ユーコミス(パイナップルリリー)は属の中に約10~13種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。
また上記の他にも、このページでは様々な種や園芸品種を紹介しています。育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらもよければご活用下さい。
目次
ユーコミス(パイナップルリリー)の特徴や園芸品種
- 原産:南部アフリカ
- 学名:Eucomis
- 分類:多年草
- 開花時期:6月~8月
- 花色:赤色●桃色●黄色●紫色●緑色●黒色●白色〇
- 葉色:緑色●紫色●赤色●黒色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通(強い)
- 誕生花:8月4日・10月5日
- 花言葉:完全・完璧・あなたは完璧
- 用途:カラーリーフ/切り花/球根植物/ロックガーデン
- 購入方法:ユーコミス(パイナップルリリー)を楽天で購入
ユーコミス(パイナップルリリー)とは!?
ユーコミス(パイナップルリリー)の学名はEucomis、英名では「パイナップル・リリー(pineapple lilies)」や「パイナップル・フラワー(pineapple flowers)」とも呼ばれている多年草です。
ユーコミス(パイナップルリリー)は属の中に約10~13種があり、原産地は南部アフリカ、自生地は草原・湿地・砂地・川岸・森林の中等の様々な場所にあります。
ユーコミス(パイナップルリリー)は観賞用として広く栽培されており、主にパイナップルリリー(Eucomis Autumnalis)・ホシオモト(Eucomis comosa)・ビカラー(Eucomis bicolor)・パリディフローラ(Eucomis pallidiflora)・バンデルメルウェイ(Eucomis vandermerwei)と、その品種と交雑種のハイブリッド品種等が利用されています。
ユーコミス(パイナップルリリー)の語源(由来)
- 属名のEucomisは古代ギリシア語で「よい」を意味する「εὖ(eû)」と、古代ギリシア語で「髪」を意味する「κόμη(kómē)」の二語で構成されており、美しい髪を意味しています。
- Eucomisの由来はユーコミスの花序の頂部で広がる苞葉が髪の毛を想像させる所からきます。
- パイナップルリリーの由来は、花の形が果物のパイナップルのように見える所からきています。
ユーコミス(パイナップルリリー)の特徴(魅力)
- ユーコミス(パイナップルリリー)の特徴は、花の形が果物のパイナップルのように見えるためトロピカルな雰囲気をつくる所、花茎は太く大きな花が密につくためボリュームのよい花姿をつくる所、鱗茎が地面下にあり葉をロゼット状に展開する所、葉はとても大きくて葉挿しから簡単に増やせる所などにあります。
- ユーコミスは南国の果物のパイナップルを思わせるような花を咲かせるため、トロピカルガーデンなどによくあいます。また花は収穫後の日持ちがとても長いため、切り花としても楽しまれます。
- 鱗茎が地面下にあり、鱗茎は自然分球で増えていくため、年々株が増えて群生をつくり、密集した花姿を楽しめるようになります。
- 鱗茎は花茎と葉を直接展開します。葉の展開や花茎を出す時期は、原種や品種により変わりますが多くの場合は春に成長がはじまります。
- 葉は鱗茎から根生しており、ロゼット状に展開して広がります。
- 葉の形は原種や品種により楕円形・狭楕円形・披針形・倒披針形などがあり、色も緑色・赤紫色・緑色に赤紫色の斑点(星斑)などがあります。そのため、いくつかの原種や品種ではカラーリーフとして利用されることもあります。
- 葉を輪切りにして切り口を倍土に挿すと、切り口に小さな球根ができます。この球根はしっかり育てると約2~5年後に花を咲かせるまでに育ちます。
- 開花期間は六月から八月、花茎は太く直立しており、花序は総状花序、総状花序は花が密につき、花がとても大きいためボリュームのよい花姿をつくります。また花序の頂部に苞葉がロゼットのように広がるため、果物のパイナップルのような見た目をしていることもあります。
