- 原産:
- 科:アヤメ(Iridaceae)
- 属:グラジオラス(Gladiolus)
- 別名:トウショウブ(唐菖蒲)/オランダショウブ(阿蘭陀菖蒲)/ソードリリィ(sword lily)/ソードリリー(sword lily)
- 品種群:ナナス系(Gladiolus Nanus Hybrids)
- 品種:カリーネ(Gladiolus ‘carine’)
- 開花時期:5月~8月
- 花の色:赤色●桃色●
- 葉の色:緑色●
- 香り:
- 分類:多年草
- 草丈:約40~60cm
- 貯蔵方法:乾燥貯蔵
- 植付け時期:春植え球根
- 誕生花:3月23日・6月16日・7月2日・7月8日・7月13日・8月6日・11月26日
- 花言葉(全体):たゆまぬ努力・ひたむきな愛・満足・勝利・密会・用心
- 花言葉(白花):密会
- 花言葉(赤花):堅固・用心深い
- 花言葉(桃花):たゆまぬ努力・ひたむきな愛・満足
- 花言葉(紫花):情熱的な恋
- 花言葉(黄花):愛の招待状
- 用途:背が高い花/切り花/球根植物
- 購入方法:グラジオラス(カリーネ)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
グラジオラス(カリーネ)とは!?
グラジオラス(カリーネ)の特徴は、花の形が漏斗形をしている所、花の色がほんのりとクリーム色または薄い桃色に染まる白色の中に、黄色と赤色の班が入る所にあります。そのため、優しい雰囲気のあるロマンチックなお庭や、お菓子を想像させるようなスイーツガーデンなどにピッタリな品種になります。
花穂の中で花は同時に数個程度開きます。花の形は漏斗形で花被片は外側に反る傾向があり、花の色はほんのりクリーム色か桃色に染まる白色で、下部の花被片に黄色と赤色の班がはいります。
グラジオラス(ナナス系)とは!?
グラジオラス(ナナス系)は、休眠期が冬にあり、開花が早く植え付け時期にもよりますが春から夏に花が咲きます。植え付け時期は早春から春ですが、他のグラジオラスと比べて耐寒性がとても高いため植えっぱなしで育てられることも多いです。
花の特徴は、グランディフローラ系と比べると小振りです。花の形は皿状に平開する傾向があり、花被片の形は楕円形と幅が狭めで花被片同士はあまり重なりません。花の色は基本的に二色で下部の花被片にブロッチが入る傾向が強いです。
グラジオラスとは!?
グラジオラスの学名はGladiolus、別名では「トウショウブ(唐菖蒲)」や「オランダショウブ(阿蘭陀菖蒲)」等とも呼ばれる多年草です。グラジオラス属の中には約300種があり、原産地はアジア・地中海沿岸・アフリカにあります。ただし殆どの原種の原産地は南アフリカにあります。
観賞用として栽培されているグラジオラスは、基本的に種間交雑により作出されたハイブリッドの品種になります。グラジオラスは、18世紀初頭にインド貿易のルートを通じてアフリカからヨーロッパに輸出され、イギリスやオランダ等のヨーロッパで盛んに交配が行われるようになりました。グラジオラスの交雑種として初めて記載されているのは1832年にイギリスのJames Colvilleが作出したコルビリー(Gladiolus × colvillii)です。現在もコルビリー系の品種群は親しまれていますが、主流となるのは大輪高性のグランディフローラ系(Gladiolus × grandiflora)と小輪のピクシオーラ系(G. x pixiola)の品種群になります。
またグラジオラスは開花時期により夏咲き系と春咲き系の二種類に分類される事があります。グランディフローラ系やピクシオーラ系を含む多くのグラジオラスは夏咲き系ですが、幾つかの原種や品種は春咲き系のグラジオラスとして分類されます。春咲き系は栽培方法が変わることもあるため、育てる際は注意が必要です。
グラジオラスの語源(由来)
- 属名のGladiolusはラテン語で「小さな剣」を意味する「gladiolus」から来ており、葉の形が剣のような見た目をしている所に由来します。
グラジオラスの特徴(魅力)
