- 原産:メキシコ
- 科:ベンケイソウ(Crassulaceae)
- 属:セダム/マンネングサ(Sedum)
- 種:アドルフィー(Sedum adolphi)
- 和名:セダム・銘月(メイゲツ)
- 別名:セダム・アドルフィー/コッパートーン・ストーンクロップ(coppertone stonecrop)/ゴールデンセダム(golden Sedum)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:白色
- 葉の色:緑色・黄緑色・黄色・橙色・赤色・赤褐色
- 分類:多年草
- 生育型:春秋型
- 草丈:約10~20cm
- 誕生花:12月11日
- 花言葉:静寂・星の輝き・私を思って下さい・枯れる事のない愛
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/枝垂れる植物/多肉植物/ロックガーデン
- 購入方法:セダム・銘月(メイゲツ)を楽天で購入
■セダム・銘月(メイゲツ)とは!?
セダム・銘月(メイゲツ)の学名はSedum adolphi 、別名では「セダム・アドルフィー」「ゴールデンセダム(golden Sedum)」「コッパートーン・ストーンクロップ(coppertone stonecrop)」等とも呼ばれる多年草です。
セダム・銘月(メイゲツ)の原産地はメキシコ、自生地は岩場や崖地にあります。
■セダム・銘月(メイゲツ)の語源(由来)
- 属名のSedumは、ラテン語で「座る」を意味する「sedo」から来ており、セダムの多くが岩の上で座るように生息する所に由来しています。
■セダム・銘月(メイゲツ)の特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- セダム・銘月(メイゲツ)の特徴は、草姿が匍匐性で茎は直立したり匍匐したりする所、葉は多肉質で表面が平面で裏面が三角形から半円形をしているため全体的に船のような見た目をしている所、葉は多肉質で貯水組織があるため乾燥に強い所、葉の色は全体的にくすんだ黄土色のような色合いをした黄緑色をしており、縁部分に赤色から赤褐色の2次色が入りやすい所、春から夏頃になると黄色の明るく元気な花が咲く所などにあります。
- セダム・銘月(メイゲツ)は、上品な白花を楽しむ目的、ぷにぷにとした可愛らしい葉を楽しむ目的、多彩な色の葉をカラーリーフとして楽しむ目的、乾燥に強いためロックガーデンやドライガーデンなどで利用する目的などで栽培されている植物です。
- 外観の特徴
- 草姿は匍匐性、草丈は約10~20cm、茎の性質は匍匐茎・斜上茎・直立茎、茎の色は緑色・淡い褐色・灰褐色がある。
- 葉序は互生葉序、葉身の形は楕円形・披針形、葉の質感は多肉質、葉の断面は半円形・三角形、葉の色は緑色・黄緑色・黄色・橙色・赤色・赤褐色、葉の縁部分が赤色または赤褐色になる傾向がある。
- 花序は集散花序、花は花弁の数が5個、花弁の形は楕円形、花弁の色は白色、雄蕊の数は10個、雄蕊の葯の色は白色、雌蕊は5個の心皮が合着する複合雌蕊、雌蕊の色は白色です。
- 主な用途
- 乾燥に非常に強いことから、岩や砂の多いロックガーデンや、サボテンや多肉等の乾燥に強い植物を集めたドライガーデンなどで育てられることが多い植物です。
- 乾燥に強くて管理がとても楽な所から、鉢植えの中に入れて身近な場所で楽しまれたり、また寄せ植えにして楽しまれたりしています。
- 茎葉がとても小さく、成長が比較的に緩やかで、水分や肥料の管理がとても楽な事から、ジオラマ(ミニチュアの風景)を作るのに利用されたりもしています。
- 栽培時の注意点
- 栽培する際は「過湿」に注意する必要があります。
- 過湿とは、何時までも土壌がジメジメしているような状態です。基本的に他の多肉植物と同様に、乾燥に強いですが、水分が過剰な状態を苦手にしています。そのため、水のやりすぎないこと、長雨に当てないことが大切になるでしょう。
■セダム・銘月(メイゲツ)の園芸品種を紹介
黄麗(オウレイ)
学名:Sedum adolphi ‘golden glow’
草姿:匍匐性
花の色:白色
葉の形:楕円形・披針形
葉の色:黄緑色~黄色・赤橙色(環境ストレス)
草丈:約10~20cm
備考:葉の色にくすみがなく鮮やかな黄緑色または黄色をしており、強い日光などの環境ストレスにより縁部分に赤橙色の2次色が入ります。そのため、セダム・銘月と比べて明るくポップな印象を感じさせやすいです。
■セダム(マンネングサ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■セダム・銘月(メイゲツ)の育て方
花壇の土づくり
環境
セダム・銘月(メイゲツ)は、自生地が岩場などにあり、砂質の乾燥気味の環境に生息しています。
そのため、お庭の中では岩や砂を組み合わせて作られたロックガーデン、サボテンや多肉等の乾燥に強い植物を集めたドライガーデンなどでよく育てられます。
日当り
セダム・銘月(メイゲツ)は光のよく当たる場所で最もよく成長します。そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。
ただし、夏の暑さが厳しい地域では、環境ストレスで株が弱ることもあるため、半日影で育てた方が良い場合もあります。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
基本的に岩や砂の多い場所を好み、乾燥気味の土地で育つ植物です。そのため、土質は砂壌土になるようにします。
