- 原産:熱帯・亜熱帯アメリカ
- 科:カンナ(Cannaceae)
- 属:カンナ(Canna)
- 別名:カンナリリー(canna lily)
- 品種:ブラックナイト(Canna ’black knight’)
- 開花時期:6月~10月
- 花の色:橙色●
- 葉の色:黒色●紫色●
- 香り:
- 分類:多年草
- 草丈:約100~180cm
- 貯蔵方法:湿潤貯蔵
- 植付け時期:春植え球根
- 誕生花:8月3日・8月13日・8月19日・9月21日
- 花言葉:情熱・快活・妄想・永遠・熱い思い
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/背が高い花/球根植物
- 購入方法:カンナ(ブラックナイト)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
カンナ(ブラックナイト)とは!?
カンナ(ブラックナイト)の特徴は、葉の色が殆ど黒色に見える暗紫色をしているため重厚的で上品な雰囲気をつくる所、花の仮雄蕊はやや幅狭ですが大きく華やかな見た目をしている所、花の色が鮮やかな橙色をしているためカジュアルで明るさを感じさせる所等にあります。
カンナとは!?
カンナの学名はCanna、別名では「カンナリリー(canna lily)」とも呼ばれている多年草です。カンナは属の中に約10~20種があり、原産地は熱帯アメリカまたは熱帯アメリカにあり、ヨーロッパ・インド・アフリカに帰化しています。
カンナは、観賞用または農業用として広く栽培されていますが、現在栽培されている多くが原種同士を掛け合わせた雑種の園芸品種です。そのため、原種の品種として分類されずハイブリッドの品種として表記される事が多いです。
カンナの交雑種は、1848年にフランスの外交官で園芸家のThéodore Annéeが、Canna glaucaとCanna indicaの交配をしたのが始まりで、1860年代初頭にThéodore Annéeが育種した系統からフランスの育種家Pierre Antoine Marie Crozy (1831-1903)はフレンチカンナ系の品種を多数作出して、1890年代初頭にはフレンチカンナ系とフラッキダ種を交雑させる事でドイツの植物学者のCarl Ludwig Sprengerはイタリアンカンナ系の品種を多数作出しています。以降もカンナは様々な品種が生み出されており、現在は外見上の特徴により11の系統(グループ)に品種が分けられています。
カンナの語源(由来)
- 属名のCannaはラテン語で「杖」や「葦」を意味しており、草姿が湿地に生える葦に似ている所に由来しています。
カンナの特徴(魅力)
- カンナの特徴は、大きく優雅に広がる葉と鮮やかな花の色がエキゾチックな雰囲気と熱帯のジャングルの中を想像させる所、開花が初夏から晩秋頃までととても長く大きくて色鮮やかな花を長く咲かせる所、葉が巨大で優雅に広がるためジャングルのなかのような鬱蒼した雰囲気をつくる所、葉の色が緑色以外にも様々あるためカラーリーフにもなる所、根茎が地面下で広がるため群生をつくる所などにあります。
- カンナは花や葉を鑑賞する目的で育てられる事が多く、お庭の中に熱帯のエキゾチックな雰囲気をつくる事ができます。また商業的に、人間や家畜動物が根茎や葉を食用とする目的で栽培されることもあります。
- 草姿は叢生、地面下にある太い根茎を介して広がりながら、茎を何本もだします。茎は基本的に分枝する事がなく、垂直に伸びるため行儀良い印象を感じさせます。
- 葉は約20~70cmと非常に大きいためジャングルの中のような鬱蒼とした雰囲気をつくります。そのため、お庭の中に熱帯のジャングルやエキゾチックな南国の雰囲気を作りたい時などにおすすめの植物です。
- 葉の色は緑色の他に、赤色・橙色・黄色・紫色・白色・黒色などがあります。そのため、品種を選べばカラーリーフとして楽しむこともできます。
- 開花期間が初夏から晩秋ととても長いため、お庭の中を長く花で彩りたい人におすすめの植物です。
- 花序は総状花序または総状花序が複数つく円錐花序、花は装飾性の高い花弁状の雄蕊(仮雄蕊5雄蕊1)と、仮雄蕊の影に隠れている小さな花弁3個(または萼片を花被片と数えて6個)で構成されています。
- 原種の多くは花弁状の仮雄蕊が細い傾向がありますが、交雑品種は花弁状の仮雄蕊や舌弁や雄蕊が幅広く華やかな見た目をしています。
- カンナはアンデス山脈地方・中国・ベトナムなどで食用目的で栽培されており、根茎をすり潰し加工して食用にされたり、若芽をサラダとして食べられたりしています。
- また葉や根茎は家畜用の飼料として栽培されることもあり、これらのカンナの食用品種はアグリカルチャー系に分類されてます。
- カンナは、基本的に湿り気のある土壌を好み、池の回りなど浅瀬で栽培されたり、また乾燥した地域では、鉢を水中につけて腰水しながら育てられたりする事もあります。
- カンナを水中(浅瀬)で栽培したい場合は、水生系の品種を選ぶと良いかもしれません。
カンナの草丈は約50~300cm、根茎は太く地面の下を横方向に伸びる傾向があり、草姿は叢生、茎は基本的に分枝せずに直立します。
葉序は互生葉序、葉の付け根は抱茎しており、葉身の長さ約20~70cm、葉身の形は卵形または楕円形、葉の色は緑色・赤色・黄色・橙色・紫色・黒色、葉の向きは直立または斜上する。