- グラジオラスの特徴は、立ち姿が真っ直ぐとしていて洗練された雰囲気がある所、花穂の中で十個以上の花が密に重なりながら咲くためボリュームのよい花姿が楽しめる所、花は片側を向いて咲く傾向があるためユニークな見た目をしてる所、葉は剣のようにシャープな見た目をしていて上向きにつくため洗練された印象を与える所等にあります。
- グラジオラスは草姿が真っ直ぐとしていて高さがあるため、花壇などに植えると立体感や垂直のラインを強調することができます。また花を収穫して花瓶に生ければ切り花にもなります。
- 草姿は直立、茎や葉は基本的に真っ直ぐ立ち上がり、高さ30~180cmまで成長します。そのため、お庭の中で高さと立体感を演出する事が出来たり、また洗練された見た目をしているためエレガントなお庭によく合います。
- 球茎が地面下にあり、球茎の形は扁球形です。基本的に球茎は一年で生命力を失って萎み、古い球茎の上に新しい球茎が生成されて、新しい球茎の周りに小さな木子をつくります。
- 木子は増殖に使うことが出来ますが、開花するまでには最低でも二年が必要です。
- 葉の形は剣形、葉は直立または扇状に広がるため、洗練された印象を与えたり、優雅な印象を与えたりすることができます。
- 開花期間は夏咲き系( 6月~9月)と春咲き系(3月~5月)があり、現在主流となるハイブリッドの品種群は基本的に夏咲き系です。
- 花序は穂状花序、穂状花序は数個から数十個の花が片側に寄るように咲く傾向があります。
- 夏咲き系のハイブリッド品種は、花序の中で花が密に重なりながら十個以上が同時に咲き、また花も大輪で6cm以下から14cm以上の品種もあるため、非常に豪華な花姿が楽しめます。
- 春咲き系は花序の中で花がやや疎らに空間をあけながら数個程度が同時に咲き、茎は細いため繊細で可憐な花姿が楽しめます。
- グラジオラスは休眠期が異なることがあるため、栽培する際は注意が必要です。
- 夏咲き系は春から秋が生育期間になり、冬は基本的に休眠します。栽培方法については育て方からご覧下さい。
- 春咲き系は一般的に秋から春が生育期間になり、夏になると休眠します。ただし、冬の間も休眠しており、早春から春に植え付け後、直ぐに開花するものを春咲き系とする場合もあります。栽培方法については品種ごとの育て方から確かめた方が良いでしょう。
グラジオラスの草丈は約30~180cm、球茎の形は茎が肥大化して扁球形をしており、外側の薄皮は褐色または薄い褐色、茎は基本的に分枝をせず直立する。
葉序は根生または茎葉、葉は約1~9枚つき、葉の付け根は葉鞘がある、葉身の形は剣形または線形、 葉脈は平行脈で縦方向に溝が入る、葉の色は緑色です。
花序は穂状花序、穂状花序は長く伸びる花序軸に花柄のない花を多数付けており、花は片側を向いて咲く傾向がある。花の形は漏斗状または皿状に平開する、花は花被片の数が6枚(内側3枚・外側3枚)・雄蕊の数が3本・雌蕊(子房3・花柱1・柱頭3)です。花被片の形は三角形または楕円形、花被片の色は赤・桃・橙・黄・紫・緑・白・黒です。果実は蒴果、成熟すると果皮が3裂して種子を放出します。
グラジオラスの切り花の楽しみ方
- 収穫タイミング
- 花が一個から二個開いていて数個の蕾が色使いているものを収穫します。※株に葉を残しておくと光合成を行い球根にエネルギーを蓄えるため翌年の開花に好影響を与えます。
- 朝の涼しい時間帯もしくは夕方に収穫すると花に十分な水分が含まれており水揚げしやすいです。
- 水揚げ
- 葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて茎から全て取り外しましょう。
- 水揚げの方法は水切りを行います。
- 花瓶に生ける
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果により蕾が開きやすくなり日持ちが長くなります。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約3~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
グラジオラスの園芸分類
主に栽培されている品種群
グランディフローラ系(Gladiolus × grandiflora)
