丸い玉が合着したようなユニークな形をしており、成熟すると果皮が3裂して種子を放出します。
アマリリスの切り花の楽しみ方
- 収穫タイミング
- 朝の涼しい時間帯もしくは夕方に収穫すると花に十分な水分が含まれており水揚げしやすいです。
- 水揚げ
- 水揚げの方法は水切りを行います。
- 花瓶に生ける
- 花瓶に水を入れて花を生けましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5日程度です。
アマリリスの主な種の紹介
ベラドンナリリー
ベラドンナリリーの学名はAmaryllis belladonna、別名では「アマリリス・ベラドンナ」や「アマリリス・ベラドンナ」等とも呼ばれる南アフリカが原産の多年草です。
ベラドンナリリーの特徴は、開花期間が秋から晩秋頃にある所、花の長さが約10cmあり、茎の頂部に約2個~12個の花がつくため豪華な花姿が楽しめる所、葉のない時期に花茎を長く伸ばして美しい花を咲かせるため、海外では花姿が裸の女性(belladonnaやnaked lady lily)に例えられる所、一般的なアマリリスと違い夏期は休眠しており夏から初秋に植え付けられる所などにあります。
園芸品種
パピリオ種
アマリリス・パピリオの学名はHippeastrum papilio、別名では「バタフライ・アマリリス(Butterfly Amaryllis)」とも呼ばれるブラジル南部が原産の多年草です。
アマリリス・パピリオの特徴は、花の形がアゲハ蝶に例えられる事があり優雅な見た目をしている所、花の大きさは直径約15cmあり大きく豪華な所、花の色は緑色と赤紫色で花の中に筆で描かれたような模様が入る所、花茎に2~3個の花を付ける所、開花期間は通常は春ですが秋にもある所、夏に休眠または休眠せずに常緑で過ごすこともできる所などにあります。
レティキュラータム種
アマリリス・レティキュラータムの学名はHippeastrum reticulatum、別名では「ヒッペアストルム・レティキュラータム」や「ネティッド・ベインド・アマリリス(netted-veined amaryllis)」とも呼ばれる多年草です。原産地は南アメリカにあり、分布はアルゼンチンからブラジル、有機物の入る砂地などに自生しています。
アマリリス・レティキュラータムの特徴は、一般的なアマリリスと違い開花期が秋にある所、花の色が白色と桃色の二色で構成されていて、花脈に桃色の脈班が入る所、葉の色が濃い緑色と白色の二色で構成されており、葉の中央脈が白色をしている所、冬の間は半休眠に入る所などにあります。
育て方・楽天で購入
アマリリスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アマリリス(アフロディーテ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
アマリリス(アフロディーテ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
アマリリスは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質な土壌を避けることです。ある程度の水分を保った土壌で、最もよく成長しますが、水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け方法
- 植え付け時期
- 3月~4月頃です。
- 植え穴の深さ
- 基本的に浅植え、球根の半分から三分の一が埋まる程度の深さで植えます。
- 植付け間隔
- 植付け間隔は30cm程度離します。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして穴の中に球根をおきます。その後、土を被せましょう。
鉢土づくり
日当り
アマリリス(アフロディーテ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
アマリリスの培養土は、一般的な草花の培養土を選ぶと良いでしょう。
自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良くて肥沃な培養土を作ると良いでしょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス+腐葉土=5:2:3
植付け方法
- 植え付け時期
- 3月~4月頃です。
- 植え穴の深さ
- 基本的に浅植え、球根の半分から三分の一が埋まる程度の深さで植えます。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして穴の中に球根をおきます。その後、土を被せましょう。
水やりの仕方