花序は総状花序または円錐花序、苞の形は卵形、苞の色は緑色または赤色や紫色です。花の構成は萼片3個・花弁は3個・花弁状の雄蕊5個(内に仮雄蕊4個)・雌蕊は1個です。萼片は花の基部にあり小さく目立たず、花弁は細長く内側に巻きロール状になる傾向があり、雄蕊は花弁状で外側3個は大きくて内側2個は小さく、内側の1個は唇弁(仮雄蕊)でもう1個は花弁状の雄蕊に葯がついている、雌蕊の形はヘラ状です。果実は蒴果、蒴果は成熟すると果皮が裂開して5~75個の種子を放出します。
カンナの系統(グループ)
フレンチカンナ系(Canna × generalis L.H. Bailey)
フレンチカンナ系は、別名では「Canna × generalis L.H. Bailey」や「クロージー系(Crozy group)」とも呼ばれる品種群です。
このグループの先駆者はフランスの育種家Pierre Antoine Marie Crozy (1831-1903)と言われており、彼の名前がこのグループの名称となっています。
フレンチカンナ系の特徴は、イタリアンカンナ系と比べると外側の仮雄蕊の幅が狭くほっそりしている所、唇弁は小さめで湾曲したり捻れれたりする傾向がある所などにあります。そのため、仮雄蕊の間には空間があり花の作りがよく観察できます。
イタリアンカンナ系(Italian group)
イタリアンカンナ系は、別名では「ラン・カンナ(orchid canna)」とも呼ばれている品種群です。
ドイツの植物学者のCarl Ludwig Sprengerはフレンチカンナ系をたえず交配しても、これ以上注目に値する品種を作出できないと結論ずけ、フレンチカンナ系の交配に北アメリカ原産のフラッキダ種(Canna flaccida)を採用して、1890年代にイタリアンカンナ系の品種を初めて作出しました。
イタリアンカンナ系の特徴は、従来のカンナと比べて外側の花弁状の仮雄蕊が幅広い所、内側の唇弁は外側の仮雄蕊と同程度の大きさがある所、もう1枚の雄蕊も大きめな所にあります。そのため、仮雄蕊同士が密に重なりボリュームよい花姿をつくります。
またイタリアンカンナ系は、花の形がランの花に似てると言われる事がありますが、類似性はあまりないようです。
フォリッジ系(Foliage group)
フォリッジ系は、世界で初めてカンナの交配を行ったフランスの園芸家であるThéodore Annéeにちなんで「Annee Group」とも呼ばれている品種群です。
フォリッジ系は、主に葉を鑑賞する目的で育てられます。他のカンナと同様に花も咲かせますが、原種に近い小振りな花を咲かせる傾向があるようです。
オーストラリアン系(Australian group)
オーストラリアン系は、フォリッジ系のCanna ‘Red Stripe’とイタリアンカンナ系のCanna ‘Bengal Tiger’の交配により、大きくて魅力的な葉と大きくて豪華な花を受け継いだ品種群です。
プレミア系(Premier group)
プレミア系は、イタリアンカンナ系や三倍体の品種の交配に由来している品種群です。
プレミア系は、花弁状の仮雄蕊がとても大きくて、仮雄蕊の形が殆ど円形をしている所が特徴です。そのため、花弁状の仮雄蕊同士が強く重なる傾向にあります。
斑入り系(Variegated group)
班入り系とは、葉の中に二色以上の色の異なる部分が存在している品種群です。また班入り系は他の系統と重複していることもあります。
コンサバトリー系(Conservatory group)
コンサバトリー系は、温室向けに品種改良された品種群です。
コンサバトリー系の植物は、植物の力強さ、早期に開花する習性、葉の外観、自己清掃能力、および良い繁殖特性を持っている必要があります。
水生系(Aquatic group)
水生系は、グラウカ種(Canna glauca)と幾つかの種で交配されており、湿地や池の周りなど浅瀬で育てるのに適した品種群になります。またこの品種群は、葉が細く槍のような見た目をしている所、根茎が細長い所なども特徴になります。
ミニチュア系(Miniature group)
ミニチュア系は、植物の高さが50cm以下の品種群です。
アグリカルチャー系(Agriculture group)
アグリカルチャー系は、農業での利用する目的で品種改良された品種群です。
アグリカルチャー系は、根茎や葉(若葉)を人間や家畜動物が食べる目的で栽培されます。そのため、根茎が太く大きかったり、食味がよい品種が選ばれるようです。
ムサフォリア系(Musaefolia Group)
ムサフォリア系は、葉の大きさが巨大で、葉の形がバショウ属(バナナ)の葉に似ている所が特徴の品種群です。
カンナの主な原種の紹介
ダンドク
ダンドクの学名はcanna indica、別名では「カンナ・インディカ」や「エディブルカンナ(edible canna)」や「アフリカン・アロールート(African arrowroot)」等とも呼ばれている多年草です。原産地は南アメリカ・中央アメリカ・メキシコ・西インド諸島にあり、自生地は川辺や湿地、荒地などにあります。
ダンドクの特徴は、交雑種のカンナと比べると花がほっそりとしていて直立する傾向にある所、大きく優雅に広がる葉と真っ赤な花の色がエキゾチックな雰囲気と熱帯のジャングルの中を想像させる所、開花が初夏から晩秋頃(熱帯では周年) ととても長い所、葉が巨大で優雅に広がるためジャングルのなかのような鬱蒼した雰囲気をつくる所、根茎が太く生姜のような見た目をしており、地面下で広がるため群生をつくる所などにあります。