注意することは、土壌の保水性が高く水やり後に長くジメジメしていたり、有機物が多く入りすぎてて肥沃過ぎていたりする事です。季節によっては株の成長が一時的に促進される事がありますが、株が軟弱になり病害虫の被害が増えたり、夏場に蒸れて腐敗したり、根腐れを引き起こして枯れたり、問題を引き起こす事が増えるため、通気性・排水性の悪い土壌や肥沃過ぎる土壌は避けた方がよいでしょう。
植え付けの前に土壌診断を行い、土質が悪い場合は、改良用土(日向土・軽石・川砂・パーライト)を使って通気性・排水性を改善しましょう。また腐葉土等の有機物も、少量入れると株の成長を促進させる働きがあります。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
セダム・銘月(メイゲツ)は光のよく当たる場所で最もよく成長します。そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。ただし、夏の暑さが厳しい地域では、環境ストレスで株が弱ることもあるため、半日影で育てた方が良い場合もあります。
基本的に直射日光に当てて育てる必要があるため屋外で育てる植物です。屋内で育てたい場合は、光の十分に当たる場所、または植物育成ライトを利用して育てましょう。
照度のレベル
- 弱い照度:500~2500lux
- 中程度の照度:2500~10000lux
- 高程度の照度:10000~20000lux
- 強い直射日光:20000~100000lux
※照度(lux)を調べる方法は、携帯のアプリや照度計などがあります。携帯のアプリでも手軽に調べられますが、詳しく調べたい方は楽天に売ってある照度計を利用すると良いでしょう。
※照度が少ない場所で育てたい場合は楽天に売ってある植物育成ライトを利用してみるとよいかもしれません。植物育成ライト以外の人工的な照明の光には光合成に必要な波長が僅かにしか含まれない事があるため、十分の照度あると思っても植物がしっかり育たない事もあるため注意が必要です。
培養土
培養土はホームセンターなどにも売っている通気性・排水性の高めの多肉の培養土などを購入して利用すると良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 多肉植物のため基本的には通気性・ 排水性が優れている培養土をつくります。
- 用土は粒子が大きい(粗い)と根の定着が悪くなり、生育にも悪影響を与えるため粒子は小さめのものを選んだ方が良いでしょう。
- 堆肥の入れ過ぎは夏場に蒸れる原因となるため、一般的な植物よりも少なめにする。ただし堆肥をある程度入れた方が生育がよいため、少量は入れた方が良いでしょう。
- 水やりの頻度を考えて、保水性のよい用土を増やしたり、通気性・排水性の良い用土を増やし配合する。
培養土の配合例
- 川砂+赤玉土(小粒)+腐葉土+くん炭=3:4:2:1
- 日向土(細粒・小粒)+赤玉土(小粒)+ピートモス(調整済)+竹炭=4:3:2:1
- 赤玉土(小粒)+桐生砂(細粒・小粒)+パーライト+腐葉土+木炭=3:2:2:2:1
培養土は基本用土を単体で使うか、または基本用土をベースにしながら改良用土を組み合わせて作ります。
植物の育ってきた環境、水やりの頻度、用土の費用などを考えて培養土を作ると良いでしょう。
基本用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた用土です。
- 赤玉土の特徴は、通気性・排水性・保水性のバランスが抜群によく、鹿沼土と比べるとより保水性・保肥力にすぐれている所にあります。ただし、赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすく、微塵が出ることで通気性・排水性が悪化しやすい傾向にあります。そのため長く使い続けるのには向きません。
- 赤玉土は通気性・排水性・保水性に優れている事から、万能な園芸用土として多くの植物に利用されています。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。そのため、多肉植物・サボテン・山野草などに使われることが多い用土になります。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 鹿沼土の特徴は、軽石と同様に通気性や排水性に優れている所、軽石と比べると保水性に優れている所、赤玉土と比較すると鹿沼土の方が形状が崩れにくい所、酸性度が強めな所などにあります。※ただし赤玉土よりも強度は強めですが、軽石と比べると脆いです。
- 鹿沼土はどの植物にも利用出来ますが、酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよいでしょう。どうしても使う場合はアルカリ性の改良用土を配合します。一般的に酸性度が強めな事から、酸性土壌を好むツツジやサツキ等の植物によく利用されています。
- 硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 特徴:粒子が大きく通気性・排水性が優れており、保水性と保肥力が殆どない。比重が約2.5~2.6と大きく安定感があるため植物をしっかりと支える事が出来る。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・盆栽等の育成でよく利用されます。