- 花は収穫後の日持ちがとても良いことから、切り花として花瓶の中に入れて飾られることも多いです。
- 切り花の日持ちは、 管理の仕方などにも左右されますが花瓶の中で一般的に1~2週間の日持ちがあります。
ユーコミス(パイナップルリリー)は、鱗茎が地面下にあり、鱗茎の形は卵形、鱗茎から花茎と葉を直接展開します。
葉は鱗茎から根生する、葉身の形は楕円形(狭楕円形)または披針形(倒披針形)、葉縁部分は波打つ傾向があり、葉の色は緑色です。
花茎は鱗茎から出る、花茎の色は緑色・赤紫色・緑色に赤紫色の斑点の3パターンがある。花序は総状花序、総状花序は長く伸びる花序軸に多数の花柄のある花を付けており、花序の頂部には苞葉が放射状につくためパイナップルのような外観をつくる。花は花被片の数が6枚・雄蕊の数が6本・雌蕊の数が1本です。花被片の形は披針形または楕円形、花被片の色は赤・桃・紫・黄・緑・白などです。果実は蒴果、成熟すると果皮が3裂して種子を放出します。
ユーコミス(パイナップルリリー)の主な原種を紹介
パイナップルリリー
パイナップルリリーの学名はEucomis Autumnalis、広義ではユーコミス(Eucomis)属全体をさしていますが、狭義ではユーコミスの中の一種であるEucomis Autumnalisをさしています。
パイナップルリリーは別名では「ユーコミス・オータムナリス」や「オータムパイナップルリリー(autumn pineapple lily)」とも呼ばれており、原産地が南部アフリカ、自生地は山の斜面・草原・湿地などにある多年草です。
パイナップルリリーの特徴は、花の形が果物のパイナップルのように見える所、花茎が太くて大きな花が密につくためボリュームのよい花姿をつくる所、花序の頂部に房状に苞葉がつく所、鱗茎が地面下にあり葉をロゼット状に展開する所、葉の縁部分は上下に波打つ傾向があるため優雅な雰囲気を感じさせる所、葉はとても大きくて葉挿しから簡単に増やせる所などにあります。
パイナップルリリーは南国の果物のパイナップルを思わせるような花を咲かせるため、トロピカルガーデンなどによくあいます。また花は収穫後の日持ちがとても長いため、切り花としても楽しまれます。
ホシオモト
ホシオモトの学名はEucomis comosaまたは同義語でEucomis punctata、別名では「ユーコミス・コモサ」や「ユーコミス・プンクタータ」等とも呼ばれる多年草です。ホシオモトの原産地は南アフリカにあり、自生地は岩場・草原・湿地などにあります。
ホシオモトは海外では単に「パイナップルフラワー(pineapple flower)」や「パイナップルリリー(pineapple lily)」と呼ばれており、パイナップルのような見た目をした花姿が魅力の植物です。一方で、日本でパイナップルリリーと言うとユーコミス属の中の一種であるEucomis Autumnalisの方を指している事が多いようで、こちらは海外では「秋咲きのパイナップルリリー(autumn pineapple lily)」と呼ばれています。
ホシオモトの特徴は、花の形が果物のパイナップルのように見える所、花茎には赤紫色の斑点が入ったり全体が赤紫色を帯びていたりする所、花茎が太くて大きな花が密につくためボリュームのよい花姿をつくる所、花序の頂部に房状に小振りな苞葉がつく所、鱗茎が地面下にあり葉をロゼット状に展開する所、葉の裏面に赤紫色の斑点が入る所、葉はとても大きくて葉挿しから簡単に増やせる所、ユーコミス属の中でも耐寒性が高い方のため育てやすい所などにあります。ホシオモトは南国の果物のパイナップルを思わせるような花を咲かせるため、トロピカルガーデンなどによくあいます。また品種によっては茎や葉が全体的に赤紫色になるため、カラーリーフとして楽しまれることもあります。
ホシオモトの園芸品種
ユーコミス・プンクタータ
ユーコミス・プンクタータの学名はEucomis comosa、同義語としてEucomis punctataがあります。そのため、一般的にはホシオモト(Eucomis comosa)の別名としてユーコミス・プンクタータ(Eucomis punctata)の名称が利用されています。基本的に同一植物です。
スパークリングバーガンディ