グランディフローラ系の特徴は、休眠が冬、植え付け時期は春、開花は夏咲きで遅咲きな所、花の大きさは大輪、花の形は漏斗形で花被片の形は三角形をしていて、花被片同士が重なる所、花色がとても豊富にある所、花序の中に多数の花がつき同時に10個以上の花が咲く所、草丈は高性です。
ピクシオーラ系(G. x pixiola)
ピクシオーラ系の特徴は、休眠が冬、植え付け時期は春、開花は夏咲きで早咲きな所、花の大きさは小輪、花の形は漏斗形で花被片の形は三角形または楕円形、花被片同士が重なる所、花色がとても豊富にある所、花序の中に多数の花がつき同時に10個以上の花が咲く所、草丈は低めです。
ナナス系(Gladiolus Nanus Hybrids)
ナナス系またはナヌス系の特徴は、休眠が秋から冬、植え付け時期が早春から春または植えっぱなしにして、開花が早く春から夏に花が咲く所、花の大きさはグランディフローラ系と比べると小振りな所、花の形は皿状に平開する傾向がある所、花被片の形は楕円形と幅が狭めで花被片同士はあまり重ならない所、花色は基本的に二色で下部の花被片にブロッチが入る所、多くのグラジオラスと比べて耐寒性がとても高く植えっぱなしで育てられる所等にあります。
チューベルゲニー系(gladiolus × Tubergenii)
チューベルゲニー系の特徴は、休眠が冬、植え付け時期が早春から春で開花が早く春から夏に花が咲く所、花の大きさは多くのグラジオラスと比べると小振りで可愛らしい所、花の形が漏斗状で花被片が反り返る傾向がある所等にあります。有名な品種には桃花が可愛らしいチャーミングビューティなどがあります。
コルビリー系(gladiolus × Colvillei)
コルビリー系は、イギリスのJames ColvilleがG. tristisとG.cardinalisを種間交雑して作出した品種群です。この品種は1832年に初めて記載されており、恐らくグラジオラスの初めての交雑種と見られています。
特徴は、植え付け時期が早春から春で開花が早く春から夏に花が咲く所、花の大きさは小振りで可愛らしい所、花の形が漏斗状で花被片が反り返る傾向がある所、花被片は楕円形であまり重ならない所等にあります。古くからある品種群ですが、現在も沢山の園芸品種が親しまれています。
花径による分類
名称 | サイズ |
---|---|
ミニチュア(MINIATURE) | 6.4cm以下 |
スモール(SMALL) | 6.4cm~8.9cm |
中程度(DECORATIVE) | 8.9cm~11.4cm |
大きい(STANDARD OR LARGE) | 11.4cm~14cm |
巨大(GIANT) | 14cm以上 |
グラジオラスの主な原種を紹介
春植え球根系
オポシティフロールス
グラジオラス・オポシティフロールスの学名はGladiolus oppositiflorus、別名では「トランスカイ・グラジオラス(Transkei gladiolus)」や「サーモン・グラジオラス(salmon gladiolus)」とも呼ばれる南アフリカが原産の多年草です。
グラジオラス・オポシティフロールスの特徴は、夏咲き系で六月から九月頃に花が咲く所、花穂の中の花は交互に反対を向くように咲く傾向があり、片側を向く一般的なグラジオラスと違う所、花の形は漏斗形で細い筒のような見た目をしている所、花の色がサーモンピンク色をしているため柔らかな印象を感じさせる所等にあります。
アシダンセラ
アシダンセラの学名はGladiolus murielae、別名では「グラジオラス・ムリエラ」や「フレグラント・グラジオラス(fragrant gladiolus)」とも呼ばれるエチオピア・タンザニア・マラウイ・モザンビークが原産の多年草です。
アシダンセラ(Gladiolus murielae)は、現在はグラジオラス(Gladiolus)属に移動していますが、以前はアシダンセラ(Acidanthera)属にあったため、現在も一般名としてアシダンセラと呼ばれています。