改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- べラボンの特徴は、非常に軽く空気を多く含んでいる所、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため用土などに混ぜ込むと通気性が改善して根張りがよくなる所、保水性もあるため水もちがよくなる所等にあります。
- べラボンは樹木に着生する植物などによく利用されますが、土の変わりとして普通の植物にも利用されます。比重が小さく軽量のため、ハンギングバスケットの基本用土として使われる事もあります。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PHが8~10と高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
植え替え
植物を育てていると、培養土が劣化したり、根詰まりを引き起こす事があります。そのため、成長の早さにも左右されますが数年に一度の頻度で植え替えをしてあげると良いでしょう。
根詰まりのサイン
- 成長が悪くなる
- 鉢穴から根が出てきている
- 培養土の乾燥が早い
植え替え方法
- 植え替えに適した時期
- 植え替えの適期は、株の素早い回復が見込める早春が適しています。
- 植え替え手順
- 植え替えの前日にはしっかり水やりをしておきます。
- 根の回り具合に合わせて、そのままの鉢を使用するか、一回り大きな鉢を使います。
- 古い鉢から株を取り出して、根を優しく解すように、風雨で劣化したり、根の侵食で劣化した古い土を軽く落とします。
- 長い根や腐った根がある場合は、必要に応じて軽く剪定して切り詰めます。
- 鉢の中に新しい培養土と株を入れて植え直します。
水やりの仕方
セダム・銘月(メイゲツ)は、生育型が春秋型になります。春秋型は春秋に活発に成長して、夏場は生育が鈍り、冬場は休眠する多肉植物です。そのため、生育期間に合わせた水やり方法が必要になります。
セダム・銘月(メイゲツ)は自生地が岩場などにあり、また葉に水分を蓄えているため、乾燥に非常に強い植物です。そのため、一度根づいてしまえば、水やりがほとんど必要なくなります。しかし水やりの効果で株が大きくなる事もあるため、生育期間中は必要に応じて水やりをしてあげるのもよいでしょう。
注意することは、生育期間以外に頻繁に水遣りをしたり、長期間に渡り過湿状態にしてしまう事です。これらは、病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりする季節や頻度には注意が必要となります。
水やりの与え方
- 春と秋:土の表土が乾いたタイミングで水を与えます。乾燥に強い植物ですが、成長期に水を与える事で、株がしっかりと成長します。
- 夏:春と秋と同様に水を与える事が出来ます。ただし株の生育が鈍り半休眠するようであれば、水やりを控えて乾燥気味に管理しましょう。株の生育が鈍っている時に不必要に水を与えると根腐れを起こしやすいです。
- 冬:株は休眠するため、乾燥気味に管理する。水やりの頻度は月に1~2回程度で、土を軽く湿らせる程度に与えます。
水やりのタイミング
- 表土の乾いたタイミング
- 土の表土(表面)の色が、濡れているなら黒っぽく、乾いたら白っぽくなるため、目視で乾いたのを確認する。
- 目視で確認が難しい場合は、表土を触って乾燥を確認する。
- 鉢内または表層が乾いたタイミング
- 透明な鉢植えで育てると土の色の変化が分かるため、目視で確認する。
- 鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、持ち上げてみて土の乾きを判断する。
- 割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串を色と湿り気を見て確認する。
- サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
※水やりのタイミングに不安がある場合は、サスティーを利用することも出来ます。色の変化を覚えておくだけで簡単に水やりを行うことが可能です。
肥料の与え方
セダム・銘月(メイゲツ)は、自生地が岩場などにある事からも分かる通り、栄養の乏しい土壌でも問題なく育ち、肥料は基本的にいりません。
基本的に肥料は不要ですが、植物の健康な成長を促すために春に一度だけ肥料または堆肥を与える事もできます。ただし、肥料を与え過ぎると株が軟弱に育ち病害虫に弱くなる事もあるため与えすぎないようにしましょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 春に一度だけ上げることが出来ます。※肥料は上げなくても問題ありません。
- 肥料の選び方
- 肥料は多肉植物の専用肥料または成分がバランスよく入る緩効性肥料がおすすめです。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料を与える場合は、規定された分量を与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
セダム・銘月(メイゲツ)の剪定は、基本的に不要ですが、切り戻し剪定を行い見た目を綺麗に保つ事もできます。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定を行う理由
- 茎が分枝せずに間延びして徒長することがあります。そのため、切り戻し剪定を行い分枝を促して、茎の数を増やし株のボリュームとバランスを整えます。