ユーコミス(スパークリングバーガンディ)の特徴は、葉の色が鮮やかな紫色をしていて、成熟するにつれて徐々に紫みを帯びる濃い緑色の葉になる所、花茎が赤紫色をしている所、花は紫色の蕾から始まり、白色または薄い紫色の花が咲く所などにあります。そのため、上品さを感じさせるエレガントガーデンなどによく合う園芸品種です。
ユーコミス・バンデルメルウェイ
ユーコミス・バンデルメルウェイの学名はEucomis vandermerwei、別名では「スポッテッドリーフ・ユーコミス(spotted-leaf eucomis)」とも呼ばれる多年草です。
ユーコミス・バンデルメルウェイの原産地は南アフリカにあり、自生地は高原や丘の斜面など、砂質の土壌などに生息しています。
ユーコミス・バンデルメルウェイの特徴は、花の形が果物のパイナップルのように見える所、花茎には赤紫色をしている所、花茎が太くて大きな花が密につくためボリュームのよい花姿をつくる所、花序の頂部に房状に苞葉がつき、苞葉には紫色の斑点が入る所、花は雄蕊の花糸が幅広のため王冠のようにも見える所、花には強い香りがある所、鱗茎が地面下にあり葉をロゼット状に展開する所、葉には紫色の斑点が密に入る所、葉はとても大きくて葉挿しから簡単に増やせる所などにあります。
ユーコミス・バンデルメルウェイの園芸品種
オクトパス
ユーコミス(オクトパス)は、その名前からも分かる通りタコを想像させるような楕円形の可愛らしい花と、細く長い紫色の葉が特徴の園芸品種です。そのため、ユニークな植物が好きな人におすすめの園芸品種です。
ユーコミス・ビカラー
ユーコミス・ビカラーの学名はEucomis bicolor、別名では「バリエガータ・パイナップルリリー(variegated pineapple lily)」や「パイナップルリリー(pineapple lily)」等とも呼ばれる多年草です。ユーコミス・ビカラーの原産地は南部アフリカにあり、自生地は湿潤な草原や小川の傍などにあります。
ユーコミス・ビカラーの特徴は、花の形が果物のパイナップルのように見える所、花茎には紫色の斑点が密に入る所、花茎が太くて大きな花が密につくためボリュームのよい花姿をつくる所、花序の頂部に房状に苞葉がつき、苞葉の縁部分には紫色の細覆輪が入る所、花は雄蕊の花糸が幅広のため王冠のようにも見える所、花には強い香りがある所、鱗茎が地面下にあり葉をロゼット状に展開する所、葉には紫色の斑点が入る(日当りが悪いと消える)所、葉はとても大きくて葉挿しから簡単に増やせる所などにあります。
その他の品種
ビッグボーイ
ユーコミス(ビッグボーイ)の特徴は、草丈が100~120cmに達することがあり高性なため、花壇の中で高さと立体感を出せる所、花穂(花序)の長さは50cmに達することもあり豪華な印象をあたえる所、花の色は緑色をしていて爽やかでフレッシュな印象をあたえる所にあります。また他の多くのユーコミス属の植物と同様に花の形がパイナップルのような見た目をしているためお庭の中に植えるとトロピカルな雰囲気をつくる事ができちゃいます。
ブラックキャット
ユーコミス(ブラックキャット)の特徴は、蕾の色が殆ど黒色をした濃い紫色をしていて、花の色が上品な赤紫色をしている所、葉の色が成熟するにつれて黒色から濃い緑色へと変化する所などにあります。そのため、重厚的で落ち着いた雰囲気があり、上品なエレガントガーデンや格式高い雰囲気のお庭などによく合う園芸品種です。
ピーチパイン
ユーコミス(ピーチパイン)の特徴は、花の色が桃色をしているため開花時には可愛らしい雰囲気をお庭の中につくる所、葉の出始めに黒紫色がのる所もなどにあります。そのため、可愛いをテーマにしたお庭や、愛をテーマにしたロマンチックなお庭などによく合う園芸品種です。
リトルパイン
ユーコミス(リトルパイン)の特徴は、リトルパインの名前からも分かる通り花の形が小さなパイナップルのような見た目をしている所、緑色・クリーム色・白色をしていて明るさや爽やかさを感じさせる所、草丈が15~20cm程度にしかならず非常に矮性なため花壇の縁どりで使ったり鉢植えで管理しやすい所、葉は細長くシャープで縁部分が波打つためカッコイイ見た目をしている所などにあります。