アシダンセラの特徴は、開花が7月から10月頃と少し遅めな所、立ち姿が真っ直ぐとしていて洗練された雰囲気がある所、花穂の中に3から5個の花を咲かせる所、花は途中で湾曲するため俯くように可憐に咲く所、花は平開する傾向があり花被片は細くシャープなためスタイリッシュなお庭によく合う所、花の色が白色と紫色の二色のため上品さやエレガントさを感じさせる所、花には甘い香りがある所等にあります。
秋植え球根系
トリスティス
グラジオラス・トリスティスの学名はGladiolus tristis、別名では「エバーフラワーリング・グラジオラス(ever-flowering gladiolus)」や「マーシュ・アフリカーナ(marsh Afrikaner)」とも呼ばれる多年草です。原産地は南部アフリカにあり、斜面や湿地、川沿いなど様々な場所に自生しています。
グラジオラス・トリスティスの特徴は、春咲き系で三月から五月に花が咲く所、花穂の中に二から八個の花を咲かせる所、花の色がクリーム色をしていて、しばしば赤みを帯びる所、花にはグローブに似た香りがある所、茎は花と比べて細く華奢なため繊細な雰囲気を感じさせるところ等にあります。
カルディナリス
グラジオラス・カルディナリスの学名はGladiolus cardinalis、別名では「ウォーターフォールグラジオラス(Waterfall Gladiolus)」や「ニューイヤーリリー(New Year lily)」とも呼ばれる多年草です。原産地は南アフリカにあり、滝の傍の濡れた崖地等に自生しています。
グラジオラス・カルディナリスの特徴は、滝の傍の崖地等に自生していて常に濡れた場所を好む所、開花時期が12月~1月にある所、花穂の中には最大12個の花を咲かせる所、花の色が鮮やかな赤色と白色をしているため華やかなコントラストが楽しめる所、茎は花と比べて細く華奢なため湾曲する傾向があり繊細な雰囲気を感じさせるところ等にあります。
イタリクス
グラジオラス・イタリクスの学名はGladiolus italicus、別名では「イタリアン・グラジオラス(Italian gladiolus)」や「フィールド・グラジオラス(field gladiolus)」とも呼ばれるヨーロッパおよびアジア、北アフリカが原産の多年草です。
グラジオラス・イタリクスの特徴は、春咲き系で三月から五月に花が咲く所、花穂の中に6から16個の花を咲かせる所、花の花被片がとても細いためシャープな見た目をしている所、花の色がピンクに白色の班が入る所、茎と葉は細く華奢なため繊細で可憐な雰囲気を感じさせる所等にあります。
カリオフィラセウス
グラジオラス・カリオフィラセウスの学名はGladiolus caryophyllaceus、別名では「ブルーアフリカーナー(blue Afrikaner)」とも呼ばれる南アフリカが原産の多年草です。
グラジオラス・カリオフィラセウスの特徴は、春咲き系で三月から五月に花が咲く所、花穂の中に2から10個の花を咲かせる所、花の形は漏斗状で花の色が鮮やかなピンク色をしている所、花にはグローブを想像させるような甘い香りがある所、葉の縁部分に赤色の細覆輪が入る所等にあります。とも呼ばれる南アフリカが原産の多年草です。
カルミネウス
グラジオラス・カルミネウスの学名はGladiolus carmineus、別名では「クリフ・グラジオラス(cliff gladiolus)」や「ヘルマナス・グラジオラス(Hermanus gladiolus)」とも呼ばれる多年草です。原産地は南アフリカにあり、海岸沿いの崖地などに自生しています。
グラジオラス・カルミネウスの特徴は、秋植え(夏植え)かつ秋咲き系で成長が早く直ぐに花が咲く所、花穂の中に2から6個の花を咲かせる所、花の漏斗形で鮮やかな赤色(赤ピンク)の花を咲かせるため華やかな印象を感じさせる所、茎は細く華奢でくねくねと曲がる傾向がある所、草丈が30~50cm程度と矮性な所等にあります。
グラジオラスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
グラジオラス(カリーネ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
グラジオラス(カリーネ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