- 古い茎は生産性が低く、成長が遅くなったり、葉の量が減ったりしやすいです。そのため、剪定して新しい芽や茎にエネルギーを送り若返りを促します。
- 茎葉が暴れて外観が悪くなる事があります。そのため、切り戻し剪定を行って株の大きさや形を制御します。
- 不要な茎や葉を残すと、日当たりや風通しが悪くなり病害虫の被害が出やすいです。そのため、茎葉の量を減らして日当りと風通しを改善します。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 生育期間中の春と秋に行うのが一般的です。
- 剪定方法
- 株を観察して、枯れてる茎・損傷してる茎・病気の茎を探して健康な部分まで切り戻し剪定する。
- 株全体を観察して、茎葉が込み合い日当たりや風通しが悪いと感じる部分は、茎の量を減らすように茎を剪定して取り除く。
- 株全体を観察して茎が徒長して外観を崩してると見られる部分は、株全体の形に合わせて剪定する。
夏越しする方法
セダム・銘月(メイゲツ)は、夏場は半休眠状態になります。基本的に夏の暑さなどには強いですが、他の多肉植物と同様に多湿を苦手にしており、特に極端な暑さと他質が複合する高温多湿を苦手にしています。
そのため、夏越し対策は夏の暑さと多湿対策をしっかりとおこないましょう。
夏越しで重要なポイント
- 午後から日陰になる場所
- 基本的には日向を好む植物ですが、夏場は午後から日陰になる半日影で育てた方が、環境ストレスがかからず株が弱りにくいでしょう。
- 長雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかり行い排水性を高めましょう。
- 土壌改良を行っても、周りから水が集まる場所だと意味がありません。苗をレイズベットやロックガーデン等の周りより高い場所に植えたり、傾斜地に植えると、水が下に流れやすくなり、排水性が高まります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:9~11
セダム・銘月(メイゲツ)は、軽い霜であれば耐えられる事があるため、暖地や平地であれば地植えでも冬越し出来る事があります。
ただし基本的に霜や凍結に弱かったり、低温で株が傷みやすいため、冬越し対策を行った方が良いでしょう。
- 鉢植え
- 鉢植えで育てている場合は、室温が15度以上ある日当りのよい室内に入れて管理しましょう。
- 暖地などの暖かい地域であればカバーを被せるなどの、霜対策を行うだけでも越冬出来る場合があります。※ただし10度以下の環境では低温ストレスで株は傷む傾向があります。
- 地植え
- 株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理します。
- 株の掘り起こしが難しい場合は、支柱を立ててビニールを張りトンネルを作ったり、カバーをかけてミニ温室を作って上げるのもひとつの対策になります。
挿し木や株分けで増やす
セダム・銘月(メイゲツ)は株分けによって増やす事ができます。
- 挿し木時期
- 切り戻した際の茎などを利用します。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。
- 挿し穂を整形する
- 挿し穂の長さを5~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。
- 乾燥
- 挿し穂の切り口から雑菌が入らないように、風通しのよい日陰で数日から数週間乾燥させます。
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土は無菌のものを利用して、切り口に雑菌がついて腐敗しないようにしましょう。一般的には赤玉土・日向土・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、事前に穴を空けておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。
- 管理
- 明るい日陰で管理して、植え付け後、数週間が経ったら、水やりを行います。
株分けの方法
- 株分けに適する時期
- 春・秋が最適です。
- 株を観察
- 株を観察して、茎から不定根が出て活着している部分を探します。
- 株を掘りあげる
- 茎から不定根が出て活着している部分の周りをスコップで掘り起こし、親株から茎を切り離します。
- 株分け後の管理
- 切り離した株は、そのまま土壌に植え付けます。
葉挿しの方法
- 葉を選ぶ
- 健康で病気のない葉を選びましょう。
- 葉を茎から切り離す
- 葉を付け根から、優しく取り外します。
- 乾燥
- 葉の傷口から雑菌が入らないように、風通しのよい日陰で数日程度乾燥させます。
- 培土を準備
- 多肉植物の培養土を準備するか、自分で培養土をつくりそれを利用しましょう。
- 葉を培養土に挿す
- 培養土の上に、葉をならべます。その際に、葉の向きは横向きでも縦向きでも良いですが、葉の切り口を少しだけ培養土の中に埋めます。
- 管理方法
- 明るい日陰で管理して、植え付け後、数週間が経ったら、水やりを行います。
播種で増やす
セダム・銘月(メイゲツ)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
セダム・銘月(メイゲツ)の病気
- アブラムシ
- カイガラムシ
- ハダニ
セダム・銘月(メイゲツ)の害虫