- 原産:ヨーロッパ
- 科:イヌサフラン(Colchicaceae)
- 属:コルチカム/イヌサフラン(Colchicum)
- 種:イヌサフラン(Colchicum autumnale)
- 別名:オータム・クロッカス/メドウ・サフラン(meadow saffron)/ネイキッド・ボーイ・プラント(naked boys plant)/ネイキッド・レディース・プラント(naked ladies)
- 開花時期:8月~10月
- 花の色:桃色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:
- 分類:多年草
- 草丈:約10~20cm
- 貯蔵方法:乾燥貯蔵
- 植付け時期:夏植え球根
- 誕生花:9月21日
- 花言葉:頑固・永続危険な美しさ・楽しい思い出・悔いなき青春・私の最良の日は過ぎた
- 用途:球根植物
- 購入方法:コルチカム(イヌサフラン)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
コルチカム(イヌサフラン)とは!?
コルチカム(イヌサフラン)の学名はColchicum autumnale、広義ではイヌサフラン属全体をさしていますが、狭義ではイヌサフラン属の中の一種であるColchicum autumnaleをさしています。
コルチカム(イヌサフラン)は別名では「オータム・クロッカス(autumn crocus)」や「メドウ・サフラン(meadow saffron)」等とも呼ばれており、原産地はイギリスやアイルランドなど、ヨーロッパやロシアなどの広い地域に帰化しており、牧草地などに自生しています。
コルチカム(イヌサフラン)の語源(由来)
- 属名のColchicumは、現在のコーカサス地方のジョージア西部にあった、「コルキス(Κολχίς)」の古代ギリシャ語の名前からおり、この地域にコルチカムが沢山自生していた事に由来しています。
- 種小名のautumnaleはラテン語で「秋」を意味しており、花が開花する季節に由来します。
- イヌサフランは「イヌ」と「サフラン」の二語で構成されています。イヌは「(有用な植物と比べて)否」または「(本物と比べて)役に立たない」を意味しており、サフランは香辛料などにも使われる有用な植物の事です。
- 恐らくサフランとイヌサフランは草姿や花の形がよく似ていますが、本物のサフランと違い、イヌサフランには猛毒があり役に立たない事からきていると思われます。※イヌサフランに含有するコルヒチンは医薬品に利用されている。
コルチカム(イヌサフラン)の特徴(魅力)
- コルチカム(イヌサフラン)の特徴は、花と葉の展開が別々の季節にある所、開花は秋頃にあり地面から直接花が開花するようなユニークな花姿をつくる所、葉は春から夏が始まる頃まで展開する所、この植物に含まれるコルヒチンは専門家が医薬品に使うことがありますが致死性もあり非常に有毒な所などにあります。
- 園芸では、地面から直接生えたようなユニークな花姿を楽しむ目的で栽培されており、花壇の縁どりに使われたり、一区画に大量植栽して花絨毯のようにして楽しまれたり、また土が無くても育てられる事からテーブル花として楽しまれたりします。
- 球根(球茎)が地面下にあり、球茎は茎が肥大化して卵形または扁球形をしており、外側に薄皮があります。
- 球茎からは花(花茎)と葉を直接展開します。葉は春に展開して夏が始まる頃には枯れており、花の展開は秋頃にあります。海外では、葉のない地面から剥き出しの花茎が出て花が咲くため、この植物をnaked boys plantやnaked ladies plantと呼んでいます。
- 開花期間は秋頃、夏季に休眠しますが休眠から目覚めて花が咲くまでのスパンが短い所も特徴です。
- 花茎は球茎から1~6本出ており、花茎の先端に一個の花を付けます。花は皿状に六個の花被片が緩く開いおり、空に向かい上向きに花は開花します。
- コルチカム(イヌサフラン)はアルカロイドの一種であるコルヒチンを含有しており、専門家が医薬品として利用することもありますが、非常に有毒です。
- コルヒチンの致死量は約1~6g、コルヒチンを大量に含有する球根(全草が有毒)を間違えて一個でも摂取すると死亡する可能性もあり、日本でも誤った摂取により死者が出たり、食中毒を引き起こしたりしています。そのため、知識のない子供のいる家庭やペットのいる家庭では注意して栽培する必要があります。
コルチカム(イヌサフラン)の草丈は約10~20cm、球茎の形は茎が肥大化して卵形または扁球形をしており、外側の薄皮は褐色または薄い褐色、球茎から秋に花茎と春に葉を直接展開する。
葉は球茎から普通4枚(3~7枚)を根生する、葉身の形は狭楕円形、 葉身の長さ約10~25cm、葉の色は緑色、葉は春から夏が始まるまでの期間のみに出る。
花茎は球茎から1~6本、花序は単頂花序、花径は約4~7cm、花の形は皿状、花の構成は花被片6枚・雄蕊6本・雌蕊(心皮3・花柱1・柱頭3)です。花被片の形は倒披針形または狭楕円形、花被片の色は桃色・紫色・白色です。雄蕊の花糸の色は白色、雄蕊の葯は楕円形で黄色または橙色です。雌蕊は心皮が3枚、花柱は1、花柱は途中で3裂してフック状に曲がり、柱頭が3個ある。