グラジオラスは、水捌けがよい土壌であれば土質は殆ど選びません。基本的には通気性・排水性・保水性のバランスが良く、適度に肥沃な土壌で育てると良いでしょう。
注意することは水捌けの悪い場所で育てたり、粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になったり、枯れたりすることがあります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性を良くしたり、通気性と保水性のバランスを改善したり、腐葉土等の有機物を入れて適度に肥沃な土壌にした方が良いでしょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け方法
- 植え付け時期
- 植え付け時期は3月~4月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは球根の大きさに合わせて、球根の約3倍の深さ、または地面から約10cmです。
- 植付け間隔
- 植付け間隔は15~20cm程度離します。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして穴の中に球根をおきます。その後、土を被せましょう。
鉢土づくり
日当り
グラジオラス(カリーネ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
グラジオラスの培養土は、一般的な草花の培養土を選ぶと良いでしょう。
自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土を作ると良いでしょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス+腐葉土=5:2:3
植付け方法
- 植え付け時期
- 植え付け時期は3月~4月頃です。
- 植え穴の深さ
- 植え穴の深さは球根の大きさに合わせて、球根の約2~3倍の深さ、または地面から約6~10cmです。
- 植え方
- 球根の成長点を上向きにして穴の中に球根をおきます。その後、土を被せましょう。
水やりの仕方
グラジオラス(カリーネ)は、春から秋にかけてが生育期間になり、(秋~)冬の間が休眠期になります。
生育期間と休眠期で水やりの方法が違うため注意してください。
生育期間の水やり
グラジオラスは基本的に乾燥に強いため、地植えであれば殆ど水やりは不要です。ただし生育が活発な期間、乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時には、水やりが必要になってきます。
また鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなります。そのため、より定期的な水やりが必要になります。
水やり方法
生育期間中は、土の表面から約2cm~5cmが乾いてきたら、水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
休眠期の水やり
休眠期は水やりを控えます。地上部が枯れて休眠に入ったら、成長が始まる季節まで水やりを止めましょう。
寒さが厳しい地域などでは掘りあげて乾燥貯蔵します。詳しくは冬越しする方法からご覧下さい。
肥料の与え方
グラジオラス(カリーネ)は、土壌の中にある程度の肥沃さがあれば肥料を与えなくても育てることが出来ます。そのため、植え付け時に堆肥を入れておけば問題なく育てることが可能です。
ただし、球根にエネルギーを蓄えさせて大きくしたい場合は、春に追肥をした方がよいでしょう。球根にエネルギーが溜まることで、翌年の開花によい影響を与えることが出来るため、必要に応じて追肥を与えてください。
堆肥の与え方
- 堆肥を与える時期
- 春の植え付け時に土壌改良を行い堆肥をいれます。
- 堆肥の入れ方
- 地植えの場合は土壌改良を行い堆肥(腐葉土や牛糞堆肥等)をいれて混和するか、株の上に堆肥を盛るか、周囲に穴を掘り堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、牛糞や腐葉土のしっかり入る新しい培養土を使うか、古い土を再利用する場合は、古い土の中に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用しましょう。