ダンドクは古くからアメリカの先住民によって栽培されてきた歴史があり、食用作物として利用されてきました。また花や葉が、とても美しいため、ハイブリッドの品種ほどではないですが、鑑賞用としても育てられています。
ゴールデン・カンナ
ゴールデン・カンナの学名はcanna flaccida、別名では「カンナ・フラッキダ」や「バンダナ・オブザ・エバーグレーズ(Bandanna Of The Everglades)」等とも呼ばれている多年草です。原産地は北アメリカにあり、自生地は湿地や沼地などにあり水生植物です。
ゴールデン・カンナの特徴は、イタリアンカンナ系の交雑で利用された重要な原種である所、原種の中では仮雄蕊が幅広で大きく華やかな見た目をしている所、花の色が鮮やかな黄色をしているため明るく元気な印象を感じさせる所、花は夕方に咲き翌日には萎れる所、湿地や沼地などに自生していることからも分かる通り浅瀬で育てられる所、葉が細くシュッとした見た目をしてる所、根茎が太く生姜のような見た目をしており、地面下で広がるため群生をつくる所などにあります。
ゴールデン・カンナは水生植物として水辺などで育てられるため、ビオトープ等に利用されることがあります。
カンナ・グラウカ
カンナ・グラウカの学名はcanna glauca、別名では「ウォーターカンナ(water canna)」や「ルイジアナカンナ(Louisiana canna)」等とも呼ばれている多年草です。原産地は熱帯アメリカにあり、自生地は湿地や沼地などにあり水生植物です。
カンナ・グラウカの特徴は、水生系(Aquatic group)の交雑で利用される重要な原種である所、花は仮雄蕊が狭くほっそりとしたシャープな見た目をしている所、花の色が鮮やかな黄色をしているため明るく元気な印象を感じさせる所、湿地や沼地などに自生していることからも分かる通り浅瀬で育てられる所、葉が細くシュッとした見た目をしてる所、根茎が地面下で広がるため群生をつくる所などにあります。
カンナ・グラウカは水生植物として水辺などで育てられるため、ビオトープ等に利用されることがあります。
カンナの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
カンナ(ブラックナイト)の育て方
花壇の土づくり
日当り
カンナ(ブラックナイト)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
カンナは、一定の湿り気のある肥沃な土壌を好みます。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、改良用土を入れて土壌の通気性・排水性・保水性のバランスを整え、黒土や腐葉土などを入れて肥沃さをあげましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け方法
- 植え付け時期
- 4月~5月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは根茎の大きさに合わせて、地面から5~10cmに穴を掘ります。
- 植付け間隔
- 植付け間隔は40~60cm程度離します。
- 植え方
- 根茎の成長点を上向きにして穴の中に根茎をおきます。その後、土を被せましょう。
鉢土づくり
日当り
カンナ(ブラックナイト)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
カンナの培養土は、腐植の多い肥沃で、保水性が高めの、通気性のよい培養土を選びましょう。
自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良くて、肥沃な培養土を作ると良いでしょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土+バーミキュライト=5:3:2
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス+腐葉土=5:2:3
- 黒土+腐葉土+赤玉土=5:3:2
植付け方法
- 植え付け時期
- 4月~5月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは根茎の大きさに合わせて、地面から5~8cmに穴を掘ります。
- 植え方
- 根茎の成長点を上向きにして穴の中に根茎をおきます。その後、土を被せましょう。
水やりの仕方
春から秋の水やり
カンナ(ブラックナイト)は、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。
そのため、地植えしている場合も、生育が活発な期間、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時には、必要に応じて水やりをしてあげた方が良いでしょう。
鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため特に注意が必要です。※乾燥地域では、鉢植えを水をいれた容器の中に半分程度沈めて腰水で育てる事も可能です。