果実は蒴果、蒴果は楕円形、成熟すると果皮が3裂して種子を放出します。
コルチカム(イヌサフラン)の園芸品種の紹介
コルチカム(イヌサフラン)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
コルチカム(イヌサフラン)の育て方
花壇の土づくり
日当り
コルチカム(イヌサフラン)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
コルチカム(イヌサフラン)は、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質な土壌を避けることです。ある程度の水分を保った土壌で、最もよく成長しますが、水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け方法
- 植え付け時期
- 7~9月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは、地面から6~10cmです。
- 植付け間隔
- 植付け間隔は10~15cm程度離します。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして穴の中に球根をおきます。その後、土を被せましょう。
鉢土づくり
日当り
コルチカム(イヌサフラン)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
コルチカム(イヌサフラン)の培養土は、一般的な草花の培養土を選ぶと良いでしょう。
自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土を作ると良いでしょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス+腐葉土=5:2:3
植付け方法
- 植え付け時期
- 7~9月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは、地面から6~10cmです。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして穴の中に球根をおきます。その後、土を被せましょう。
水やりの仕方
秋から春の水やり
一般的な植物と同様に乾燥と湿潤の繰り返しを好みます。
生育期間中の秋から春は、土の表面が乾いてきたら、水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
夏の水やり
夏の間は水やりを控えます。地上部が枯れて休眠に入ったら、成長が始まる秋まで水やりを止めます。
夏越しする方法
コルチカム(イヌサフラン)は夏場休眠しているため、お世話は必要ありません。ただし管理のやり方によっては球根が腐敗してしまうことがあります。
そのため、必要に応じた夏越し対策をしましょう。
夏越しで重要なポイント
- 地植えしている場合
- 球根を植えている場所の土壌の排水性が高く、乾燥気味で管理出来る場合は植えっぱなしでも問題ありません。
- 長雨に当たるような場所に植えている場合は、球根を掘り起こして乾燥貯蔵をした方が良いでしょう。
- 鉢植えで管理している場合
- 鉢植えで管理している場合は、軒下などの雨の当たらない場所に移動しましょう。株が休眠したら休眠の終わる夏の終わり頃まで水やりを止めます。
乾燥貯蔵
乾燥貯蔵とは、球根を乾燥させた状態で保存する方法です。球根を通気性の良いネット等の中に入れて、風通しの良い場所で冷暗所等で管理します。
乾燥貯蔵の方法の例
- 掘りあげ時期
- 地上部が枯れて休眠してからおこないます。
- 球根を綺麗にする
- 球根を傷つけないように土を落とします。方法は、手やブラシ、流水などを使いましょう。
- 乾燥
- 球根が湿った状態では雑菌が繁殖して腐敗するため、貯蔵する前に、外側を乾燥させ、傷ついている部分にはカルスを形成させましょう。
- 直射日光を避けた日陰の風通しのよい場所に仮置きして、数日から一週間程度、乾燥させます。
- 球根から葉・根を外します。葉・根は残したままにしておくと、そこから腐敗して球根が病気になる可能性があります。
- 球根を保管する
- 植え付け時期まで、直射日光を避けた日陰の風通しのよい場所に保管します。
播種で増やす
コルチカム(イヌサフラン)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
コルチカム(イヌサフラン)の種子は、通常は生理的休眠をしているため、発芽するには冬の寒さを経験させるか、低温湿層処理が必要です。
そのため、秋に種を撒いて冬を経験させて春まで発芽を待つか、低温湿層処理の後に種を撒いて発芽が揃えられます。
低温湿層処理のやり方
- 袋・バーミキュライト・完熟した種を準備する。
- バーミキュライトを水で軽く湿らせてから、袋の中に入れる。
- 袋の中のバーミキュライトの中に種を入れる。
- 袋の中の湿潤を保った状態で冷蔵庫(約4度)の中に入れて2ヶ月程度保管します。
- 種を撒くのによい時期(発芽適温)になったら冷蔵庫から種を取り出して種を撒きます。