追肥の与え方
- 追肥を与える時期
- 春から秋にかけて定期的に肥料を与えましょう。
- 追肥の選び方
- 基本的には球根用の肥料がおすすめです。また一般的な化成肥料または液肥を利用することも出来ます。
- 肥料の成分はカリが多めに入る製品か、窒素・リン・カリの三要素がバランス良く入る製品を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 液体肥料を与える場合は、規定された分量で希釈して、約10~14日の頻度で、水やりと一緒に液肥も与えましょう。
- 化成肥料(固形肥料)を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
グラジオラス(カリーネ)の剪定は、花がら摘みを行います。
花がら摘みをする事で、見た目が良くなるとともに、種作りに使われる栄養が球根に回るため、球根が大きくなり翌年の開花によい影響を与えます。
花がら摘みのやり方
開花が終わったら花穂の直ぐしたでカットしましょう。葉は光合成を行い球根にエネルギーを貯めるために必要なため、枯れるまでは必ず残しておきます。
冬越しする方法
Hardiness:5~9
グラジオラス(カリーネ)は海外ではHardy Gladiolusとも呼ばれており、耐寒性の高いグラジオラスです。
そのため、植えっぱなしで育てられる事もおおいです。ただし、極端に寒い地域であれば、冬越し対策を行ったり、掘りあげて乾燥貯蔵を行った方が良いでしょう。また球根を整理したい場合も掘りあげます。
冬越し対策
- 地植えしている場合
- 霜が降りる前に、株(球根)の上に落ち葉や腐葉土を盛り凍結対策をおこないます。
- 球根を掘りあげて温度が氷点下を下回らない場所で貯蔵する事も可能です。※詳しくは下記をご覧下さい。
- 鉢植えで管理している場合
- 鉢植えを霜の当たらない軒下に移動して、水を切り乾燥させて春まで管理する。
- 球根を掘りあげて温度が氷点下を下回らない場所で貯蔵する事も可能です。※詳しくは下記をご覧下さい。
球根の貯蔵のやり方
- 掘りあげ時期
- 球根の掘りあげは茎や葉が黄色くなり、枯れてきたら行います。基本的には秋頃から晩秋頃に行うとよいでしょう。
- 球根を綺麗にする
- 球根を傷つけないように土を落とします。
- 木子・新球・古球を剥がして小分けにして必要なものを残しておきましょう。
- 乾燥
- 球根が湿った状態では雑菌が繁殖して腐敗するため、貯蔵する前に、外側を乾燥させ、傷ついている部分にはカルスを形成させましょう。
- 直射日光を避けた日陰の風通しのよい場所に仮置きして、数日から一週間程度、乾燥させます。
- 球根から茎葉や根を外します。茎葉や根は残したままにしておくと、そこから腐敗して球根が病気になる可能性があります。
- 球根を保管する
- 通気性の良い棒ネットまたは紙袋の中に乾燥した球根を入れて春の植え付け時期まで保管します。
- 管理する場所は氷点下を下回らない場所で管理します。
挿し木や株分けで増やす
グラジオラスは分球によって増やす事ができます。
分球方法
- 掘りあげ時期
- 球根の掘りあげは休眠期におこないます。茎や葉が黄色くなり、枯れてきたら行うと良いでしょう。
- 分球する
- 親球の周りに、子球(木子)があるため、これを剥がして分割します。
- 球根を綺麗にする
- 球根を傷つけないように土を落とします。方法は、手やブラシ、流水などを使いましょう。
- 一度目の乾燥
- 球根が湿った状態では雑菌が繁殖して腐敗するため、貯蔵する前に、外側を乾燥させ、傷ついている部分にはカルスを形成させましょう。
- 直射日光を避けた日陰の風通しのよい場所に仮置きして、数日から一週間程度、乾燥させます。
- 球根を春まで保管する
- 通気性の良い棒ネットまたは紙袋の中に乾燥した球根を入れて春の植え付け時期まで保管します。
- 管理する場所は氷点下を下回らない場所で管理します。