春から秋の水やり
アマリリス(アフロディーテ)の植付け後は、一度しっかりと水を与えます。
その後は、水やりの頻度を減らして乾燥気味に管理しましょう。基本的に、土の表面から約2cm~5cmが乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
冬の水やり
冬の間は水やりを止めて、乾燥した状態で管理します。
球根を掘りあげて管理する場合は冬越し方法の欄をご覧下さい。
肥料の与え方
アマリリス(アフロディーテ)は、開花の為のエネルギーを球根の中に蓄えているため、開花のために肥料を与える必要はありません。
元肥も土壌が肥沃(腐葉土などがしっかり入っている)であれば不要です。
肥料は翌年の開花のため、球根を大きくしてエネルギーを蓄えさせるために与えます。葉が展開したら追肥として定期的に肥料を与えると良いでしょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 追肥は葉が展開したら与えます。
- 肥料の選び方
- 追肥は球根用の肥料を与えるか、一般的な化成肥料または液肥を利用します。
- 肥料の成分はカリが多めに入る製品か、窒素・リン・カリの三要素がバランス良く入る製品を選びましょう。
- 追肥の与え方
- 液体肥料を規定された分量で希釈して、約10~14日の頻度で、水やりと一緒に液肥も与えましょう。
- 化成肥料(固形肥料)を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
アマリリス(アフロディーテ)の剪定は、花がら摘みを行います。
花がら摘みをする事で、見た目が良くなるとともに、種作りに使われる栄養が次の花や葉の展開にまわります。
花がら摘みのやり方
花は一般的に茎の頂部に2~6個つけます。そのため、開花が終わった花を順番に摘み取りましょう。花が全部終わったら、花茎を根元から切り取ります。
夏越しする方法
アマリリス(アフロディーテ)の自生地の気候は、熱帯や亜熱帯になりますが、基本的に多湿を嫌います。
また長雨に当たると赤斑病が発生しやすく、葉の元気がなくなったり、失われるため、出来れば雨に当てない環境で育てた方がよいでしょう。
夏越しで重要なポイント
- 夏場は、西日の当たらない半日影で育てた方が、株が弱りにくいでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 土壌が何時までも濡れていてジメジメした状態が続くと、根腐れをして枯れる事があります。
- 土壌の通気性・排水性をよくしておきましょう。
- 水やりの頻度を見直して、土壌の表面が乾いてから与えるようにしましょう。
- 長雨に当たると赤斑病が発生して葉が失われる事があります。
- 軒下等の長雨に当たらない環境で育てることもひとつの対策になります。
- 乾燥が続くと葉が萎れたり落ちたりする事があります。
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
- 半日影などの乾燥しにくい環境で管理するのもひとつの対策になります。
冬越しする方法
Hardiness:8~10
アマリリス(アフロディーテ)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば屋外で越冬させる事も可能です。ただし、球根が凍結すると腐れるため、冬越し対策が必要でしょう。
冬越し対策
- 地植えしている場合
- 霜が降りる前に、球根の上に腐葉土を被せたり、不織布を被せて凍結対策をおこないます。
- 寒冷地などの寒さが厳しい場所であれば、球根を掘りあげて温度が5度以上ある場所で貯蔵します。※詳しくは下記をご覧下さい。
- 鉢植えで管理している場合
- 鉢植えを霜の当たらない軒下に移動して、水を切り乾燥気味に管理する。
- 寒冷地であれば、屋内や温室に移動して、5度以下にならない場所で管理しましょう。
球根の貯蔵のやり方
- 掘りあげ時期
- 葉が黄色くなり地上部が枯れたら掘りあげを行います。
- 球根を綺麗にする
- 球根を傷つけないように土を落とします。
- 乾燥
- 球根が湿った状態では雑菌が繁殖して腐敗するため、貯蔵する前に、外側を乾燥させ、傷ついている部分にはカルスを形成させましょう。
- 直射日光を避けた日陰の風通しのよい場所に仮置きして、数日程度、乾燥させます。
- 球根から葉を外します。葉は残したままにしておくと、そこから腐敗して球根が病気になる可能性があります。
- 球根を保管する
- 箱の中に、おがくずを入れて、その中に球根を入れます。球根が複数ある場合は病気の伝染などを防ぐために離していれましょう。
- 温度が氷点下を下回ると球根が腐敗しやすいため、最低でも5度以上の場所で管理しましょう。