水やりのタイミングは、基本的に土の表面から数cmが乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
冬の水やり
冬の間も土壌は完全に乾燥させずに、少しだけ湿り気のある状態を保ちましょう。
球根を掘りあげて管理する場合は冬越し方法の欄をご覧下さい。
肥料の与え方
カンナ(ブラックナイト)は肥料食いの植物です。肥沃な土壌と十分な肥料がある事で、活発に成長して沢山の花を咲かせます。
そのため、生育期間中はしっかりと肥料を与える事が大切でしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥を与える時期
- 冬から早春に堆肥をいれます。
- 堆肥の入れ方
- 地植えの場合は株の上に堆肥(腐葉土や牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れます。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は、古い土の中に二割から五割ほど新しい土を混ぜます。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 生育期間中の春から中秋にかけて肥料を与えます。
- 肥料の選び方
- 肥料は有機肥料・化成肥料(固形肥料)・液肥が利用できます。肥沃な土壌を好むため、有機肥料がおすすめです。
- 肥料の成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 液体肥料を与える場合は、規定された分量で希釈して、約10~14日の頻度で、水やりと一緒に液肥も与えましょう。
- 化成肥料(固形肥料)を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
- 有機肥料を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。有機肥料を土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を埋めるとよいでしょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
剪定のやり方
カンナ(ブラックナイト)の剪定は、花がら摘みと切り戻し剪定を行います。
花がら摘みのやり方
花は茎の上部に複数の花をつけます。そのため、花軸についてる花を開花が終わった順番に摘み取ることも出来ます。
一般的には花穂の花が全部終わったら、花穂の下の分枝した部分または葉の上で切り戻します。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 生育期間中であれば何時でも行えます。
- 剪定方法
- 株全体を観察して、損傷したり、病気になっていたり、枯れたりしている茎や葉を見つけたら剪定して取り除きましょう。
- 剪定は、健康な部分まで戻り切り戻し剪定するか、地面の近くで切り戻し剪定しましょう。
- 晩秋から初冬になり、地上部がの葉が枯れたら、地面から10cm程度の場所で切り戻し剪定しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:8~11
カンナ(ブラックナイト)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地や平地であれば屋外で越冬させる事も可能です。ただし、根茎が凍結すると腐敗して枯れる事もあるため、冬越し対策が必要でしょう。
冬越し対策
- 地植えしている場合
- 寒さが厳しくなる前に、株の上に腐葉土を約10~20cmの厚みで盛り、凍結対策をおこないます。
- 寒さがより厳しい地域であれば、球根を掘りあげて温度が5度以上の場所で貯蔵します。※詳しくは下記をご覧下さい。
- 鉢植えで管理している場合
- 鉢植えを霜の当たらない軒下などに移動して、鉢土が完全に乾燥しないように、ほんのりと湿潤している状態で春まで管理します。
- 寒冷地であれば、屋内や温室に移動して、5度以下にならない場所で管理しましょう。
湿潤貯蔵の方法の例
- 掘りあげ時期
- 地上部が枯れて、植物が休眠してからおこないます。
- 掘りあげる前に水やりを止めて、土を乾燥させておきましょう。
- 根茎を綺麗にする
- 根茎を傷つけないように土を落として、邪魔な茎を整理します。
- 根茎を保管する
- 袋または箱の中に適度に湿らせたバーミキュライトまたはピートモスを入れて、その中に根茎を入れます。
- 植え付け時期まで、湿潤状態を保ち、温度が適度に保たれた冷暗所で保管します。
播種で増やす
カンナの種蒔の方法
播種時期:3月~6月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約7~21日
発芽条件:硬実種子
カンナは種皮が硬くて、種の中に上手く水分を吸収出来ない硬実種子です。硬実種子は、物理的な休眠状態にあり、そのまま種を撒いても発芽が安定しません。
そのため、自家採種された硬実種子は発芽促進処理として種皮カットや事前吸水を行い、種まきがされるのが一般的です。
事前吸水のやり方
- 種を水に漬ける
- 種を水の中に一日~二日くらい浸します。
- 吸水が上手くいくと膨張するため、これを撒きます。